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100均のロング温泉タオルで簡単ウエスト補整の巻

星わにこ
2016/11/09 00:00
 皆様補整はどうされていますか? 体を筒型に整えると着物が綺麗にラクに着られますし、体型カバーにもなります。細い人は細いなりに、そうでない人もそれなりに(^^;)。私は1ミリでも痩せて見えたいので以前は補整なんて!と思っていましたが、和装ブラをして適宜補整を入れて体を筒型に整えたほうがスッキリとみえるんだと納得してからは、結構しっかり補整を入れるようにしています。  特にウエスト部分の補整は重要だと感じています。基本は補整パッドを使っていますが、涼しくラクに、気楽に着たいときにはタオル補整をしています。お腹にお肉はたっぷりあるので(涙)そんなに必要はないのですが、ラインが整うだけでなく汗とりにもなるし、帯との間のクッションにもなって体が楽なので浴衣のときもこの補整だけは欠かせません。  ウエストのタオル補整というと、いろいろなやり方があると思います。20代のころ、着付けを最初に習った時に作ったのが、タオルを三つ折りにして、端を三角形に折ってひもを縫い付けたもの。ヒップのところにもう一枚タオルをはさんで装着していました。  あとは、タオルを巻いて、その上から腰紐で止めたり。さらしの補整もやりました。今は、中にタオルを入れてボリュームを調整できるたかはしきもの工房の腰スッキリパッドに落ち着いています。  が、タオルだけで補整するときに、とても便利なものを発見! 100円ショップで見つけた「職人」というロングタイプの温泉タオルです。これが通常70~80センチのところ、100センチあるもの。その名の通り、職人さんが頭にタオルを巻く時に余裕をもって縛れるというもの。  これだと、ヒモをつけたり、タオルを巻いて上から腰紐でとめたりしなくても、ウエストにまいたら端をちょっとはさみこめば止まるのでラクに補整できます。いままでのタオルだと寸足らず(爆)だったワタシもこれなら大丈夫!  やり方は簡単! タオルを二ツ折もしくは三ツ折にしたら、ヒップ上の窪みにハンドタオルやタオルを当てて抑え、前に回して、タオルの端を折り上げて上側にはさみ込むだけ。  タオルは分厚いよいタオルだと私の場合モコモコしすぎてしまう(爆)し、洗ってすぐ乾く薄いタオルのほうが使いやすいので「欲しいものがあった!」と、売場で見つけたときにはコーフンしてしまいました(笑)。  だって紐とか縫い付けるのは面倒くさいし、乾かしたりするのにもそのままのほうがいいですよね。買ってきて、さっそくウエストに巻いて、折り込んでピッ!と止まったときの満足感。これはいい! 後にハンドタオルをはさめば、ヒップ上の補整もできました。  そんなにがっちり止まるわけではありませんが、上から襦袢や着物を着てしまうので、それまでずれなければいいわけで。紐の結び目も1つでも少ない方がラクチンですし、結ぶという動作が挟むだけに変わっただけでも時短です(鼻息)。  プチプライスでちょっと便利なものが見つかると嬉しいですよね。ほんのちょっと長いだけなのに‥‥使えるヤツ。もしウエスト補整のタオルがちょっと短いなと思っていらっしゃったら、試してみてください!"\

スマホアプリで着物雑誌の表紙になろう☆の巻

星わにこ
2016/11/03 00:00
 このところ、びっくりするほど急に寒くなって、あわてて羽織やストールを出してきたわにこです。俄然、着物のオンシーズンになってきましたね!  さてさて最近、Facebookなどで流行っているのが、雑誌の表紙風に写真を加工できるスマホアプリ。いろんな雑誌のものが出ていますが、11月15日の着物の日にむけて、その名も「きものブック表紙アプリ」。プレジデント社「七緒」、世界文化社「きものサロン」、ハースト婦人画報社「美しいキモノ」の表紙になれちゃうアプリです。  早速FB&キモトモの皆さんが、素敵な着物姿で雑誌の表紙を飾っていました! こういう顔ハメ看板系のなりきりお遊びが大好物な私ももちろんチャレンジ☆ 合成だけあって、パネル前で撮るよりもよりホンモノ感が高いです。  そして、1冊の雑誌につき、文字の色違い、配置違いや特集名違いなど4パターン用意されているので、着物の雰囲気にあわせたり、色とコーデすることも可能。これはハマります~(笑)。京都織物卸商業組合が、着物の日PRのために作成したのだとか。  それぞれの雑誌の表紙は「それっぽい」写真を選ぶとなんちゃって度アップ。 「美しいキモノ」はひたすら女優気分でニッコリ!! 「きものサロン」はドラマチックに! 「七緒」はふんわりほっこり、目線を外して笑わない(笑)背景に雰囲気があるものを‥‥。などなど、それぞれなりきりで撮ってみても楽しそうですよね~!  手持ちの写真で遊んでみました。全然上記の特徴とは違いますが‥‥(爆)  大変失礼いたしました。  さてそもそも「着物の日」ってなんだろう? と思いましたら、七五三のお祝いの日にかけて、家族みんなで着物で外出してほしいと昭和41年に全日本きもの振興会が制定した日なのだとか。いまいち浸透していない気もしますが(失礼な)、語呂合わせで5月29日の呉服の日よりは、着物でおでかけには、よい気候かもしれませんね。  あ、普通の(?)雑誌の表紙アプリのほうも、結構はまります(笑)。なんでもない写真が面白く見えたりして楽しめますよ!

帯締をベンジンで洗ってみた。の巻

星わにこ
2016/10/26 00:00
そろそろ袷だけで勝負できるかな、と、週末に箪笥の中身を入れ替えたわにこです。小物も、夏・単衣用を仕舞い、袷用を手に取りやすいところに入れ替えました。  ふと、帯締がくすんでいるような気がして、ベンジンクリーニングにチャレンジすることにしました。広口のガラスびんなどに帯締や帯揚を入れ、そこにひたるくらいベンジンを入れてシェイクする、というものです。  昔、母がシルクのスカーフやネクタイをシャカシャカしてた記憶があります。やり方は知っていたのですが、今回はじめてチャレンジしてみることに。  自宅にあったベンジンが、気がついたら揮発してしまっていた(ちゃんと中蓋がしまってなかったのね‥‥爆)ので薬局まで買いに行きました。染み抜き用のものは洗濯用洗剤コーナーの片隅に置かれていたりします。  ベンジンはいろんなメーカーから出ていて、エリモト、リグロインという名前で売られているものもあり、着物のお手入れ用にはそれらをおすすめされることが多いです。お値段も結構まちまちです。  ベンジンは揮発性が高く、引火もしますので換気のよいところで作業します。今回はシミ抜きや衿汚れ落とし等よりも量を使うので、ベランダでトライ!  まず帯締をビンに入れ、ドボドボッと帯締が浸るくらいにベンジンを入れます。そしてシャカシャカシャカ!としばらくシェイクして、取り出します。このとき、房の部分はギュっと絞ります。素手だとちょっと爪が白くなったので、絞るときには、炊事用の手袋などをするとよいと思います。  房を整えて陰干しすると、ベンジンが揮発して気持ちよい程早く乾きます。  ビフォーアフターは、というと、古いシミやヤケなどはおちないのですが、手あかが落ちてスッキリ、という感じです。ビフォーアフターを‥‥と思って写真に撮ったのですが、いまいち違いがわからない(爆)という程度です。帯締めの色などにもよると思いますが‥‥。  これではコラムにならないゾ? というわけで、帯締の半分だけベンジンに浸けて振って洗ってみることに。こうすれば比較しやすいはず!  そして‥‥‥2本やってみた結果‥‥‥。たしかに、言われてみれば、しない(上)より、シェイクしたほう(下)がキレイになってる‥‥気がする‥‥。が、いかがでしょうか?  生成りのほうは、結構スッキリしていますよね。濃紺のほうも、白ちゃけた、というか色あせたかんじがなくなって、ツヤが戻ったかんじがします。  わかりやすいように、画像を調整してみてこれくらいなので、肉眼でパっとみて劇的に「すげえええ!! キレイになったぁぁ!!」という程ではない‥‥かな?(歯切れが悪いよw) でも確かに、乾いたあとは少しツヤが戻ってこざっぱりします。  帯締は、もともとクリーニングやお手入れに出したりするものではありませんし、このお手入れは必須ではありませんが、油系の汚れをつけてしまったときなどは強い味方になってくれるはず(大体あとになってからしか気付かなかったりして手遅れな場合が多いんですが‥‥涙)。  リサイクルなどで手に入れた古いものも、一度シャカシャカしてから使えば、さっぱり気持ちよく使えますよね。希に色落ちしたりするものもありますので、まとめてやるより1本1本やったほうがよいと思います。また、ジップロック系の袋類にいれて揉むとよいという情報もありますが、ものによっては袋が溶けてしまう場合もありますので、ガラスびんをおすすめします。  帯揚も同様に、ビンに入れてシャカシャカすれば、さっぱりします。ただし、落ちるのはドライクリーニングと同様、油系の汚れのみ。水溶性、汗などの汚れは落ちませんのでご注意ください。また、金糸・銀糸の使ってあるものも変色の原因となりますのでこの方法は使えません。大切なものは専門家にご相談くださいね。  洗った後、ビンに残ったベンジンには汚れが溶け出していますので、もったいないからと元の容器に戻したりはしないでくださいね。とっておく場合は、しっかり蓋をしてビンごとジップロックに2重に入れるなどしておいてください。ビンのまま置いておくと、専用容器ではないので揮発してしまいます。いずれにしても火気厳禁ですので、取扱いには注意してください。  こういうお手入れは自己責任ですが、知っておいてソンはないはず。小物も時々は、手入れすると気持ちもスッキリしますよ(^^)。"

ハロウィン・コーデは色で決めよう☆の巻

星わにこ
2016/10/19 00:00
 朝は寒いなと思っても、日中結構気温があがるのでコーデに迷う今日このごろ‥‥とはいえさすがに袷でも耐えられるようになってきた東京です。  街はすっかりハロウィン一色。カボチャの限定パッケージお菓子が気になります(お菓子か)。大体一周して、限定ものよりは定番もののほうがやっぱり美味しいよね、ということにはなるんですが、やっぱり買ってしまうんですよね‥‥。何故人は限定に弱いのでしょうか。  着物も、定番以外にやはり季節ものでも楽しみたいですよね! ハロウィンコーデはそのものズバリ!なアイテム(ジャックオランタンやオバケ、黒猫の帯とか着物とか‥‥)はハードルが高いので、小物と色あわせでハロウィンっぽく見せるのもひとつアリかと思います。  色。黒、オレンジ、赤、紫‥‥このあたりを逃げ場なくみっちり組み合わせていくと雰囲気がでます。  というわけで今年のハロウィンコーデは、あえて色だけで攻めてみました。  http://bit.ly/2e4gIwQ  どれも特にハロウィンがモチーフなわけではありませんが、全体的にハロウィンなイメージ。  もちろん半衿や帯揚、帯留などにチラリ、ハロウィンイメージのアイコンをつければますます気分が盛り上がる事間違いなし。  あとは魔女帽子を被ったら、立派なハロウィンコーデの出来上がりです。私もこーんな感じで楽しんでみましたヨ! 着物も帯もハロウィンじゃなくても、魔女帽子だけでもいいような気もしてきましたが(笑)、要は楽しんだモン勝ちってことで(どうでもいいけど嬉しそうですね、ワタシ……(汗))。  ちなみにハロウィン、ここ10年くらいですっかり秋の行事として定着してきた感があります。昭和生まれのワタシの子どものころはなかったような。もともとは古代ケルト人の収穫祭で悪霊を追い払う、という行事だったそうですが、アメリカの民間行事として定着、それが日本でも定着、という流れのようです。クリスマスなどと違って特に特定の宗教の行事ではないというのが、なんだか意外でした。  またハロウィンの時期は日本のお盆のようなもので、亡くなった人が帰って来ると信じられており、同時に魔物もやってくるため、魔女やお化けなど怖いものに仮装することで魔除けになると考えられました。だから、皆コワ~イものに仮装するんですね。  私にとってハロウィンは、子どもと一緒に楽しめるイベントのひとつ、ぐらいに思っていたのですが、そう思うと今年は仮装に気合いが入りそうです(コスプレ好きなだけ?)。  着物だから、いや着物だからこそ楽しめるお洒落もいろいろ。季節を取り入れるのは、着物のお洒落の醍醐味。いろんな行事を楽しんじゃいましょう!

キモノEXPO行ってきました!着物でイベントへGOの巻

星わにこ
2016/10/13 00:00
 急に冷え込んで、いきなり秋が深くなったようなこの数日。袷でおでかけしたくなって10月12日から開催されている「キモノEXPO」初日に行ってきました!   着物、帯から草履や小物まで、一気に見られます。いつもいち利モールのネットウインドウショッピングでコレどうかな~と思っている実物が見られるチャンスでもあり。  会場につくと、来場記念のオリジナル腰紐がもらえました。可愛くて、モスリンで使いやすそうです。なにげにウレシイ。  今回のお目当ては大人気の「体験講座」。いつも参加してみたいな~と思っていた体験講座や茶話会が会場で同時開催されているのです~(要予約)。今回は、「刺し子刺繍帯留」のワークショップに参加しました。  ワークショップの時間が来るまで、ブースを拝見。職人さん、作家さんから直接お話が聞けるのは勉強になります。きものクリニックもあるので、お手入れなども相談できます。   1)入口で~す。この看板が目印。 2)いち利モールの「ミヤコレ」いろいろ、実物が見られます 3)もうクリスマス~(><)可愛い! 年々帯留が巨大化している気がするのは私だけでしょうか。 4)帯の「扇や」さんは、帯専門。オリジナルの帯のほかに、羽織や着物、スカーフなどからのリメイク帯も請負ってくださるそう。着物1枚で名古屋帯2本、もしくは名古屋帯と半幅帯など2本の帯ができるそうなので(羽織からは1本)お母様の着物を娘二人で分ける、な~んてこともできそうですね。催事中は特別価格だそうです。 5)草履の「岩佐」さんの刺繍の猫さん鼻緒、可愛すぎる!! 6)靴底に使うゴムを草履に採用、砂利道でもラクに歩けるオリジナルの台に、職人さんがその場ですげてくれます。台と鼻緒を選んで当日お持ち帰りできるのは嬉しい。  お話を聞きながら(物欲と闘いながらw)の時間はあっという間。ワークショップの開始時間にテーブルに。「つまみ細工」や「水引帯留」のコーナーもあり、参加の皆さんの熱気がスゴイです。  わたしは「刺し子刺繍帯留」にチャレンジ! 最初に土台の布の色と糸の色を決めるのですが、これが悩むんですわ~~~~~~~~(><)  見本を見ながら、参加の皆さんと「これもいいですね」「こっちも」な~んて言っていると、全然決まりません(笑)  結局藤色に白という大好きな色のとりあわせに決定。えっと、これならあまり糸がはっきり見えない(アラが目立たない(爆))と思った……とかいう理由ではないですよ? ゴホンゴホン。でもまた、他の方が選ばれた色を見て「それもいいな~」なんて、羨ましくなったり(笑)。  先生に刺し方をデモンストレーションしていただき、早速自分で。ちょっと「離せばわかるお年頃」になってきたローガンズなワタシには、布目を数えながら刺すというのが思ったより大変(^^;)。途中解いてやりなおしたりしながら、タテヨコ&ナナメと刺していき「花十字」という模様が完成しました。  糸をつい強くひっぱってしまい、お手本のようにふんわりと作ることができませんでした。簡単なようで難しい~(><)  刺し終わったらわたを詰めて帯留の台に貼って、帯留に。遠目でみれば、なかなかのできばえ(?)満足! 所要時間は1時間半~2時間程度でした。始まると皆さん無言でひたすらちくちく。無心に針を刺していると、時間もあっという間。途中琴の生演奏もあり、素敵な音色に耳を傾けながら針を動かしていると、いろんなことも忘れて、集中できてとてもよい時間が過ごせました。その上、帯留も持って帰れて大満足!  一人で行っても、参加の皆さんお着物好きの方ばかりですから、話も弾んであっという間に時間が過ぎて行きます。  体験講座も茶話会もとても人気があり満席が多いようですが、当日でも定員に空きがある場合は参加できるそうです。予約優先だそうなので、興味がある講座があったらお問い合わせしてみてくださいね!  目の保養もたーくさんさせていただき、帰途につきました。キモノEXPOは東京・有楽町交通会館での開催は15日(土)まで、そのあとは銀座いち利さんにて2日間。また10月19日(水)から23日(日)は大阪御堂筋ホール心斎橋で開催されます。  着物でおでかけというと、どこにいこうか‥‥と悩む方が多いかもしれませんが、こういうイベントに行くのも一つの選択肢。張り切ってお洒落していくと褒めてもらえるし(笑)、身につけているものについて、詳しい人にアドバイスをもらえたりすることもあるので、きものイベントに着物で行くのはオススメですよ!  着物が見たいからと、いきなり呉服屋さんに入るのは相当覚悟がいりますが、こういうイベントだと気軽に、たくさんの商品を見る事ができるので私は好きです。  この日は、久しぶりに袷のやわらかものを着たくなって、バーガンディの付け下げに房の帯で。帯揚は夏に生藍で染めたものです。やっぱりどっしりと重いものを着ると、テンションあがります~!! お洒落しておでかけって楽しい!  秋はEXPOの他にもきものサローネ後半戦などなどきものイベント目白押し。好みのイベントにぜひ着物でおでかけしてみてはいかがでしょうか。

お茶や着物って怖~い!?楽しむココロがあればいいの巻

星わにこ
2016/10/05 00:00
 先週、友人のももせいづみさんと向山真理さんの銅版画と陶器のコラボレーション展のオープニングのお呈茶のお手伝いにいってきました。呈茶とは、お茶を差し上げること。茶道のときによく使われる言葉です。  ギャラリーを訪れてくれたお客様に、向山さんの素敵な器でお茶を楽しんでいただくという企画で、お抹茶をお出しする日とトルコのチャイをお出しする日があり、お抹茶の日のお手伝いをさせていただいたのですが、とにかく気軽に楽しんでいただきたいということで、格式ばらずにやりましょうということに。  お釜はじめ茶道具もあるもので。着物も、紬で。  茶道経験者が集まって、ああでもないこうでもないと準備をしました。そのとき、お作法も着物も茶道のドレスコードできちんとしていると、茶道をやったことがない人からすると「何も知らなくてすみません、無作法ですみません」という気持ちになって、とても緊張するんだよね、という話が出ました。  万年初心者の私も、大寄せのお茶会に出かけても「いいのかなこれであってたかな」とドキドキするので、よくわかります。まして今回はお茶がメインではなく、ギャラリーにいらしたお客様のおもてなしなので、そういう雰囲気にならないように心がけました。まあ、正式にやれと言われても、私の力ではできないわけですが(苦笑)、もともと「お客様をもてなす」心が茶道の基本のはずですから、お客様がリラックスしてお茶を飲んでくださればいいなあと、友達といろいろ考えて。  そんなわけで、気軽な装いでお手伝いに出かけました。  風が吹き抜ける白いギャラリーを抜けて、落ち着いた和室の作品展示を見ながら、お茶を楽しんでいただく趣向。廊下に釜をかけてテーブルでお茶を点ててお出ししました。お菓子もオーダーで作ってもらったという可愛い月とウサギの薯蕷饅頭。床の間には銅版画と、陶の花入れの中には銅線。とっても落ち着く空間で、釜のシュンシュンという松風(釜の鳴る音のこと)を聞きながら座っていると、日常を忘れて心がほっと安らぐような気がしました。  お茶をいただく時緊張する、という話を聞いた時、そういえば着物も同じように「どうしたらいいか緊張する」「ルールを知らないから」「着方がわからないから」といわれる事が多いかも、と思いました。  特に季節の変わり目、特にいまごろは私も「単衣にしようか袷にしようか」とか合わせる小物はこれでいいのかとか、ちょっと考え考え選びます。季節感は大事にしたいけど34度(爆)とかあったら、マジメな話、袷とか、無理っすよねー! そこらへんは臨機応変にできたらいいと思いますし、まして普段着だったら体感温度で決めなきゃやってられないですよね。  また最近は「着物警察」「着物憲兵」なる言葉もあるとか。着物を着ている人がルールを守っているか正しいかチェックする人のことなんだそうです。これは怖い(笑)。正装はさておき、普段着やファッションの着物に「絶対正解」はなくて、本人がよければそれでいいはず。洋服と同じですよね。  伝統や、しきたりを守るのも大切ですが、同時に時節に合わせて変わって行く部分もなければ、ただの化石になるだけ。着物やお茶に興味がある人にはどんどん自己流でいいから楽しんで欲しいなあと思います。本格的に極めたくなってから、学びを深めてもいいじゃないですか。最初から学ばなければやっちゃだめ!って風潮は、たくさんの人をシャットアウトして、結果どちらも気軽に手が出せないような雰囲気になってきているような気がします。  どっちも、ほんとは気軽に楽しめる、日本のよき文化だと思います。無意味に敷居を高くするようなことだけは、したくないものですよね。  極めなくってもなんちゃってでも、楽しんだもの勝ち。ギャラリーで展示を楽しむついでに、お茶美味しいわ、着物いいわね、なんておっしゃってくださるお客様と会話しながら、そんなことを思った週末でした。

見やすくコンパクトに収納☆名古屋帯のくるくる巻畳みの巻

星わにこ
2016/09/30 00:00
10月目前! 袷の季節に突入する前に箪笥の帯の入れ替えをしました。箪笥の一番見やすい引出しから夏帯を片付け、半幅とよく使う名古屋帯を投入。  大切な帯はたとう紙に入れてしまっていますが、普段によく使う名古屋帯はくるくる巻畳みにしてこのように箪笥の引き出しに入れています。箪笥から引き出せば、ぱっと何がどこにあるかわかるし、とても便利。  箪笥が猫の爪でボロボロなのはお見逃しください‥‥(;;)  写真右側は半幅帯を引き出しの幅にくるくる巻いたもの。あとは全部名古屋帯です。どうやって畳んでいるかというと‥‥  まず、お太鼓の上、三角になっている部分で折り返します。  胴の部分をだいたい帯の幅に、屏風畳みにしていきます。  お太鼓の表が出るように、胴の部分を包むようにくるくる巻いていきます。  たれ先までたたんだら出来上がり。このとき、たれ先が中途半端な長さになってしまって帯を結んだ時に畳みあとが見えてしまいそうなら、一度中に折り返して隠れるところに折れる部分を持ってきます。  こんなかんじで内側に折っておきます。  母からもらった名古屋帯がこの畳み方で畳んであったのですが、持ち運びも収納もコンパクトで便利なので気に入っています。意外と畳み皺も気になりませんよ。普通の名古屋帯の畳み方をすると、片手で持つとバラバラ‥‥とバラけてしまったりしますが、この畳み方なら大丈夫です。  先日、着物の達人もこの畳み方を愛用していると聞き、今ではほとんどの名古屋帯をこの畳み方にしてしまっています。引き出しにいれるとき、片付けも選ぶのもラクチンなんです。  また、胴の部分もくるくると丸めていって、三角の部分に後からあわせてさらにお太鼓を巻く方式もあります。こちらのほうが胴につく折り皺が軽減されます。やりやすい方法にトライしてみてください。  あくまでも、普段に使う帯の簡易な畳み方です。大切な帯、箔や刺繍を痛めたくないものなどはちゃんと平らにたたんでたとう紙に納めて下さいね。  名古屋帯のくるくる巻畳み、パッと帯が見渡せる収納にするとコーディネートを決める時間も短縮できますよ! よかったら普段使いの帯からお試し下さい。 <おまけ> 写真をとって、スマホをPCに繋いで、振り返ったらもうヤツがいました(´Д`)やあーめーてぇぇぇ。

「きものサローネ」は現在進行形の着物姿のお祭りだった☆の巻

星わにこ
2016/09/21 00:00
 シルバーウイーク、秋の三連休は皆様いかがお過ごしでしたか? わたしはきものサローネin日本橋に通っておりました。  今年で5回目になるきものサローネは、毎年がらりと趣向が変わり、参加する側も「同じイベントなの?」と思うくらいなんですが(笑)、今回参加してみて感じた事をちょっと書きますね。  今年のきものサローネは先週末の「着物カーニバル!」と10月末開催の「着物産地展&SHOW」と2部に分かれての開催。YUITOで行われた着物カーニバル!は、メーカーさんから職人さんの個人出展まで本当にバラエティに富んだ出展で、見ても見てもキリがないくらい。京都の名工コーナーも見応えあり。  メインステージでは着付、コーディネートやしみ抜き、下着などに関するそれぞれの達人のトークや、三味線や日本舞踊などのライブもあり、たくさんの人でにぎわっていました。体験、実演コーナーも実際に職人さんとお話しができて面白い。  個々のブースがちょっと狭くてごちゃごちゃ感はありましたが、逆にそこで自分のアンテナを張るのが楽しい部分もあり、なによりぐっと近くで直接お話できることで、出展者さんたちの着物に対する熱い気持ちが感じられたかなー。モノとの出会いもそうですが、ヒトとの出会いが面白かったです。わたしも、「コラム読んでますよ」っておっしゃっていただいたり、とても嬉しかった!  何度も参加していると、同じ出展者さんの新作も楽しみになりますし、その時買わなくても、あとから「あのときのあんなものが欲しい‥‥」とイメージが膨らんで次の機会にいただいたり、思い切ってオーダーしたり。  わたし自身は「たかはしきもの工房」さんのお手伝いに入らせていただいていて、コラムにも書いたことのある「キレイな帯揚の整え方」というミニ講座をしたりしておりました。  そんなわけであまりじっくり他のブースを見ることができなかったのですが、イベントにいらっしゃるお客様が、この暑いんだか寒いんだかどうなんだかわからない上に雨の心配がある中、着物姿の方がとても多かったことに感動。  しかも、本当にその着物姿がバラエティに富んでいて。正統派の単衣姿から浴衣衿つき、和洋ミックスまで、様々。そして、それぞれにとてもお似合いで、素敵なのです。  着物と一言で言っても、ファッションですから、好みもバラバラ。したい格好が違ってアタリマエ。たーくさんの着物姿の方にお会いしたことで、それを改めて思い出しました。  和洋ミックスでとても可愛かったのが、道行きをワンピースのように着ていた方 羽織でワンピもステキでした。着物にスニーカーもカッコイイ。ポケモンGOPlusを帯留にしている方も! やっぱり着物は着てナンボ。畳んでおいてあるよりも、人が着たほうが、はるかにイキイキするもの。  着物の着方に正解はなくて、好きなようにすればいい。売る側からの提案ではなく、実際に、着物を楽しんでいるユーザーサイドの姿に、着物の現在進行形を見せてもらった気持ちでした。 「着物はかくあらねば」なーんてつまらない事を言って着物ユーザーを減らすより、あれもある、これもあるとバラエティ豊かな提案があるほうが絶対楽しいし、着てみようという人も増えるはず。  そこから、自分の好きなものを選んで行けばいいのだから‥‥。  そんなことを思った、きものカーニバル!参加でした。  10月の「着物産地展&SHOW」は、着物ファッションショーもあり、また別な角度からの着物を楽しめるはず。100体コーデは圧巻ですよ(今年はわにこは出展していません)。きっと好みのスタイルが見つかるはず。継続は力なり、でどんな形でもこういうイベントが続いていくのはいいことだと思っています。一旦は絶滅に近かった、ファッションとして楽しむ着物もまた広がっていきますように。 おまけ:  個人的に楽しかったコーナー!!「美しいキモノ」と「趣通信」のコラボで、「美しいキモノ」の表紙ボードの前で写真が撮れるもの。「日本のおしゃれ展」にもありましたよねー!! 私も撮ってもらいましたー。わはは。ちょっとボードに近づきすぎてちっさくなっちゃった。しかも仕事終わりで化粧全落ち(^^;)でもでも、なりきりで撮ると楽しいです!(ポイントは一つだけ、恥ずかしいと思う気持ちを捨てること(爆))  趣通信さんのサイトにいくとカバーガールになりきった皆様の写真が見られますよ~。公式サイトにもイベントレポートがどんどんあがっているので、ぜひのぞいてみてください。着物の現在進行形が見られます! > きものサローネ > 趣通信

1年中OK!? 便利でおシャレなレース半衿の巻

星わにこ
2016/09/14 00:00
 最近、季節を問わず愛用しているのが「レース半衿」です。礼装以外なら、素材感が合っていれば1年中OK。こんな季節の変わり目、塩瀬には早いけど、絽縮緬なんて持ってないし‥‥な~んていうとき便利なのがレースです。  あまり季節を気にしなくていいし、お洒落だし、最近もっぱら愛用しております。「あらレースもいいわね」って、よく褒めていただけるんですよ。  市販のものでもいいですし、幅広のレース生地を買ってきてもOK。立体感があるのでちょっとニュアンスがあるお洒落な襟元になりますよ。  レースと一言で言っても透け透けなものから刺繍っぽく見えるような豪華なもの、モコモコでベロアのようなほっこりしたものまでいろいろなタイプがあります。一番顔に近いところにくるものですから、あててみて顔うつりのよい色のものを選びましょう。  綿レースは素朴で可愛いものが多く、肌あたりもよい。ポリエステルのものはキラキラと光沢があったり、華やかなものがたくさん。種類も豊富で値段もお手頃なのが魅力です。  人間最初に習ったことからなかなか外れるのは難しいようで、かくいう私もお茶をやっていたせいもあるのか半衿と足袋は白と決め込んで、そこからなかなか踏み出せなかったのですが、白いレースだったら抵抗なくつけることができました。  そこから、ちょっと生成りのレース、ほっこり素材のもの、薄い色のレース‥‥と段々冒険するようになり、最近ちょっとはまっているのが手作り作家さんのカラフルな布の上にレースが縫い付けてあるもの。土台の布はとってもキッチュで派手だったりするのですが、上に白いレースがあることで、程よくポップで可愛い襟元ができあがるのです。  それだけだとちょっとどうかな~というような色や模様の半衿も、上にレースを1枚かけると、色がちらりと透けてお洒落になったりします。  それからレースの半衿の何がいいかというと、半衿つけのときにかなりザクザク適当な針目で縫い付けてしまっても、シワやヨレが目立ちにくいということ(ええ)。これがまたやめられない一因でもあり(こら)。  ピシッと美しい、真っ白な半衿は気持ちが引き締まりますし、大事な時には気合いをいれたいもの。  でも普段のお洒落には、気がラクで可愛いレースの半衿、おすすめです。秋めいてきた空に、生成りのレースの半衿はいかがでしょうか。かしこまりすぎず、くだけすぎない、ほどよくお洒落な襟元を演出してくれますよ。まだ未体験の方がいらしたらぜひお試し下さい。

小物を秋色に☆9月と6月のお散歩単衣着回し妄想コーデの巻

星わにこ
2016/09/07 00:00
 台風と残暑が続いていますが、9月の声を聞くと流石に夏の気分は薄れてきますね。夏にお抹茶をいただいていた平茶碗を仕舞い、そろそろと単衣の準備を始めました。  単衣は暦の上では6月・9月に着る裏地のない着物。6月と9月では随分着たい色なんかも変わってきますよね。でも、なにしろ2ヵ月しか着る機会がないわけですから、そんなにたくさんの枚数は持てない。というわけで、同じ単衣の着物と八寸帯で、小物だけを変えて初夏と初秋に着回すコーデを考えてみました。  着物は、十日町紬の「くりまゆ」。サラリとした生地感は単衣にもピッタリだそう。どちらのシーズンでもいけそうな薄灰色を選びました。  紬の単衣で軽やかにお散歩に、ということで、2匹のワンコが可愛い咲織八寸帯。この帯をしている人を見かけたら「可愛い!」って声が出てしまいそうです。  着物と帯はこの組み合わせでまずは、初夏コーデから。 http://bit.ly/2c9QTup  単衣の時期にピッタリの絽縮緬の鮮やかな帯揚と、さわやかな三部紐、レースの半衿で夏に向かう気分を。 http://bit.ly/2cpn1YE  そして秋には、あまりこっくりしすぎない、でも秋を意識した色の半衿や帯揚、三部紐で。栗や葡萄などの帯留をすれば、ワンコさんたちも秋の表情に変わります。  着付けも、初夏は帯揚や半衿をすっきり細めに、初秋はちょっとふっくら多めに見せるのも季節感が出ます。  その季節しか着られない着物もまた贅沢で楽しみなものですが、ベーシックで着回せるものを、小物で楽しむのもまたひとつ着物ならではのお洒落。小物は着物に比べればずっとお手頃に手に入れられますし、収納もコンパクトです(これ結構大事)。  それに、新しい小物を身につけるとこれがまた気持ちがウキウキするのですよね~!  といって、あれもこれもとキリがなくなりがちなので(笑)そこはご予算と自制心で‥‥(自戒を込めて)。  秋色の小物探しにでかけてみませんか。

石けんプラス漂白剤つけおきで足袋のカンタンお手入れの巻

星わにこ
2016/08/31 00:00
 台風お見舞い申し上げます。皆様のところでは大丈夫でしたか? 大雨になると、気持ちが落ち着きません。このごろの雨、降るといったら降る! という感じで容赦がない気がします。  先日は下駄に足袋を履いていてザーッと雨に降られ、鼻緒の色落ちでシミがついてしまいました。浴衣だからと雨対策をぬかっていたのもあるのですが、本当に凄い雨でびっくりしました。  足下が悪いと泥はねもついてしまうことも。石けんをつけてブラシでゴシゴシしたり洗濯板にこすりつけたり……その割にあんまり綺麗にならなくて。ただでさえおっくうな足袋洗いにため息でした。  が、このごろは脱いだら石けんで目立った汚れをゴシゴシ、とこすって、あとはオキシクリーンという漂白剤をお湯で溶かしたところに浸けておいて、次の日の朝ネットに入れて洗濯機にポン、というお手入れで済ませています。これが真っ白になるんですよ~。件の鼻緒色落ち汚れも落ちました!  漂白剤を使うときは、生地を痛めにくい酸素系がおすすめです。  石けんは、洗濯用石けんならなんでもいいのですが、廃油利用の手作り石けんファンです。少し溶けやすいのと匂いが気になることがありますがアルカリ度が高いものが多いのか、よく落ちる気がします。時々、自治体の作業所などの販売で購入できるので見つけたらまとめ買いしています。  オキシクリーンを溶かすのにお湯が必要、というのだけがちょっと面倒ですが(ズボラすぎる/笑)温度が高いと、石けんの効果もアップしますよ。  続けて着物の日のときには、2、3足まとめておいて浸けることもありますが、やっぱり、その日のうちにやっつけてしまうのが一番スッキリ! ですね。  先日は、洗ったけどなんだかすっきりしない足袋をオキシクリーンでキレイにしよう!と思い立ち、5足くらいの足袋をまとめてつけて、濯ぐときにお風呂の残り湯で‥‥と思って浴槽に入れたら、全部の足袋がつま先から浮いてきて、思わず「ひぃぃ!!」と叫んでしまいました。想像してみてください‥‥ちょっとしたホラーでした(よい子は真似しないでください)。  干すときには底や甲の部分を引っ張って形を整えシワをのばし、こはぜをとめる掛け糸(受け糸)のある側を洗濯ばさみではさんで干します。洗濯バサミの跡が残ってしまっても隠れる部分だからです。アイロンをかければいいわけですが、そこはズボラなのでちょっとでも手間を減らしたいわけです(汗)。  白くてシワひとつないピタ~ッとした足袋にシュッとした江戸前の細い鼻緒に舟形の足元には憧れますが、締め付けに弱いポッテリ足の自分は楽なストレッチの足袋ばかり……。足袋の裏は黒かったら汚れが目立たないのに!と思ったり。そのうち新素材のラクでスッキリな形でお手入れが簡単な足袋が出ないかな~!   いつかは、わたしのポッテリ足に会う足袋をオーダーしてみたい!という夢があります。足袋ひとつとっても、コダワリ始めるとキリがない世界ですね~。靴と違って、着物では足袋が丸見えになるし、汚れやすいですから気を配りたい部分。他所様のお宅にあがるときやお茶会のときなどは、足袋カバーをはいたり、替えの足袋を持っていくようにしています。  でも気軽なおでかけのときなど以前は足元なんてあんまり見えないし、気を抜いていましたが、エスカレーターとかに乗ると前の人の足元ってすごくよく見えるんですよね(汗)。それに気付いたときはちょっと冷や汗。あっ、見られてたらちょっと恥ずかしい~と思った事も何度かあります(汗)。  素足に下駄のシーズンももう終わり……。別にこれ見よがしに見せるわけではなくても、お気に入りの足袋を履いているときは気分がよいもの。キレイな足袋で楽しくおでかけしたいですね。

日舞発表会で衣裳着付見学☆藤娘って美しい!の巻

星わにこ
2016/08/24 00:00
 台風や豪雨で不安定なお天気が続いていますが、みなさんのところは大丈夫でしょうか?   オリンピックも終わり、東京と同じように雨が降っている閉会式でいよいよ4年後東京に来るんだな~と小池都知事の素晴らしい色留袖姿を見ながら実感が湧いてきました。庶民なワタシは着物と帯が濡れてダメになるぅ~~と気にはなりましたが、そんなことはこのセレモニーに和服で登場した意義に比べれば、きっと小さなことなのかもしれません。  次回東京オリンピックは真夏ですから、例えばメダルを渡すセレモニーアシスタントは振袖じゃなくて浴衣かな? とか色々妄想してみたり。アニメなどの他にも、伝統的な和の文化にもスポットがあたるでしょうね。世界の人に日本のよいところを見てもらうには、まず自分も知らなければいけないことがたくさんある気がします。  さて先日、日舞を習っている友人が「藤娘」を踊るというので、発表会を観に行きました。  ご好意で、衣裳の着装も見学させてもらったのですが、綿の入った裾引きに、「肌脱ぎ」と言って途中で上半身の衣裳を脱いで変えるために上半身部分が重ね着になっていて、とにかく重そう! 聞いてみると、重いけど、着付が上手なので苦しくはないよとのこと。  二人がかりで着付けていくのですが、着付師さんの手業の鮮やかさにうっとり。あっという間に藤娘姿になった友人、とっても綺麗! そして嬉しそうです。  小さいころ、藤娘のお人形が家にあって、いつも綺麗だな~と思っていました。花嫁さんの白無垢や、舞妓さんなどと同じように、憧れでした。笠を被って、藤の枝を持つと、本当にお人形さんみたい!! 見ている方もテンションがあがりまくってしまいました!  発表会は、それぞれ生徒さんが浴衣や衣装つきで踊りを披露に加え、お師匠さんとゲストの先生がたの踊りもあって見応えあり。中でも一瞬で衣裳が変わる「引き抜き」というのに大興奮。重ね着をしている上の衣裳をさっと一瞬で引き抜くというものなんですが、鮮やかです!  子どもたちの可愛らしい踊りあり、美しい衣裳あり、コミカルなもの、かっこいいものとバラエティに富んでいて、とても楽しかったです。特にお師匠さんの「夕月船頭」で粋でいなせな船頭さん姿から、他の演目の間に着替えて「吉野山」で美しい静御前に変身しての踊り、どちらもお見事でした。  周りでもちらほら、私くらいの年齢から日舞を始めたという話を聞きます。バレエをやめて日舞を始めた友人曰く、年をとっても続けられる希望が持てるのが大きいそう。そういえば、踊りは年をとってもばりばり現役の方が多いですよね。先日は、芸歴80年記念という方の舞台のお話を聞きました。6歳ではじめても86歳‥‥素晴らしいです。  ジャンプなど激しい動きがない分、筋力や持久力があれば年をとっても続けられるということなのでしょうか。そしてやはり、表現力はやればやるほど上手くなっていくし、楽しみがありますよね。  また、基本着物を着て(お稽古は浴衣で)踊りますから、所作や姿勢が綺麗になるし、知識の面では歌舞伎などでも踊りのある演目が楽しめるようになったそうです。あとやっぱり、なにしろ衣裳つきで踊れるのが楽しみだそう。そうだよね~! 私も藤娘の格好してみたい~!!  日舞って、始めるのにはとても敷居が高いものだと思っていましたが、友人はネットで近所の教室を探して通い始めたそうです。若い先生が頑張っているお教室で、話を聞いているととても楽しそうです。意外とお月謝もお手頃でした。和の習い事はいろんなルールがあるようですが、やってみたいと思ったら思い切って始めてみればいいんですよね。  50歳で始めたって、60歳で10年選手、70歳には20年選手。私も、やりたいことがあったら、今やらなきゃ! という気持ちになりました! 好きな事で頑張って、輝いている友人の姿は、本当に励みになります。同じくその晴れ姿を見にきた友人たちともワイワイおしゃべりして、とてもよい1日でした。  和文化、もっともっと親しみたいです。 取材協力: 「藤蔭善次朗日本舞踊教室」

盆踊りで盛り上がる! 浴衣で故郷のお祭りにいきました☆の巻

星わにこ
2016/08/17 00:00
皆様お盆休みはいかがお過ごしでしたでしょうか。私は岐阜にある実家に帰りました。都合で日にちはズレたのですが(ええ)岐阜提灯を飾り、キュウリの馬にナスの牛を作り、迎え火をたいてご先祖様をお迎え。それから、ちょうど帰省時期に故郷のお祭りが2つあったのでそちらも参加してきました。  ひとつは、いつも話をすると「えっ!?」と聞き返される私の生まれ故郷、中津川市加子母、小郷地区の「なめくじ祭り」。旧暦の9万9千日に行われるこのお祭り、今年は8月11日でした。  なぜなめくじかと申しますと、ちょっと子どもには説明しづらいんですが(^^;)。時は平安末期、遠藤盛遠という若武者が袈裟御前という美しい人妻に恋をしました。盛遠は袈裟御前の夫、渡辺源左衛門亘から袈裟御前を奪おうと考え、袈裟御前から亘の寝所を聞き出します。夜になって忍び込み、斬り殺してしまったのは、夫の身代わりとなった袈裟御前その人でした。  その罪を償うために仏門に入り、盛遠は修行を積んで文覚上人という高僧になりました。その文覚上人の墓に、袈裟御前の霊が9万9千日の丑三つ時、なめくじとなってとりつくという伝承がこのお祭りの由来となっています。そのなめくじは、普通のなめくじよりも大きくて色が白く、背中に刀傷のような黒い筋があるといいます。  今年は1匹早めの時間から登場しましたが、本当に黒い筋がある、でっかいやつでした!! 写真は自粛し、イラストでお届けします(えええ)。非公認キャラクター「なめくじちゃん」を考えてみましたなめ。地元特産の檜の看板に書いてみましたなめ。なめなめ。袈裟御前がモデルなめ(笑)  私の子どもの頃は、夜中に村人が懐中電灯を持って集まってなめくじの数を数える(爆)というものでしたが、今は「なめクジ」というくじ引きや盆踊り、近くの池をたくさんの灯りが照らす万燈会(まんとうえ)があり、屋台も出て賑やかなお祭りになっています。  毎年日にちが変わるのでなかなか行けなかったのですが、今年はお盆休みでもあり、友達と子どもたちも誘って参加。皆で浴衣で行ってみました。本当に賑やかで、豪華商品もでるなめクジ購入の列にたくさんの人が並んでいました。 会場がちょうどポケモンGOのジムとポケストップでもあったため、別な意味でも熱かったかも(笑)。  そして生演奏での盆踊りも。三大盆踊りの郡上おどりほどではありませんが、岐阜の人はみんな盆踊りが大好き。「かわさき」「やっちく」など、郡上おどりでも有名な曲が始まるとウズウズ‥‥我慢できずに踊りの輪に飛び込みました(笑)。どうしても踊りたかった「春駒」まで粘って、満足して家路につきました。  岐阜出身じゃない友達は「えー!?踊るの!?えー?生演奏?」と驚いていましたが、えー、踊らないの!? やぐらの周りをぐるぐる回って踊っているうちにどんどん楽しくなって来るあの感覚、止められませんよね(笑)  そして13日は花火大会。小さな会場ですが、30分間、本当に間近で見る花火は迫力満点!!! 満喫しました!!  どちらのお祭りもコーマ地の昔ながらの浴衣で行ったのですが、汗をよく吸ってくれて気持ちよかったです。都会の明るい夜の照明の下ではちょっと気恥ずかしい気もしていたコーマ地の浴衣ですが、お祭りにはピッタリですね。懐かしい顔に出会い、笑顔をかわして‥‥なんだかとても優しい気持ちになれました。  帰省最後の夜は、送り火をたいて。明けて朝、お墓参りをして卒塔婆を納めてから帰途につきました。ご先祖様への感謝をするお盆に、浴衣はぴったりだなと改めて思ったこの夏でした。 おまけ:中津川市加子母に残る地芝居小屋「明治座」を見学してきました。花道のスッポンから顔を出す、わにおばけの巻。明治座は、いつでも見学受付していますので、お近くにいらしたらぜひ。奈落や回り舞台(手動!)もある、芝居好きにはたまらない、昔ながらの小屋です。

痩せ見え着物は濃い色の絽でキマリ!?の巻

星わにこ
2016/08/03 00:00
夏になると袖を通すのを楽しみにしている着物があります。それを着ると必ず「痩せた!?」と言われる細見え着物です。私の場合は「絽」。自分でも一瞬痩せたかと思うくらい(笑)ですが、その着物を着た時だけなので(爆)痩せ見え着物、と言っていいかと思います(体験談)。  張りのあるものも多い紗や夏紬、麻や綿など他の夏物に比べて、絽は夏物でありながら、とろりとした落ち感が特徴です。  薄い絹物が体に添うので、ズバリ痩せて見えるんです!!! 袷に比べれば裏地がないわけですし、単衣に比べても、生地が薄い。痩せ見えMAXです。特に肩のあたりがストンと落ちて、細く見えるようです。確かに着膨れして見えるシボのある麻や綿麻に比べて、かなり細く見えるのは事実。  色も関係あるようで、私の場合は濃紺の絽を着た時に必ず「痩せた!?」と聞かれます。濃い色のほうがより痩せ見えな模様。見えるだけですが。見えるだけでも、ウレシイんですぅぅ!  そんなわけで絽は私の心の支えアイテムなのですが、先日超細身の友人が「絽を着ると体がペタンコに見えちゃって‥‥だめだわ」と言っていました。うっ。ケースバイケースですね(汗)。  でももし、夏着物で着痩せを狙いたい方がいらしたら、ぜひ「濃色の絽」おすすめしたいです(笑)。  でも、絽は透けます。特に濃い色のときには逆に下に白い襦袢を着ているとスケスケ感が半端ない。下に着た襦袢の色がけっこう響くのです。緊張感を持って着なければタイヘンなことに。  そのあたりのことは去年コラムに書いていますのでよかったら‥‥。下に柄ありの襦袢を着て、わざとうっすら透かせて見せる、な~んてテクニック、憧れますねっ! (参考:『薄物妄想コーデ☆夏着物は透け感勝負、襦袢で技あり!の巻』)  同じ着物でも、真夏は白い襦袢を着てシャキっと、秋に近づいてきたらトーンを落とした襦袢で少し透け感を落ち着かせて、なんてこともできます。  麻や綿の気軽な着物もいいけれど、正絹の絽や紗に袖を通す時には「夏着物、着ます!」という気合いが入ります。「この暑いのに着物を着る」プラス「よそゆき着物」となるわけなので、気合いも二倍、いえ二乗かもしれません。もうそんなときは、暑い顔はしない、徹底した女優気分で乗り切りたいものであります。  正絹の長襦袢+正絹の絽の装いは、思う程暑くなく、体に優しいという気がします。さすがシルク、繊維の女王! ですが、汗はかきますのでその後のお手入れを考えると、ここ一番のとき以外はなかなかできない貧乏性な私なのですが、それを圧してもなお「着るぞ!」となったときにはそれはもうテンションがあがっております。 「着物着た!!!お洒落した!!ワタシ頑張った!」というテンションでいうと、振袖と夏の正絹は、いい勝負だと思います(当社比)。  同じ絽や紗でも、着心地は正絹に負けてしまいますが、夏はやはりポリエステルなどの洗える素材はありがたいものです。暑いですが、まあ夏は何を着ても暑いから! と涼しい顔で着ちゃいます(半分意地!?)。  気がついたらもう八月。夏着物のシーズンは短い。忙しさにまぎれて「あ~今年は正絹の絽、着なかった(=気合いの入るおでかけがなかった)」と思う秋は、ちょっぴり淋しいものです。人生も短い、やっておけばよかったと思うくらいならやらなきゃアカンなと思うこのごろです(いきなり人生に言及か)。  浴衣もいいけど、夏着物ならではのお洒落も、楽しみましょう\(^O^)/

ネットにいれて洗濯機にポン!? 浴衣のお洗濯とお手入れ☆の巻

星わにこ
2016/07/27 00:00
 夏! 真夏日は暑いけど、洗濯物がすぐに乾くのが嬉しいですね。浴衣や麻・ポリエステルなどの洗える夏着物も、水洗いするとスッキリ気持ちよいですよ。  プレタで洗濯表示があるものはそれに従って洗えばいいのですが、浴衣や着物は反物から仕立てたものにはなにもついていないことがほとんどです。ちょっと心配なものは、プロにお任せ。浴衣だったら、大体1000円台でクリーニングできます。  でも、綿や麻の素材だったらほぼほぼ大丈夫と思って、私は洗濯機のドライモードで洗ってしまいます。    そのときは、きちんとたたんで必ずネットに入れること。布が動いてグシャグシャになって、形が崩れてしまうのを防ぐため、たたんで、布がたくさん重なっている衿などはざくっと糸で縫って止めて、動かないようにする方法もあります。ひどく汚れたところは洗剤をつけて軽くもみ洗いしておきます。  以前はネットにいれても、グシャグシャ~っとネットの中で偏ってしまったり、お団子みたいになっちゃったりするのが悩みでしたが、スラックス用のネットや「せんたく姫」などを使うようになってから、そのお悩みからは解放されました。  特に「せんたく姫」は、たたんで入れても中まで水が通るようにいろいろ工夫されていて、最後に丸めて紐で結ぶことでネットの中での横ズレも防ぐので、洗い上がりがほとんどシワシワになることがありませんし、洗い上がりもスッキリする気がします。シーツなどの大きな布や、ワンピースなどもシワにならずに洗い上がるので、浴衣だけでなくいろいろ洗うのに愛用しています。  きちんとネットに入れれば、あとは洗濯機におまかせ。おしゃれ着用の洗剤で、手洗いもしくはドライモード、脱水は短めに設定して。色落ちする場合もありますので、単品でのお洗濯をおすすめします。  昔ながらのコーマや特岡(てぬぐいなどと同じ生地)は、洗濯のりを使うとぱりっと仕上がります。そこまで柔らかい生地でない場合は、乾いてからスプレーのりで衿などシャキッとさせたいところだけアイロンをかけても。洗ってから長期間着る予定がない場合は、カビの原因となるのでのりは使わないほうがよいということですが、私の場合は、先の予定はわからないので大体のりはしてしまいます(乱暴)。  絞りの浴衣や、綿麻などシボがあるものは、アイロンはかけません。せっかくのシボがつぶれてしまうからです。こちらはあまりひっぱったりのばしたりしないで、やさしく取り扱って下さい。  洗濯機ではちょっと心配、という場合は洗面台で押し洗いしてもOKです。基本は、たたんだまま、そのままの形をキープすること。やはりおしゃれ着用の中性洗剤で洗って下さい。すすいだら、バスタオルなどではさんだりくるんだりして、洗濯機で短い時間脱水して干します。  脱水は本当に短時間。1分以内でOKです。びしょびしょくらいのほうが、シワになりません。  干すときは、着物ハンガーなどを使って。私は100円ショップで買ったバスタオルハンガーを愛用しています。袖の先のほうまではまっすぐにはなりませんが、脇はのびるので乾きやすいです。浴衣は長いから、裾が下についちゃう、というときには、イラストのようにもう1本、2本ハンガーを使うとよいですよ。縫い目で畳んでかければ大丈夫です。  直射日光にはあてず、陰干しもしくは室内干しにしてください。  乾いたら、布目のゆがみなどないようにきちんと本畳みにしてしまっておけば、次もまた気持ちよく着られます。  夏は、2、3時間であっという間に乾いてしまうので気持ちがよいです。休日はまとめて何着もお手入れすることも。汗を吸った浴衣を洗うと、本当にさっぱりしますよ~。まずは、洗濯OKの表示のあるものから、ぜひトライしてみてください! 「せんたく姫」の詳細はこちら

洗える夏着物で淡色涼感コーデ☆の巻

星わにこ
2016/07/20 00:00
 三連休いかがお過ごしでしたか? 西の方から梅雨明けの声も聞こえてきて、いよいよ本格的な夏突入ですね。  夏はもうとにかく汗をかくので、ざばざば洗えて気持ちよい麻、綿麻、綿に手が伸びます。肌着も洗えるもの、汗をとってくれるもの。小物も、へちまやメッシュが大活躍です。  洗えるといえば、ポリエステルも選択肢のひとつ。でも、肌触りがいまいちだったり、暑かったり‥‥。いち利モールで洗える夏着物がリリースされたということで、見てみたらあら、素敵! 手触りもしっとり、とか!? 落ち着いて主張しすぎないけどいいかんじの色柄が揃っていて、プレタも反物もあり。  お誂えの楽しみもいいけど、すぐ着たい! というときにはプレタは重宝ですよね。スタッフさんに聞いたらとても人気だそうで、今回はこの洗える着物で妄想コーデしてみました! http://bit.ly/2a5RrRa  別名キュウリコーデ(!?)。涼感を呼ぶ「寒色系」「淡色」「透け感」で攻めてみました。全体に薄い色で統一しているので、夏の強い日差しの中で涼しげに見えること間違いなし。私も、淡色でまとめたコーデのときによく「涼しげですね」とお声をかけていただきます。はい! 涼しげですが‥‥本人は暑いです(爆)。でも涼しげに感じていただけるのは、夏着物冥利ですよね。  紗献上の博多帯は、「夏!」という透け感が魅力。薄くて軽いのに張りがあるので、キリっとコーデを引き締めてくれます。  夏、ゆかたもいいですが、夏着物は本当にオシャレ。頑張って着る甲斐があると思います。  着る時のポイントはとにかく涼しいところで着ること! エアコンの設定温度を下げて部屋を冷して着ないと、着あがるときにはすでに汗だくになりますのでご注意です(経験者)。あと、裸足で着て、最後に足袋をはくのも結構、着付のときの暑さを軽減してくれます。  着てしまえばそんなには暑くありませんから、涼しげな顔でおでかけできます。あとは、熱中症予防に水分の補給を忘れないでくださいね。  ‥‥‥‥そして、この妄想をふくらませて試着室でああでもないこうでもないと考えているうちに、ついこの洗える着物をポチってしまいました! 怖い! 夏のバーゲン! 怖い! 着物沼(笑)。届いたら着てみてまたご報告しますね~(汗)   浴衣の次は、夏着物。まずは入門でこんな洗える着物から入るのもいいですよね。ワンランクアップのお洒落を楽しんで下さい。

半幅帯の結び目を可愛く高い位置でキープするちょっとしたコツ☆の巻

星わにこ
2016/07/13 00:00
 先週は七夕でしたね。七月七日は浴衣の日、ということで、都内の大学などでも浴衣デーが開催されていたようです。当日四ッ谷にいたのですが、朝から浴衣の若者がたくさんいて、なんだろう?と思ったら上智大学の浴衣デーでした。女子も男子も浴衣姿で、見ていて楽しくなってしまいましたよ!  サンダルやリュック、帽子に浴衣などなど、皆それぞれに着こなしていて、素敵でした。普段着なんだからなんでもアリ。そして、皆似合うんですよ~これが。イベントだけじゃなくもっと着る人が増えたらいいのにな~と思いました。  女子の後姿を見ていて、ひとつだけ惜しい!と思ったのが、作り帯ではなくてちゃんと自分で結んでいる人の結び目が下がってしまっていること。リボンの部分が背中にぴたっと密着して位置も高いほうが、可愛く見えますよ。下がっていると、背中が大きく見えてしまいますし、結び目が下がって下の伊達締めが見えちゃったりもします。  こうなってしまう原因はまず、補整を入れていなくて帯がうまく体に沿っていないこと。次に帯のひきしめがうまくいっていないこと。  また文庫結び、リボン結びなどの場合  ・帯のひきしめが弱すぎる。結び目がゆるい  ・余った手先を帯の中にいれて下に引き締めていない(文庫結びの場合)  というところ。いずれも帯が緩かったり、結び目の部分が重すぎて下に下がってしまっているもの。帯を結ぶときにはなるべく上に持ち上げる気持ちできちっと結ぶこと。どうしても落ちてきてしまう場合は、ハンドタオルかてぬぐいを小さくおりたたんで、結び目の下に押し込んで枕にすると、支えになって結び目が落ちてきません。  先週ご紹介した三重紐を使った半幅帯結びの場合は、結び目はないですが、三重紐に帯の重さが全部かかっています。ポイントを高くもってくるために、帯の形を整えて、後にぐるっと回したら、仮結びしていた三重紐を一度ほどいて、ワキで持ち、はさんだ帯をおんぶするように持ち上げて背中に密着させ、再度前で結んで、帯の中に収めます。  こうするだけで、可愛く結んだ帯の位置がぐんとあがります。  また、ポリエステルの帯など滑ってうまく結べなかったり、動いているうちにゆるんできたりする場合もありますので、帯締めなどで固定しておくのも有効です。可愛い帯留などをつければお洒落にもなりますね。オトナの矢の字や、貝の口結びなどもこの方法が有効です。  ひとつだけ、皆様よくご存知かとは思いますが、帯が高い位置がいいのは、若い人ですので、あまり高いと子どもっぽくなってしまうということだけお気をつけください。年齢相応の、ほどよい高さを目指しましょう(自分含む(汗))。浴衣だけではなく、カジュアルな夏着物も半幅帯で着ると涼しいですから、素敵に結んでワンランクアップいたしましょう。  せっかく結んだ帯の最後の一仕上げ、お忘れなくです。 <おまけ> わたしも先週ご紹介の結び方、してみました。トルソーより羽根が少ない&短いのは胴回りの差ということで(汗)年齢相応の帯の高さにしてあります(汗)若い人はもっと高く、華やかに結んで下さいね!

七夕は浴衣で☆三重紐を使って可愛い短冊みたいな帯結びの巻

星わにこ
2016/07/06 00:00
 明日は七夕。街ではあちこちに笹の葉飾りがあって、短冊にいろんな願い事が書かれていますね。ついつい足をとめて、いろんな願い事を見てしまいます。子どもの書いたお願いごとは、本当に可愛い。今年は「8さいになったらおとなしい女の子になれますように 7さい○○」というのに色んな意味で唸ってしまいました。多分ならないと思うし、ならなくてもいいと思うよ!  新宿で見かけた「ヒゲの毛根が全部頭に移動してくれますように☆」というのも印象的でした。切実ですよねきっと。外国語のお願いごともたくさん見かけます。月並みですが、私は家族みんな心身ともに健康でありますように、それから世界平和をお願いしようと思っています。  子どものころは、サトイモの葉っぱに溜まった朝露を集めて墨をすって、短冊にお願いごとを書いたな‥‥なんて、ふと思い出したり。  折角の七夕、浴衣に袖を通してみませんか? おでかけしなくても、家で浴衣を着て、空を眺めるだけでも素敵です。  七月に入ってから、昨年書いた浴衣のインナーの記事をFBで紹介してくださった方がいて、たくさんの方にまた読んでいただけたようで嬉しいです。どうせ着るなら、キレイに素敵に着たいですよね。  今年もし補足するとしたら、街で着るときは袖のあるインナーのほうがいいですよ~ということ。タンクトップやブラだと脇の身八つ口から見えてしまうこともあるんです。参考にしていただけたら幸いです。 (参考:『体型&汗対策、浴衣のインナーはこれで決まり☆の巻』)  浴衣が綺麗に着られたら、帯結びもいつもの文庫や矢の字だけでなく、ちょっと華やかな結び方にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。振袖の変わり結びのときなどに使う、ゴムが三重になった「三重紐」を使えばとっても簡単にできちゃいます。  手先とたれが同じ長さになるように結んで、帯の上線のところで結んだ三重紐のゴムに平らにした帯をはさんでたらしていくだけ。帯の長さや固さによっていろんな表情が出ます。半幅帯でも兵児帯でもOK!  なんとなく、七夕のお願いごとを書く短冊を重ねたようにも見えますね。少しおしりが隠れるように挟んだ帯を長くとれば、気になるヒップラインも隠れます。着付けの粗も目立ちません(笑)。上のほうで細かくたくさん羽根を作れば、華やかに。帯の裏側が見えてもアクセントになって可愛いです。  三重紐はほどかずに、そのまま帯の中にしまいます。でもちょっとした拍子にちらっと見えてしまうこともあるので、帯の色にあったものやカラフルなものを選ぶと安心かつお洒落です。  仕上がりの正解はなく、要はほどけなければいいのですから、最初の帯の結び目と三重紐をきちっと結べば大丈夫。まずはおうちで練習がてらチャレンジしてみるのはいかがでしょう。  もちろん、デートやおでかけの予定があればぜひ! この夏、浴衣をもっと楽しみましょう~!

これは使える!トラベルポーチで着付小物の整理の巻

星わにこ
2016/06/29 00:00
 腰ひも、着付クリップ、伊達締め、コーリンベルトなどなど着付小物はどこにしまっていますか? 私は一式をカゴに入れたりポーチにいれたり‥‥最近は箪笥の引出しに入れていて、着替える時に引出しをあけてそこから直接とっていました(ものぐさだなあオイ)。  でも着物で旅行に出かけたり、出先で着替えることもあったり、仕事場に一式もっていかなくてはいけないこともあったり‥‥。気がつくと、あっちにバラバラこっちにバラバラ、あれドコ? これは? 必要なものが見つからない! という事態に。  なんとか解決方法はないかなーと考えていたのですが、思いついたのがトラベルポーチ。着付教室に持っていくときに重宝していたのが、スーツケース用の四角くて中身が見えるトラベルポーチでした。少し大きめなので帯枕も入れて、帯締め帯揚げも入れて、中身も見えて使い勝手がとてもよかったのです。  そこで、洗面用具などを入れてフックでひっかけて使うタイプのトラベルポーチを使ったらどうだろう? と思い立ち、使ってみたところこれが便利!   腰紐、伊達締め、仮紐にコーリンベルト。着付クリップはポケットに挟んでおけばすぐにとれます。どこにいったーと探しちゃう着付ヘラも定位置を決めれば大丈夫。他にもポケット部分に安全ピン、ヘアピン、ヘアゴム、マトメージュ、出先であったらいいなな小物を全部つめこんでみました。ちょっと大きめなので、替えの足袋も1つ入れています。  出かけるときは、このままバッグinバッグとして、カバンやスーツケースにポン。ちょっとかさ張りますが、忘れ物をして慌てるよりいいやと、忘れ物大王の私は思うのでした。あと、大きくて派手な色だと、どこにやったっけ(アワアワ)と、見失って探さなくていいので‥‥(どんだけ忘れ物&失くしもの大王なんだか)  しかも、着替えのときには、すぐに手が届く高さにぶらさげれば、しゃがんでヒモをとったりする必要がないので身体もぶれず、着付の時の着崩れも防げるという一石二鳥効果もあり。着付の時に「あれがない、これがない(><)」と探しまわっているうちにグチャグチャ~(涙)もありません。  実際使うときには、紐や帯枕なども、さっととれるようにひっかけたりしておけば着付けもぐっと時短! 便利です。  上手にまとめられる方は、もう少しコンパクトなサイズでもいいかも。着付小物をひとつにまとめて、しかも使うとき便利なトラベルポーチ、ぜひお試しあれー。

妄想コーデ☆夏は麻! 近江縮でサラリと快適に過ごしたいの巻

星わにこ
2016/06/22 00:00
 夏至も過ぎ、もうすぐ夏本番ですね。すでに東京でも真夏日があったり、一体何を着ればいいのかと迷ってしまいます。セールもはじまったし、今からお仕立てしたら夏に間にあうかも? なんてついつい妄想してしまう今日このごろです(^^;)   さて、夏に一番涼しい素材の着物は一体なんでしょうか。まあ、どれも暑いといえば暑いんですが、やはり涼しい組み合わせというと、麻の襦袢に麻の着物ではないでしょうか。  麻特有の張りのある生地が、身体に布が密着することなく空気を通して、爽やかな着心地をもたらしてくれます。  麻は熱伝導性がよく、吸水・発散性に優れていて天然素材の中で最も涼しく感じる素材と言われています。そしてなにより、自分でお洗濯ができるのがポイントが高い!  夏はとにかく汗をかきますから、ざっと洗えてすぐに乾いてくれる麻は強い味方。その速乾性たるや、天気のいい日は洗って2,3時間で乾いてしまうほど。  ちょっとお恥ずかしいお話ですが、実家のタンスの肥やしとなっていた麻の襦袢に黄ばみが出てしまっていたのですが、洗えるものだし、と思い切って漂白剤につけて洗ったら、あら~これが綺麗になりました! サッパリして夏に活躍してくれています。  あとは、自分で小千谷縮の古着をダイロン染めしてしまったことも。本当に、麻って、丈夫ですごい素材です。(漂白や染めなどの荒技はあくまで自己責任でお願いします(^^;))  麻の着物には平織の「上布」とシボのある「縮」があります。上布は南の宮古上布、八重山上布、北の能登上布、越後上布など、全国にあります。縮は、シボ加工を施したもので小千谷縮や近江縮が有名ですね。  今回は、そのシボのある近江縮で妄想コーデしてみましたー。シボがあることでより空気をはらんで涼感が増します。この場合、襦袢はもちろん麻で。麻の襦袢は、上が柔らか物だと張りがありすぎて沿いが悪い場合がありますが、襦袢の中では一番涼しいという声をよく聞きますし、私もそう思います。  近江は今の滋賀県。琵琶湖のほとりの湿気が麻をつむぐのに最適で、麻の産地として発展してきました。その琵琶湖の水をイメージして、水玉の帯と帯揚を。半衿も、水色の麻素材にしてみました。  濃いめの緑はちょっと珍しくて、オシャレですね。  このように、夏にはいいことづくめの麻なんですが、欠点があるとすれば………。ちょっとシワになりやすいことと、張りがあるので身体が膨らんで見える(平たく言うと、太って見える)ということ‥‥‥(涙)  でもシワは「麻だなあ」という風情でもありますのでそれはいいとして、膨らむ方(爆)は、特に淡色のものなど着ると「うっわ!」と驚くほどの膨張が(汗)。そんなわけで、買うなら濃い目の色のものが欲しいなあと思っております。  痩せれば、そんな悩みもなくなるのでは、というのはもう言わないでおいてやっていただきたく‥‥(涙)。せめてもの、着やせ願望でございます。  真夏日に、麻の襦袢、麻の着物に朝の日傘なんかで、サラっと涼しい顔で過ごしてみたい。本当は暑くても(笑)、周りの人に涼しさを感じてもらえたら夏着物冥利ですね! 夏本番前に、夏着物妄想コーデでした。