浴衣のうなじ、衿芯インでキレイ見せ☆の巻
星わにこ
2019/08/14 00:00
セミの声と強い日差し、殺人的暑さに来年この時期東京でオリンピックってマジですかと白目になっている今日この頃。皆様ちゃんと熱中症対策されてますか?
夏の休日は、エアコンの効いた室内で、ついついパソコンでネットサーフィンや妄想コーデをして現実逃避してしまったり。でもねーこれだけ暑いと、前向きに「お洒落して出かけよう!」という気持ちになかなかなれませんよね。
この暑さでよいところは、お休みの日お洗濯をすれば、すぐに乾いてしまうこと。普段着やシーツや肌がけ布団なんかもばんばん洗ってばんばん乾かす。浴衣や洗える着物も、パリッと乾くので気持ちいいですよね?。
>ネットにいれて洗濯機にポン!? 浴衣のお洗濯とお手入れ☆の巻
さて、浴衣を着た時、着物と同様衣紋が綺麗に抜けていると、うなじがすっきりキレイに見えますよね。アップヘアも映えます。
と同時に、衣紋がちゃんと抜けていると、涼しいんです!
抜きすぎはよくないのですが、詰まっているより、適度に抜けていたほうが断然涼しい。首筋に風が通るようにすると、体感温度が全然違います。
でも、浴衣の衿を抜こうとすると、よっぽど糊がガチガチに固まっていない限り、ちょっとふにゃっとしてしまいキレイに抜けませんよね。 そんなときは、浴衣の衿に、衿芯を入れてしまいます。入れる部分はかけ衿の内側(イラスト参照)。このかけ衿の端っこは縫ってあるので、それを片方解いて中に衿芯を入れます。
入れる衿芯は、できるだけぺらぺらで柔らかいもの、メッシュなどがオススメです。硬いものを入れてしまうと、衿が浮いてしまい胸元がはだけてしまったりするので、必ず柔らかいものを。
衿芯を入れてみたけどうまくいかないというときは、芯の硬さにも気を配ってみてください。
浴衣は半衿がない分、襟元のあわせが浅かったりゆるかったりするとだらしなく見えてしまったり、セクシーになりすぎたり、逆におばあちゃんみたいになっちゃったりするので、前はきちんと合わせましょう。
あともうひとつ、衣紋をうまく抜くには、着付けのコツもありますのでよかったら、ご参照ください。
>衣紋がキレイに抜ける着方☆3つのポイント、プラス1の巻
キレイに衣紋を抜いて、すっきり涼やかな着心地をぜひ体感してみてくださいませ!
夏こそ作り帯☆着付け時間短縮で暑さ軽減!の巻
星わにこ
2019/08/07 00:00
暑い!マジ暑い! 二進も三進もどうにも暑くて吹き出す汗、化粧もなにも崩れ落ち、この上着物なんてとんでもない!と思ってしまう今日このごろ。
しかし! 夏着物をさらりと着こなせたら素敵ですよね?。街で涼しげな夏着物の人を見かけると、涼しい風が吹いてくるようです。?? 本当は暑いのは知ってます。でも、やっぱり憧れですよねー。
ココイチのお出かけにはやっぱりスキッと夏着物を着こなして出かけたい。
薄物に袖を通すトキメキを感じたい!
だが、暑い!(笑)
素材が涼しいもの、小物も夏仕様にして、保冷剤を仕込んだり(笑)着てしまえば、意外と大丈夫なんです。だけど、着る時点で心が折れることが結構あります。
なので、全部準備を済ませてから、この時だけはエコ精神を忘れて、エアコンで冷やしすぎじゃないの!?というくらいキンキンに部屋の温度を下げて、できたら扇風機もまわして、なるべく短時間でさっと着る! これが鉄則かと思います!
だけど、それでも帯を結ぶ時、いいポイントが出なかったり形が気に入らなかったり、そこでやりなおしの刑になってしまうと、気づくと汗だくになっていたり。帯結びって結構力も頭も使います。半幅帯で結ばない帯結びもいいですが、やっぱりお太鼓でドレスアップして出かけたい時もありますよね。
そんな時、私の心の強い味方が「作り帯」です。帯結びタイムが確実に短縮できますし、気に入った形にならないとか、模様が出ないとか、そんな心配もありません。
お太鼓の作り帯にはいろいろな種類があります。
代表的なものは
・最初からお太鼓の形になっているもので胴に巻くだけのもの
・帯を切らずにマジックテープなどをつけて作り帯にしたもの
・胴とお太鼓が別々になっていて、お太鼓が形になっているもの
・胴部分とお太鼓部分が平らな状態で二部、もしくは手が別になっていて三部になって
いるもの
といったところでしょうか。
お太鼓が形になっているものは背負うだけ、巻くだけで早いのですが、形が最初から決まりすぎていたり、いかにも作り帯という感じだったり、あと、収納に結構場所をとるんですよね。
その点、平らな状態で二部、三部になっているものは、普通に帯を結ぶ時と同じ感覚で好みのお太鼓が作れますし、収納も平らな状態でできます。私はこちらがお気に入りです。
特に、この方式のものは手の処理が様々で、胴に巻く部分が少し長めになっていて折り返す方式や、お太鼓側に手だけが縫い付けてあったり、様々です。意外とこれが思ったところに持って行きにくかったり、私は手間どってしまうことが多いので、三部式になっているものが一番気に入っています(時々あっ!手の部分がない?なんて焦る
こともありますが(ちゃんと仕舞っておけ>自分)
もし、夏に着物を着るのがハードルが高いなあーと思っている方がいらしたら、作り帯、ぜひ試してみてください。最初から作り帯になっているものもありますし、自分の帯を切って作り帯にしてもいいし、切るのに抵抗があったら、切らずに作れる作り帯もありますよ。
浴衣も同様。帯でつまづいて着ないのならば、作り帯上等ではないですか。
夏こそ! 着物を楽しんでみませんか。
雨の日の着物。裾はウエストベルトで持ち上げて!の巻
星わにこ
2019/07/17 00:00
心から、お日様が恋しい日々が続いている梅雨の時期。涼しいのは有難いんですが、洗濯ものも困っちゃうし、じめじめすぎて頭からキノコが生えてきそうです。早く梅雨明けしませんかねー。
先日、雨の日にちょっとしたパーティがありまして、着物ででかけた私ですが、「今日は雨だから、着物やめちゃった」という人が何人もいて、ちょっと残念でした。
私の場合、着物以外にそういう場に着て行くものがないので着物を着る選択肢以外ないわけなのですが(爆)、着物が濡れたら困るな、雨コートはどうしよう、暑いかな、雨草履もないし‥‥となると、着物を着ること自体をやめてしまうという気持ちはよくわかります。
もう、多少の雨なら図太く外出してしまうようになった私の、基本雨対策はこんなかんじ。
>正絹着物でもできる雨の日対策
ほとんど変わってはいないのですが、アップデートとしては、着物をめくりあげるときに使う腰紐は、着付クリップで帯にとめちゃう方式もオススメ。大雨の日は撥水モンペを履いてしまう手もあります。
でも最近、ウエストベルトをつかって、ちょっとだけ上げる方式というのをキモトモに教えてもらいました。
着物をめくりあげる方式は、裾がよごれなくて安心なんですが、めくるとき、下ろすとき、人前ではちょっと恥ずかしいですよね(^^;)
ウエストベルトを、ヒップのあたりに着物の上からセットします。ウエストベルトの上から好きなだけ裾をひきあげればOK。その上に雨コートを着てしまえば、裾が短くなっているのも見えません。コートを羽織ってから前を合わせる前に、裾の調整をすると、トイレに行かなくてもささっと身支度できます。
裾を下ろすときも、ウエストベルトをとればそれでOK。コートの紐をほどいたら、脱いでしまう前に、さっと外せば元通りなので、とてもスマートですね。
ウエストベルトは、本来腰紐の代わりに使うもの。平らだし結び目もできないので、おはしょりが短めの着物の時など重宝します。実はゴムがあまり得意でないので買ったけど使ってなかったのですが、雨の日に使えるようになって嬉しいわにこです。梅雨時だけでなく1年中使えるテクニックですので、覚えておいてくださいませ(^^)
帯揚をし忘れて出かけたら!?の巻
星わにこ
2019/07/10 00:00
梅雨で気温が上がらないので、あまり夏着物を気張って着ているという感じは少なくてそれはそれでつまらなかったりしませんか(我がまま)。
さてこの頃ちょっと自分がヤバイんじゃないかと思う出来事が。信じられないことに先日「帯揚をしないで外出してしまった」という失敗をしてしまいました。
あわてて出かけて、電車に乗って、ふっと帯に目を落とすと、あれ?まくら紐が丸見え‥‥って、えっ、えっ!!
着物人生長いわけですが、帯揚のし忘れは初めてです(@@) こんなときのために、バッグの中に予備の帯揚があるわ!な~んてわけはあるわけなく‥‥。幸いストールを持っていたので、ストールで帯まわりを隠しつつ移動‥‥。そのまま打ち合わせを行い(えっ)、次に移動する時になんとかしようと画策。
なぜこんなことが起きたかというと、わたしは帯揚は、帯枕をしてからあとからかける派だから。帯枕にゴムなどでかけておくより、帯揚がねじれにくいので綺麗に結べるというのが理由です。でもこれ、結構忘れがちで、お太鼓を作ってしまってから、あ!忘れた!とあとから帯揚を差し込むことも時々あったりします(^^;)
でもまさか、それも忘れて外出するとは~~~!! 自分でもびっくり!
確かに、帯締めと違って、帯揚自体はしなくても帯結びができないということはないのですよね~。。。帯締めについては、樹木希林さんが海外の映画祭で着物を着るのに帯締めを忘れて、ホテルの電気ポットのコードを使ったという有名なエピソードがありますが、帯揚のし忘れは、聞いたことがない‥‥。
前から見たときは、帯揚がもぐっている場合もあるのであまり気にならない?かもしれませんが、帯枕が丸見え‥‥。でもまあ、手間も省けるし、帯枕の紐に色をつければいいんじゃない? そしたらもしかしたら流行るかも!?な~んてことはなく(汗)
本当はちょっとそこのデパートで帯揚を買えばいいわ!というのができればいいのですが、先日ちょお~っとお買い物をしてしまっておサイフはピンチ! どうしよう?と思って、前にスカーフを帯揚にしたことを思い出しました。
そうだ~ちょっとお安いスカーフがあればそれで急場はしのげる! 100円ショップで以前手に入れたサマースカーフは今でも重宝してるので、早速Googleさんに「近くの100円ショップ」と聞くと、500メートル先にあるではないですか。早速向かってみると、大手チェーン系ではなく独自色の強い店の前に造花がブワ~っと飾られているタイプの100円均一‥‥でも他にはかなり離れたところにしかない‥‥。
やはり、サマースカーフはなく、手拭でもどうしようもないし‥‥どうしようか‥‥と思ったところ、私の目に飛び込んで来たのは‥‥
ジャーン! レースのカフェカーテン(ドラえもん風に)
サイズをチェックすると120センチ×40センチ。標準的な帯揚のサイズは160センチ×30センチくらいですから、コレ、いけんじゃね? と早速ゲット。
早速移動して、つけてみました! カフェカーテンなので、真四角ではなく、端っこがレースの形にカッティングされているのでそこは中におりこみつつ、なんとか装着!
ぎりぎり結んで先をまっすぐおろせばなんとかなる長さ。もっと細身の人は楽勝でしょう。友達に見てもらったら、「えー! あ、なんとかなってるね(大笑)こういうレースの帯揚って、新鮮! おしゃれかもよ?(爆笑)」と滅茶苦茶うけてくれました(トホホ)。笑いながら写真をとってくれたので、証拠写真です(爆)。
要は帯揚サイズの布があればなんとかできる!ということですね。とはいえ。
この間の背縫い事件といい、今回といい、なんだか私、自分が不安です‥‥。これが老化っていうことなのかしら!? 認知症の始まりなのかしら‥‥? いえいえ、着物を着ることに慣れてきて、前の日からきちんと着物や帯をチェックして準備したりコーディネートを考えたりしていない時に限ってこういうことが起こる(ですよね、ですよね、そうだと言って!)。
一方、やった!コラムのネタになるな!と喜ぶ自分がいるのは内緒です‥‥。
そうこうしている間にもう7月半ば。今着る夏着物はもちろん、次の単衣~袷のシーズンに向けて、もう一度着物のコンディションチェックをすること。コーディネートは前日考えて準備!(当日変更可)ということで、朝、そこらへんのものをひっつかんで着物を着るのはやめよう‥‥と反省した次第です(爆)。
まあ、私が帯揚をしていようとしていまいと、誰も見てないとは思うのですが、これって自分の美意識の問題ですよね(反省)。私のような人はあまりいないかもしれませんが、もしお仲間がいらしたら、一緒にがんばりましょう‥‥orz
Kimonoってなんだろう?キム・カーダシアン商標登録騒動に思うの巻
星わにこ
2019/07/03 00:00
先週6月25日のことです。アメリカのタレントで実業家のキム・カーダシアンさんが自らの矯正下着ブランドの名前を、自分の名前にちなんで「KIMONO」と名付け、商標登録も申請しているというニュースが流れました。この動向について、一着物ファンが思ったことを書いておきますね。
私は最初、フェイスブックのタイムラインに流れて来た投稿でそれを知りましたが、キム・カーダシアンという女性がどんな人なのかも知りませんでした。でも、ニュースを読むと実業家でミュージシャンのカニエ・ウエストのパートナー、そしてインスタグラムで1億4000万以上のフォロワーを持つド級のインフルエンサーとのこと。なにその数字。
まあ、少なくともそれだけの人がその動向をフォローしている人が、「自分のブランドはKimono」というわけですから、日本の着物を知らない人は「KIMONO=下着のブランド」という認識をすることになるわけですね。そしてアメリカで商標登録されてしまうと、アメリカで「これはKIMONOです」と言って着物関連の発信や販売もできなくなってしまうということで、それは大変! と大騒ぎに。
今まで#kimono と検索ワードを入れれば、様々な日本の着物の写真が見られたインスタグラムでも、今後は下着の画像がずらりと並ぶ可能性もあるわけです。早速 #KimOhNo というハッシュタグが作られ、日本の着物はこういうものです、とそれぞれが思う、着物の写真がアップされはじめ、その数は7000以上に。署名運動などのRTも回ってきて、様々な人が様々な意見を述べていました。
またすでに会社名「Kimono Intimates」で商標を取得、ブランドで「kimono.com」というドメインも取得してサイトが立ちあがっており(7月1日現在アクセス不能になっています)、このままだとkimonoで検索すると、最初にブランドがヒットし、「あ、矯正肌着のブランドのことなのね」というサーチ結果になってしまうことにもなりかねない状況。
SNSでの批判があったものの、最初は15年間あたため準備してきたプロジェクトなので、名称変更する予定はないと言っていたキム側も、収まる気配のない炎上、反対の声や京都市長などの声明を受け(返信はないようですが)、7月1日に「名称変更します」と声明。詳細は後日発表、ただし、商標登録申請の取り下げには言及していないので、まだまだ動向からは目が離せませんが‥‥。
これが1週間以内に起こってしまう、SNS時代のスピード感ってすごい。しかも、個人の声が直接本人に届くことも、また集合体となったときの意見の大きさも無視できないものということが示されました。
ちょっと残念だったのは、「矯正肌着なんかに名称を使ってほしくない」「下着と一緒にするな」などという矯正肌着を貶めるような発言もちらほらみられたことでした。
最初に発表された、人種や肌の色にあわせて作られたボディラインをひきたたせる矯正肌着の写真を、わたしは美しいと思って見ました。それにKIMONOという名前をつけることの是非はおいておいて、です。
美意識は様々で、着物のようにボディラインを隠す衣裳を美しいと思う人、ボディラインを強調するドレスが美しいと思う人、様々だと思います。このあと、キム・カーダシアンさんがどんな名前を発表されるかわかりませんが、圧倒的な肉体美を持つ彼女に憧れる人たちが、ハッピーになれる矯正下着を作っていかれたらいいなあ~と思います。まあ、私には関係ないわけですが、こんな日本でボ~っと暮らしているだけのおばちゃんにも、キム・カーダシアンという名前が記憶に刻まれた点では、炎上商法大成功とも言えるのかもしれません。
言霊ってよく言いますけれども、今回のことで、「名称」の大切さを改めて感じるとともに、着物の良さを、今着物に携わっている人や着物が好きな人だけじゃなくて、日本は勿論、世界中のいろんな人に改めて知ってもらえるきっかけにもなったのではないかなと思っています。私も、改めて「自分は着物の何が好きで、何を美しいと思い、何を愛しているのだろう」と考えさせられました。それは、皆さんそれぞれの答えがあるのだと思います。
これからも「Kimono」と言ったら、日本の民族衣裳だなと、そしてその美しさを感じ、また実際に楽しんで着る人が増えてくれることを願います。
結ばない帯結び☆太めのアラフィフが試してみたら?の巻
星わにこ
2019/06/26 00:00
今、結ばない帯結びが流行っていますね。大阪の着付師ayaayaさんが考案、Youtubeやインスタグラムでらくちんかんたんと大人気です。その他にも和洋ミックススタイルのような帯ベルトもあります。
要するに、半幅帯を半分の長さに折って、ぐるぐると巻いた上に、帯締めやベルトで止めちゃうと言うもので、へえ~そりゃ楽だよね! 確かになにがなんでも結ばなきゃいけないってこともない。作り帯なんか、巻いただけなんだから、結び目がなくても機能としては成立するはず。
大体、みんな帯が結べな~い! って苦労してるわけだから、そこがないとなれば、すごく着付のハードルが下がりますよね。夏の浴衣でも見かけることが増えるのではないでしょうか!
と思いましたが、ちょっと待って。結ばないということは、後ろ姿はフラットな半幅だけ‥‥。ということはすっっっごくおしりが目立っちゃうってことですよね。
そう思って、改めて「いいですよ!」「素敵ですよ!」と実践している写真を見てみると、若い人、スリムな人、スタイルがいい人‥‥‥。
あー。。。こうね、ちょっとでもおしりをみせたくないなと、半幅帯でもタレが下がるタイプの結び方をチョイスしている太めのアラフィフおばちゃん(自分)には絶望的な結び方なんじゃないかな……ということに気がついてしまいました。このおしりが、どーんと、丸見え……いやー!ムリムリありえない!
私もね、ずっと自分は中肉中背だと言い張ってきました。だけど、産後どんどん太って、現在臨月の体重などとっくに越えて、人生最高体重を更新中です。もう立派な太めのおばちゃんです。えーなんかもう想像しただけで絶望的になってきました‥‥。
でもでもね、そんなおばちゃんだって楽はしたいわけじゃないですか。夢をみたっていいじゃないですか(オーバー)というわけでどんなもんだか実験してみました(強心臓)。
お茶のお稽古で着装してみましたので、雑巾掛けはするわ立つわ座るわで、結構動きましたが、結んでないことで起きた不具合はありませんでした。途中、あ、ちょっとゆるんだ?と思ったときは、一番身体の内側になっている巻き始めの部分(輪になっている)に指を入れて、ぐっと締めれば結構簡単にゆるみが直りました。結構きちんと締めておかないと、危ないかもしれません。
楽にしたかったので、帯板ははぶきましたが、帯板をすればさらにキリっと締められそうです。結論、普通の帯結びと変わらないし、むしろ後ろに何もないのでかなりラク。ドアノブにひっかかって「ひいい!」なんてこともありません。
しかし……あまりに後ろ姿のノーマークぶりがどうしても厳しかったので、前でバラバラとつけてある帯端のポイントを、後ろに持って来てみました。そしたら…‥少しは救われた気がする‥‥おしりのライン丸見えよりは‥‥。気のせいかもしれないけど(爆)
それに、後ろにポイントを持って来たほうが、前から見ると一見普通の帯結びで、私はこのほうが好みでした。いかにも「結ばない帯結び、やってまーす!」にならないし、どうも前にいろいろポイントがあるのが落ち着かなかったので、オーソドックス好きな自分的にはこちらがよかったです。要は帯が外れなきゃいいわけですから、ヒダヒダをいっぱいとったり、もっといろいろ遊んでも面白そう。
ヒップラインに自信がある人は、どっちだっていいと思います!(結局そこね‥‥)。帯自体がベルトになっているようなものも、アリですよね。
結局結ばない帯結びは、帯締めをどれだけきちっと結ぶか、にかかっていると思うので、よく見かける、ビーズベルトや幅広ベルトで止めるのは理にかなっていますよね。帯締めにこだわらず、ベルトで止めた方が安心かもしれません(もちろん
先生には「まあ~後ろになんにもないなんて、遊女や寝間着じゃないんだから~」と言われてしまいましたが(^^;)簡易な結び方(巻いて挟むだけも含む)というのは、寝ても邪魔にならないということで、用いられてきた場面もあるのでしょうね。
でも今はもう令和。そんなことはキニシナイ。むしろ、洋服を見慣れた目で見れば、このほうが自然なのかもしれません。お太鼓結びは、外国の人から見ると「なぜリュックサックを背負っているの?」と言われるようなストレインジさなわけですから。これからはこちらがスタンダードになる!? そして着付け教室もいらなくなる!? そんなことを思ったら、うふふと笑えてきました。
だって、本当に時代が変わったんですもの。今まで、これでなくてはならないと、キュウキュウに締め付けられていたものが、ポンっと自由になった感じ。一体誰が、それを正しいと決めたの? といいたくなるような決まりやしきたりで窮屈きわまりなくなっていた着物の世界も、またファッションに解放される時がやってきたような。そんなワクワクを感じる「結ばない帯結び」でした。
気楽な場面ではまたやってみようと、太めのおばちゃんも思っております!
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博多小袋帯(麻の葉):薄黄『舞扇』
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博多小袋帯(絣):ピンク『筑前独鈷』【原田織物】
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博多小袋帯(小桜):黒『筑前独鈷』【原田織物】
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仕立て上がりリバーシブル半巾帯(ベルフラワー):茶『召しませ花』
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仕立て上がりリバーシブル半巾帯(麻雀牌):赤『召しませ花』
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仕立て上がり小袋帯(夜景):黒『空』
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仕立て上がり小袋帯(おさんぽ猫):エンジ『空』
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仕立て上がり本袋細帯(市松絣風):クリーム『夢』
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仕立て上がりリバーシブル半巾帯(獅子狩文錦/糸屋輪宝手)【龍村美術織物】
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仕立て上がりリバーシブル半巾帯(欧鳥繍華錦/定家緞子)【龍村美術織物】
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仕立て上がり西陣リバーシブル半巾帯(つる薔薇/レース):黒×グレー【田中伝×いち利 女将】
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仕立て上がり西陣リバーシブル半巾帯(結晶/更紗):紺×檸檬色【田中伝×いち利 女将】
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仕立て上がり墨流し半巾帯:グレー×深緑【いち利モールオリジナル】
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仕立て上がり墨流し半巾帯:水色×青藤【いち利モールオリジナル】
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博多紋小巾袋帯(菱/格子):薄緑×緑【協和織工場】
夏はヘチマ!帯枕の自作は結構カンタン!の巻
星わにこ
2019/06/19 00:00
梅雨の晴れ間の気持ちいい日が続いている東京です。帯も夏帯が登場しはじめました。夏帯とはいえど、やはりお太鼓にすると暑いもの。ちょっとでも涼しくしたいなと思うときには、自作のヘチマの帯枕を使っています。
<作り方などはこちら>
>保冷剤を入れる!ヘチマの帯枕を手作り☆の巻
なにが違うかというと、なにしろ軽い。軽いと身体への負担が全然違います。軽さって、涼しさにつながるんだなと実感。あと、固めなので身体に密着しすぎないのがいいところ。独特の空洞構造が、風を通して熱がこもらないのです。
やはり天然のヘチマはごわごわしますので、まくら紐は帯を痛めないようにヘチマの部分をくるむガーゼを二重にするか、たかはしきもの工房のまくら紐など、ちょっとしっかりした生地のもの(伸縮性のあるものがラク)をおすすめします。
自作すると好きな高さや長さにできるのもいいところ。天然素材なためか、つけているうちに身体に馴染んできます。ちょっとへたってきたなと思ったら、すこし厚みを足したり、育てている感じがします。私は、長さは市販のものより長めの25センチにしています。これくらいあると、お太鼓の山が決まりやすいし、高く持ち上げられて使いやすいのです。
ヘチマの中の芯は、そのまま残す場合もありますし、開いてとってしまって、芯のかわりに保冷剤をヘチマでくるんで使うこともあります。保冷剤は、買い物のときによくもらう銀色の保冷袋を切って、くるむと長持ちしますよ。暑い!これはヤバイ!と思う日のワタシの秘密兵器です。
個人的には、夏帯以外のしっかりした帯のときは支えや高さが足りない気がしますので、夏以外にはあまり使いませんが、一年中愛用しているわ!という方もいらっしゃいます。
今月7日発売の雑誌「七緒」58号でも、わにこがヘチマの帯枕の作り方をご紹介しています。2年前に作ったときよりも、さらに簡単に、バージョンアップしております。よかったら見てみてください(^^)材料さえあれば、意外と簡単なんです。
問題は、ヘチマの入手。以前はホームセンターや100円ショップなどでも見かけた気がするのですが、見当たらなくて、今年は結局ネットで探して買いました。これから夏にむけて店頭にも出てくるのかもしれません。
思いあまって、お庭にヘチマの苗を1本植えてしまった私です。自由にくるんくるんと伸びて絡まって行くつたが超かわいい! だがしかし、どうするつもりなのか。そんなに帯枕はいらないぞ(笑)炒めて食べてみようかな、化粧水を作ってみようかな、などと、あらぬ方向に妄想が発展していますが(毎度すみません)、もしまだヘチマの帯枕を使ったことがない方がいたら、ぜひ一度試してみて~とおすすめしちゃいます!
着物好き必携☆雨の日の味方、撥水風呂敷・撥水足袋・吸水ポーチの巻
星わにこ
2019/06/12 00:00
梅雨の季節がやってまいりました。でも、きものでおでかけしたい! そんな時はいろんな雨グッズが大活躍です。以前このコラムでも紹介した雨の日対策のコラムは、いまでもアクセスが多く雨の日の参考にしていただいているようですごく嬉しいわにこです。
>「正絹着物でもできる雨の日対策」
基本は変わっていませんが、今年、これにプラスされたグッズがあります。それが、撥水風呂敷の大判サイズ(96センチ角)と、撥水足袋カバー、そして折り畳み傘を入れる吸水ポーチです。
最初は防災グッズとして目にしたのが撥水風呂敷との出会いでした。その後、雑誌で見たり、友人が実際カバンの雨カバーとして使っているのを見て、いいなあ‥‥と横目で見ていましたが‥‥ついにポチっと買ってしまいました。
いろんな色柄があり、めちゃめちゃ迷いましたが、明るい気分になれそうなポップな水玉模様を選びました。
届いてみると、ややはりがあり、ツルっとした感触。綿とは違いますが、シワになりにくくて、いいかんじです。あと、猫を飼っている我が家では毛がつきにくいのも超ありがたい!! さっそく大雨の日に大きめの荷物を包んで運んだのですが、はじく!濡れない!
今までエコバッグにいれたりしていましたが、やはり大雨でびっしょり濡れると中まで雨が染みたりしたこともありました。その心配がないのがありがたい!! 友人達の愛用ぶりにも納得です。
食事のとき、しっかりカバーしたいときにもいいかんじです(やや大げさかもしれませんが、背に腹は変えられない時、ありますよね(笑))。ギャルソンエプロンみたいにしてもステキです。
また、1枚の布なのでバッグに入れておくと急な雨でも対応できてgood。 帯だけでもこれでくるめれば、安心。しっかり下半身のワタクシの場合、98センチ角だと、下半身をくるむのに合わせがナイので無理でした(笑)。長さは足りているのにっ! でもあまり大きくなると今度は風呂敷として扱いづらくなってしまいますから欲張るなってことですよね~。わかります。
この撥水風呂敷のパワーはほんとにすごくて、袋状に結んで形をつくると、バケツ1杯くらいの水を持ち運べるんです! 実際に洗面所でやってみました。ほんまやった! 水って重っ。防災グッズとしての紹介も納得です。
しかも! 水をいれたままギュッ!としぼると、シャワーみたいにシャワ~~っと水が放出されるんです。すごっ!! 洗濯を繰り返しても、撥水効果は変わらないということで、どうなってるのかよくわからないけど、すご~いって闘牛士みたいにほどいた風呂敷をもってくるくるしてしまいました(阿呆)。
あとはやはり、着物を持ち運ぶ時にこれに包むと、水と汚れを寄せ付けない安心感がありますよね。雨の日ばかりじゃない、頼れる味方になりそうです。自分が好きな柄だと更にテンションアップ。夏ストールに続き、風呂敷ブームも私に訪れそうです。
撥水足袋カバーは、目ウロコのアイテム。足袋の替えをもつより、足袋カバーで濡れなくしたほうが便利ですよね!!
もうひとつのグッズ、折り畳み傘を入れる吸水ポーチですが、最近100円ショップなどでも見かけるようになりましたよね。今まで雨の日は長傘ででかけていたのですが、大きめの折りたたみ傘を購入して、目的地についたらたたんでそれを吸水ポーチにしまって、カバンに入れてしまうことにしました。
電車の中だと、ぬれた傘が自分にくっついたりしないし、特に着物のときは、本当に安心。人様にも迷惑をかけないし、手に持っているものも減るので快適ラクチンでした。そしてなにより、置き忘れない(切実)。もうほんとなんでもかんでも忘れちゃうお年頃、もうこれからはこれでいこうと思っております。
新たに雨の日を快適に過ごせるグッズがあると、おでかけもおっくうではなくなりますね。特に風呂敷は、色柄のバリエーションがあるので、もう一枚くらいあってもいいかも‥‥といち利モールのセールにぐらぐらしているわにこです(笑)。落ち着け自分~!
皆様も、おすすめのレイングッズがあったらぜひ教えて下さい!
>オススメの撥水風呂敷「ながれ」はこちら
背縫いが破れた!応急処置はどうしたら?の巻
星わにこ
2019/06/05 00:00
先日、着物で仕事をしていたときのことです。ひょいとかがんだら、一緒にいる人に「背縫い破れてるよ~!」と教えてもらい。
ついに来た! わたしにも! 古い着物の「背縫いが破れる」瞬間が~! とか言っている場合ではなく、紺の着物にピンクの襦袢ではもう、目立つの目立たないのって大ピンチ。
でも、そこは呉服売り場でしたので、お店の方に着物を着たまま糸と針で応急処置をしてもらい、事なきを得ましたが‥‥。これは一人のときにやらかしたらお尻の下あたりという場所が場所だけに、まず第一に自分では気付けない(バリっと音がして気がついた、という方もいます)。たとえ気付いても、着物を着た状態では直せない。脱がないと手が届かない! 上着やストールやカバンなどでなんとか隠しつつ家に帰るか、誰か仮に縫ってとめてくれる人を探すしかない案件です。
一瞬、破れたところを養生テープで内側からとめようか、と思ったりしましたが、言ったら止められました(汗)。ですよね~。結論から言って、これという応急処置は‥‥思いつきませんでした。役にたたないコラムで申し訳ないです‥‥(><)が!が!
だって、脱がない限り自分ではどうしようもない場所なんだもの~~! で糸と針はと安全ピンは、着物を着る時はいつもバッグに入れておきましょう!! 自分ではなんともできなくても、頼める人がいればしのげます。特に安全ピンは、ちょっと襦袢が長くてでてきちゃう、とか袖ビリッ!などのときの応急処置にも大活躍してくれます。
背縫いが破れてしまった着物は、リサイクルの単衣で、居敷宛がついていなくて、「破れて下さい!」という条件が揃ったものだったのですが、そこまで古いものでもないと思い、油断をしていました。やらかしてみると、やっぱりおしりが裂けてるって、恥ずかしかった~~~~!!!
これから薄物の季節。単衣の着物の縫い目には負担がかかりがち。居敷宛をつけることが大事なんだな~としみじみ感じました。
破れないまでも、背伏せ(縫い目を倒してきせをかけてある部分)がひっぱられて開き、縫い目が丸見えとなってしまうのも防げます。
いただきものやリサイクルだとなかなかそうもいかないですが、誂えるときにはもう、絶対居敷当てはつける!!ソーイングセットは持ち歩く!!と強く誓いました。
ウールの普段着の着物など、よく共布でおしりの部分だけ居敷宛がついていたりしますが、なるほど必要なものなんですね!
ここがほつれるということは、もう全体の糸も弱っているということで、できたら洗い張り、仕立て直しが理想ですが、布も弱っている場合もありますし、古い着物は信頼出来る悉皆屋さんに相談して見立ててもらうのが安心です。
ただ費用もかかりますから、自力で直して行けるところまで着るか、着るのはあきらめて小物にするか‥‥そのあたりの判断もありますよね。
そして、ここでもうひとつ、ああ着物ってすごいな、手縫いってすごいなと思ったことは、糸は切れても布は切れていない、破れていないということです。これがミシン縫いだったりすると、縫い目が丈夫すぎて、布地がさけてしまうこともあるからです。背伏せが開いちゃうのも、ミシン縫いのものをよく見ます。そうすると、布が弱ってしまうので、もう縫い直しはできません。布を助けるためには、手縫いのほうがいいのですね。
お装束のことを勉強していたとき、とてもざくざくと粗く縫ってあるのに驚きましたが、そのとき生地を守るためにこうしてあるのだと伺いました。生地さえ無事なら、何度でも縫い直せばよいのですものね。
なにはともあれ‥‥おしりが破れるのはやっぱり辛い! 薄物の季節、着る前に危なくなってないか、ちょっとチェック!してみてくださいませませ。
日焼け&冷房対策☆着物にも夏ストールが便利だよ!の巻
星わにこ
2019/05/29 00:00
もう何を着ていいかわからない! と毎年言っている気はしますが、暑かったり肌寒かったり、予報で聞いてないよ!という雨が降ったり、本当に悩ましい日々が続いております。
この1ヵ月くらい、大活躍しているのがヨコ120センチ、タテ200センチという薄手の木綿の大判ショール。インド綿だと思います。特に着物用で買ったわけではないのですが、大きいので着物と帯をしっかりカバーできます。
ここまで大きくなくても、帯まで隠れるくらいの幅(横幅80センチ以上)あるといいと思います。
なにしろいいのが、さっと羽織れてさっと外せて、畳むのも適当でよくてコンパクト。カバンにふんわりつっこめばOKです。
日差しの強いときは日焼け止めにもなってくれますし、少々の雨なら広範囲カバーもしてくれます。薄手でもボリュームがあるので首をしっかりくるめば結構暖かい。でも、衣紋の部分をぬいて羽織れば風も通ってさほど暑くもありません。考えてみると、暑い国では大判の布を身体に巻いていることが多いですよね。
上着を持ち歩くより断然楽なので、洋服の時でも愛用しています。見た目はちょっと遊牧民みたいになりますが(笑)形も自由自在なのがグッド。冷房の効いたバスや電車に乗っても、少ない動作で羽織ったり、寒いところだけカバーできたりするのでめちゃめちゃ楽チンです。
あとはやはり、帯に汚れをつけたくないとき、混んだ電車の中など羽織っていると安心なのです。
今、この原稿を書いているときも、窓をあけたらちょっと肌寒かったので、早速肩にかけております。
木綿なのも大きなポイント。寒い季節には使えませんが、ざぶざぶ洗えるし、この時期重宝な素材です。
羽織モノももちろんよいのですが、それにプラスワンしてもいいくらい。
「夏ストール」という名前で、日焼け対策や冷房対策に大判のコットンやガーゼのストールが売られていますが、着物に使うなら、羽織った時に帯をストンとくるんでくれるように、すべりのよいものがおすすめです。透け感のあるものもおしゃれですよね!
気を使わず、くるくるっと適当にたたんでもいいのがまた嬉しい!
手頃なお値段で手にはいりますので、探してみてはいかがでしょうか。バッグに入れておくと、めっちゃ重宝ですよ!