三鷹市下連雀は、かの文豪太宰治の終の棲家なのだそうです。太宰治といえば、若かりし頃文学部の学生だった私にとってまさに神々の中の一人でした。上京したてのころ桜桃忌(6月19日、太宰の命日)に、当時まだ付き合う前だった彼氏に誘われて玉川上水を入水地を探して散歩してみたりしたこともあります(厨二極まる感)。今あらためて振り返ってみると、太宰治もいろいろ不適切にもほどがあるエピソードしかなくて驚きですが、当時はかっこいいと本気で思っていましたね(遠い目)。
さてそんな話はさておき。太宰治は津軽の大地主の家(現在の「斜陽館」)で生まれ育ったことで有名ですが、東京帝国大学に入学のため上京した後はあちこち移り住み、昭和14年から亡くなる昭和23年までは三鷹で過ごしたそうです。三鷹の禅林寺には太宰治の墓碑が建立され、今でも訪れる人が後をたちません。
そんな三鷹市美術ギャラリーには太宰治展示室があり、「三鷹の此の小さい家」という名で太宰が家族と暮らした自宅が再現されています。まるで自宅にお邪魔するかのように、玄関を開けて中に入るとそこには太宰の生涯や原稿、資料展示のほか、体験型展示室も。企画展示「三鷹奇譚」の開催中でした。
体験コーナーの床の間のある和室には、座卓と文机が設えてあります。文机では、引き出しから原稿用紙をとりだして、太宰の原稿を鉛筆で書写することもできます。
通院ついでの平日の昼間に来訪したためか、他に誰もいらっしゃらなかったので、机にも置いてあった「大恩は語らず」というエッセイをコクヨの原稿用紙に太宰の字を真似て写してみました。キーボードでかたかた打つのと違って、間違えたら黒く塗りつぶして横に書き直してあったり、当時は推敲も大変だっただろうな、と思いつつほんの四行ほどを書いてみたのですが、地味に楽しかったです。
そのあとは、和室の鴨居にハンガーでかけられている「トンビコート」も羽織ってよいということで、羽織ってみました。いわゆる「二重回し」で、うしろまでマントがあるウールのものでしたが、私の持っているものよりずっと軽く感じました。カシミアとかなのかな? トンビコートの実物に触って羽織れるって、着物好きには嬉しいポイントですよね。

以前トンビコートの記事を書いたのですが、今でも時々リポストされたりしていて、トンビコートに憧れている人も多いのかなと感じています。
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「太宰治展示室」は三鷹駅南口出てすぐのCORALの5階にあります。少し足をのばすと玉川上水も見られますし、太宰治御用達の酒屋だった場所に造られた「太宰治文学サロン」もあります。こちらは太宰関連図書が閲覧できたり、グッズなども販売されています。
また三鷹駅からバスに乗れば、太宰の墓碑のある禅林寺にもすぐ。歩いても20分程度なのでよいお散歩になります。ちょっとでも太宰に憧れたことがあるかつての文学少年少女もしくは人気アニメ『文豪ストレイドッグス』好きの方でまだ未訪の方は、聖地・三鷹を一度訪れてみてはいかがでしょうか。禅林寺には森鴎外のお墓もありますよ。
天気のよい日に着物でお散歩したら、あちこちの太宰スポットに文豪気分盛り上がること間違いなしです!