夏になると袖を通すのを楽しみにしている着物があります。それを着ると必ず「痩せた!?」と言われる細見え着物です。私の場合は「絽」。自分でも一瞬痩せたかと思うくらい(笑)ですが、その着物を着た時だけなので(爆)痩せ見え着物、と言っていいかと思います(体験談)。
張りのあるものも多い紗や夏紬、麻や綿など他の夏物に比べて、絽は夏物でありながら、とろりとした落ち感が特徴です。
薄い絹物が体に添うので、ズバリ痩せて見えるんです!!! 袷に比べれば裏地がないわけですし、単衣に比べても、生地が薄い。痩せ見えMAXです。特に肩のあたりがストンと落ちて、細く見えるようです。確かに着膨れして見えるシボのある麻や綿麻に比べて、かなり細く見えるのは事実。
色も関係あるようで、私の場合は濃紺の絽を着た時に必ず「痩せた!?」と聞かれます。濃い色のほうがより痩せ見えな模様。見えるだけですが。見えるだけでも、ウレシイんですぅぅ!
そんなわけで絽は私の心の支えアイテムなのですが、先日超細身の友人が「絽を着ると体がペタンコに見えちゃって‥‥だめだわ」と言っていました。うっ。ケースバイケースですね(汗)。
でももし、夏着物で着痩せを狙いたい方がいらしたら、ぜひ「濃色の絽」おすすめしたいです(笑)。
でも、絽は透けます。特に濃い色のときには逆に下に白い襦袢を着ているとスケスケ感が半端ない。下に着た襦袢の色がけっこう響くのです。緊張感を持って着なければタイヘンなことに。
そのあたりのことは去年コラムに書いていますのでよかったら‥‥。下に柄ありの襦袢を着て、わざとうっすら透かせて見せる、な~んてテクニック、憧れますねっ!
(参考:
『薄物妄想コーデ☆夏着物は透け感勝負、襦袢で技あり!の巻』)
同じ着物でも、真夏は白い襦袢を着てシャキっと、秋に近づいてきたらトーンを落とした襦袢で少し透け感を落ち着かせて、なんてこともできます。
麻や綿の気軽な着物もいいけれど、正絹の絽や紗に袖を通す時には「夏着物、着ます!」という気合いが入ります。「この暑いのに着物を着る」プラス「よそゆき着物」となるわけなので、気合いも二倍、いえ二乗かもしれません。もうそんなときは、暑い顔はしない、徹底した女優気分で乗り切りたいものであります。
正絹の長襦袢+正絹の絽の装いは、思う程暑くなく、体に優しいという気がします。さすがシルク、繊維の女王! ですが、汗はかきますのでその後のお手入れを考えると、ここ一番のとき以外はなかなかできない貧乏性な私なのですが、それを圧してもなお「着るぞ!」となったときにはそれはもうテンションがあがっております。
「着物着た!!!お洒落した!!ワタシ頑張った!」というテンションでいうと、振袖と夏の正絹は、いい勝負だと思います(当社比)。
同じ絽や紗でも、着心地は正絹に負けてしまいますが、夏はやはりポリエステルなどの洗える素材はありがたいものです。暑いですが、まあ夏は何を着ても暑いから! と涼しい顔で着ちゃいます(半分意地!?)。
気がついたらもう八月。夏着物のシーズンは短い。忙しさにまぎれて「あ~今年は正絹の絽、着なかった(=気合いの入るおでかけがなかった)」と思う秋は、ちょっぴり淋しいものです。人生も短い、やっておけばよかったと思うくらいならやらなきゃアカンなと思うこのごろです(いきなり人生に言及か)。
浴衣もいいけど、夏着物ならではのお洒落も、楽しみましょう\(^O^)/