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お太鼓がポワンとなったら、補整も見直しての巻

星わにこ
2019/09/18 00:00
 どう~もお太鼓の形が丸く浮いてしまって決まらない。そんな時はありませんか。丸く膨らんでる方が可愛くて好みの方もいらっしゃると思いますが、私は背中にすっと沿う形のほうが好きです。なぜなら、ちょっとでも痩せて見える気がするから(^^;)  背中にピタっと沿わせたいとき、お太鼓の形がどうも決まらない時‥‥。「て」をお太鼓の下線に沿わせろとよく言われますが、それだけではどうも解決しないことが続き。うーん、と悩んでいたところ、腰の補整不足じゃないかと言われまして。  腰の補整は、以前は「1ミリでも細く見えたい(切実)」という気持ちから、薄いタオル2枚程度で入れていましたが、ちゃんと補整を入れてスッキリしたIラインを作った方が全体的に痩せて見えて、かつ、着崩れしないと知ってから、しっかりと入れるようになりました。  さらにピタっと下腹を引き締めて、自分のお肉(涙)を持ち上げてウエスト補整をする方法で、ウエストの補整はかなりいいかんじに。  引き締めつつ持ち上げ補整をするというのは、裾よけの巻き方でもかなり変わりますし、私はカンタンにできてかつ汗止め効果もあるたかはしきもの工房の腰すっきりパッドスキニーを使っています。これだと、好きなところに好きなだけ補整が入れられて便利。  タオルを胴に巻いて紐で止めている方は、ガーゼなどでタオルをはさんで胴に巻くようにするだけでもずれにくく、安定しますよ。  さて私はというと、ウエストとヒップの部分(タレの部分)には補整を入れていたのですが、お太鼓ポワンの原因となる、ヒップの上のくぼみの補整が足りてなかったようです。  このちょうど帯締めが当たるラインに補整が足りてないと、「て」の抑えが線でしかできず不十分になり、お太鼓がポワンと膨らんでしまうというわけです。  ここに、胴回りが太くなるのを恐れずに思い切ってガツッとタオルなどで補整を入れると、あらこれ「て」が面で帯の折り返し部分を抑えてくれるので、背中にピタっと沿ったお太鼓が出来上がります♪ も、もっと早く知りたかった。  もちろん、他にも結び方とか、帯枕の形とか、いろいろ要因はあるとは思うのですが、私の場合は「補整」だったということでした。  人によって、体の凹凸は様々。必要なところに最小限、でもしっかり入れるのが大事なんだなと、痛感。いろんな方に補整のおすすめをしていますが、背中は自分では見えないところなので、そこに足りてないというのがずっとわからなかったんですよね。  帯が決まらないな~なんて、同じお悩みの方がいらしたら、試してみて下さい(^^)

楽に着たいときは伊達締めを抜くなど。の巻

星わにこ
2019/09/13 00:00
 皆様、着物を着る時、紐は何本使っていますか? 礼装などを着るときは襦袢で胸紐、伊達締め、長着で腰紐、胸紐、伊達締め‥‥コーリンベルトなどを使う場合もあるでしょう。おはしょりを整えるためや、補整でタオルを抑えるために、さらに紐を使っている場合もあるかもしれません。  紐が多ければ多いほど、まあ、着崩れはしにくくなりますよね。でも、しんどいです。  普段着ではもっと少なく、胸紐を省略したりコーリンベルトを使って伊達締めを省略したり、と工夫されている方も多いと思います。  紐は1本でも少ない方が、楽ですもんね。  でもやはり、胸元をきちっとするには、伊達締めがあったほうがキレイに着られます。大きい面積をしっかり抑えることができるからです。逆に言うと、それだけの面積を押さえつけているわけですから、これがなければかなりラク。  以前、腰紐1本で着る着付を教えていただいたのですが、やはり胸元が崩れるような気がして、伊達締めだけはしていました。でも、今年「夏はやっぱり暑いなあ」と思っていて、伊達締めを省略してみようと思い立ち、着付の段階でやめてみたところやはりぐずぐずに。  そこで以前習ったように、伊達締めをして胸元を整えて、帯を結んでから伊達締めを抜く、という手順にしたところ、ほぼほぼ崩れなく着られることが判明。自分が以前と違うところは、補整をしっかりするようになったこと、着物を着るのに慣れてきていること、着物を着るときの所作が少し身に付いて来たこと、でしょうか。  どんなにきっちり着付けても、補整がないと崩れやすいし、姿勢や所作が悪ければどんどん崩れてきます。  普段着なら崩れてもいいっちゃいいですが、どうせ着物を着るならちょっとでもスッキリ見えたいなと思うので、ちょっと頑張るワタシです。でも、楽がいい。というワガママのせめぎ合い(笑)で落としどころを日々探しています。  伊達締めを抜くコツは、結び目を下にして、あとで抜きやすい位置にしておくこと。抜くときは、結び目を解いて下に引き出し、一気に引き抜こうとせずに、下に下げてぐるりと抜いていくこと。  このときの「ふわあああああああ」と声が出るような、みぞおちの開放感をぜひぜひ味わってほしいです。  このワザは、ある程度着付に慣れてからのほうが、効果が高いような気がします。やってみたことがない方がいらしたら、ぜひ一度トライしてみてください。紬や木綿など、形が決まりやすい着物は抜いてもほぼ問題ない気がします。  コーリンベルトを使っている人は、伊達締めを最初からしなくてもコーリンベルトで胸元、背中を整えてから帯をするので問題ないはずです。(私はコーリンベルトも省略したいので、伊達締めをしてから抜く方式に)  腰紐は省略するわけにはいきませんが(笑)もし、沢山の紐や伊達締めを使って「着物は苦しいなあ」と思っている方がいたら、「これ、いらんのとちゃう?」と思う紐を省略してみてもいいと思います。1本減るだけで随分違いますよ!!   一方、これがあったほうが自分にはいいと思えば、使えばよいと思います。  伊達締めを省略することにも、そんなの当然じゃん!?という方もいれば、そんなことを思いつきもしなかった、という方もいると思います。  着付には、いろんなやり方があります。習った通りにやらなくても、大丈夫。自分の着やすい着方、めざす着姿で、折り合いをつけつつ探っていくのも楽しいものです。どんな方法にも、いいところ、悪いところがあります。自分に、あう、あわないもある。着付に絶対、はないなと思う今日このごろ。ひとりひとり体型も違うし、着心地に関しては本当に個人差が大きく、探れば探る程、面白く、深い。  外からは見えないからこそ、着物の内側って、ワンダーランド(笑)。  友達と情報交換したり、ネットで動画を見て「えっこんなやり方あるんだ」とか、いろんな方法にトライするのもおすすめでーす! 秋からの着物シーズンにむけて、着付の見直ししてみませんか?

織兵児帯を角出し風に結んでみた。の巻

星わにこ
2019/09/04 00:00
 みなさま、織兵児帯ってお使いになったことありますか? 私は去年の夏ぐらいから時々使っているのですが、浴衣のときに結ぶ兵児帯がちょっとしっかりしていて、シワシワにならないけどとっても軽い帯なんです。  今年は夏にこの織兵児帯をしてみたら、半幅よりもめっちゃ軽くて、その分ちょっと涼しいような気がしたので、ついつい手が伸びるようになりました。  普通にふわふわっとリボンで結んでも可愛いし、短冊結びのようにしてもボリュームが出るし、結び目が重くないのであまり下がって来ないのです。私は、ちょっと後ろのポイントの高さを出したいのと、帯揚・帯締めをして名古屋帯風にしたいので小さな帯枕を入れたりします。 >織兵児帯で大人の浴衣☆の巻  今年気に入ってしていたのは、角出し風。夏着物に合わせても、こどもっぽくならずに、ちょっと大人な感じで気に入っています。織兵児帯は達人もいっぱいいらっしゃるので今更かもしれませんが、お会いした方にも「あら、いいわね!」と言っていただいたりしたので、調子にのって(?)ご紹介します。  結び方を説明しますね! 半幅帯のように前で結ぶやり方です。(イラストを参照してください) ・手先を70センチほどとり、手2周、体に巻く。 ・帯の上辺で結ぶ(リボン結びでも、片蝶結びでもOK) ・たれ先を開いて、2重になるように折り上げる。 ・結び目の根本のところでまとめて、銀座結び用の帯枕をあて、そのままでは幅がひろいのでタックをとって体の幅に合わせる。 ・リボン結びの上に帯枕をのせ、まくら紐を後ろで仮結びする。帯揚をかけるときはここでかけてこれも後ろで仮結びをしておく。 ・帯締めを使って、たれ先を決める。 ・リボン結びを倒してお太鼓の中で形をととのえ、角出し風の形にする ・崩れないように後ろに回し、下膨れになるように形を整えて出来上がり。  織兵児帯は、やわらかいものから適度な張りがあるものまで様々。でも、とにかく軽くて結びやすい。その兵児帯によって、形も変わりますが、名古屋帯での角出しと違って、自然な丸みや柔らかさが持ち味になります。帯の長さによっても形が変わりますし、多少形が崩れてもご愛嬌。らくちんで、ちょっと大人っぽい帯結びです。  帯の高さも高めにしたり低めにしたりで印象も変わりますので、お好みで。椅子にもたれて形が崩れても、お太鼓の中に手を入れて、形を整えればOK。ボリュームが欲しかったら、手拭などを入れておいてもいいですよ。私は時々、スマホとかを入れています(え~)。  二つ折りにしても、少し前幅が広すぎることとかもありますし、帯の端がヘロヘロしていることもあります。そういうときには帯の上端を中に折り込んだり、くしゃくしゃ感を活かしたり、臨機応変に。  もしまだ織兵児帯はしたことがないわ、という方がいらしたら、トライしてみてほしいです。軽いと、体が楽だということがよくわかりました! えっ!もしかしてこれって、年をとったせい?

夏から秋への半衿、帯揚は? 組み合わせおさらいの巻

星わにこ
2019/08/28 00:00
 くしゅん! というブタ草アレルギーのくしゃみと鼻水で秋の訪れを感じるわにこです。あんなに暑い暑いと言っていたのに、夏が去ろうとすると淋しいのはなぜでしょう。  さて、夏の終わりといえば、半衿の付け替えの時期も近いということです。ズボラなわたしは、うそつき衿ばっかりで着物を着ているので、ふだんは、うそつき衿ごとポイっと洗濯機なんですが、流石に衣替えの季節は半衿も替えます。季節のないレース半衿はそのままでもOKですが、レース半衿だって涼しげなのと暖かみのあるボリューミーなのと、やっぱり使い分けたいな~とか、いろいろあるじゃないですか。  着物や帯は、気温次第でフレキシブルにしないとしんどいのであまり気にせず心地好いものを選んでいますが、半衿や帯揚など、あまり体感温度にシビアじゃない部分では、日本人が大切にしてきた季節感をちょっと守ってもいいかな、と思っています。  そして毎年、えーと、絽の半衿はいつごろまでだっけ、とメモをひっぱり出す私のために(おまえのためかよ)、おさらい表を作ってみました。着物と帯、襦袢については以前書いたのですが、小物類もつけ加えて今回が完全版です。  実は前回の季節表を描いたのがなんと5年前。そのころよりも確実に、地球温暖化が進んで汗ばむ季節が長くなっている気がします。こういう決まり事、と思っていることも、そろそろ書き換えの時期が近づいているのかもしれません。が。昭和生まれとしては、暦を守るとほっとするような部分もあり。  知らないでなんでもいいや!と思っているのと、知って敢えてのルール外しは同じようでいて、ちょっと違う。地域によっても慣習や気温も違いますから、参考までにということにはなりますが、せっかく着物を着るならば、頭の片隅に置いておいて損はない。着物の衣替えについてでした。  

夏着物最終章。秋の気配は小物のカラーコーデで。の巻

星わにこ
2019/08/21 00:00
 暦の上では秋ですが、はい。暑いです。夏の着物って、何が一番快感かというと、脱ぎ捨てるその瞬間ですよね(笑)。だったらなんで着るのかというと、着たいからということに他なりませんが‥‥。そこ含めて夏着物の醍醐味かと思うわにこです。  夏、夏、暑さ対策と言っていても、やはり秋に向かっていく気配はあり。気がつくと夏着物最終章。とはいえ、9月になったらすぐ単衣を着るとか、この亜熱帯と化した東京では考えられない気候です。来年オリンピックとか本当にやるの?と考えただけでくらくらします。  が。街のウインドウだってファッション誌だって秋冬になって行く中、暑いからといって真夏コーディネートではちょっとオシャレ感がないと思うのは私だけでしょうか。  モチーフやコーディネートで季節を表現しやすく、季節先取りがお洒落と言われているのが着物。確かに、洋服で金魚柄とかちょっと大丈夫?と思われそうですが、そんな大胆柄もOKな世界です。  だから、秋の気配を感じたら、私は小物の色遣いを変えることにしています。着物と帯は真夏と同じでも、帯揚や帯締め、帯留などの色やモチーフにちょっと落ち着いた秋色を差し込んで行くことで同じコーディネートでも随分変わってきます。  上級テクニックとして、襦袢の色を落ち着かせることで同じ夏着物でも透け感をなくして秋っぽく、なんてことも。 >濃い色の襦袢で夏の着物を秋の風情に☆の巻  肌着はじめ身につける装備自体は夏でも、色が落ち着くだけでずいぶん見た目が変わるもの。着ている本人も、見ている人も「ああ秋だなあ」なんて思うから人間て面白いですよね。例え、モワモワの熱気と湿気の中でもですね。  じゃあ秋色ってなによ、という話ですが、秋を連想させる色は暖色&落ち着いた濃いめの色になってきます。例えば、紅葉、サツマイモ、栗、かぼちゃ、柿‥‥(食べ物ばっかりかい)。オレンジ、茶色、ベージュ、紫、カーキ、赤などなど落ち着いた、大地を感じさせる色が多め。  夏の終わりから、少しずつ色だけでも落ち着いたものにシフトさせていくと、おしゃれ感アップ間違いなし。自分もウキウキしますよ。  取り入れるコツとしては、いきなりこっくりの秋色よりも、少しずつ薄めの秋色から濃度を高めていくこと、部分使いの挿し色からはじめることでしょうか。  着物はどんなにカジュアルでも、着ているだけで注目されるもの。どうせだったら涼しい顔で、見ている人にも涼感と季節感をお届けできるくらいになりたいものです。私もまだまだ修行が足りませんが‥‥。  夏着物最終章。小物のカラーコーディネートで、ちょっと差をつけて。今年着てないあの夏着物、この夏着物。気がつくと何年も袖を通してないものだって‥‥。いつ着るの?(略)というわけで、まだまだ間に合います。シーズンが終わる前におでかけ計画をたててみませんか?

浴衣のうなじ、衿芯インでキレイ見せ☆の巻

星わにこ
2019/08/14 00:00
 セミの声と強い日差し、殺人的暑さに来年この時期東京でオリンピックってマジですかと白目になっている今日この頃。皆様ちゃんと熱中症対策されてますか?  夏の休日は、エアコンの効いた室内で、ついついパソコンでネットサーフィンや妄想コーデをして現実逃避してしまったり。でもねーこれだけ暑いと、前向きに「お洒落して出かけよう!」という気持ちになかなかなれませんよね。  この暑さでよいところは、お休みの日お洗濯をすれば、すぐに乾いてしまうこと。普段着やシーツや肌がけ布団なんかもばんばん洗ってばんばん乾かす。浴衣や洗える着物も、パリッと乾くので気持ちいいですよね?。 >ネットにいれて洗濯機にポン!? 浴衣のお洗濯とお手入れ☆の巻  さて、浴衣を着た時、着物と同様衣紋が綺麗に抜けていると、うなじがすっきりキレイに見えますよね。アップヘアも映えます。  と同時に、衣紋がちゃんと抜けていると、涼しいんです!  抜きすぎはよくないのですが、詰まっているより、適度に抜けていたほうが断然涼しい。首筋に風が通るようにすると、体感温度が全然違います。  でも、浴衣の衿を抜こうとすると、よっぽど糊がガチガチに固まっていない限り、ちょっとふにゃっとしてしまいキレイに抜けませんよね。 そんなときは、浴衣の衿に、衿芯を入れてしまいます。入れる部分はかけ衿の内側(イラスト参照)。このかけ衿の端っこは縫ってあるので、それを片方解いて中に衿芯を入れます。  入れる衿芯は、できるだけぺらぺらで柔らかいもの、メッシュなどがオススメです。硬いものを入れてしまうと、衿が浮いてしまい胸元がはだけてしまったりするので、必ず柔らかいものを。  衿芯を入れてみたけどうまくいかないというときは、芯の硬さにも気を配ってみてください。  浴衣は半衿がない分、襟元のあわせが浅かったりゆるかったりするとだらしなく見えてしまったり、セクシーになりすぎたり、逆におばあちゃんみたいになっちゃったりするので、前はきちんと合わせましょう。  あともうひとつ、衣紋をうまく抜くには、着付けのコツもありますのでよかったら、ご参照ください。 >衣紋がキレイに抜ける着方☆3つのポイント、プラス1の巻  キレイに衣紋を抜いて、すっきり涼やかな着心地をぜひ体感してみてくださいませ!

夏こそ作り帯☆着付け時間短縮で暑さ軽減!の巻

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2019/08/07 00:00
 暑い!マジ暑い! 二進も三進もどうにも暑くて吹き出す汗、化粧もなにも崩れ落ち、この上着物なんてとんでもない!と思ってしまう今日このごろ。  しかし! 夏着物をさらりと着こなせたら素敵ですよね?。街で涼しげな夏着物の人を見かけると、涼しい風が吹いてくるようです。?? 本当は暑いのは知ってます。でも、やっぱり憧れですよねー。  ココイチのお出かけにはやっぱりスキッと夏着物を着こなして出かけたい。  薄物に袖を通すトキメキを感じたい!  だが、暑い!(笑)  素材が涼しいもの、小物も夏仕様にして、保冷剤を仕込んだり(笑)着てしまえば、意外と大丈夫なんです。だけど、着る時点で心が折れることが結構あります。  なので、全部準備を済ませてから、この時だけはエコ精神を忘れて、エアコンで冷やしすぎじゃないの!?というくらいキンキンに部屋の温度を下げて、できたら扇風機もまわして、なるべく短時間でさっと着る! これが鉄則かと思います!  だけど、それでも帯を結ぶ時、いいポイントが出なかったり形が気に入らなかったり、そこでやりなおしの刑になってしまうと、気づくと汗だくになっていたり。帯結びって結構力も頭も使います。半幅帯で結ばない帯結びもいいですが、やっぱりお太鼓でドレスアップして出かけたい時もありますよね。  そんな時、私の心の強い味方が「作り帯」です。帯結びタイムが確実に短縮できますし、気に入った形にならないとか、模様が出ないとか、そんな心配もありません。  お太鼓の作り帯にはいろいろな種類があります。 代表的なものは ・最初からお太鼓の形になっているもので胴に巻くだけのもの ・帯を切らずにマジックテープなどをつけて作り帯にしたもの ・胴とお太鼓が別々になっていて、お太鼓が形になっているもの ・胴部分とお太鼓部分が平らな状態で二部、もしくは手が別になっていて三部になって いるもの といったところでしょうか。  お太鼓が形になっているものは背負うだけ、巻くだけで早いのですが、形が最初から決まりすぎていたり、いかにも作り帯という感じだったり、あと、収納に結構場所をとるんですよね。  その点、平らな状態で二部、三部になっているものは、普通に帯を結ぶ時と同じ感覚で好みのお太鼓が作れますし、収納も平らな状態でできます。私はこちらがお気に入りです。  特に、この方式のものは手の処理が様々で、胴に巻く部分が少し長めになっていて折り返す方式や、お太鼓側に手だけが縫い付けてあったり、様々です。意外とこれが思ったところに持って行きにくかったり、私は手間どってしまうことが多いので、三部式になっているものが一番気に入っています(時々あっ!手の部分がない?なんて焦る こともありますが(ちゃんと仕舞っておけ>自分)  もし、夏に着物を着るのがハードルが高いなあーと思っている方がいらしたら、作り帯、ぜひ試してみてください。最初から作り帯になっているものもありますし、自分の帯を切って作り帯にしてもいいし、切るのに抵抗があったら、切らずに作れる作り帯もありますよ。  浴衣も同様。帯でつまづいて着ないのならば、作り帯上等ではないですか。  夏こそ! 着物を楽しんでみませんか。

雨の日の着物。裾はウエストベルトで持ち上げて!の巻

星わにこ
2019/07/17 00:00
 心から、お日様が恋しい日々が続いている梅雨の時期。涼しいのは有難いんですが、洗濯ものも困っちゃうし、じめじめすぎて頭からキノコが生えてきそうです。早く梅雨明けしませんかねー。  先日、雨の日にちょっとしたパーティがありまして、着物ででかけた私ですが、「今日は雨だから、着物やめちゃった」という人が何人もいて、ちょっと残念でした。  私の場合、着物以外にそういう場に着て行くものがないので着物を着る選択肢以外ないわけなのですが(爆)、着物が濡れたら困るな、雨コートはどうしよう、暑いかな、雨草履もないし‥‥となると、着物を着ること自体をやめてしまうという気持ちはよくわかります。  もう、多少の雨なら図太く外出してしまうようになった私の、基本雨対策はこんなかんじ。 >正絹着物でもできる雨の日対策  ほとんど変わってはいないのですが、アップデートとしては、着物をめくりあげるときに使う腰紐は、着付クリップで帯にとめちゃう方式もオススメ。大雨の日は撥水モンペを履いてしまう手もあります。  でも最近、ウエストベルトをつかって、ちょっとだけ上げる方式というのをキモトモに教えてもらいました。  着物をめくりあげる方式は、裾がよごれなくて安心なんですが、めくるとき、下ろすとき、人前ではちょっと恥ずかしいですよね(^^;)  ウエストベルトを、ヒップのあたりに着物の上からセットします。ウエストベルトの上から好きなだけ裾をひきあげればOK。その上に雨コートを着てしまえば、裾が短くなっているのも見えません。コートを羽織ってから前を合わせる前に、裾の調整をすると、トイレに行かなくてもささっと身支度できます。  裾を下ろすときも、ウエストベルトをとればそれでOK。コートの紐をほどいたら、脱いでしまう前に、さっと外せば元通りなので、とてもスマートですね。  ウエストベルトは、本来腰紐の代わりに使うもの。平らだし結び目もできないので、おはしょりが短めの着物の時など重宝します。実はゴムがあまり得意でないので買ったけど使ってなかったのですが、雨の日に使えるようになって嬉しいわにこです。梅雨時だけでなく1年中使えるテクニックですので、覚えておいてくださいませ(^^)

帯揚をし忘れて出かけたら!?の巻

星わにこ
2019/07/10 00:00
 梅雨で気温が上がらないので、あまり夏着物を気張って着ているという感じは少なくてそれはそれでつまらなかったりしませんか(我がまま)。  さてこの頃ちょっと自分がヤバイんじゃないかと思う出来事が。信じられないことに先日「帯揚をしないで外出してしまった」という失敗をしてしまいました。  あわてて出かけて、電車に乗って、ふっと帯に目を落とすと、あれ?まくら紐が丸見え‥‥って、えっ、えっ!!  着物人生長いわけですが、帯揚のし忘れは初めてです(@@) こんなときのために、バッグの中に予備の帯揚があるわ!な~んてわけはあるわけなく‥‥。幸いストールを持っていたので、ストールで帯まわりを隠しつつ移動‥‥。そのまま打ち合わせを行い(えっ)、次に移動する時になんとかしようと画策。  なぜこんなことが起きたかというと、わたしは帯揚は、帯枕をしてからあとからかける派だから。帯枕にゴムなどでかけておくより、帯揚がねじれにくいので綺麗に結べるというのが理由です。でもこれ、結構忘れがちで、お太鼓を作ってしまってから、あ!忘れた!とあとから帯揚を差し込むことも時々あったりします(^^;)  でもまさか、それも忘れて外出するとは~~~!! 自分でもびっくり!  確かに、帯締めと違って、帯揚自体はしなくても帯結びができないということはないのですよね~。。。帯締めについては、樹木希林さんが海外の映画祭で着物を着るのに帯締めを忘れて、ホテルの電気ポットのコードを使ったという有名なエピソードがありますが、帯揚のし忘れは、聞いたことがない‥‥。  前から見たときは、帯揚がもぐっている場合もあるのであまり気にならない?かもしれませんが、帯枕が丸見え‥‥。でもまあ、手間も省けるし、帯枕の紐に色をつければいいんじゃない? そしたらもしかしたら流行るかも!?な~んてことはなく(汗)   本当はちょっとそこのデパートで帯揚を買えばいいわ!というのができればいいのですが、先日ちょお~っとお買い物をしてしまっておサイフはピンチ! どうしよう?と思って、前にスカーフを帯揚にしたことを思い出しました。  そうだ~ちょっとお安いスカーフがあればそれで急場はしのげる! 100円ショップで以前手に入れたサマースカーフは今でも重宝してるので、早速Googleさんに「近くの100円ショップ」と聞くと、500メートル先にあるではないですか。早速向かってみると、大手チェーン系ではなく独自色の強い店の前に造花がブワ~っと飾られているタイプの100円均一‥‥でも他にはかなり離れたところにしかない‥‥。  やはり、サマースカーフはなく、手拭でもどうしようもないし‥‥どうしようか‥‥と思ったところ、私の目に飛び込んで来たのは‥‥  ジャーン! レースのカフェカーテン(ドラえもん風に)  サイズをチェックすると120センチ×40センチ。標準的な帯揚のサイズは160センチ×30センチくらいですから、コレ、いけんじゃね? と早速ゲット。  早速移動して、つけてみました! カフェカーテンなので、真四角ではなく、端っこがレースの形にカッティングされているのでそこは中におりこみつつ、なんとか装着!  ぎりぎり結んで先をまっすぐおろせばなんとかなる長さ。もっと細身の人は楽勝でしょう。友達に見てもらったら、「えー! あ、なんとかなってるね(大笑)こういうレースの帯揚って、新鮮! おしゃれかもよ?(爆笑)」と滅茶苦茶うけてくれました(トホホ)。笑いながら写真をとってくれたので、証拠写真です(爆)。  要は帯揚サイズの布があればなんとかできる!ということですね。とはいえ。  この間の背縫い事件といい、今回といい、なんだか私、自分が不安です‥‥。これが老化っていうことなのかしら!? 認知症の始まりなのかしら‥‥? いえいえ、着物を着ることに慣れてきて、前の日からきちんと着物や帯をチェックして準備したりコーディネートを考えたりしていない時に限ってこういうことが起こる(ですよね、ですよね、そうだと言って!)。  一方、やった!コラムのネタになるな!と喜ぶ自分がいるのは内緒です‥‥。  そうこうしている間にもう7月半ば。今着る夏着物はもちろん、次の単衣~袷のシーズンに向けて、もう一度着物のコンディションチェックをすること。コーディネートは前日考えて準備!(当日変更可)ということで、朝、そこらへんのものをひっつかんで着物を着るのはやめよう‥‥と反省した次第です(爆)。  まあ、私が帯揚をしていようとしていまいと、誰も見てないとは思うのですが、これって自分の美意識の問題ですよね(反省)。私のような人はあまりいないかもしれませんが、もしお仲間がいらしたら、一緒にがんばりましょう‥‥orz

Kimonoってなんだろう?キム・カーダシアン商標登録騒動に思うの巻

星わにこ
2019/07/03 00:00
 先週6月25日のことです。アメリカのタレントで実業家のキム・カーダシアンさんが自らの矯正下着ブランドの名前を、自分の名前にちなんで「KIMONO」と名付け、商標登録も申請しているというニュースが流れました。この動向について、一着物ファンが思ったことを書いておきますね。  私は最初、フェイスブックのタイムラインに流れて来た投稿でそれを知りましたが、キム・カーダシアンという女性がどんな人なのかも知りませんでした。でも、ニュースを読むと実業家でミュージシャンのカニエ・ウエストのパートナー、そしてインスタグラムで1億4000万以上のフォロワーを持つド級のインフルエンサーとのこと。なにその数字。  まあ、少なくともそれだけの人がその動向をフォローしている人が、「自分のブランドはKimono」というわけですから、日本の着物を知らない人は「KIMONO=下着のブランド」という認識をすることになるわけですね。そしてアメリカで商標登録されてしまうと、アメリカで「これはKIMONOです」と言って着物関連の発信や販売もできなくなってしまうということで、それは大変! と大騒ぎに。  今まで#kimono と検索ワードを入れれば、様々な日本の着物の写真が見られたインスタグラムでも、今後は下着の画像がずらりと並ぶ可能性もあるわけです。早速 #KimOhNo というハッシュタグが作られ、日本の着物はこういうものです、とそれぞれが思う、着物の写真がアップされはじめ、その数は7000以上に。署名運動などのRTも回ってきて、様々な人が様々な意見を述べていました。  またすでに会社名「Kimono Intimates」で商標を取得、ブランドで「kimono.com」というドメインも取得してサイトが立ちあがっており(7月1日現在アクセス不能になっています)、このままだとkimonoで検索すると、最初にブランドがヒットし、「あ、矯正肌着のブランドのことなのね」というサーチ結果になってしまうことにもなりかねない状況。  SNSでの批判があったものの、最初は15年間あたため準備してきたプロジェクトなので、名称変更する予定はないと言っていたキム側も、収まる気配のない炎上、反対の声や京都市長などの声明を受け(返信はないようですが)、7月1日に「名称変更します」と声明。詳細は後日発表、ただし、商標登録申請の取り下げには言及していないので、まだまだ動向からは目が離せませんが‥‥。  これが1週間以内に起こってしまう、SNS時代のスピード感ってすごい。しかも、個人の声が直接本人に届くことも、また集合体となったときの意見の大きさも無視できないものということが示されました。  ちょっと残念だったのは、「矯正肌着なんかに名称を使ってほしくない」「下着と一緒にするな」などという矯正肌着を貶めるような発言もちらほらみられたことでした。  最初に発表された、人種や肌の色にあわせて作られたボディラインをひきたたせる矯正肌着の写真を、わたしは美しいと思って見ました。それにKIMONOという名前をつけることの是非はおいておいて、です。  美意識は様々で、着物のようにボディラインを隠す衣裳を美しいと思う人、ボディラインを強調するドレスが美しいと思う人、様々だと思います。このあと、キム・カーダシアンさんがどんな名前を発表されるかわかりませんが、圧倒的な肉体美を持つ彼女に憧れる人たちが、ハッピーになれる矯正下着を作っていかれたらいいなあ~と思います。まあ、私には関係ないわけですが、こんな日本でボ~っと暮らしているだけのおばちゃんにも、キム・カーダシアンという名前が記憶に刻まれた点では、炎上商法大成功とも言えるのかもしれません。  言霊ってよく言いますけれども、今回のことで、「名称」の大切さを改めて感じるとともに、着物の良さを、今着物に携わっている人や着物が好きな人だけじゃなくて、日本は勿論、世界中のいろんな人に改めて知ってもらえるきっかけにもなったのではないかなと思っています。私も、改めて「自分は着物の何が好きで、何を美しいと思い、何を愛しているのだろう」と考えさせられました。それは、皆さんそれぞれの答えがあるのだと思います。  これからも「Kimono」と言ったら、日本の民族衣裳だなと、そしてその美しさを感じ、また実際に楽しんで着る人が増えてくれることを願います。