新着記事

アーカイブ

メールマガジン・会員登録はこちらから

煌めく絹糸の旋律☆日本刺繍の世界に酔いしれるの巻

星わにこ
2018/01/17 00:00
 そろそろお正月気分も抜けて平常運転!のはずですが、まだなんとなくボーっとしているわにこです。  昨年末からこの月曜日まで銀座松屋で草乃しずか先生の日本刺繍の展覧会「煌めく絹糸の旋律」が開催されておりました。御覧になった方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。  駆け込みで観に行ったのですが、もう本当にうっとりでした。着物や帯にも、刺繍が少し使われているだけでもぐん!と豪華になりますよね。それがもう、たっぷりと贅沢に思いっきり刺繍!刺繍!刺繍!が堪能できました。  刺繍の中でも、日本刺繍は細い絹糸を使って、繊細にしかしたっぷりと刺されていて、本当に美しいものです。「煌めく絹糸」と展覧会のタイトルにもなっていますが、絹糸がつやつやと光を放ち、見るものの心を魅了します。  正倉院模様や鳥獣戯画を刺繍で表現したもの、また歴史上や物語の女性たちをイメージした百花繚乱と名付けられた艶やかな振袖の数々。お母様との合作をはじめとした、創作の原点。素晴らしい展覧会でした。  観にいらしている方たちも、お正月らしい晴れ着、刺繍の入った着物や帯、小物など素晴らしい装いの方も多く、こちらも眼福でした。  プツッ。シューッ! プツッ。シューッ!  何の音だろう? と思ったら、会場で流れていた映像に映し出されていたのは実際に刺繍をしている様子。ピン!と張られた布に針が通る時にプツッ!と小気味良い音がし、シューッ!と糸が引かれる音がします。絹糸ならではの、音ではないでしょうか。まさに、絹糸の旋律。布目に正確に刺される針。舞うように引かれる糸。心地好いリズムで繰り返されるその音に、しばし聞き入ってしまいました。  日本刺繍の技法についても詳しく解説されており、地引き、繍い切り、相良繍い(さがらぬい)、菅繍い(すがぬい)、刺し繍い、割り繍い、駒取り、まつり繍いの8つの技法について知ることができました。  もう目がハートになってしまったわたくし、DVDつき図録を購入。家でもしつこく、プツッ、シューッ! をリピート視聴しております。草乃先生の創作への想いも、熱く、伝わってきます。映像ってすごいなー。  会場ではワークショップも開催されており、私は時間がなくて参加できませんでしたが、キモトモさんたちが参加されて、素敵な猫ちゃんの手鏡や桜の桐箱など、見せてもらいました。いやあ~~あの作品と映像を観たら、やってみたくなるよね~!  以前キモトモが「日本刺繍やる!」と取り組んでいたのを、私はいいや~な~んて横目でみていた私ですが、ちょっとうずうずしちゃいました。まあでも、自分でやったら、「美しい作品」というレベルになるには相当時間がかかりそうです(汗)。  圧倒的な美意識と、デザイン力と、刺繍の技法に打ちのめされた!(気絶)という気持ちになるほどの素晴らしい展覧会でした。技法を知ると着物や帯の刺繍を見る目が、今後変わるかも! 目の保養と「知る」ことって大切ですね。そして、DVDに収録されていたこれからの創作に意欲を燃やされる草乃先生のお話を伺い、美しいものを沢山見て、自分も美意識を磨いて行きたい! と強く思った年の初めでした。