常々「日本人なら誰でも似合う!」とキモノの魅力を力説している私ですが、このところそうとばかりも限らない、なんて思っています。
外国の人が、着物に興味をもち、またとっても素敵に着こなしている姿を目の当たりにして、着物はもっと見直されていい衣服で、日本以外でも取り入れられてもいいんじゃないかしら? と。
着物イベントで各国のミスインターナショナルの皆さんが振袖を着られていたのも素晴らしかったし、SNSでも海外で着物を楽しんでいる方の写真も目にする機会が増えてきました。また、ワールドワイドに魅力を広げようという取り組みも気運が盛り上がっているようです。
某リサイクルショップの催事に行ったときには、初日の朝から半分が外国人なんじゃないかしら? という会場。いろんな言葉が飛び交い、ここはどこの国? 状態。
山の様に着物と帯を抱えて会場をあとにする姿を見て、浮世絵しかり、日本人が大切にしきれなかった分が、外国で愛でられたりするのかしらと妙な感慨にふけったり。
そして先日、アメリカから観光にやってきた高校生たちと交流する機会があり、築60年の昭和な家で和装を楽しんでもらおう、ということに。
女の子たちには、浴衣を楽しんでもらおうと浴衣を用意、かつ自分で着てもらおう! と企画。
そしてワタクシ、英語は文章話せません。単語とジェスチャーのみ! しかしこの日はちゃんと通訳してくださる方がいらして、ちゃんとコミュニケーションがとれました。
浴衣はもちろん着るのははじめて! という3人。最初に好きな浴衣と帯を選んでもらいます。
さすが女子。ぱぱっと自分が好きな色で選びます。タンクトップと短パンの上に、タオル補正。着物はバストが目立たない、筒状の着姿にすること、汗とりの役目があることを説明。
腰紐、伊達締めを使って浴衣を着て、帯を結びます。腰紐が5角形に畳まれているのをみて、笑顔になってくれたのが印象的。
帯(サッシュ、と言うんですね)を巻いて行くのですが、思ったより上手で。なんでもいいの~結んであれば~というおおざっぱな私の説明に対し、私の帯結びと同じようにしようとしてくれる姿勢にちょっと感動。「ムズカシイ」といいながら、頑張って結んでいました。
結べたら、衿のあわせに逆らわない方、ライトサイドにくるんと回して~!できあがり!
写真:渡部瑞穂(昭和な家)
とってもとっても可愛い浴衣女子の誕生です。自分で選んだだけあって、それぞれ全然違うのに、それぞれとても似合っていて。かわいー!かわいー!を連発してしまうおばちゃん(=私)に、とびっきりの笑顔を見せてくれました。
男の子達は甚平さんで。これはもう着方の説明不要ですよね。Tシャツに短パンでやってきた、アメリカ男子たちが、あっという間に和装男子に。これが、全然肌の色も髪の色も違っても、似合うんですね~。背が高くて、鴨居や照明におでこをぶつける事故は続出してましたが、昭和な家に馴染んでいました。
そんな和装姿で、スーパーボールすくいとや輪投げでプチ縁日体験で楽しんでもらった半日観光のお手伝いでした。そのあと、男子たちは、甚平姿のまま中野ブロードウェイに観光に出かけていきました(笑)。
「浴衣、甚平を着たことがある」という経験が、彼らのどこかに残って、いつかどこかで日本に限らずまた、何かに繋がったらいいなあなんて、思いました。
もうすぐ夏本番。浴衣は本当に気軽に着られるし、和装の第一歩に本当におすすめですよね。日本人、外国人関係なし。「着れたらなあ」って思っている人がいたら、ぜひトライしてほしいです。上級者さんは、もしまわりで「着てみたいな」なんて人がいたら、ぜひ一緒に着ておでかけして、「浴衣、着物タノシイ」体験のお手伝いをしてあげてほしいです。
着物って、それだけの魅力がある衣服だと、文化だと思うのです。最初は、キレイカワイイだけでいい。でもその先の、使い捨てじゃない、布を愛おしみ、受け継ぎ大切にする気持ちが、そのうち必ず伝わるはず。
それにしても、今回は「英語できたらいいなぁ~。。。ああ学生のときもっと勉強しておけば」とありがちな後悔をしてみたわにこでした。でも、必要だったら今から頑張ればいいですよね。時間は元に戻らない、今が一番若い時、なわけですから(><)
世界にはばたけ~キモノ~! 私もなんかついでにがんばれ~(笑)