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おきものチャリティバザールのおはなし の巻

星わにこ
2015/03/04 00:00
 もうすぐ3月11日。4年前、皆さんはなにをされていたでしょうか。私は休みをとって、午前中に家族でずいぶん遅い七五三の記念写真を撮影し、午後、子どもと二人で家にいるところに2時46分がやってきました。  続々と届く被害状況の大きさの情報に驚き、節電で暗い街中と余震に怯えた日々は思い出すと胸がつまります。東京で、被害はさほどなかったにも関わらずこんなにも気持ちが塞がれるのに、被災された皆さんの気持ちを思うと言葉を失います。失われた命は戻ってこないし、そしてまだ解決していない問題も、復興も、道のりの途中なのです。  震災のすぐ後、所属しているクリエイターグループでグッズを作って売上をチャリティにしようという話が持ち上がり、手仕事で作ったグッズをネットで販売しました。不安な気持ちの中で、やることを見つけて、動いた事は自分たちの気持ちも落ち着きましたし、ほんの少しでも、被災地の役に立てればと始めたことでした。  その後、形を変え、場所を変え、その時に参加できるメンバーで続けて来たチャリティイベント、8回目を迎える事になりました。いよいよ今週末金曜日から「WASRENAI2105」と題して、友人と共同運営している東京・中野の新井薬師前「昭和な家」での開催となります。今までで一番たくさんのクリエイターさんが参加してくれることになり、ワクワクしています。  私のできることが、好きな着物に関連したことということで5回目と7回目は、着物のチャリティバザール(略してきもチャリ)でした。不要な着物を寄付していただき、販売して売上を寄付する。手探りで始めましたが、着物好きの皆さんの気持ちに支えられ、開催することができました。  今回は、6日にプチきもチャリとして、少しだけワンコイン着物などを販売します。それから8日には変身☆写真館として振袖で写真をとるお嬢さん(昔のお嬢さんも含む)の着付を手伝います。  過去のきもチャリを思い起こしてみると「やってよかったな」と思える事がたくさんありました。  売上が被災・津波遺児の未来に役に立ててもらえるのはもちろん、箪笥の肥やしの着物たちが、日の目を見ることができるし、なにより、皆さん自分に似合う着物をちゃ~んと見つけ出してきて、鏡の前で羽織ったときのその笑顔が見られるのが本当に嬉しかった!  自分の好みで「この着物はどうかな?」と勝手に思っていた着物にも、ちゃ~んとピッタリの人が現れるんです。本当に、不思議なんですよ。昨年秋のきもチャリでも、最終日に「とっても若向けの着物と喪服が結構残っちゃったな‥‥」と思っていたら、和太鼓をやってます!という若いお嬢さんが現れて、お似合いの着物達をどっさりと。喪服はスキンヘッドの美女が洋服の上にチャチャッと羽織って「いただくわ!」とお嫁にもらってくださいました。それがまた、喪服には全く見えず、黒がとってもファッショナブルで惚れ惚れ。  どんな着物にも、似合いの人が待っている! そう思いました。着物もとっても嬉しそうで、見ているスタッフも思わずにこにこ。  着物って不思議なもので、皆似合うものが全然違うのですよね~。同じ形のものなのに、着ると個性が鮮やかに浮き上がってくる。  チャリティというと、いろんな考え方があって、自分でも、果たしてこれは役に立っているのかな? ただの気持ちの押しつけでは? イベントをするよりも、直接稼いだお金を寄付したほうが早くない? 偽善? など色んな考えが頭をよぎりますが、自分が生活している場所で311を忘れないで、できることをしていこうという気持ちを,参加してくださる皆さんと共有できたらと思って、自分にできる範囲での参加を続けています。無理をするより、長く続けられるほうがいいと思うからです。  忘れないで、支援の活動を続けている方は全国にたくさんいます。同じ今週末に、大阪で続けられている「東日本大震災チャリティきものバザー」があります。キモトモが毎年スタッフとして参加されていますが、ボランティアでこれだけの規模のイベントを続けられていることに、本当に頭が下がります。そして、着物好きさんたちのパワーを感じます。 http://kimonobazaar.blog.fc2.com/  お近くの方はぜひ、足を運んでみてはいかがでしょうか。好きな着物をゲットして、チャリティにもなったらなんだか嬉しいですよね。  もうひとつ、震災後は余震もあって着物を着る事がためらわれるような空気がありましたね。オトナの振袖♪ なんて遊びができるのも、平穏無事な毎日でなければできないことなんだなと、改めて感じています。そしてそんなことで、無理矢理だって笑顔でいるうちに、本当に笑える日が、絶対来ると信じています。  年を重ねてきて、生きるということはいいことばかりではないし、時には「どうしてこんな目にあわなくちゃいけないのかな」とこぼしたくなることもあります。でも、皆多かれ少なかれ、辛い思いや傷を抱えている。生きている限りは生きていかねばならないのだから、ワハハ!と笑い飛ばしていけるように、強くありたいとこのごろ思います。なかなか思うようにはできない、ヘタレな私ですが……。  また今回のフラーレンのイベントは、着物チャリティは金曜日のみですが、連日素敵なグッズやワークショップが盛り沢山です。興味のある方がいらしたらぜひ、遊びにきてくださいませ。  わにこも会場で、お待ちしております\(^O^)/ http://f-ren.com/pray-for-japan/wasurenai2015/

「染の小道2015」開催!のれん染色体験しました\(^O^)/ の巻

星わにこ
2015/02/25 00:00
 急に暖かくなり、自転車を走らせていると梅のふくよかな香りが漂ってきて、春を感じる今日このごろ。三寒四温といいますが、気温の上下を繰り返して本格的な春がやってくるのでしょうね。  そんな早春の今週末、染色産業が盛んな新宿区中井で恒例の「染の小道」が開催されます。昨年は、紅型染めのチャレンジしてのれんを制作したり、いち利モールさんのイベントでも皆様と散歩させていただいたり、楽しかった! 皆さんのお着物姿が、街に溶け込んでいました。着物が似合う街、中井です。 http://ichirimall.ldblog.jp/archives/37327996.html  今年は個人でのれんの制作はしなかったのですが、昨年のワニのれんは、のれんアーカイブとしてギャラリーさくらさんに飾っていただけることになりました。  また、「百人のれん」として、染めの体験ができる講座が毎年秋に開催されています。今回は昨年の秋に友禅の制作過程を東京友禅会の皆様のご指導で体験させてもらいました! のれん作家さんだけでなく、このように体験講座での参加もできるのが嬉しいところ。  友禅は手描き。お絵描きは得意でしょと言われましたが、なかなか思うように線が出ません。まずは糊置きといって、予め描いていただいた下絵を糊でなぞって行きます。ビニールでつくったホイップ絞りのような形の小筒に糊を入れ、先を切って糊を絞り出します。これが均等な太さで出すのが難しい! 細くても防染の役割を果たさないし、太くても美しくない。プルプルと線が震えてしまいました(汗)  この糊を置いた部分は染まらないので、それ以外の部分に色を挿していきます。全体の色のバランスを見ながら、薄い色から挿します。染料を混ぜ合わせて好きな色を作るのですが、色の濃さは水で調整します。混ぜる水が多いと「はしり」といって水シミのような輪シミができてしまうし、濃すぎても塗りにくい。  糊を置いた部分は白く抜けるので、それも想像しながらの色挿しです。ザ☆無難野郎の私は、実際の花の色を想像しながら挿しましたが、他の方は北欧風あり、想像の花風あり、同じ下絵でも全く違うものができていくのが面白かったです。  糊落としや蒸しなどは先生方がやってくださって、受講生は染める楽しさを味わって、ということで、ひたすら色を選んでわくわくしながらの作業。最後には、金や銀でアクセントを入れました。デモンストレーションで、色とびした部分に金粉をまいたり、失敗した部分に金箔を貼って失敗も美しく仕上げたりという技も見せていただけました。  すこ~し金などの輝きが入ると、ぐっと絵に立体感がでてこれまた面白い。ついみっちり色々欲張ってしまいがちですが、やりすぎはNG。お汁粉に入れるほんのひとつまみの塩のような‥‥(すぐ食べる話にしてすみません)  そういう目で、着物や帯を見てみると金銀、刺繍などがさりげなく、本当に絶妙なバランスで入れられて、模様をひきたてているのですよね。日本人ならではの、美的感覚だなあと感じ入りました。  今年もまた、最後に湯のしで作品をべっぴんにしてもらい、皆の作品を縫い合わせてのれんに。「百人のれん」の友禅の花、自分もまだその仕上がりを見ていないので、すごく楽しみです!  名前は入りませんが、実はわたくしこの体験染めの絵の桜の枝部分に、ワニさんを騙し絵のように描いちゃいました(笑)。目にキラリンと金が入っています。ぜひ、こっそり隠れているワニさんを見つけてくださいませ!  いよいよ今週2月27日金曜日からイベントが始まります。街の真ん中を流れる妙正寺川では昭和30年代までは実際に、染め物を水洗いしていたのだそう。その風景が甦ったかのように、川の水面の上にかけられる反物が風に揺れる様は本当に美しく、ぜひ見ていただきたい光景です。  また街には97枚ののれんが一斉に飾られ、街全体が染めのギャラリーに変身。様々な染めの作品の中からお気に入りを見つけて下さい。お店にもいろんな特典やイベントが用意されていて、毎日通っても飽きません。このときならではのお買い得品もいっぱいです。  今年は、学生サークル「ちえの小道」がガイドツアーを毎日無料で行っています。見どころをばっちり案内してくれますよ。染色工房では、染めの体験ができたり、展示会場ではファッションショーも。音楽イベントなども開催されますので色んな楽しみ方ができます。要チェック!  中井には赤塚不二夫プロもあるので、運がよければウナギイヌの着ぐるみにも会えるかも!  当日も充実したパンフレットが配布されています。(ちなみにわにこのイラストも使っていただいてます(^^)v 見てね) 私もウロウロしていますので、どこかで見かけたら、ちょっと内気なので(ええ)どうか優しく声をかけてやってください。すごく喜びます!!  ぜひこの週末は、着物で染の小道のお散歩を楽しんで下さいね!

妄想コーデ☆卒業式にお袖の長い色無地をの巻

星わにこ
2015/02/18 00:00
 卒業式シーズンですね。卒業式、謝恩会の華といえば、袴に振袖。振袖はいうまでもありませんが、この時期お嬢さんたちの袴姿は格別ですよね。  女学生といえば「袴」。現在の女性の袴は、明治時代に日本の女子教育の先駆者下田歌子が海老茶色の袴を考案したスカート式のもの。自転車にのったり、外での活動がしやすいため、女学生たちが着用しました。  最近では袴の色も、ぼかしや刺繍など、どんどん華やかになっていて、どこまで盛り盛りになっていくのか、ちょっとどきどきです。  袴に合わせる着物は、華やかな小紋の二尺袖も、最近では振袖にあわせるコーデも見られますね。ちょっと古い女のわくたしとしては、大正時代のはいからさんのような矢絣や、紋付色無地などにきゅんときます。  卒業式に着る礼装と考えると、紋付の色無地がもっと着られてもいいのではないかな~と 今回若い方の色無地コーデを考えてみました!  華やか小紋や振袖に負けない、ビビッドな色無地はいかがでしょうか!  袴をつける場合は半幅帯ですが、謝恩会では袴をとって、華やか袋帯を飾り結びにしても。  伊達衿やビーズの半襟で華やかさアップ! お誂えならば、お袖は少し長く仕立てたいですね。袖丈は49センチが標準ですが、一尺四寸(53センチ)、一尺五寸(57センチ)でもいいかも。レンタルなどで多いお袖は二尺袖(約78センチ)くらいなので、それくらいあってもいいかも。  ただ、反物の長さもありますので、仕立てのときに相談してくださいね!  学び舎を離れる最後のセレモニー、素敵な思い出になりますように。

伊達衿に夢中!礼装のクラスアップにもお洒落にも の巻

星わにこ
2015/02/11 00:00
 最近、振袖やお祝いごとの礼装のコーディネートのご相談をいただくことがあるのですが、伊達衿が意外と大きい働きをするんだな~と改めて感じ入っております。  伊達衿は、重ね衿、比翼衿ともいって、昔は礼装の着物は重ねて着た(二枚襲など)名残です。留袖についている比翼がまさに二重襲の名残ですが、さらに簡易に衿の部分だけを二重に見せるものです。  振袖の襟元には必ずといっていいほど使われていますよね。昔は無地の羽二重地だった気がするのですが、地紋入り、ラメ入りは当然、最近では一連にパールなどを縫いつけてネックレス風に見せたり、レースを使ってヒラヒラにしたり……。なんでもありです(^^;)  私がハマっているのは、本来の伊達衿の使い方からはちょっと外れますが、伊達衿を振袖の衿に添わせて外に出すことをしないで、振袖の中、襦袢の上で何重かに重ねて、十二単風に見せる衿元です。半衿を見せる幅は抑えて、伊達衿を重ねていくのです。襲ねの色目を考えると素敵です!  また、振袖だけでなく、訪問着や付け下げはもちろん、色無地にも使うと礼装感がアップして華やかになります。ほんのちらりと見えるだけのラインですが、襟元に1色プラスするだけで見違えます。  淡い色の着物に濃い色を挿せばキリリと。淡い色をあわせればふんわりと。反対色、同系色、考え出すときりがなく(笑)最近どんどん伊達衿が増殖して‥‥(汗)だれか止めて~(汗)  形自体は非常に単純なものですから、作れちゃうかも?なんて野望まで。  それにお洒落と考えると、礼装だけに限らず楽しんでもいいと思うのです。以前、綾秦節先生に「紬に江戸小紋柄の縮緬の伊達衿を挿す」という超上級ワザを教わったのですが、これがウーンと唸るお洒落さ。  紬などには、礼装とは同じものではしっくりきませんから、似合う素材や色柄を見極めることが大事なのですね。  たかが伊達衿、されど伊達衿。あってもなくてもいい存在だけに、上手く使いこなせるとハっと目をひくコーディネートのアクセントになってくれます。伊達衿のポテンシャル無限大。  そんなわけで、ちょっと伊達衿沼にハマり中のわにこでした。皆様もぜひ伊達衿遊び、お試しを♪

帯締の裏表の見分け方、房に注目☆の巻

星わにこ
2015/02/04 00:00
 今日は立春。もう春なのですね。梅の花もほころんで、あちこちで春の気配がしはじめています。日も随分長くなってきました。  去年から友人と共同のアトリエ兼スタジオを借りて仕事をしているのですが、そこに前の住人の「一陽来復」というお札が残されており、調べてみたところ商売繁盛、金運のお守りだそうで。節分に設置するとよいと聞き早速早稲田の穴八幡宮でいただいてきました。立春から商い繁盛といきたいものです。  さてさて今日は、帯締の裏表の見分け方のお話です。なんとなく感覚で締めていましたが、実は、平組の場合は房の部分を見ると一目瞭然なんです。  房の付け根のしぼってある部分が膨らんでいる方が表、凹んでいる方が裏になります。組み模様や刺繍などしてある場合は、表の方がふっくらしているのがわかると思います。  留袖などに使う白と金銀の帯締は、金銀がゴージャスなので表かなと思いきや、白が多いほうが表なんです。  冠組(ゆるぎぐみ)の場合は、真ん中に1本筋が入っているほうが表です。某道明(ちっとも某じゃない)のものはタグがついていますが、そちらが裏側です。わかりやすいですね。ついてないものは、真ん中の筋を探せばOK!  撚り房のものなどは、あとから房を足したものなので帯締の端は平らになっています。組模様の凸凹で判別する方法になると思いますが、わからない場合は好きなほうを使ってよいと思います。三部紐なども裏表のないものが多いです。  今はリバーシブルで裏表で違う表情を楽しめるものが増えていますね。気分で締め分けるのもいいですし、帯のお太鼓の中でくるっと捻って結ぶと左右の色が変わってそれもまた素敵。何通りもの使い方ができます。  ちなみに、片側だけに模様や色などアクセントが入っているものは、華やかなほうを左側にして結びます。  帯締の裏表が違っても、正直人が見てもあんまりわからないもの。でも、知らないで裏表間違えているのと、知っていてきちんと締めている、もしくは崩して楽しんでいるのでは全然違うと思います。ちょっと胸をはって、装えますよ。

真綿パワー恐るべし!「ねこ」を背負ってあったか着物ライフの巻

星わにこ
2015/01/28 00:00
 大寒過ぎ、少し寒さも緩むのかな‥‥と思っていたらまだまだ冬将軍は居座りそうですね。寒い! 布団から出るのが辛い毎日です。  最近、家にいる間中背負っているのが「ねこ」。動物の猫ではなく、長野県南木曽町で作られている防寒着の名前なのです。木綿綿や真綿の入った長方形の薄い布団のようなものを背中に背負う形です。半纏の袖も前見頃もないバージョンとでもいいましょうか。亀仙人の甲羅が平らな状態です(余計わからんわ!)  いつぞや田舎の叔母が着ていて「そんな背中だけなんで本当にあったかいんかいな」と思ったのですが、これが暖かい!! しかも、袖も前見頃もないので全く動作の邪魔にならず、背負っているのを忘れるほど。すっかり忘れていて、ふと鏡を見てびっくりしたり(笑)  昨年、キモトモのお母様の手作りのねこを譲っていただいたのですが、もう手放せなくなっております。今こうして原稿を書いている間も、背中にはねこです。  上から上着を羽織ると、一層暖かい。おうち着物のときなど、羽織の下にねこを背負うとぽかぽかです。感覚としてはダウンインナーのようなかんじですが、背中だけ、というのがミソなんですね。  背中側の首の付け根のあたりに「風門」というツボがあり、ここはまさに「風邪の門」。風邪の引き始めなど背中がゾクゾクするあたり。ここを温めてあげると、風邪を寄せ付けないそうです。着物の時は、帯があるので腰のあたりは冷えないのですが、首筋から背中の上部が結構手薄。ねこは強い味方です。腰のあたりまで覆うので、本当に温かい!  着物、洋服の上に着るとこんなかんじです。(友情出演:キモトモ&猫) 「ねこ」と似たものに「背負い真綿」があります。布でくるんであるものと、ただ真綿をのばして下着や服の上に置いて、衣類の間に挟んで使うものがあります。挟むだけ? と思いましたが意外とこれがずれないんですね。  真綿は小さくちぎってのばして足袋や靴下の先にいれると暖かいですし、ひじやひざなどにあてる方も。持っているだけでじんわり温かさを感じます。布に挟めばまさに繊維の天然カイロ!  「綿」の素材も木綿綿、ナイロン綿などいろいろありますが「真綿」はシルク100%。軽く、光沢があり保温性も高く、消臭抗菌効果まであるというまさに綿の王様やぁ~なのです。  昔は冬の着物にはこの真綿を薄くのばして入れて防寒にしました。春になると綿を抜いたことから、四月一日と書いて「わたぬき」と読む苗字がありますね。絹は布としてだけでなく、綿としても日本人の生活に密接に関わっていて、半纏や布団だけでなく、いろんなシーンで大切に使われてきたもの。  キモトモが、着物の上に着る道中着型のコートにこの真綿をいれたものを着ていて、本当に素敵でした。もっとこういうタイプの着物コートがあってもいいのにな~。  布団は羽根布団。防寒着はダウン。な現代ニッポンではありますが、ずっと使われてきた防寒の知恵、真綿も見直してみたいなと思っている、わにこ(背中にねこ)でした。

鬼も逃げ出す!?妄想の節分ラッキーコーデの巻

星わにこ
2015/01/21 00:00
 もうすぐ節分。お正月が終わった途端にスーパー等のディスプレイが一気に節分仕様になり、恵方巻きが気になり始めます。「その年の恵方を向いて食べるとよい」という恵方巻きですが、もともとは大阪の風習を1990年代に大手コンビニがとりあげたのが全国に広まったきっかけのようですね。まあ、美味しいので食べてもいいかな~となんとなく食べたり食べなかったりしているわたしです(流されやすい)。  節分に邪気を払うという行事自体はとても古く、中国には二千年以上昔からあったとか。日本には八世紀に遣唐使が伝え、また日本の宮中での儀式と融合して、民間にも広まっていったようです。  豆は「魔目」に通じ、鬼の目つぶしができるのだとか。  地方によって様々な風習がありますが、私の生まれ育った岐阜の山奥では「鬼めくり」というものがありました。節分にはヒイラギやアセボの枝とイワシの丸干しを玄関に吊るし(トゲと生臭い匂いで鬼を撃退)、家の中では、豆を炒り、ヒイラギやアセボの葉を燃やしてパチパチと音をたてて鬼を払います。  また、鬼の絵を描いた板や紙を戸に貼ります。鬼の首と、点々を13個(うるう年は12個)、五芒星を書いたお札のようなものです。鬼はたくさん数を数えられないし、五芒星で方向を迷い、家に入ってこられないというまじないです。  子どもの頃は、夜になるとこの鬼の札を近所の家にめくりにいきました。お父さんのあとをついて家中豆まきを済ませたら、さあ出発。鬼めくりにいくと、そのおうちの人がお菓子をくれたりします。ハロウィンみたいですね。いろんな鬼をたくさん集めて、次の日には学校で枚数比べ。  思い返してみると、せっかくのお札はがしたらいかんのでは? と思うのですが、これが子どもの「鬼退治」だったのでしょうか。寒い寒い夜、滅多にできない夜の冒険、子どもの頃の楽しみでした。そして、やはり鬼の絵が上手な札があると盛り上がります。私の曾祖母(104歳まで長生きしました)がこの鬼めくりの絵を描く名人。筆でさらさら~と描くのがマジで怖い!!! 本当に鬼を追い払ってくれそうな鬼(?)でした。懐かしいです。  さていつもながら前置き長くてスミマセン! そんな節分ですが、まさに季節を分ける日。一番寒い時期ですが、この日が明ければ立春。暖かい春に向かってのけじめの日なのです。  季節の変わり目に現れるという邪気や鬼やらい(払い)をして、明るい春になーれ! そんな妄想コーデをしてみました\(^O^)/ じゃーん! http://bit.ly/1CJ6pBs  この季節にうれしいほっこり米沢の真綿紬。明るい色で春待ち気分と、格子柄で豆を入れる「升」をイメージ。帯はころころ転がる豆みたいなドットが可愛い九寸名古屋帯で。  半衿は刺繍で鱗文様が。鱗文様は厄よけで有名な文様ですね。帯締めも市松で升のイメージ。クリスマスのとき使ったヒイラギの帯留、使ってもいいですね! 帯揚はミヤコレの「こんぺいとう」。子どもの頃もらったお菓子を思い出してみました。  そろそろ自分の年の数プラスワンのお豆を食べるのが厳しくなって参りましたが(><)、今年は頑張って食べてみようかな。ココロの鬼退治して、よい春を迎えましょう!

雪が降ったらどうする!?雪対策の巻

星わにこ
2015/01/14 00:00
 寒いですね! 今年の成人式は、東京は気温は低かったものの本当によいお天気でしたね。新成人の皆様、おめでとうございます。関係ない私ですけども、まだ記憶に新しい二年前、大雪で大変だったことを思うと、ほっとしました。親御さんたちも、感慨深いものがあったのではないでしょうか。  でも、雪が降った地域もありましたね。雪の日の振袖も、見ている分には風情があって美しいものですが、寒かったのでは。またお手入れのことも想像するとドキドキしてしまいます(^^;)  どうしてもというのではない場合。雪が降った日は着物はあきらめたほうがいいのでしょうか? いえいえそんなことはありません。基本は雨の日対策と同じ。足元の工夫と、防寒対策さえしっかりすれば雪の日でも着物は楽しめます。  防寒対策は、とにかく首、手首、足首をカバーして。着物は重ね着ですし、帯まわりも暖かいですから、下着を着込んでしまうと暖かい室内で暑い思いをすることも。マフラー、手袋、アームカバー、膝下の足袋下タイツなど着脱可能なもので調節するとよいでしょう。  外で過ごす時間が多い場合は、使い捨てカイロを持ったり帯にはさんだりもよいです(これも貼るタイプを背中などに貼ってしまうと暑くなったとき困るので、取り出せる場所に)。  雪対策としては、着物が濡れたり汚れたりしないように、雨コートを着て(二部式なら下だけでOK)、その上から防寒のコートを。もしくは、道行き等を羽織った上から雨コートを着ればOK。気温と相談してプラスマイナスしてください。  寒くてサラサラの雪ならまだよいのですが、ボタ雪や溶けかけで泥はねが懸念される場合は裾をまくっておくか、洗える着物にしてしまうのもテ。  そして足元ですが「雪国の草履」といえば、憧れるのが「アザラシの毛皮の草履」です。アザラシの毛皮は撥水もしてくれ、暖かいのだとか。見た目もゴージャスで暖かそうです! 他にも、底の部分に凸凹加工がしてある、雪でも滑りにくい草履もあるそうです。  ですがですが。雪国の人に聞いてみたら「つま先も足元も寒いし、着物でもブーツはいて移動して、会場で履き替えるよ。普段着だったらそのまま」とばっさり。あ、ですよねー。  荷物は増えちゃうかもですが、一番賢い方法かも。車移動や、クロークがある場所へ行ったりするのであれば問題なし。着物=草履&下駄、と決めつけないで、状況を見て判断するフレキシブルさが大切なんですね。  ついつい着物はお約束がたくさんあって、正解かどうか答え探しにやっきになってしまう部分がありますが、ハードルをあげすぎて着ること自体を止めてしまうよりは、少し外れたってなんだって、着て楽しむ、お洒落をする、そういう気持ちのほうを大切にしたいなと、思う年のはじめでした。

振袖を着るときは。しぐさ美人で差をつけよう!の巻

星わにこ
2015/01/07 00:00
 皆様、どんなお正月を過ごされましたか? あっという間に仕事始め。どうぞ本年も変わらず御贔屓の程よろしくお願いいたします。  さて、いよいよ来週月曜は成人の日ですね。新成人の皆様、おめでとうございます。振袖を着る方も多いと思いますが、初めての方はもちろん、着物に慣れている方でもあの長い袖にはちょっと手こずるのではないでしょうか。「振袖を着た時にちょっと気をつけるとよいこと」をご紹介します。  話はそれますが(いきなりかよ)、わにこも20代の頃、着物熱がゴゴゴゴ‥‥‥と上がったことがあり、当時、振袖のきものムックで読者モデル体験をさせていただいたことがあります。そのときは「きものの立ち居振る舞い~正しい姿勢で、誰もが振り返るきもの美人に」というタイトルで、立ち方、座り方、階段の上り下り、車の乗り降り、手洗いなどなど、どうしたらいいかを教えていただきました。本誌はもちろん、アウトショットの写真もいただいて大事にとってあります(^^)  写真がモノクロなのは、カラー写真がまだなかったからだからじゃないです! モノクロページだったからです!(ムキになるのが‥‥w)誌面を見ると、緊張しすぎて三白眼になっているのが笑えます。  お茶を習っていたので、普通の着物には慣れていたつもりでしたが、振袖の場合、長い袖の扱いがけっこう大変で、知らない事が多く「え~そうなんだ!」と思ったものです。そのときも、今も、多分振袖を着た時の注意点は変わっていません。内容は去年のコラムとも重複するとは思いますが「振袖を着た時のしぐさ美人になる方法」をご紹介しますね。(前振り長くてすみません(^^;)  洋服と着物、特に振袖が大きく違うのは「袖」。袖の取扱いさえポイントを抑えればほぼ勝ったと言っても過言ではありません!  袖は思ったより長いもの。普段ないものがそこにあるわけなので、これに注意です。低い姿勢をとる時には引きずらないよう注意してください。  椅子などに座る時は、膝の上に袖を置き、床につかないようにします。また、物を落としたりして拾う時や、階段の上り下りのときにも両袖をまとめて片手で持ち上げます。イラストのように持つとキレイですよ。裾も踏んだりしやすいので、しゃがむ時などは少し裾を持ち上げます。  床や地面に袖や裾をつけて汚したり、姿勢を起こす時に踏んで破いたりしないように注意です(わにこ、これで袖の付け根を破ったことがございます(涙))。  また、物をとるために腕を伸ばしたり、腕を上にあげたりするときに、袖口を片手で抑えるとエレガント。ひじまでニョッキリ見えないように。  歩き方は、少し内股に、ちょこちょこ歩きしてください。手と足は同じ方を出すと、体をねじらないので着崩れにくいですよ。(いわゆるナンバ歩きというやつですね)  車に乗るときは、袖を持って、頭を下げておしりから乗って下さい。頭をごん!とぶつけてせっかくのヘアセットが台無しになるのが防げます。車のドアを閉めるときは、自分で閉めないで運転手さんに面倒でも閉めてもらえると着崩れが防げます。振袖のときはレディファーストで大事にしてもらいましょう。  あとは、着付をしてもらったときに、慣れていない人はトイレでどうしたらいいか着物の扱いを教わってくださいね。これ実は最重要事項です(^^;)。  振袖を着たときは、日本のプリンセスドレスを着ているんだ!という意識で、いつもとはちょっと体の動かし方、しぐさをゆったりとしてみてください。エレガントな大人の女性への階段を素敵に登って下さいね!  もちろん、オトナな方も、振袖のときはプリンセス。しぐさ美人で、振袖姿の魅力をアップしてくださいね。

いくつになっても!?一生振袖宣言!の巻

星わにこ
2014/12/24 00:00
 もういくつ寝るとお正月。そしてお正月が終わると成人式がやってきますね。成人式には、振袖を着るお嬢さんも多いのでは。新成人の振袖姿は本当に輝いていますね。文句なし!の華やかさです。用もないのに外出して振袖ウオッチングをしたいくらい振袖大好きなわにこです。  あまりに振袖が好きすぎて(笑)、今年は着せつけの勉強も始めました。お支度を手伝われる着付師さん、美容師さんにとって成人式の日は本当に大変な一日だそうですね。大切な一日を、気持ちよく過ごしていただけるようにするプロのお仕事。私もお手伝いできるようになりたいと頑張っております。  振袖の魅力を語りだすと「暑苦しい」「もういい」といわれてしまうのですが(笑)、本当に振袖は、袖が長いだけなのに、どうしてあんなにも女子の心を浮き立たせるのでしょうか。  先日のきものサローネでは「100人コーディネート」に参加させていただきましたが、そんな振袖フリークのわたくし「一生振袖宣言」として、着られるころを過ぎても楽しむ「オトナの振袖」コーディネートを提案しました。  まず大前提にあるのは、振袖は「未婚女性の第一礼装」ということです。結婚すると留袖が第一礼装となります。  初めて本断ちの着物に袖を通すのは十三参りの頃。今回オトナの振袖を提案するにあたって、改めて振袖の着用機会が多い年代のモデルさんに、本番でトルソーが着るものと同じ振袖を着て撮影させてもらい、小冊子を作りました。その中からちょっと振袖コーディネートを紹介させていただきます。  まずは初めて本断ち(大人仕立ての着物)に袖を通す、十三参りのお嬢さん。数えの年の十三歳は、まだまだ子供の面影が濃く、着物にも肩上げを入れます。  肩上げのある振袖の初々しい着姿は本当に可愛い! でも七五三のときとは違って、ふと見せるオトナな表情がなんともいえない、この年齢独特の美しさ愛らしさがあります。十三参りは馴染みのある地域とそうでない地域があると思いますが、ぜひ振袖を着てほしいお年頃です。  そして振袖といえば成人式。二十歳の女子大生にも同じ振袖を着てもらいました。どんなに髪飾りや小物で盛っても負けない、文句なし!輝きマックス!です。  今回はあえてシンプルなコーディネートにしてみました。ちょっと控えめでオーソドックスなコーディネートも着ているお嬢さん自身の輝きをひきたてるような気がします。  そのあとは振袖を着る機会としては、結婚式への出席や結納、茶席など第一礼装にふさわしい場や、パーティなどになるでしょうか。  さて振袖を着る条件としては、もうひとつ常識として年齢も加味されます。未婚でも「三十振袖四十島田」という言葉がありますが、お年頃を過ぎてからの振袖姿や島田髷(日本髪で未婚女性や花柳界の女性が結った華やかな髪型)は若作りで痛いという意味。今は三十代の振袖も眉を顰める人はあまりいませんが、まあ、その上となるとさすがに……かもしれません。  私など、アラフィフの上に既婚者で、振袖など絶対着てはいけない対象なのでありますがっ! 着たいんですね~これが。  一度思いつきでキモトモたちと着たら、あまりの楽しさにもう病みつきになってしまいました。それからは公式・公共の場ではない、内輪のパーティや個室(ここポイント)の宴会などで楽しんでしまっています。  今年はNPO川越きもの散歩さん主催の「きもの新年会」がコスプレ的に振袖や留袖での参加も歓迎とのことで、キモトモと振袖で参加させていただきました。ほかにも振袖を楽しんでいるオトナな年齢の方がいて、大雪だったにも関わらずとっても盛り上がったんですよ。  写真を撮ったりしてまた盛り上がり。やっぱりいくつになっても振袖を着るとときめいて、晴れやかな気分になるのです。  もし箪笥の奥に眠っている振袖をお持ちの方がいらしたら、年齢を気にせず、おしゃれとして、洒落で楽しんでみてはいかがでしょうか。振袖効果で若返り! 間違いなしです。 (撮影:渡部瑞穂(昭和な家スタジオ))  ぐはははは!! これはちょっとモデルに難ありですがっ! どやああ!!という気合いで着ております!!  オトナな振袖は、やはりいろんな意味で中身が成長した(?)分、若い人たちの着こなしとはちょっぴり差をつけたいもの。帯の飾り結びもいいですが、すっきり低めのお太鼓で着こなすのも新鮮ですよ。帯揚げも総絞りではなく、ちりめんなどですっきりと。大きめの帯留や、大振りな指輪などでマダム感を出しても。ドレス感覚で着こなして。  そしてなにより大切なことは、「怖めず、臆せず、恥らわず」(笑)堂々と、女優気分で着こなしてください! 髪型やお化粧も普段の倍増しでなければ、振袖には負けてしまうんですよね。思い切りが大切だ!と何度か着るうちに学びました(笑)  洒落のわかる仲間と、ぜひぜひ楽しんでいただきたいです。  きものサローネでのコーデを見て、早速クリスマスパーティに振袖隊を結成、オトナ振袖を着ました!と、素敵な報告もいただきました。もう、すごくすごくうれしいです!!    振袖のハイシーズンにぜひ声を大きくして言いたい! 「オトナだって振袖を楽しんでもいいじゃ~ないの」と(笑)  もっともっと、振袖を。  今年も一年、つたないコラムにおつきあいいただき、本当にありがとうございました。来年も楽しくきものが着られますように。それでは皆様、よい年をお迎えください!

お正月妄想コーデ☆初春梅尽くし の巻

星わにこ
2014/12/17 00:00
 まだ12月なのに本当に寒いですね。大雪で大変な思いをされている方もいるのではないでしょうか。大きな被害がでない事を祈っております。  でも、冬来たりなば春遠からじ。春の準備は実は始まっているのですよね。  もうすぐ新春!ということでお正月のコーデを妄想してみました。初春の梅をイメージして、梅尽くし。  梅は、どの花よりも早く咲いて、その香りで春を告げる縁起のよい花。高潔、清純、忍耐などの象徴に例えられ、実を結ぶことから大願成就の樹としても愛されてきました。迎春にぴったりの清々しいモチーフです。  そしてお正月!ということで景気よく(笑)贅沢なお値段のものから妄想してみました。いつもは商品を探す時「価格の安い順」で見ているのですが、今回は「価格の高い順」で検索しちゃいました。これだけのことですが、なんか贅沢~という気分に。安上がりな私です(笑) http://bit.ly/1uWSkvk  着物は憧れの友禅工房のはまやの小紋。艶やかな紺藍色に手描きの花が艶やかに咲いていて、訪問着にも負けないような豪華さですね。帯は老舗「京藝」の、手彫りの版木を使用したという柄ゆきは、手仕事ならではの奥深さがありますね。  どちらも厳密に梅そのものでなくても、梅に見立ててあわせてみました。小紋の柄は良く見るとバラのようですが、遠目でみれば梅にも見えなくもない‥‥梅はバラ科だし‥‥と自分の中で妄想(笑)。  帯締めは梅紫。帯揚は輪出しの絞り部分を梅に、半襟は七宝の刺繍を一輪の梅に見立てて。お正月なので、梅紫の伊達衿を挿してもいいかも。  松や竹の小物をプラスして、松竹梅にしてもいいし、もう少し春が近くなったら鶯(うぐいす)の小物を足せば「梅に鶯」。春に向かってうきうきします。  梅にはいろいろな意匠があり、写実的なもののほかに、ざっと思いつくだけでも、ねじり梅、利休梅、光琳梅、梅鉢、梅鶴‥‥。着物や帯にもたくさん使われていますから、手持ちのものから探すのもまたひとつの楽しみです。  他にも干支やお正月の縁起物を帯留などでプラスするのも、年に一度のお楽しみ。初詣やお正月のおでかけは思いっきり華やかに装いたいですね。  着物のお誂えは自分の好きな寸法にしてもらえるのも嬉しいところ。なかなかできませんが、こういう贅沢なよそいき小紋などはちょっとお袖を1寸くらい長くしてもドレッシーで素敵ですよ。  寒い寒い雪の下で、春に向けて花咲く力を蓄える梅を見習って、たくましく冬を乗り切りたいものです。

チンドン屋さん体験!ついに振袖姿で街に出る(笑)の巻

星わにこ
2014/12/10 00:00
 今年は例年より初雪のニュースがとても早いですね。そしてインフルエンザの流行も。予防接種をうつ間もなく早速、流行の先端をいってしまった我が家です。先が思いやられます……。  さて今日は、先月の話になりますが「とうとう振袖で出歩いてしまった」事件(?)のおはなしです。といっても、この年で振袖でお出かけという暴挙に出たわけではなく(笑)、チンドン屋さんのお供をさせてもらったのです!  最近はすっかり見かけなくなった「チンドン屋」さん。懐かしいわ~!という方も多いと思いますが、私自身は人より狸が多い(嘘)岐阜の山奥育ちなため子どものころにはテレビでしか見たことがなく。上京してパチンコ屋さんの新装開店!というチンドン屋さんに遭遇したときは「これが!」と興奮したものです。  鉦(かね)と太鼓のチンドンという賑やかな音、ゴロス(大太鼓)のドーンドーンと響くリズムにアコーディオンやサックスの哀愁あふれる旋律。なぜかじっくり見てはいけないような気持ちになるけど目が離せない奇抜な衣装にどきどき。ついふらふらと後ろをついていきそうになるのは何故なのでしょうか。  そのちんどん屋さんと派手な着物で一緒に練り歩こう!という企画が持ち上がり、もちろん(?)参加することに!  今年から友人と共同で昭和30年築という二軒長屋(通称「昭和な家」)を仕事場として借りて、セルフリノベーション(というと聞こえはいいがお金がないので自分たちで改装)しながらわいわい仕事をしたりイベントをしたりしています。  その昭和な家がある商店街のおまつりで、なんと一ヶ月間毎週末ちんどんやさんが練り歩くことになり。せっかくなのでいろいろな趣向で、ということで着物好きの集まる私たちのところにお話がやってきたのです。  ちょっと落ち込むことが続き、参加もどうしようか迷っていたのですが友人親子もきてくれて、「せっかくだから」と、なんちゃって和髪を結って派手な振袖に袖を通したら……あれ? 自然に笑顔に。なんだかとっても楽しいぞ?  友達も最初は「いや私、ちょっと疲れてて……」なんて言ってたんですが、二人とも振袖に着替え終わる頃にはテンションがだんだん上がってきて……。   そしていよいよチンドン「のまど舎」の皆さんの後について、商店街をみんなが知ってる曲を演奏しながら練り歩き。子どもたちはかわいい着物姿、ちょっぴり緊張の面持ちで先頭のチンドン太鼓の後に続きます。振袖のいい大人たち(笑)は適当に木琴たたいたりチラシを配ったり。もう、我々びっくりするほどニッコニコに。  そして、ちょっと意外だったのが通行人の皆様が結構な確立でにこにこ話しかけてくれたり、手を振ってくれたりすること。商店街の皆さんも、お店から顔を出してくれたり。東京砂漠ってもっとクールかと思ってた!(田舎ものの誤解)。  今の子どもたち、チンドン屋さんなんて知らないよね、受けるのかな? なんて内心失礼ながら思っていたのですが、音楽にあわせて、反対側の歩道を手をふったり踊ったりしながら一緒に歩く子たちがいたり。断然子どもたちが大喜びしてくれていました。  そうなんだ! チンドン屋さんの魅力って、その目立つ格好や懐かしさではなく「音楽」が肝なんだ! と生で演奏を聴きながらしみじみ。  まさにジャパニーズストリートミュージック。ちょっぴり物悲しくて、日本人のハートど真ん中にささるその演奏。1時間ほどの体験でしたが、その魅力にはまってしまいそうでした。  最後に記念撮影で、チンドン太鼓を持たせてもらったのですが、10キロ近くあるそうで、これをつけての演奏&練り歩きは重労働(@@)プロの凄さを感じ入りました。 (それにしてもうれしそうすぎる自分(汗))  常々「出歩かなければおばちゃん(あ、言っちゃった)でも振袖着てもいいよね!」と主張している私ですが、とうとうこの日は思いっきり街を出歩いてしまいました(笑)楽しかったです! この開放感が病み付きに……なんて、スミマセンモウシマセン(汗)  その後、ちょうど近所の神社で酉の市が開かれていたので参拝に。昭和な家スタジオのお仕事繁盛を祈願して熊手を購入、景気よく拍手を打っていただきました。  着物を楽しんでいると、なんだか楽しいこともいっぱい起こってくるみたいです。  時には決まりからちょっと外れた着物もよいもの。着物は着るもの、時と場所さえわきまえれば、どんな風に着たっていいんですよね。もっともっと、着物、楽しんじゃいましょう!

着物の防寒対策最強アイテム現る!?南の国からきたあいつの巻

星わにこ
2014/12/03 00:00
 もう師走! 今年も残すところわずかと思うか、あと1ヶ月もあると思うか。まだまだ2014年、あれもこれもやること山積で、もう一踏ん張りせねばと思いつつ、こたつで日々ゴロゴロ過ごしてしまい反省中のわにこです。  そして気圧配置も冬型に。本当に寒くなってまいりました。着物は体の中心部が帯で保護されているせいなのか、重ね着で空気の層ができるせいなのか、洋服でいるときほど寒さを感じないのですが、やはり、この時期は防寒対策をしっかりしたいところ。  とはいえ暖房の強い室内などでは暑くなってしまうことも多々あるため「なるべく簡単に着脱できるもの」で防寒対策をするようにしています。  着物で冷える部分は3つの首「首、手首、足首」なので、ここをカバーするものを用意します。  まず首はマフラーやショール。  手首は薄手のアームウオーマーと手袋で。長手袋も暖かいのですが、セパレートにしておくとなにか作業したいときに手袋だけさっととって、ひじはアームウオーマーで暖かいままというのが便利です。暖かかったらアームウオーマーは外してもいいのですが、薄手のものにしておけば、ひじの上にまくりあげておいてもあまり邪魔になりません。  足首は足袋の下にはくタイプの足袋インナーや、カジュアル着物のときにはロングタイプの足袋ソックスを愛用しています。足首からすねが冷えなければ、本当に着物は暖かく着られます。  いずれも、外したときにスマートにバッグに入れられるよう、薄手でかさばらないものにこだわっております。  さてここで問題です。寒いといえば雪。昨冬の東京の大雪のとき、着物ででかけた私を助けてくれた最強防寒アイテムはなんでしょう。ウールのコートはもちろんですが、着物のすそや足元を寒風からも雪はねからも守ってくれたすごい奴です。  答えは(早)、サルエルパンツです!  選んだのは布がたっぷり使ってあるタイプで、ひろげるとほぼ三角形になっているくらい股上がふか~いもの。裾が細くなっていないタイプをアジアンショップで見つけて「これはもんぺや水屋袴替わりに使えるかも!」とゲットしました。  股の切れ込みがほとんどないので、着物を普通に着た上に着物の裾をあげることなくそのまま履いてしまってOK。生地も厚手のコットンで、縞の織り模様なので和服とも相性よし。アジアはつながっているな~と実感。  雪の日はこれを履いてブーツを履き、上にウールのコートを羽織れば雪もへっちゃらです! 寒くない! 着物も汚れない! ブーツなのでぱっと見、着物姿には見えないですが(笑)  それからサルエルパンツは自転車に乗るときも超便利! 裾がはだけてもまったく見えないし、汚す心配もありません。帯つきのシーズンは、すれ違う人にちょっと「ぎょっ」とされますが(笑)快適です。  構造を見てみると、幅広の布を直線で折りたたんで縫ってあるだけ。作っても簡単そうです。でも、なんと2000円を切るという布代より買ったほうが安いお値段だったり(汗)  難点は、人前で脱ぎ履きするのがちょっぴり恥ずかしいことと、この季節着物の上にいったん履いたら暖かいので脱ぎたくなくなること(笑)普段着物はタートルネックセーターの上にウールの着物を着てサルエルパンツをON。こんなお気軽スタイルもたまにはおすすめです。  水屋袴もいいんですが、紐じゃなくてゴムなのがまた気軽で。考えてみたら、サルエルパンツって裁着袴(たっつけばかま)に形が似てますよね! 私が使っているタイプはもっとゆったりしたものですが。  夏はちょっと暑いな~と思いましたが、逆に考えると冬はこれくらい強い味方はない!というわけで防寒にも大活躍のサルエルくん。キモトモに紹介したところ「買ったよ」「わたしも買った」と大人気です。  先日、着る人がつくる着物情報誌「月刊アレコレ」で防寒についての特集でも紹介したところ、編集長さんも早速購入されたそう。112号に掲載されています。「七緒」でも大活躍の佐川由希さんや、元くるり店長の草萌さん、365日着物生活中のカメラマン渡部瑞穂さんと対談させていただいたのですが、皆さんそれぞれのこだわり防寒アイテムがあって目ウロコでした! やっぱり日常的に着物を着ている方のお話は勉強になります。そして皆さんとっても素敵でした  さてさてこんな便利なサルエルパンツなのですが、こうなると欲が出てくる! ほかの素材ではどうだろう? 冬用にエクセーヌみたいな素材とか夏用に涼しい素材はどうかとか、防水タイプもいいな、とか。袴みたいにサイドにスリットが入っていると通気性がよくなるんじゃない?などなど、次々理想のサルエルパンツを妄想してしまいます(笑)いち利モールさん、オリジナルサルエルハカマ、作りませんか~(なんて言ってみたりして……)  皆様も、和装用だけにこだわらず使えるアイテム探してみませんか? そして見つかったらぜひ、わにこにも教えてくださーい。

いよいよクリスマスシーズン!ホワイトクリスマス妄想コーデの巻

星わにこ
2014/11/26 00:00
 冬本番になってまりましたね。寒いです!朝お布団から出られません。。。  この夏から友人と昭和30年築の長屋を借りて仕事をしている私なのですが、とうとうこたつを設置しました。旧暦10月の最初の亥の日亥の刻に暖房を使い始めると火事にならないそうです。亥は水を司るため、そう言われているとか。  自宅では随分前に出してしまいましたが、それにしても暖かい。ビバこたつ。しかし、根が生えてしまうので本当に危険です。和室のこたつで障子を閉めて着物で仕事をしていると、世間の流れに全くついていけなくなりそうですが(笑)。  さて今日は、いよいよクリスマスシーズン突入!というわけでそろそろツリーが飾られたり、お家イルミネーションを始めるお宅があったり、花屋さんでポインセチアが並べられていたり‥‥と、街へ出ると気分が盛り上がり始める季節に。  今年はとっても寒いので、ホワイトクリスマスになったりして? そんな妄想コーデをしてみました。  江戸小紋のあられで夜空の雪を。真っ白なクリスマス柄の帯に、赤の帯揚と緑の帯締め。半襟は、イルミネーションのようなキラキラが刺繍で入ったものを選んでみました。  クリスマス帯のページには、真っ赤な着物や緑の着物とあわせたコーデもあり、そちらも素敵です http://ichiri-mall.jp/ap/prd0235313000.html  帯留は、クリスマスモチーフのものがいっぱい揃っていますので、ポイントにして遊びたいですね。これも、油断しているとあっという間にソールドアウトになってしまうので、欲しいものがあったら即決!でしょうか。  毎年直前に「あーあれがないこれがない」とイマイチ納得しきれないままのコーデになってしまいがちなのは今年でサヨウナラしたいところです(自分)。  最近、いち利モールでウインドウショッピング中に気になるのが、20代のいち利ショップスタッフが選んだ「ミヤコレ」シリーズ。レースの半襟や、ハっとする色の帯揚げなど、「おぬしやるな」という感じで、とてもいいアクセントになってくれそうなものがいっぱい。  クリスマスコーデにもピッタリの三部紐も!と思ったら、あっという間に完売になっていました。http://ichiri-mall.jp/ap/prd0247223000.html  シーズン先取りのチェック、欠かせませんね。  皆様、どうぞよいクリスマスをお迎え下さい。

着ないにこしたことはないけれど、必要な着物「喪服」の巻

星わにこ
2014/11/19 00:00
 先週は「きものサローネレポートを書きます!」と高らかに宣言しながら、お約束果たせずすみませんでした。6日に実家のある岐阜で入院中の母の容態が急変し、帰郷。そのまま看取って、お葬式、初七日を済ませ15日に東京に戻ってきました。結局きものサローネの会場には一度も足を運ぶ事ができず、大変ご無礼をいたしました。  後期の100人コーディネートへの参加は、友人に無理を言って振袖を搬入してもらい、代理での着せつけをお願いして無事叶いました。見たよ~とメッセージなどもいただき、嬉しかったです。今回の自分のコーディネートテーマは「オトナの振袖」。着られる頃を過ぎても、やっぱり着たい。知ってて楽しむオトナの振袖、ということで、40代以上だろうが既婚だろうが、着てみたっていいじゃない(出歩かなければw)ということで、低めに結んだお太鼓での振袖コーデを展示しました。  100人コーディネートは本当にいろんなスタイル、提案があって見応えがあったよ~と聞き、またファッションショーやトークショー、展示など3年目の今年はどうだったのか自分の目で見ることができなかったのを本当に残念に思います。皆様はお気に入りのスタイル、発見できたでしょうか?  さて、ここからは私事ではありますが、母と葬儀と喪服のお話を少しさせてください。  小さな頃は曾祖母、父と母、私と弟、それに叔父という大家族で育った私でしたが、小学生のときに祖母が亡くなり、中学生のとき叔父が結婚して家を出て、私も高校卒業と同時に家を出ました。  社会人になった年、弟が交通事故で急逝。家族が、特に両親がどれほどのショックをうけたかは言葉では言い表せません。その後を追うように祖父、父も亡くなり、実家は母ひとりが残りました。  私の喪服は、社会人になったタイミングで母が呉服屋さんに頼んで誂えてくれたのですがなかなか出来上がらず、弟が亡くなる1週間前に早く届けてくれるよう電話をしたところ、すぐに届けられたそう。  そしてすぐに弟の葬儀で着ることになったのですが、母はあんな電話をするんじゃなかったと、何度も泣いていました。そして結局祖父、父の葬儀でその喪服を着て、今度また母の葬儀で着ることになり‥‥。今回で袖を通すのは4回目。  着物が置いてある部屋へいくと、私の喪服が一式揃えて分かりやすい場所に置いてありました。1年半前から入退院を繰り返しての闘病生活でしたので、いろいろと覚悟をしていたのだろう一人暮らしの母の気持ちを思うと、涙が止まりませんでした。  そんな風に母が整えていてくれた喪服。予め長着をハンガーにかけ、襦袢、帯、帯揚帯締め、足袋、草履バッグに着付の小物と並べて揃えておき、いよいよお通夜。さて着ようと思ったところ‥‥‥  襦袢に半襟が付いてなかった~~~~(ごろんごろん)  襦袢もハンガーにかけてみればよかった~(ごろんごろん)  大慌てで従姉妹に半襟を持って来てもらい、最低限の部分だけ縫ってなんとか間にあいましたが‥‥本当に私って、大事なところが抜けていて‥‥(><)「ちゃんとせにゃだちかんやないか!」(ちゃんとしなきゃダメでしょ)という母の怒りの声が聞こえてくるような気がしました(;;)  喪服は、身内のお葬式ぐらいしか着る機会のない着物ですが、5つ紋の第一礼装。誂えてもらったものですからピッタリで着やすく、どっしりとした黒の縮緬で、気持ちがシャン!と引き締まりました。着物を作ってもらったときからは、かなり増量(汗)した自分ですが、その増量分も受け止めてくれる着物はまさに一生に一枚あればよいもの。  悲しみは繰り返さないようにということで、喪の帯は名古屋帯で一重太鼓。小物はすべて黒一色です。深い黒に丁寧に入れられたぐし縫いの白い糸、白い紋‥‥。手にとって心地好い絹の重さを感じながら、悲しいけれど、とても美しいものだなと、しばらくぼーっとしてしまいました。  喪主も洋装が主流になってきた今、喪の着物は必要かどうかは意見が分かれるところですが、私は大切な人にお別れをするときにこの美しい黒の5つ紋の着物を着て、背筋をのばせて良かったと思います。  だからといって、何度も袖を通したいものではないけれど、こればかりは人の運命ですから、仕方がない。  子に別れ、夫に別れてとてもしんどいことも多かった母ですが、愚痴をほとんど言ったことがありません。一人でなにもかも飲み込んで黙々と仕事をし、家のことをこなしてきました。  葬儀屋さんが「こんなに皆が泣くお葬式は珍しいですよ」とおっしゃいましたが、入院の直前まで会いたい人に会い、やりたいことをやり。たくさんの方がお別れを惜しんでくださいました。  ずっと両親はお見合い結婚だと思っていたのですが、今回、母から交際を申し込んだ恋愛結婚だったと、親戚のおじさんが教えてくれました。当時田舎で女性からアプローチすることは珍しかったそうで、いろいろあった末、結婚。そして私が生まれ‥‥。  父の闘病のときの母の看護ときたら自分でも「ようやった」というくらい、敬服ものだったのですが、なんだか腑に落ち。亡くなる1ヵ月前に父が亡くなる時に敷いていた布団を打ち直して使いたいと布団やさんにお願いし、母の部屋には打ち上がったばかりのその布団が敷いてありました。いろいろ大変だったけど、今は身軽になり、好きな人のところに向かっているかな。  私自身はもっと自分にできることがあったはずと、あれこれと悔いだらけだけれど、いつも前を向いていた母に習ってこれからを生きていきたいと思います。  ありがとう、お疲れさま、お母さん。

きものサローネin日本橋で自分のきものスタイルを探そう!の巻

星わにこ
2014/11/05 00:00
 きもの好きの皆様ならもうチェック済みとは思いますが、今週末から来週にかけて、東京日本橋できもののビッグイベント「きものサローネin日本橋」が開催されます。今年で3回目のこのイベント、今回はなんと6日間! 週末、休日だけでなく、平日の20時まで行われているのでお仕事帰りにも気軽に寄れそうですね。  今、どんどん再開発が進んでいる日本橋は、老舗と最新ビルが立ち並んで伝統と先鋭が面白い具合にミックスされている街。着物でおでかけすると、楽しい街です。広い大通りでも、ちょっと路地裏でも、不思議と着物がしっくりいと馴染む街。それは、江戸の昔から商業の中心であり、東海道の始点であった日本橋という場所のパワーのせいかもしれません。  きものサローネはそんな日本橋の再開発を象徴する商業施設「COREDO室町」(前期)と「YUITO」(後期)で行われます。会場のあるビルには魅力的なお店もたくさん! COREO日本橋のB1には「日本橋案内所」があって、日本橋ならではのお土産も揃っています。  おっと、日本橋の話ばかりしてしまいましたが、肝心の「きものサローネ」は、「とにかく着物が好き!」で意欲的な活動をされている作家、メーカー、卸、小売、着付師、スタイリスト‥‥と、とにかく着物業界の人たちが一同に会するイベントです。  普段雑誌やネットで「これが気になる」なんて思っていたあの着物もあの帯も、あの小物も‥‥‥! 実際に手に取ってみられて、しかも作家さんやお店の方に直接お話が聞けるチャンス! これだけの規模で一般の人も見られる見本市はなかなかありません。  しかも、とても気軽に入れます! お買い物もしなくてもいいんです。(あ、欲しくなったら買ってもいいらしいです(笑))。私もとっても楽しみにしています。  出展ブースのほかにも、ステージがあってファッションショーがあったり、憧れの先生がたのトークショーがあったり! まさに、きもののお祭り、宝石箱やぁ~~~~!!(ヒコマロ)自分も毎日通いたいくらいです‥‥。  今年は、前期後期で3日間ずつ出展や展示が変わります。2会場に分かれて同時開催だった昨年より、それぞれじっくり見られるかも。  前期は華やかなステージショーが目玉。振袖スキーな私は「ミスインターナショナル振袖きものショー」が気になって気になって(笑)(ファッションショーは事前予約あり)。実はファッションショーなんて‥‥と思っていた私ですが、展示で動かない着物を見るのと違って、やっぱり人が着て、動く着物姿はいい! いろんな趣向が凝らされていて、とても刺激的です。着物のファッションショーは、今はもうほとんど行われていないのが実情。ぜひサローネで目撃して欲しいです。  後期はトークショーや東京の伝統工芸のワークショップがあります! ワークショップは、鼈甲や指物、刺繍等ちょっとドキドキするラインナップ。当日受付のようですので、絶対受けたい!と狙っているわにこです。  出展ブースには「銀座いち利」さんも参加。みたざき女将の笑顔に会えますよ。あと、個人的にはこのコラムを担当してくださっているいち利モールのイケメンスタッフ(まだお会いしてないので想像(妄想?)ですが、間違いナシ)Nさんもいらっしゃるということなので、今からドキドキです! 皆さんもチェックしてみてください(えええ)。  そしてエキシビジョンで「100人コーディネート」展示があります。着物に関わるいろ~~んな100人がまさに100通りのコーディネートを展示。なんとここに、私も参加させていただくことになりました! ただの着物好きだった私が、錚々たるメンバーの中に加えていただけるとは(汗)ドキドキです。マジ、バクバクです。自分の場合は、販売物があるわけではないので、「自分が着て一番ワクワクするコーデ」を展示する予定です。この日のために、他装を習いにいったり、キモトモと自主特訓をしたり、皆を巻き込んであーでもないこーでもないと準備しています! よろしかったら、見てやって下さいね!  (わにこも11日日中と13日夕方あたり出没している予定です(ワニ出没注意)。ワニ帯とかワニ半襟とかワニ帯留とかをしていると思いますので、見かけたら優しく声をかけてくだると喜びます(^^)石は投げないでください(;;))  もちろん、他の皆様のコーディネートも楽しみすぎて鼻血が出そうです(出すな)。お洒落としての着物を楽しむことに「こうでなければならない」ということはないはず。いろんな人の、いろんな好み、いろんなスタイルがあって当然。もしかすると「本当はこういうのが好きだった!」なんて開眼があるかもしれませんよ。  きものサローネに、自分のスタイルをみつけに足を運んでみませんか? ● きものサローネin日本橋 前期:11月8日(土)~10日(月)COREDO日本橋 後期:11月11日(火)~13日(木)YUITO http://kimono-salone.com/

着物のお着替え一式パッキングテクニック の巻

星わにこ
2014/10/29 00:00
 急に寒くなってまいりましたね~。我が家ではこたつコールが家族と猫から起こっていますが、いつ出そうかな~。  さて今日は着物のパッキングのお話です。出先で着物に着替えたいときってありますよね。お稽古ごとや、旅行などなど‥‥。そんなとき、どんな風に着物を持ち運んでいますか?  パッキングで大活躍するのが、風呂敷です。  着物、襦袢、帯はまとめてたたんで。畳紙はかさ張るので使わず、着替え用に着物を持っていく時には風呂敷に包むようにしています。畳紙型のうこんの風呂敷も使い勝手がよいので、大事な着物は包む場合も。  風呂敷に包む時には、一番外側を着物、帯、襦袢という順に重ねて畳むと、着物にシワがつきにくいのでオススメ。  中心に、帯枕や帯締、帯揚などを入れてしまいます。肌襦袢、裾除け、ステテコ、タオルなどの下着系一式に足袋も忘れずに! これは、別に薄いレーヨンの風呂敷に包みます。かさ張らないので、風呂敷の中包みに最適です。  これらをまとめて、大きめの風呂敷でまとめて包みます。きちっと形ができるので、崩れにくくて安心感があるので一番外側の風呂敷は綿を愛用しています。このとき、入れるバッグの大きさにあわせて包むのがポイントです。  着付の小物は、別に大きめの旅行ポーチに入れています。腰紐、伊達締め、衿芯、着物クリップ、コーリンベルトなどなど、一式入れていて、家で着替えるときもそこから出して、また仕舞うようにしています。都度、持ち運び用に用意する手間が省けます。(というとかっこいいが、都度用意すると絶対忘れ物をする確率がアップするので自衛策です……)  このポーチには何かのときのために、ちょっとした裁縫道具と安全ピンも入れています。あと、ヘアゴムとアメピン。  そして、ご存知の通り、これを全部持つと、結構重いんですよね~~!  スーツケースに入れてゴロゴロ転がして行く事が多いのですが、雨の日や雪の日はちょっと‥‥。そんな時は、大きめのトートバッグに入れて肩にかけていきます。そんなときは省略していいもの(肌着・補正関係など)は、ちょっと省略して最低限にします。  以前はハワイのお土産にもらったスーパーの大きなトートバッグを使っていたのですが、今はいち利モールオリジナルの着物帆布バッグを使っています。  これ、着物好きな皆さんが考えたということで、とってもよくできているんです。以前カスタムした記事をアップしましたが、シンプルな外見とお値段に似合わず、優れものなんですよ~。  一番気に入っているのが、帯板ポケット。風呂敷につつむとき、なんとなく邪魔だった帯板に専用ポケットが(感動)。帯板をうっかり忘れることがなくなります。帯枕もこちらのポケットを使っています。  そして、フラップがついているので、かぶせてしまえば中が見えない\(^O^)/   収納用のミニバッグのほうに小物ポーチを入れたら、バッグの持ち手にかければ、ダブルバッグになって、準備完了です! ザ・着物バッグというかんじがしなくて、カジュアルにも持ち運べて気に入っています♪  出かける前に、一度頭の中で着るシュミレーションをして、忘れ物がないか確かめるようにしています(一度、襦袢を忘れて気絶したわにこです。足袋をよく忘れるので要注意です(私だけ!?)。  皆様の持ち運びアイデアもありましたら、教えて下さい(^^)

オレンジ小物で遊んで☆蝙蝠の帯でハロウィン気分コーデ の巻

星わにこ
2014/10/15 00:00
 台風が去って、ぐっと秋が深まった気がしますね。もう手袋やマフラーがたくさんお店に出ていて、冬ももうすぐ‥‥でしょうか。早いです。  それとお店のディスプレイで目をひくのがハロウィンの飾り。かぼちゃに幽霊、魔女に黒猫。あちこちでハロウィンイベントが行われていますね。  着物でも、ちょっとそんなハロウィンのテイストを取り入れてみたい!的な妄想コーデをしてみました。 http://bit.ly/1rrlVdu  黒に藤、桜、菊など四季の花紋がまるで月のような形に見える小紋に蝙蝠帯のコーデに、強めのオレンジの帯揚帯締をしてみました。  帯留にハロウィンものをもってくれば完璧!   今年も馬籠静さんの新作が出ていて、もう既に売切れも(><)  ハロウィンのためだけに着物を誂えたりするのはとても贅沢でなかなかできませんが、こんな花紋の小紋なら時期問わず、帯を替えれば可愛らしく着こなせますね。  帯は、はまやのろうけつ染めの蝙蝠(コウモリ)の名古屋帯。蝙蝠は、中国では「蝠」が「福」と同音のため縁起がよい動物とされており、5匹の蝙蝠は五福といい「長寿,子孫、健康、富貴、繁栄」を表すとか。皇帝の服から、ラーメンどんぶりまで、蝙蝠をよく見かけますよね。  西洋文化の流入とともにあまり好まれなくなってきたようですが、本来は日本でも、江戸時代までは蝙蝠は害虫などを退治してくれるし、縁起のよい生きものとして愛されていたようです。意匠として見ても、広げた羽根の形がとってもクールな蝙蝠さん。私は大好きです。  そう思うと、蝙蝠帯はハロウィン限定柄ではなく、普段にもぜひ使いたいアイテムです。  着物、帯、小物、それぞれはまた違うようにも使えるけれど、テーマを決めてコーデするとピッタリくる。そういう「見立て」の楽しみは、人に押し付けるものではなく、密やかな自分の楽しみ。  だから、気がついてくれる人がいると、すご~く嬉しいのですよね。時にはみてみてーと、見せびらかしたりもしますが(笑)  コーデをあれこれ考える時間が、もしかしたら一番楽しいのかもと思う今日このごろです。わにこの妄想コーデの時間でした\(^O^)/

柄出しもカンタン☆この一手間で帯揚をキレイに整える!の巻

星わにこ
2014/10/08 00:00
 先日の台風、大変でしたね。でも、思ったより足早に通り抜けて台風一過の青空にびっくり。お陰で十三夜を拝むことができました。そしていよいよ本日10月8日の十五夜は皆既月食。すっきりと晴れてくれるといいのですが。 十三夜と十五夜のお月様、両方を愛でないと「片見月」といって、縁起が良くないのだとか。なんにしても、夜空を見上げる余裕は欲しいですね。  さて今日は帯揚をキレイに整えるコツのご紹介です。  実は今、一念発起して着付の勉強をしなおしているのですが、ちょっとした手業やコツで随分変わる!と感動の日々です。自己流はどうしても限界があり、そういうときにポイントでも教えてもらうと、ぐんと着姿が綺麗になります(あくまで当社比)。  そんなコツの中から、なんだか上手く決まらない~! 結び目の横がシワシワ~~~! 柄つきの帯揚なのに、上手いところに柄がこない~! と、悩んでいた帯揚が、綺麗に結べるようになったポイントをご紹介します。 (上手く結べる方は読み飛ばしてくださいね(^^;))  まず、帯枕は先にして結んでしまいます。そのあと帯揚を帯枕の上に通してかけます。ここで柄を出したい場所にひっぱりながら移動させます。脇の後ろの帯から覗くところとか、サイドとか、中心とか……。このとき、帯枕に帯揚をかけた部分が外れないようにうまく帯揚をひっぱってテンションをかけながらずらすのがポイント。  なかなかここでうまく帯揚を帯枕にかけられないわ、という場合は、帯枕の上だけに帯揚をかけておいて、帯枕をしてもOK。  それが決まったら、帯枕の下に帯揚をはさみます。このとき手は真後ろにはなかなかまわりませんので(笑)帯揚を帯の幅くらいに持って、両方でひっぱりながら帯枕が隠れるように包みます。  よく、帯枕に帯揚を最初からかけてゴムで留めたりしていたので、この後かけ式は最初知った時衝撃でした! 後からでも大丈夫なんですね。  そして、帯揚をひっぱりながら、内側に上から三分の一を折り、下から上に三分の一を折って3つに畳みます。そしてそれをさらに半分に折って、ここがポイント!  その状態で折った部分に指を挟み、スーッと折り目をしごきます。このとき、強めにテンションをかけながら、手が届く限り、ワキの後ろまでしごきます。すると帯揚がま~っすぐキレイに整います。  いままで、しごくのは教わったことがあっても、前の方しかしごいていなかったわたしでした。ここで綺麗に帯のところまでシワがとれたらすっきり綺麗に処理できます。  両方しごいたら、着物と同じ打ち合わせに重ねて、結ぶだけ。このコツを知ってからはすっきり結べるようになった(当社比)ので、苦手意識の強かった帯揚の処理が楽しくて仕方ありません!!  結ぶときは、結び目の幅が広くてふんわりと帯揚が見える量がたっぷりしているほど若い印象に。好みもありますが、年齢とともに、結び目は小さく、帯揚を見せる量も少なくすっきりとさせていくのが一般的です。  結ぶのがどうしてもうまくいかない!という人は、帯枕の紐をしっかり締めれば大丈夫ですから、結ばないで、結び目のような形に見えるようにクロスしてかけた状態で余りを帯の中にしまってしまうという裏技も。  着付の仕上、最後に帯揚がスッキリ決まると気分もいいですよね! 帯周りを上から見るたび「ウムウム」と自己満足の頷きをしてしまいます(阿呆)  ぜひ「ワキの後ろまでぐっとしごく」、この一手間をお試し下さい。

簡単☆ちょっとレトロな耳隠しヘアスタイルアレンジの巻

星わにこ
2014/10/01 00:00
 気がつくと、10月!過ごしやすい日が増えてきましたね。何故か我が家の庭では朝顔が花盛り‥‥夏の間うんともすんとも咲かなかったものが毎日20近くの花をつけています。朝顔って夏の花じゃなかったかなと調べてみたら11月くらいまで咲く品種のよう。秋明菊と並んで咲いているのがなんだか不思議です。  さてさて今日は、このごろ私がよくしている着物のときのヘアアレンジのご紹介です。モデルお見苦しくて失礼しますが(汗)耳が隠れるスタイルです。  盛り盛りもいいけど、普段着のときは、昭和のお母さんっぽいこんな髪型もいいと思いませんか? 耳が隠れるだけでなく、こめかみの気になる白髪も多隠れるので、普段には楽な髪型です。  アレンジは簡単! 耳を出さないように後ろで一つに結んで、夜会巻きの巻き込みを、横にするだけです!(と言ってもワカラン!といつも言われるので図解しました)  コツはたっぷりムースやヘアワックスなどをつけて、まとまりやすくしておくこと。私は最近男性用のヘアワックスのハードタイプを使っています。ちょっと洗うのが大変ですが(笑)もんのすごいキープ力です! ○トメージュもびっくりです。  夜会巻きコームだけではちょっと心もとない場合は、Uピンなどで補助してとめてくださいね。結構髪の毛は重いので、先日は、Uピンだけでまとめたら、髪の重さで崩壊しました(恐怖)夜会巻きコームやかんざしなどでしっかりと留めることをおすすめします(^^;)  巻き込んだ部分は少しグシャッとなってしまうので、上手くヘアアクセサリーで隠して。  それから後頭部に逆毛をたてておくと、ペッタンコにならず、コームやUピンのとまりがよくなると、美容師さんのキモトモに教えていただきました(多謝)   私がやると、昭和なおかーさん風味になってしまいますが、若い方がしたらレトロで素敵です。  ちょっと余裕を持って一つにしばれる髪の長さがあればカンタンにできますので、一度お試し下さい(^^)v