東京はすっかり桜の盛りを過ぎてしまいましたが、黄緑の葉っぱがぴょこぴょことピンクの桜と共存している時期も、年をとってくるといいなあ、と思うようになりました。
桜と家族写真撮影も、今年はたくさん撮影させていただきました。卒業式、成人式、十三詣りなどなど、お祝いもいろいろで幸せ気分のお裾分けをいただきました。
私も、せっかくなので桜の着物と帯でカメラマンのみずほちゃんに写真をとってもらおう!と思ったら、雨で野望は叶いませんでした。残念! でも、桜の時期にこの帯がしたい、という帯を締めることができてよかったです。桜の訪問着は『昭和な家スタジオ』にいただいたもの。桜の帯締め、桜色の帯揚げで桜づくしです。

(もう少し痩せたい:定期)
桜柄を着る時期についてですが、枝つきだったり写実的でなければ、通年OKと言われています。私の桜の帯も、花びらだけなのでいつでもいいような気もしますが、散りゆく桜を惜しむという意味で、自分の中で「満開から散り際のあたりで締めたい帯」と思っています。そんなことを思っていると、なかなかドンピシャの時期に締められないこともしばしば。
カレンダーの日にちにあわせるというよりは、実際の桜の開花具合と日々にらめっこです。
私にとってそういう「この季節に身につけたい帯」は、お正月の初夢袋帯(一富士二鷹三茄子)、梅と鼓の名古屋帯、三月の木蓮の名古屋帯、四月の桜の花びら袋帯、五月の鎧モチーフの袋帯、七月の七夕帯、九月の菊の袋帯、十二月のクリスマス半幅帯などがあります。
いずれも、ここで締めずにいつ締める!というもので、気づくととっくにその季節が過ぎ去っているときもしょっちゅうです。だからこそ、締められた時の満足感が大きいのかもしれません。
着物も同じで、やっぱり梅柄は二月までにしたいよな、とか紗合わせは五月末、とかいろいろな縛りがあるわけで、その縛りがあるからこそ着物は面白く楽しいのだと思います。
よく「一年中着られる着物、帯はどれ」と聞かれますが、確かにいつでもいいのは便利だけれど、せっかく着物を着るのだったら、季節も一緒に楽しみたいと思ってしまいます。
着付教室の生徒さんが、最初は着られる時期が長いものを探していたけれど、それではつまらない気がして、今は季節を感じられるものが欲しいなあと思うようになったとおっしゃってました。わかる。
もちろん、日常着として楽しむ方もいると思いますが、私は着物は心の贅沢品だと思っているのですね。だから、そのときにしかできない装いをめいっぱい楽しみたい。
無地の着物も大好きだけど、そんなときには帯や小物で季節を感じたいし、着物でどーんと桜を着る!みたいな贅沢も本当に心満たされます。
さて話は変わって、最近花柄の着物は「散る」から縁起が悪いのでお祝いの席にはNGみたいなトンデモ説が出回っていますが、それこそとんでもない!と私思っております。誰がそんなことを言い出したのか? 本当に不思議です。昔から、訪問着や振袖などの晴れ着はほとんど花柄ですよ?
日本人が愛してきた美しい季節の花の意匠を、心ゆくまで愛でていただきたい。咲いた花びらは散るからこそに美しい。そいやそいや!ではないですか。散らなければまた次の花につながっていかないのですから。花の盛りは短くて、それが刹那だからこそ美しく、人の心に残るもの。その美しさを、永遠ではないと切り捨てるのはあまりに短絡的な気がします。もうそんなこといったら、花束も渡せなくなっちゃいますよね。

というわけで、花や植物モチーフの着物は、堂々と結婚式だろうがなんだろうが着ていただきたいと思う次第でございます。美しい花々の紋様が、まさにお祝いに「華」を添えてくれるでしょう。
これから桜前線が北上していくと思いますが、皆様もぜひ花と一緒に着物で季節を満喫してくださいね!