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秋の妄想きのこコーデ☆竹久夢二ワールドの巻

星わにこ
2017/09/20 00:00
 秋ですねー。葡萄に梨に栗に‥‥と食べ物から季節を感じる私ですが、着物も同じように季節の色を選びたくなってきます。  今回の妄想コーデは、そんな食べ物とカラーのベストマッチ!(仮面ライダービルド)。赤紫の『夢二浪漫』きのこ、を選んでみました。  竹久夢二というと、儚げな美人画の印象が強いのですが、グラフィックデザイナーの先駆けでもあります。モダンな本の装丁や、千代紙などの文房具のカラフルで乙女チックなデザインは今見てもとっても素敵です。  以前夢二浪漫シリーズのすずらんで妄想コーデをしたことがありますが、一度やってみたかったインパクト絶大二度見確実なきのこコーデ! やはりきのこといえば秋でしょう、ということでオータムカラーでまとめてみました。  帯は抜け感のあるデザインがモダンな千代紙のようにも見える染めの九寸名古屋帯。森の木々の葉っぱをきのこを帯締めと帯揚はこっくりとした葡萄色に、半衿はベロアで深い森をイメージ。難点は自分がまるまるしているので、夢二の美人画とはほど遠いところ(涙)。でもそこは妄想でカバー!(笑)。  本当に秋に着てみたいコーデです。だって、コーディネート大会に応募して1位になると、そのコーディネートの着物がプレゼントされるという夢企画、第6回コーディネート大会開催中なんです! 投票した人にも商品あたりますよ。  他の人のコーディネートを見るのもまた、勉強になります。「おっ!素敵!」と思ったコーデにぜひ1票を。そしてこの機会に、試着室で本気で欲しいコーディネートを投稿してみるのはいかがでしょうか?

芸術の秋!GINZA SIXの観世能楽堂におでかけしたよ☆の巻

星わにこ
2017/09/13 00:00
今年4月にオープンしたGINZA SIX。その地下3階に能楽堂があるのを御存知ですか? 渋谷にあった観世能楽堂がそのまま移築され、スヌーピーコラボのグッズなどでも話題になっていましたね。  恥ずかしながら、流行ものに弱いわたくしGINZA SIX自体はじめて。こんなことでもないとなかなか行けない!と、雨予報でしたが、張り切って着物でおでかけしましたよ。  キモトモ(着物友達)に招待をいただいて大倉流祖先祭へ。豪華な出演者の皆様を間近で見られて眼福でした。途切れることなく一日中開催されていますが、昼間の数時間だけ番組を拝見してきました。  友人達のお陰で、お供して足を運ぶうち、なんとなくわかるようになってきた能の世界。本を読んだり映像を観たりするのとは違い、やはり生の舞台は格別です。予習をしていくと、ああ、お話のこの部分、というのがわかって楽しいですし、ただただ目の前に繰り広げられる夢幻の世界に酔うもよし。謡を聞きながら睡魔と闘ったり負けたり(負けるんかい)するのも醍醐味です。  伝統芸能の舞台は、衣裳的にも眼福。能衣装は言うまでもなく、黒紋付袴でずらりと並ぶ囃子方や地謡の皆様かっこいい! 皆様所作が伴っているので、本当に着姿が素敵なのですよね。友人の初舞台もあったのですが、その中に女性がキリリと色無地で紅一点というのも、本当にりりしく美しかったー。  男性の袴には馬乗り(ズボン型)、行灯(スカート型)がありますが、能楽では「仕舞袴」という馬乗り型の進化形の袴を着用される方が多いとのこと。動きやすい構造で、立ったり座ったりしてもシワなどができにくいのだとか。仕舞は行灯の方もいましたが、囃子方や地謡、後見の方はほとんど仕舞袴だったのかなー。地謡の右から2番目の人かっこいい!とか(鑑賞目的がずれている気も‥‥(^^;))。短い時間でしたが堪能して参りました。  自分もまた、伝統芸能仕様の着物でお洒落をして観に行くのも楽しみのひとつ。別に決まりがあるわけではありませんが、演目にあわせたり、季節をたのしんだり。私は、観能にいくときは色無地や江戸小紋などで行くようにしています。遊びは帯や帯留などで。でも、コダワリはさりげなーくもしくは自分だけしかわからない、みたいなのが理想です。歌舞伎ともまた違う楽しさ面白さ。きっと皆様にもいろいろなコダワリがおありなのではないでしょうか。  この日は蒸し暑かったのですが、秋を意識したコーデで。むじな菊の江戸小紋に萩の刺繍帯。マダム仕様(笑)の真珠の帯留と指輪。帯揚を濃い紫で締めてみました。雨だったので草履が色の濃いカレンブロッソだったのがちょいと自分的には残念でしたが、鏡板の松色ってことで。  あと、あまりの暑さに髪を切ってしまったのですが、やっぱり着物のときはアップヘアが気分が上がりますね~。また伸ばそうと改めて思いました。  その後ランチやお茶で、同行の友人と演目について話すのもまたこれ楽しい! イケメン探しをしているのは私だけではない(笑)というのもわかりました。それぞれのツボの話を聞いて、そんな見方もあるのかとか、いろんな情報交換をしているうちにあっと言う間に時間が経って。能や芝居見物は、昔は1日がかりの贅沢な娯楽。現実を離れて贅沢な時間を過ごすのは、リフレッシュになりますね。銀座という場所もまた、華やかな気分になりました。  日々の慌ただしさに紛れて、こんな時間を忘れていた私です。これからは暑さもやわらいで、着物を楽しめる季節がやってきますね。芸術の秋でもあります。着物で鑑賞するのにピッタリな伝統芸能、能楽に興味があったらチェックしているといろいろな催しもありますよ。  私が能の世界を最初に覗いたのは、「能への誘い」というイベントでした。今年は川崎で開催されます。  能ってよくわからない、という方もまずは入門編からえいっと覗いてみるのもよし、詳しい友人に連れて行ってもらうもよし。探してみると、意外と能っていろんなところで上演されています。アンテナにひっかかったらぜひチェックしてみてくださいね! 観世能楽堂入口にて。松羽目物気取りで(笑)

着物のしつけを外す☆飾りしつけと普通のしつけの巻

星わにこ
2017/09/06 00:00
9月に入ってすっかり秋めいてきましたね。もう夏着物には手が伸びず、単衣を着ることも。やっぱり、涼しいと着物が楽で楽しいです。  着付のお仕事もオンシーズンになります。先日は秋の結婚式出席のための留袖と訪問着着付のご相談をいただきました。留袖、訪問着のコーディネート相談も含めて、事前準備のため伺ったのですが、留袖は今回初めてお召しとのこと。しつけがついていました。  しつけはそもそも、着物を仕立てた時に、布を落ち着かせるためにするもの。  袖や裾に一目落としでついている、大きな縫い目のしつけはとりますが、留袖や振袖など礼装には「ぐし」と言って、掛け襟や袖口、裾などに細かい縫い目で白いしつけがしてあるものはこのままで使います。  これを間違ってとってしまうと(本当に細かいので、とるのはすごーく大変だと思いますが)押さえがなくなるので、フカフカになってしまいます。  一方、大きなしつけのほうは、とって着るもの。ついていると、「あら、とり忘れ」と思われてしまいます。初めて着る着物などは、前日に見てチェックしないと取り忘れて当日あわてることも。  新品でなくても、丸洗いなどのお手入れのときにこのしつけをしてあることもありますので、久しぶりに袖を通す着物は必ずチェックを。意外と着てから「あっ!しつけついてた(ガーン)」となることもあるあるですよね。  こうなると、あわてて着たままとったり、一部取り忘れたり‥‥。そしてそれがずっとそのままだったり‥‥(えー)。  でも、他の人のしつけとり忘れは目についちゃったりするんですよね~。しつけの糸の縫い始めのところが、とりきれずにピロ~ンと出ていたりすると「お仲間‥‥」と勝手に親近感を持つ私です(^^;)。  本当は、ちゃんと前日に落ち着いて着物のチェックをすべきだとわかっているけどなかなかできなかったりしてしまうのですが、実はとてももったいないこと。  落ち着いて前日着物のしつけをとるときは、とても幸せな気持ちになるものです。新しい着物やきれいになった着物に袖を通すワクワク感のせいでしょうか。この事前の準備の時間も含めて、着物を纏う楽しみなのではないかと。  お客様には、前日留袖のしつけをとって、ハンガーにかけて大きなシワをのばしておいてくださるようにお話しました。  あとはこれが結構忘れがちな襦袢の半衿つけ。どんな半衿をつけたらいいかや、帯締め帯揚げや小物などもご相談にのりました。草履バッグまで入れると本当に結構な数のアイテムを準備しなければならないんですよね。コーデだけじゃなくてヘアセットとか持ち物とか予定とか‥‥でもこの準備がまた楽しい!  普段から着物をお召しになるお客様でしたので、お話も早くて、当日の準備や足りない物についても確認がきちんとできました。晴れの席の準備は、お話を伺うほうもお裾分けをいただいて本当に幸せな気持ちになります。  この準備の時間を含めて「お祝いの儀式」なのだなあと実感。お手伝いさせていただけることに感謝です。精進せねば!  留袖のしつけを見せていただくと、おくみの裾のところに「松葉飾り」がしてありました。おめでたい席の着物だから、おめでたい松のモチーフが使われているのですね。この「松葉飾り」は飾りといいながら、とるしつけです。  とってしまうものなのに、この美意識と心遣い。日本の文化って素晴らしいなあ~と感動しました。比翼のほうにも同じように松葉飾りが入っていましたよ。その着物を纏う人が、幸せでありますように‥‥そんな祈りがこめられているように感じました。  最近はなんでもアリで簡単にすませてしまいがちですけれども、丁寧に準備をすることの大切さ、有難さを再確認。着物は、忙しすぎる毎日に、ちょっとブレーキをかけてくれるものなのかもしれませんね。もし着物を着られる機会があったら、ぜひ袖を通していただきたいなあと思う秋のはじめでした。

キュウリとかナスとか夏野菜コーデ6日間☆の巻

星わにこ
2017/08/30 00:00
 残暑お見舞い申し上げます。この言葉が使えるのもあと2日。8月も終わり、暑さも少しだけ和らいできましたね。とはいえ、この暑さの中着物でおでかけは結構気合いがいります!  そんな8月の後半、6日連続でお仕事で着物を着ました。この時期に着られるカジュアルな夏着物も帯も非常に限られている中の着回しコーデ。はっと気付くと色が薄い緑系に集中しており、キュウリっぽい‥‥。  そのことを仕事場で言うと先輩に「ウリ!ウリ!」と大受け。可哀想に思ったのか他の人が「メロン?」「それもウリ!」。マスカットとかクリームソーダとかも言ってくれたのですが、結局キュウリということに。  次の日は別の帯にしてみたのですが、今度はキュウリとナスということに。まあそう言われても、見事にキュウリ色系の着物と着物ばかりで自分で可笑しくなってしまいました。最終日だけ、キュウリ系の色を使わないで行ったら、「ナスだよね!」(爆)  もう一度そう思ってしまうと、元に戻れないのかも。  ちなみに、インナーはずっとたかはしきもの工房のうそつき衿。長襦袢が省略できるので、暑い時期本当に助かります!  以下着回し日記です。 【1日目】黒のしじら浴衣にペパーミントグリーンの帯。 【2日目】キュウリっぽいよね!と一番言われたウリコーデ。帯は前日のものを着回し。竹素材の夏着物の色がどんぴしゃりのキュウリ色なのか‥‥。 【3日目】着物も帯も替えて気分一新!のはずがキュウリ&ナスコーデに。着物はいち利モールの洗える着物です。 【4日目】帯はそのままで絹芭蕉の夏着物を着納めと思ってとり出すも、やはりキュウリ系の色のため、引き続きキュウリとナスに。 【5日目】竹素材の着物の色違いならキュウリっぽくならんでしょ!と今まで手が伸びなかった暖色系の着物に。でも帯が‥‥‥。実は着物じゃなくてこの帯がキュウリな原因!? 帯締めは2日目のものの裏側を出しています。 【6日目】もうキュウリとは呼ばせない! キュウリ色を排除して意気揚々と仕事に向かうも、ナス。と一刀両断になってしまったオチ。なんでだろう‥‥。  とここまで書いて、草履の色も緑だと気付きました!!!ソレダ! ‥‥‥夏野菜ですから‥‥‥季節にあったコーディネートということで。  こうやって写真を並べてみると、自分の持っている色や好きな色が一目瞭然。他の色も持っていたりはするんですが、その時の気分で選ぶ色って以外と似通ってしまうんですよね。  色もそうですが、柄物の少なさに改めてビックリもしました。無地ラーと呼んでください(なんだそれ)。たまにはコーデ写真を並べてみるのもいろいろ考える機会になりますね。  来年の夏は、別の系統のカラーにもチャレンジしてみたいと思う夏の終わりでした。

琉球花織で白い砂青い海を想う妄想コーデ☆の巻~

星わにこ
2017/08/23 00:00
 花織(ハナウイ)という言葉を初めて聞いたのは、20代のときに沖縄旅行にいったときでした。そのとき見たのは与那国花織でしたが、その素朴な可愛らしい模様と美しい光沢にうっとりでした。沖縄には各地にそれぞれの手法で織られている「花織」があります。  今回の妄想コーデは南風原(はえばる)町にて織られた大変珍しい南風原花織。琉球王朝の祝着として発展した、立体感のある浮き柄が魅力的な花織です。戦時中、一度は生産が止まった技術でしたが、生き残った人々の努力により復活を遂げました。組織織という技法で、裏糸を通さずに織ってあるため、単衣としてもオススメだそう。  今年の1月に、経済産業大臣指定の伝統的工芸品にも指定されています。非常に手の込んだ手法で生産されていて高価ですが、一度は纏ってみたい沖縄の布。今回は、白一色で模様だけを織り出したものを選んでみました。まるで白い砂浜のような、眩しい色合いです。  帯は琉球蝶雲青海という文様の京紅型。沖縄紅型とはまた違いますが、麻に紅型で蝶と花、雲に青海波が染めあげられているもの。紅型のおおらかで華やかな図柄に心浮き立ちます。  帯締めと半衿に海をイメージしたブルーの濃淡で、全体のコーデを引き締めてみました。濃い色の半衿は、白い着物をキリッと見せてくれますね。 http://bit.ly/2g4qqCp  南国気分でシャキっと着てみたいドレッシーな妄想コーデでした。

青空を映す生藍染め、今年もやったよ☆の巻

星わにこ
2017/08/16 00:00
生藍染めのことを知ったのは、今から5年ほど前のこと。ZEROキッズ主催の染めのワークショップで、藍染めを教えて下さった先生が、美しい空の色のTシャツを着ていらして。いままで見たことのないフレッシュな水色で、伺うと、生藍で染めたものだとか。  普通の藍染めの、瓶覗(かめのぞき)や浅葱、縹(はなだ)など、キリっとした引き締まった色とはちょっと違う、自由で浮き立つようなその水色が忘れられませんでした。  先生から藍の種をわけてもらい、友達と二人で育ててみましたが、私はプランターですっかり枯らしてしまい(‥‥‥)、昭和な家の相方のみずほちゃんがご両親の畑の片隅で育てたもので、キレイに染まった!と報告をくれました。ついでに、その藍の葉を冷凍したものを分けてくれたのですが、染まったけれど緑が強く「白緑」というような色に染まり。それはそれで綺麗な色だったのですが、次の年にまたチャレンジ。  絽の帯揚げを染めて大満足でした。そのときの様子はこちら  それから毎年、仕事場の昭和な家でみずほちゃんちの藍で生藍染めをさせてもらっています。とにかく藍の鮮度が大切!ということで、土付きでもってきたりいろいろ試行錯誤を重ねましたが、刈り取って持って来ても大丈夫ということで、今年は刈り取った藍をもってきて、みんなで葉っぱをプチプチちぎりました。根っこがないと、運搬も処理もかなり楽に。  藍の葉さえあれば、染めるのはかなり簡単です。  藍の葉を揉んで色を出すやり方もありますが、昭和な家レシピはこんなかんじ。 1)藍の葉っぱを茎からちぎって、洗っておく 2)ミキサーにかける(葉っぱ50gに対し水500ccくらいで帯揚やスカーフ1~2枚分。量は結構適当でも大丈夫) 3)ネットなどで葉っぱのカスを漉す 4)できた染液に絹を入れ、10~15分ゆすりながら染液を浸透させる 5)よく水洗いして、干す 以上です。絹と書いたのは、綿や麻も一応染まるのですがあまり綺麗には染まらず、洗うとどんどん落ちてしまうため。やはり絹が一番綺麗な空の色になり、定着するからです。 写真:渡部瑞穂(昭和な家)  輪ゴムや紐などで絞ったりすれば、その部分が白く染まらず抜けるので、模様もつけられます。  絹の布を緑の液にひたすと、最初はもちろん緑になりますが、浸しているうちに青緑になり、水で洗って空気に触れると、鮮やかなブルーになります。この色の変化の美しいこと! そして乾くとなんともフレッシュな空色になるのです。なんといったらいいのか、この美しい空色は生藍染め独特のもののように思います。絹の光沢とあわさって、日にかざすとため息が漏れるほど。  今年は生憎の雨で、外に干すことはできませんでしたが、それでもこの美しい空色。伝わりますでしょうか。    藍の茎は、煮出して染めて鉄媒染すると、グレーに染まります。残った葉を乾燥させるとまたこれは別な方法で染めに使う事ができます。染め実験大好きなみずほちゃんがいろいろ準備してくれるので、私はやらせてもらうばっかりなのですが、だいたい草木染めは、煮出したり、触媒を用意したりと温度管理やらなにやら手間がかかるものです。  が、この生藍染めは、新鮮な葉っぱと水さえあれば、かなり手間無しで本当に美しい色に染まるのでびっくりしますよ。藍の種は少し入手しにくいものですが、もし手に入るチャンスがありましたらぜひ! そのフレッシュな水色に感動すること間違いなしです。

浴衣の帯の位置☆女子は高めに男子は低めに!の巻

星わにこ
2017/08/09 00:00
夏祭りに花火大会真っ盛りですね! 今年は男性の浴衣姿を見る事が多い気がします。浴衣姿のカップルを見かけるといいわねえ~~なんて目を細めておりますが‥‥‥。  ここで、めちゃめちゃ気になるのが帯の位置~~~!! 女性は若いほど帯の位置が高いと可愛らしいです。帯の位置が下すぎます。 若い自覚のある方はぜひ上に! 帯の位置が下がっていると老けて見えてソンですよ。  作り帯だとゆるんで下がってきやすいかもしれません。でも、帯は上のほうが素敵、と自分で意識しているだけでも随分違いますから、トイレにいったときなど、ちょっとチェックしてみてください。  前だけでなく、後ろも結び目の重さで下がりがちです。結び目のところにタオルを台に入れるなどして下がらない工夫をしてみてくださいね。  そして男子諸君! 特に若い男子!! 帯の位置をウエストで締めているため、浴衣の裾が広がってスカートになってる人多し!!  ここで手を出すと痴女(爆)になってしまうので、ぐっと我慢をするのですがもう気になって気になってえええ。スカートになってなくても、総じて「帯の位置が完璧!」と思う若い男性にはなかなか遭遇できません。  まず、男性の帯の位置ですが、ウエストではなく腰骨の下あたりで締めます。ええ、前はもう足の付け根ぎりぎりと言ってもいいでしょう。そして後ろはおしりの上あたりです。そうです。前下がりのシルエットです。  男性も年齢を重ねて来るとお腹が出てくるので、お腹の肉がよい押さえになって、この帯の位置がビシッ!!と決まりやすくなってくるのですが、やせているとなかなかこれが決まり難い。タオルを巻いて、補整するのもひとつのテですよ。  上はゆったり、下はキリッ! これが男性の着姿の基本です 襟元が開いてもそんなに恥ずかしくないです。開きすぎ?と思ったらタンクトップとか着てもOK。  帯を結び終わったら前に両手の親指を入れてぐっと下げるとカッコよくなりますよ。着ている間も時々ぐっと下げてください。このアクション、結構かっこいいんですよ。  これだけで裾もはだけないし、素敵浴衣男子になれます。  思ってはいても、なかなか知らない人には言えませんので、ぜひ身近で浴衣にチャレンジする人がいたら、そっと教えてあげてくださいね!  帯の位置、女子は高めで、男子は低めですう~~!!(はぁはぁ)<よほど叫ぶのを我慢していたらしい(笑)

夏の夜空の花火のような板締め絞りで妄想コーデ!の巻

星わにこ
2017/07/26 00:00
 今月の妄想コーデの時間がやってまいりました。夏は、自分でお手入れもができる着物が便利です。綿麻着物もそのひとつ。シボ感があり、風が抜けてふわりと纏う感じが心地好い着物です。  今回は、そんな綿麻に板締め絞りでカラフルに「六法輪違模様」を染め上げた十日町縮で妄想コーデをしてみました。 ・http://bit.ly/2eKmZjR  板締め絞りは、江戸後期に発達した木版染めの技法の一種。同じ模様を浮き彫りにした板と板の間に生地を挟んで押さえてその部分に染料が染みないようにして染めていくもの。  夏らしい爽やかな色あわせのこの多色染めの場合は、両面に柄を彫刻した柄版を十二枚も使用しているとか。気の遠くなるような作業と技術ですね。  多色の板締め絞りで花開いた模様は、まるで花火のよう。夜空のような濃い色の帯に、鮮やかな帯揚と帯締め。花火の刺繍半衿をつけてみました。こんなコーデで花火大会に行ってみたいなー。  もちろんデートですよ、デート! 恋は遠い日の花火ではない、なーんて(妄想に次ぐ妄想)。  妄想コーデの楽しいところは、「いつ、どこで、どんな風に着たいか」というところをあれこれ(例えそれがありえないシチュエーションでも(笑))考えるところでしょうか。なるべく、細かく、時にはセリフまで考えるので結構体力使います!(使うのか)  ないない、といいつつニヤニヤしながらの妄想タイム。この際なのでコーデだけでなく自分の体重とかも減らしたり、ルックスも3割増くらいに考えたり(笑)やってみると楽しいですよ! 夏着物はちょっと着るのにハードルは高いですが、妄想ならいつでもどこでもオッケーです。妄想で鍛えておくと、現実のハードルも下がるかも? コーディネートのイメージトレーニング、試着室でぜひどうぞ。うふ。

保冷剤を入れる!ヘチマの帯枕を手作り☆の巻

星わにこ
2017/07/19 00:00
 もう気分はすっかり夏。着物を着るときは少しでも涼しく着たい!というのが切実な願いです。  夏の涼しい素材で頭にうかぶのは「麻」「ヘチマ」などの自然素材。麻は着物、襦袢、肌着……と着るものに。ヘチマは帯枕や帯板、補整パッドなどの小物に使われます。代表的なのは「ヘチマの帯枕」でしょうか。  市販のものを持っていますが、軽くて通気性がよいため涼しく、つけていてラクに感じます。つぶれやすいので、お太鼓はあまりボリュームが出ませんが夏はなんでもコンパクトなほうが、涼しく感じる気がします。  仕事場の「昭和な家」で、たくさんの乾燥ヘチマをいただいたので、みんなで集まってヘチマの帯枕作りにトライしてみることになりました。  すでに自作経験者のキモトモが、ヘチマの帯枕に保冷剤を仕込んだものを見せてくれたのですが、たしかに、帯枕のまわりがひんやり!!!  つけているご本人は「涼しいような‥‥そうでもないような‥‥」という感想でしたが、帯に手をかざすとあきらかに温度が低い。これはかなりの効果がありそうです。  さっそく、保冷剤を仕込む形で作ってみることにしました。  いただいたのは皮のまま丸ごと乾燥させたヘチマ。カラカラに乾いた状態で茶色い皮をパリパリと剥いてしまいます。手で簡単に剥けます。そのとき、中からタネがぼろぼろとこぼれでてくるので、それも出してしまいます。  皮が剥けると見たことのある黄色い繊維のかたまり、いわゆる「ヘチマのたわし」状態のものが出てきます。なんかすごく嬉しい(笑)  水で皮やタネのカスを洗い流します。あまりモミモミしてしまうと、やわらかくなりすぎて、帯枕の固さが出なくなってしまうようなのでご注意を。  洗ったヘチマを、塗れて柔らかい状態で帯枕にしたい長さに切り、はさみで切り開いて中の固い芯を切りとります。  あとは、一枚もしくは二枚組み合わせて好きな大きさにして糸で縫い止めたり、凧糸で縛るなどして乾燥させて帯枕の紐に入れればできあがり。  今回は、くるっと巻いてポケット状に中に詰め物ができるようにして糸で縫い止めて、帯枕のかたちにしてみました。私は今回、普通の木綿糸でざくざく縫って止めてしまいました。  あとは乾燥したらガーゼで包んだり、帯枕ひもに入れればヘチマ帯枕の完成です。  帯枕のポケットの中に凍らせた保冷剤を入れれば、保冷剤が冷たい間は保冷効果があるはず!!保冷剤から出る水滴はよっぽどヘチマが吸ってくれそうですが、心配な方は布などにくるんでから入れるほうがよいかも。  たくさんヘチマがあったので、みんな思い思いの形の帯枕を作っていました。帯枕の形も大きさも、結構好みがあるんですよね~。  1つ、巨大なヘチマがあったので、開いて押し花のようにまな板でおもりをのせて板状にしてみました。帯板とか補整とか、なにか使えるかも! 次の課題です。  どーんとたくさん乾燥ヘチマをいただいたときは「どーすればいいの、これ」と思いましたが(失礼)、みんなでワイワイと帯枕作りをしてとっても楽しい時間を過ごしました。ざぶざぶ水洗いするので、夏に楽しい作業かも!  洗いすぎてフニャフニャになったヘチマ(失敗作)はボディたわしとして、浴室で活躍しています。  さて肝心の保冷剤入りのヘチマ帯枕の効果は!? 次週報告させていただきますね!  市販のヘチマたわしを分解しても簡単に手作りできますので、この夏、一緒に実験してみませんか!?(実験かよ)   完成品も売っているのに、そして持っているのに、なんだかんだと手作りしちゃいたくなるのはなぜでしょう。キモノ好きって、面白いですね。

うそつき衿で浴衣を夏着物風に着こなそう!の巻

星わにこ
2017/07/12 00:00
 暑さが本格的になってきました。浴衣のシーズン到来ですね。  お祭り、花火大会‥‥浴衣着用のシーンがたくさんありますが、ちょっとだけ改まったシーンでは、カジュアルな素足に下駄の浴衣姿ではちょっと‥‥という時もあります。  そんな時、浴衣をワンランクアップする方法が。半襦袢、もしくはうそつき衿をつけて、夏着物風に着てしまうとおでかけ範囲がぐんと広がります。足元は足袋を履くとよいでしょう。  浴衣は透けない素材が多いですから、うそつき衿などを使えば、襦袢を着なくてもラクに着られます。  きちんと長襦袢をつけて、紗や絽の透ける夏着物を着るのはちょっとハードルが高いな、と思うようなとき、浴衣の衿つきでなんちゃって夏着物、おすすめですよ。  ここで気をつけたいのが、浴衣の種類。  浴衣にもいろんな種類があって、夏着物風になるものとならないものがあります。  夏着物風着こなしに向いているのは、絹紅梅や綿紅梅、綿絽、綿縮、麻など生地にニュアンスがあるもの、色柄が「いかにも浴衣」という大柄なものでないもの。  逆に向いていないのが、いわゆる浴衣で一番多い「コーマ地」のもの。コーマ地とは綿の平織りで、ペタっとした生地です。カジュアルな浴衣の代表選手なので、夏着物風に格上げするのはちょっと難しいのです。コーマ地のものや、浴衣で着たほうが魅力があるものは、浴衣として着用しましょう。 「その浴衣っぽいとか夏着物っぽいっていうのの判断基準がわからない!」とおっしゃる方、そうそう、そうですよね。 私なりの判断基準ですが、夏着物風に着るものは ・生地がコーマ地でないこと ・色柄が大きくない。無地っぽいもの、色数が少ないもの ・シンプルなもの を選んでいます。  でも、新素材セオアルファやポリの浴衣などは華やかな色や大きな柄でも着物風の柄が多い。そういうコーディネートが好みの方は、それも素敵です。  要は、自分がお洒落だ、着ていいかんじとおもえばそれはアリ、です。いくら衿をつけて夏着物風にしても、それで結婚式に行くわけではなし、あくまでもカジュアルですから、お好みで。  洋服で言うと、Tシャツがポロシャツになったくらいな感じでしょうか。あくまでも浴衣なので、そこまでよそ行きではない感覚です。  足もとも足袋をはいて、舟形の下駄などに。帯は半幅の場合も帯締めをしたり、名古屋帯にすれば夏着物気分が盛り上がります。  あと年齢を重ねてくると、暗い色の浴衣を着ると老けて見えることがあります。白い衿をつけることで、白のレフ板効果で顔が明るく見えますから、大人な方にもオススメな着こなしです。私とか。私とか‥‥。うう(泣くな)。  浴衣には浴衣の魅力があるので無理に夏着物風にすることはありませんが、使い分けて夏のお洒落の幅を広げてくださいね!

これで下駄も怖くない!?鼻緒擦れ対策の巻

星わにこ
2017/07/05 00:00
 大雨のニュースが続き心配ですね。皆様のところは大丈夫でしょうか?  雨予報がまだまだ気になる今日このごろですが、本格的な夏がすぐそこまでやってきています。本格的な浴衣のシーズン到来です。  浴衣といえば下駄。草履と違って、素足で履いて靴擦れならぬ鼻緒擦れしてしまったことがある方も多いのでは。新しい下駄は特に鼻緒が固いので、途中でいたくなって歩けなくなってしまったりしないよう、事前に少し準備をするとよいですよ。 (1)ツボを揉み解して、鼻緒をしごいて柔らかくしておく  鼻緒の芯は、紙でできていることが多いのです。固いと痛くなってしまうので、履く前によく揉み解しておくとよいです。以前は知らなくて、履いてるうちにやわらかくなるのを我慢して待っていたのですが、履物屋さんに教えてもらい揉み解してみたら、最初から随分履きやすくなりました。  まず、ツボの部分を上にひっぱって伸ばします。ここがキツすぎると、足が痛いのです(><)  次に鼻緒を外側に向かって開くようにひっぱります。足にあたるのは、鼻緒の「受け」という下側の部分。ここがうまく足にあたるようにかたちを整えて広げておくと足が入りやすくなります。  鼻緒自体に綿があまり入っておらず、カチコチの場合があります。細い鼻緒などに多いです。そういう場合は、モミモミ揉んで鼻緒をやわらかくしてください。 (2)履き方を工夫する  ビーサンなどを履くときは、ずぼっと奥まで指を差し込んで履きますが、本来下駄や草履は指を少しだけ入れて、つっかけて履くもの。かかとも台からすこしはみ出すのが粋、とされてきました。  でも、なかなか下駄をはきなれない人にとってはこの履き方が難しいのです。親指と人差し指で前坪をキュッとはさむように力をいれないと、ズボッと奥まで入ってしまいますし、かかとが台からはみ出ると、かかとが下駄の角に当たって痛いと感じることもあるでしょう。  指先でツッ!とつっかけて、白いかかとが浮いて見えるような粋な履き方はなかなかハードルが高いですが、ちょっと意識してトライしてみてはいかがでしょう。最初は「指つる!!指つる!!」とか思いますが(笑)だんだん慣れてきますよ。でも私もずぼっと指をつっこんでしまったほうが、靴に慣れていると楽なので、私もなかなかうまくできませんが‥‥‥。  下駄のときは考え方を変えて、トライしてみるのも面白いと思います! (3)痛くならなさそうな下駄を選ぶ  太めの鼻緒の下駄のほうが、足にあたる面積が広くなるので、痛くなりづらいです。鼻緒の柔らかいもの、底にゴムが貼ってあるものなどが、足に負担がかかりません。昔ながらの二枚歯の下駄はかっこいいのですが、歩き方のコツがあるので慣れないうちは、草履に似た舟形などの形のほうが無難です。 (4)足を守る  どうしても不安な場合は、最初から親指と人差し指に絆創膏を貼っておく、レースなどの足袋を履く、などの予防策もあります。足袋を履く場合は涼しげに見えるものを選んで下さいね。最近は、土踏まずまでの長さで、指が出る新しい形の足袋も登場しています。  外出先でどうしても痛くなってしまった場合のために、絆創膏や足袋ソックスなどをバッグに入れておくのもよいと思います。見た目はちょっとアレかもしれませんが、背に腹はかえられません! 逆にお洒落に見えるところまで持っていけばしめたもの。 また、下駄をあきらめて、履き慣れたサンダルにするのもひとつです。  若い人のデートだったら、歩けないといったらおんぶしてもらえたり‥‥なんてあるかもしれませんが(妄想しすぎ)、私はもうオバチャンなんで自分でなんとかする方向で‥‥(^^;)  備えあれば憂いなし、で、浴衣のお洒落を楽しみましょう\(^O^)/

妄想コーデ☆麻小物で決める!洗える夏着物の巻

星わにこ
2017/06/28 00:00
 もうすこし梅雨が続きそうな東京です。でももう6月も終わり……そう、夏着物のシーズンがやってきます。  去年、薄い色の洗える着物がほし~い!と妄想コーデした直後に、セールでその夏着物のプレタをポチってしまったわたくし。着用レポートがまだでしたので、させていただきます! >洗える夏着物で淡色涼感コーデ☆の巻  昨年購入したものは、キュウリ色……いえ、薄紫色と黄緑色のよろけ縞のもの。ポリエステルは洗えるので汚れが怖くない。だから、淡い色が欲しくなるんですよね。それに、淡色&寒色は涼感カラーの王道です。  汗だくになっても、雨に降られても怖くない。愛用のたかはしきもの工房の満点スリップとうそつき衿にうそつき袖と、着物を洗濯用ネット「せんたく姫」に入れて洗濯機で洗えば、すぐに乾いてお手入れもラクラク。礼装は別ですが、普段着物はお手入れがラクなのが一番! やはり洗えるものに手が伸びます。  さて、肝心の着物レビューですが、羽のような正絹の夏着物に比べてすこし重みは感じるものの、ポリエステルにありがちなごわつきもなくしっとりとよい着心地です。さらにすこ~しシャリ感があって、手触りも涼しめ。心配するほど透け感もなく、絽目もないので、少し時期をフライングしても平気です。今年も6月から出動しています。  もし次にイロチで買うなら今度は濃い色?ということで、さらに妄想コーデしてみました。 http://bit.ly/2siT2IF  夏の濃い色の着物も、透け感が強く出て、涼しげに見えるのですよね~。帯は麻で金魚柄。帯揚は水玉です。半衿はリネンの色半衿にしてみました。普段に楽しみたいコーディネートです。足元は麻の足袋に下駄がいいかな。麻の日傘をさせば、ちょっと粋な夏のカジュアル美人着物コーデの出来上がりです。扇子を帯に差すのを忘れずに。  着物がポリエステルなので、帯や半衿などを天然素材の麻にして、涼しさを取り入れてみました。インナーも涼しい素材にすればよりベター。夏着物は、いかに涼しく着るかがポイントです。  あれっ、今なら反物もプレタもちょっとお安くなってるう~~。いや~今年はポチりませんよ、ませんとも……(ブツブツ)。怖い、怖いです着物沼。でもやめられないのですよね(^^;)  浴衣もいいけど、夏着物もね。暑いけれども、そこはお洒落でやせがまん。すれ違ったら、ふと風が吹いてきそうな佇まいをめざして、涼しげな顔で着こなしましょう!

流行ってる!レースの羽織は便利です☆の巻

星わにこ
2017/06/21 00:00
 先週はこのコラムを病欠してしまい、大変申し訳ございませんでした。毎週毎週ギリギリでもなんでも担当の皆様に助けていただいて続けていたのに、お休みとなってしまい本当に無念です。月初めにひいた風邪が全く治らず、ぶりかえして結局1週間くらい寝込んでしまいました。地味に流行っているようですので、皆様も風邪にはお気をつけくださいませ(><)   流行っている、といえば一昨年くらいから、レースの羽織を着ている方をよく見かける気がします。最初は黒、白だったのが、最近はカラフルで模様も様々。バリエーションが豊かになっています。2枚目をお探しの方も多いのではないでしょうか。なぜこんなにレースの羽織姿が増えたかというと、思うに‥‥‥  便利だから!  なにが便利かというと、「季節を(かなり)問わない」ということでしょうか。  羽織は、ちりよけにもなりますし、帯結びに自信がないときや着付のアラも隠してくれる強い味方。コーディネートや羽織紐でもおしゃれ度もアップしますし、取り入れたいアイテムではありますが、着物や帯同様、着用時期が気になります。  このコラムをPCで見た時に「人気記事」というのが5つ見られるのですが、よくランクインしているのが2014年の4月に書いた羽織の着用時期についての記事。  袷、単衣、薄物の羽織の着用はいつごろなのかを書いたのですが、レースやシースルーはスリーシーズンOK、となっていますね。  これが同じスケスケの旧来の紗や絽の羽織の薄物であれば、かなり季節が限定されます。紗は5月から9月OKですが、実は同じ薄物でも絽の羽織は「絽目があるものは夏物だから」という理由で、6月中旬から8月一杯と言う厳しい旧来のルールが適用されがち。  そうとも知らず、薄物の羽織があったら便利なのに!と、ヒトメボレした絽の生地で長羽織を作ったものの、なかなか袖が通せていないワタシです。トホホ。  体感でいいじゃないのと言いますが、なかなか「決まり」がある、しかも着物と違ってプラス要素でわざわざ着るものですからルールを崩すのにはちょっと勇気が。しかも、その時期、暑いですから! いくらちりよけと言ってもなかなか出番がありません。  一方、レースの羽織は、ぐっとくだけたかんじになりますので、素材感さえ問題なければもう年中着ていても許されてしまうほどオールマイティ。浴衣にオンして楽しもう、という提案もあります。レースの半衿が季節関係なく使えるのと同じですね。  レースだけでなく、シースルーなど透ける素材の洋服地で作った羽織も同じように扱われることが多いです。これらの羽織は、広幅の生地で作られますので、背縫いがないことも。個人的には背縫いがあったほうが、キリっとして好みですが、必要のないものは入れなくてもよいという考え方もアリです。  いち利モールでもオリジナルレース羽織「ふわり」の種類が増えていて、どれも素敵で迷ってしまいます‥‥背縫いもあるタイプだし‥‥しかも今なら10%オフ‥‥こうやって迷っていると人気色からなくなっていくので、早く‥‥ああっでもっ‥‥と毎年煩悶している私です。「ふわり」のシリーズもいいんですが「しゃなり」のシリーズも捨てがたい‥‥‥!!  こうして悩んでいる間に、時が過ぎてしまうわけですが‥‥。最近は、もうズバっと買ってしまってバンバン着たほうがいいよね!と思いつつも、絽の羽織の失敗が尾を引いていて、ここまで引っ張ってしまうともうなんだか踏み出せなくて‥‥。神様、私に勇気をください! いやでもセールになってるあれも欲しいしこれも欲しいのでどうしたらいいですか!(知らんがな:神の声)  これからの季節、いえずっと、ますます活躍しそうなレースの羽織。黒や白のオーソドックスなものを持っている方も、その便利さに新作の中からもう1色、違う色目が欲しくなってしまうのではないでしょうか。とすると、これから1枚目を買う私はどの色を選んだらいいのか!!!  この煩悶も、まだまだ続きそうです(苦笑)。

夏の帯枕はへちま?麻?それとも新素材?の巻

星わにこ
2017/06/09 00:00
   関東も梅雨入りしましたね。雨も気になりますが、とにかくムシムシと暑いのが辛いこの季節。すこしでも爽やかに着物が着たーい!  着物、帯、インナーはもちろん、着付け小物も涼しい素材が気になりはじめます。メッシュのものなどもありますが、夏素材のクイーンはやはり「麻」でしょうか。  麻は熱伝導性に優れ、通気性、速乾性もあり、天然繊維の中で最も涼しいと言われています。しかも自分で洗える! 本当に魅力的な素材です。ハリがあるので、体に張り付かないのも涼しさの一因。そのかわり、すこし肌あたりがきつかったり、着膨れして見えるのが弱点。  着付け小物にももちろん麻のものがあります。腰紐や伊達締めはもちろん、帯板、麻わたを使った帯枕や補整も人気です。  もうひとつ、夏になると急に欲しくなるのが「へちま」。スポンジ状で通気性が非常によく、熱がこもらないので、夏の帯枕といえば「へちま」は不動の人気です。帯板などもあります。へちまの帯枕は自作!という方も。  自作と言えば、めちゃめちゃ暑い日にはタオルを巻いて帯枕をつくって、その中に保冷剤を入れるというテもあります。でも保冷剤は溶けてしまうので、あまり長時間向きではありません。  たかはしきもの工房の帯枕「空芯才」も人気があります。中に立体メッシュ素材が使われていて、通気性がよくてやわらかい。枕の長さがあるので、帯山の形が決まりやすく、背中にフィットするのでもたれたりしても痛くない。帯枕は固いものだと思っている方、目からウロコですよ。  その上、なんと洗濯できちゃう。意外と帯枕は汗を吸っているので、洗うとさっぱりします。特に夏向きというわけではなく通年仕様ですが、これが一度使ったらやめられません。私の周りでも、ほとんどのキモトモ(着物友達)が使っています。  私は、夏は空芯才とへちまと併用しています。へちまのほうが少し軽くて、背中への密着度がないので少し涼しい気がします。なのでカジュアルで気楽な帯のときなどはへちまで。形をきちっと決めたいときは空芯才です。  でもやっぱり固い帯枕を使うと背中が痛い‥‥。のでやはり空芯才の出番が多いでしょうか。  それから、帯枕は素材だけでなく、その形も注目したいところ。  帯のお太鼓の形はお好みがあると思います。短めで丸みがある枕で帯山が丸みをおびていたほうがいいという方、まっすぐなのがいいという方。その好みの形にも帯枕は関係してきます。  また、一般的に若い方は大きく高く、年齢を重ねるに従って小さく低く、というのが帯枕のセオリーです。そのほかに、礼装は高く華やかに、カジュアルは低めに、というものもあります。  特に夏帯に多い、薄くてやわらかめの素材は、帯山の形に枕の形が影響しやすいですから、どんな時に使うかに気をつけて選ぶとよいでしょう。  夏に限らずですが、意外と着付の小物は家にあったもの、最初にセットに入っていたものなど、そのまま使っている場合が多いです。小物類も、新しいものや新素材のものに変えてみると、びっくりするくらい着心地が変わる場合があります。涼しい素材にも目をむけて、着付の小物類を見直してみませんか?

鰹縞の阿波しじらで粋な妄想の初夏コーデの巻

星わにこ
2017/05/31 00:00
 だんだんと紫陽花の花が形をあらわしてきた梅雨入り前。初夏というよりもう夏のようですが、木々の緑がまぶしい季節ですね。  初鰹の話題には遅いかもしれませんが、今がまさに初鰹の旬。スーパーでも鰹のたたきやお刺身が並んで,美味しそうです。春から6月にかけて旬なのが「初鰹」、秋に旬なのが一度北の海に向かって戻って来た「戻り鰹」。初鰹はあっさりとしていて、戻り鰹は脂がのっているのが特徴。 「目には青葉 山ほととぎす 初鰹」は、江戸時代の俳人山口須堂の句。初夏に好まれるものを並べた句で、例えるなら昭和の子どもが好むものを並べただけの「巨人大鵬卵焼き」のようなキャッチーさ。この句が有名になると、江戸っ子は初鰹の初物を食べるのが粋とされたそう。鰹を「勝つ男」にかけて縁起がよい、寿命が伸びるとも言われ、「女房子どもを質に入れてでも食え」というほどでした。  さてそんな鰹ですが、着物の世界にも鰹がいます。それは縞の名前で「鰹縞」という配色。背中からお腹にかけて色が薄くなる鰹のように、藍の色が濃い色から薄い色へ並べられている縞模様です。  今回の妄想コーデではそんな「鰹縞」の阿波しじら木綿の着物に、これまた粋な青緑色の独鈷に華皿の昔ながらの博多帯をあわせてみました。 http://bit.ly/2qEGytX  レモン色の帯締めでさわやかに。半衿は厄よけにもなるというウロコ柄です。  こんなコーデで、鰹のたたきをつまみに一杯、なーんていいですね。実は縞も似合わないし、日本酒あまり飲めないんですが‥‥まあ妄想っていうことで。たまにはこんなシャッキリコーデもいいなあ~と思う、初夏の宵でした。

裏ワザ☆短い帯締めをスッキリ結ぶ方法の巻

星わにこ
2017/05/24 00:00
 週末の真夏日、ずっと単衣で過ごしたわにこです。1昨年いち利モールのさわって選べるサービスを使って仕立てた単衣が大活躍しています。 >いち利モールで「さわって選べる」で単衣のお誂え体験!  でも、実は単衣の着物ってあんまり持っていなくていつも同じになりがち……なので帯締めと帯揚でアクセントをつけて遊んでみたりしました。  この帯揚げは横浜中華街で買った細長いスカーフ。帯締めはリサイクルで、昔の太いものです。インパクトのある柄のものはプチプライスで楽しむのもひとつの方法にしています。  さて、この帯締めですが‥‥古いものは実は長さが短いものが多いんですよね。決して私のウエストが太いせいではない、とは言いきれないのがアレなんですが、特に平組の帯締めは、ちょっと長さが足りなくて、端の房を挟み込む場所がちょっと前にきすぎてしまったり、開いてしまったり……。  長尺のものも売っていますが、手持ちの短めの帯締めをスッキリ結びたいときの裏技をご紹介します!  それは‥‥‥帯締めの裏側を出して、いつもと左右を逆に結びます。そして、結び終わったら、くるんと裏表を返すだけ。  そうすると、いつもは上になった端を下の帯締めにはさみこむところが、端が下にきますので、はさみこまなくても最初から端が帯締めの下側にくるんです。あとは、重なった部分を整えるだけ。  さきほどの写真の帯締めもこの裏ワザで結んであります。だからもう、ほんとに脇に届かないくらいで端が終わっているくらいに短い帯締ですが、スッキリと結べています。アンティーク着物の達人に教わったマル秘テクニックです。  ただし、丸組の帯締めではうまくいかないこともありますので、ご注意を(^^;)  よく帯締めの端がはずれちゃう、とかうまく収まらない、なんていうときにもお試し下さい!

印刷博物館「フォントかるた」大会へ袴姿で!の巻

星わにこ
2017/05/17 00:00
 いきなり着物の話から逸れますが(爆)、皆様「フォント」って御存知ですか。デザインや印刷に関する仕事をされている方には仕事道具。普段目にしていてもなかなか意識しないかもしれませんが、この文章を表示しているのもフォント。書体といったほうが馴染みがあるかもしれません。印刷やコンピュータで表示すようにデザインされた書体データのことです。  フォントにはたくさんの種類があって、よく使われるものから一度みたら忘れられないような特徴的なものまで、たくさんあります。読みやすく、統一して文字をデザインするだけでも大変なのに、日本語の場合は漢字も含め膨大な文字数があり、フォントを作るのは実はとても大変な作業です。  そんなフォントができるまでを展示した「印刷書体ができるまで」という展示が6月18日まで印刷博物館で行われています。ひとつの書体ができるまでに、こんなに膨大な手間と時間がかかっているのかと、圧倒される展示です。普段目にしている文字への気持ちが変わるかもしれませんよ。  その展示期間中のイベントのひとつとして「フォントかるた大会」が開催され、わにこも読手として参加してきました。 「フォントかるた」とは、全部の取り札に同じ文字が印刷されていて、書体名を聞いて、札をとるというちょっと(×)相当(○)マニアなかるたです(笑)。 このお正月に、友達のデザイナーさんがプロトタイプを作ってきて、みんなで遊んだのですが、フォントにそんなに詳しくなくても、特徴的なものだったらすぐに覚えられるし、子どもたちも混ざって大盛り上がり。  その様子をツイートしたところ話題になり、これはいいかも!とフォントかるた制作チームを結成して商品化したものですが、印刷博物館のミュージアムショップでも販売していただいて、今回のかるた大会が開かれることになったもの。  こんなマニアなかるた大会、来る人がいるのかと当初心配されましたが、物好きな方達(失礼)が集い、熱戦を繰り広げました。  フォントかるたも題材はマニアですが、歌舞伎や相撲の看板などに使われる「勘亭流」、文字にくもの巣が張ったような「くもやじ」などすぐにわかる特徴的なフォントから、よ~く見ても判別がつかない(爆)こぶりなゴシックと游ゴシックなど、初心者からマニアまで楽しめるんですよ。実はうちの小学生も参加したのですが、フォントをそんなに知らなくても、何度か遊ぶと形で覚えてきて、しかも反射神経が大人よりいい。なんと午後の部で準優勝しちゃいました(親バカですみません)。 キャプション:あなたはフォントの名前を聞いてこの札がとれるか!?  そして、そう。かるたといえば、アレです。袴ですよねー!(やっと着物の話になった(笑))。  企画段階で私達スタッフ側の脳裏にはもはや、マンガ「ちはやふる」の袴姿しか浮かんでおらず、当日は袴姿で参上。千早のマネをしてポニーテールをした解説担当は「佐々木小次郎‥‥」「強そう‥‥」などと言われて「違う!」と涙目になったりしていましたがご愛嬌(笑)。  当日はかるたをとることはありませんでしたが、これでたすき掛けをすれば闘えます!  袴は実はとても機動的で、着物のすそがはだけるのを気にすることもなくなりますし、かなり動けます! かるたのように俊敏に動かなくてはならない競技にはうってつけ。なにより自分に気合いが入りますね。  実は「袴姿とか、参加者のみなさんにひかれるのでは‥‥」とちょっと心配していたのですが、意外と好評でホっとしました。袴は卒業式だけのものじゃない! もっと普段にも袴をはいたらいいのにな。 キャプション:午後の部優勝、準優勝の皆さんと。ありがとうございました!  かるたなんて、お正月に子どもとくらいしか遊ばなかったけど、「かるた」というのはゲームとして本当によくできているなあと思います。ハイッ!ととれたときとても嬉しい! お手つきは悔しい(笑)  みなさんも袴姿でかるた、やってみませんか。か、な~り、盛り上がりますよ~(笑) >フォントかるた大会の様子:印刷博物館さんのツイートまとめより

「東京キモノショー」って何?☆伝統とこれからをやわらかく繋ぐの巻

星わにこ
2017/05/10 00:00
 ゴールデンウイーク、皆様何をして過ごされましたか? 私はなんやかやと日本橋で行われた「東京キモノショー」に入り浸っておりました。2年前同じコレド室町で行われた「わーと日本橋」と同じく、ひらめきときらめきの和のセッションということで、着物だけではなく和文化のコンテンツがいっぱいのイベントです。  着物を着せつけたキモノスタイル200は、子どもから大人まで、婚礼衣裳から普段着まであらゆるジャンルの着物が実際にマネキンに着せつけられて展示。わーとのときには、着せつけのお手伝いに入ったのが思い出されました。  イケメンの若手華道家ユニット「IKENOBOYS」によるいけばなパフォーマンスなど着物だけじゃなく、華道、書道、茶道、能、殺陣や和楽器の演奏などなどいろんな和文化がとても身近に感じられる内容。  今回私の仕事場「昭和な家1955」がフォトスポットとして参加することになり、ちゃぶ台や黒電話、お針箱の前で昭和な写真が撮れるコーナーを会場の隅に作らせてもらいました。たくさんの方が、昭和の住人になりきって、お茶の間写真を撮って下さいました! なんか途中からコントや小芝居に使われていたような!? でも楽しんでくださったらなによりです!!  私が楽しみにしていて通ったのは前回も出展されていた、裏千家の茶道家ご夫婦ユニットによる「ひかりの茶会」。会場の真ん中に設えられたドーム状の茶室で開催される毎日違うお点前でのおもてなし。宇宙をイメージしたターコイズブルーのお道具を中心に、毎日通っても主菓子もお茶も設えも違う。本当にすべてが「一期一会」なのだと思う、お茶席でした。  また、マルシェとして着物や小物の販売もありました。いち利モールでもおなじみの、和装インナーや小物のたかはしきもの工房ブースのお手伝いに入ったのですが、たくさんの方に声をかけてもらって、着物を着て楽しんでいる人とお店側の距離の近さを感じました。  いろんなイベントがありますが、これだけ長い期間着物を着た人たちを中心にいろんな人が集まるイベントはあまり知りません。運営側と参加している人たちの立ち位置がとてもフラットでやわらかく、心地のよいイベントだなあと感じました。それは、いわゆる「業者」と「客」というような垣根がなく、たまたま運営になった、入場者になった、みたいな。学祭みたいなかんじ。ただ与える与えられる関係ではない、着物にかかわる、和文化にかかわる気持ちにあまり差がないような、そんな印象が残りました。  今はSNSなどで誰でも情報が発信できますし、ユーザーの声は昔よりずっとダイレクトに響きやすい。いろんな意見や考えがあり、それを言えることは素晴らしいことです。  今まで和文化というと、伝統を守る!というような言い方ばかりされて 楽しむには敷居が高いと思われてきました。でも伝統を守っていると、実はその文化は終わってしまうとこのごろ感じています。人間は、新しいものが好きなのです。どんな素晴らしいものも「守り」に入った途端に終わります。常に、新しいものを取り入れて変化していかなくては、続いていかない。  でもだからって、自分のやりたいようにだけやると薄っぺらいものになってしまうのです。伝統文化を本気で学んだ人が新しいことにトライするからかっこよく、次の時代に繋がって行くのでは。  着物についても、誰も「こんな風に着物を着てはいけない」という人もいない。それぞれが好きなように、好きな着物を着ている。袷の人も、単衣の人も。実際真夏日もあって、綿麻の着物姿もたくさん見られました。  チケットの裏側にこんな一文が書いてありました。「4月後半から5月、袷のきものがセオリーといわれますが、きもののおしゃれを楽しむ時には、気温を目安に暑いと感じた日には、単衣で心地好くお出かけください。」  そうそう、先達のいうことは聞いた方がいいことはたくさん! 自己流でやってもだめなことっていっぱいあります。でも、年々暑くなっているし、ルールもかわっていかないと続いて行かない。いろんなことを見て知って、その上で自分たちのやり方で着物や和文化を心地好く楽しむ人がもっともっと増えたらいいな!  なんだかちょっと固くなってしまいましたが、イケメンのIKENOBOYS衣裳展示のマネキン(リアルだったのーすごくー!!(笑))を見ながら、そんなことを思ったイベントでした。 >東京キモノショー

端午の節句に鯉の帯☆金運上昇妄想コーデの巻

星わにこ
2017/04/26 00:00
この間お花見をしたばかりと思ったらもうすっかり桜は緑一色になり、代わってツツジが咲き始めました。端午の節句も近づき、あちこちで鯉のぼりを見かけるようになりました。  今月の妄想コーデは端午の節句をテーマにウインドウショッピング。帯を眺めていたら、あった、ありましたよ~。鯉の帯!  爽やかな5月の空に想いを馳せて、琉球紅型の鯉の帯に琉球絣。琉球絣は単衣にしようか、胴抜きにしようか迷います(妄想)。半衿は流水模様、赤の帯締めと帯揚できりりと締めてみました。 http://bit.ly/2phaEov  「登竜門」という言葉がありますが、鯉は黄河の竜門を登って龍になるという伝説があり、立身出世の象徴、縁起のいい魚として愛されてきました。鯉のぼりは、男の子の立身出世を願って飾るものです。金運、勝負運もアップするというおめでたいモチーフ。  端午の節句のときだけではなく、コーデに取り入れたいですね。また、商品のページに「この帯はタレ無地にもお仕立てすることができます」と書いてありますが、これはタレ先だけを無地にすることができるということ。  全部が柄だとくどいときなどに、タレ先や手先が無地だと、柄が一層ひきたって見えることがあります。型染めや紅型の帯などに時々見られます。これは、染めてない無地場がないとできないものですが、私はタレ無地の帯もスッキリして好きです。  琉球絣は、たくさんの絣模様があり、それぞれに名前や意味があるそうです。模様に込められた想いを知ると、一層着物を着るのが楽しくなりそうですね。  今回選んだ丸の模様は「ジンダマー」銭玉、というものだそうです。ズバリ、お金の模様(!)。鯉様、金運アップよろしくお願いしまーす(笑)。  節句のお祝いからちょっと外れてしまいましたが(笑)、妄想の金運上昇コーデでした。

「胴抜き」仕立てで暑さ対策。天候別コーデの巻

星わにこ
2017/04/19 00:00
 東京はいきなりの真夏日になったりして、もう袷が暑い!?という今日このごろです。穏やかな春はどこにいってしまったのでしょうか?  先週の金曜から3日間、仕事で着物を着る機会があったのですが気温が高く、初日からもううそつき袖も単衣に替えて、今まで重ね着していたインナーも減らし、肌あたりがさらりとしている大島紬で出かけました。でも、まだ冷房が入っておらず何とも生温いかんじ。  2日目は、袷は無理と判断して胴抜き仕立ての着物にしました。「胴抜き」とは、袷の時期に着るように、袖の裏や衿裏、八掛(裾まわし)はついているのですが、胴裏がありません。これは、去年洗い張りをして仕立て直すときに、張りが強い生地だったので「胴抜きにしたら?」と勧められたものです。  胴抜きは、袷の時期だけど暑くて‥‥という時などに活躍してくれます。暑がりだから、冬もずっとこの仕立て方という方もいます。  また少しでも胸元のボリュームをすっきり見せたい人、着物の生地が厚ぼったいときなどに有効な仕立て方でもあります。スリムな人には向かないこともあるかもしれませんね。  ちょっと張りの強い生地だったので、前より着心地がアップした気がしますし、暑さ対策という点でもやはり胴裏がない分快適でした。あとで聞いたらなんとこの日26度にもなっていたとか。室内にいたのでそこまでは感じませんでしたが、いやあ、お客様もタンクトップの方がいたわけだわ!と納得。  ひとつ欠点があるとすれば、胴裏がないので汗などダイレクトに着物の生地に響いてしまうということでしょうか。まあ、でもこれは単衣仕立てでも同じことなので、そんなに気にする事もないかなと思います。  これだけ袷の時期に暑い日が続くようであると、もっと胴抜き仕立ての着物が欲しいかも。冬も、東京ではそんなに寒くもないですし、室内に入れば暖房で暑いこともあるくらいですから、暖かさはインナーなどで調整して、着物は胴抜きでもいいのかも、などとつらつら思いました。  3日目は、雨予報だったので洗える着物で。暑さはそんなに感じませんでしたが、やはり着心地はあまりよろしくなく。でも、夕方から遠慮のない雨! 風が強いので傘をさしていても意味がなく、駅からポリの羽織の前をあわせて帯をガードしてブローチで留めて、家まで10分歩いて帰ったら全身ビッショリでした。そのまま洗濯ネットに入れて手洗いモードでお洗濯。次の朝には乾いていて、有難い!!  そんなわけで図らずも3日間、天気を見ながら違う着物に袖を通したのですが、同じ帯で通してみました。木綿の帯なのですが、春のお花畑みたいで今の時期、とってもしたい帯ナンバーワンなのです。着物は、気温だけじゃなく色柄や雰囲気でもこの季節に着たいというのがあって、そこが悩ましくて楽しいところ。帯締・帯揚もちょっと替えながら、どうかな~とは思ったのですが、意外と飽きずに(笑)3日間過ごせました。  こうして見ると、あんまり変わらないですね(笑)でも、着心地は結構違いましたよ~!   カジュアルシーンだったらもう単衣だっていいのですが、仕事だとそうもいかないときもあります。機会があったら胴抜き仕立ての着物は増強していきたいな、と思った春の真夏日でした。 関連記事:袷の時期に涼しく 胸元すっきり胴抜き仕立てのすすめ