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リサイクル着物について考えた。の巻

星わにこ
2018/03/14 00:00
 先週無事「きもチャリ」が終わりました。仲間とやっているチャリティ活動の中で、着物でチャリティを、と始まったイベントですが、たくさんのご寄付をいただいて、もう6年近く続けています。  箪笥の肥やしになっている着物を寄付していただいて、それをお買い上げいただいて、公益財団法人みちのく未来基金という震災孤児の進学をサポートする団体に寄付しています。  こちらのコラムでご縁をいただいた方からもご寄付やお買い上げを頂いて、今年は3日間のイベント全体で50万円以上の寄付をすることができました。一方会場等の都合もあり、今後毎年の継続は厳しい状況ですが、できることを続けて行けたらと考えています。心を寄せて下さった皆様、本当にありがとうございました。  チャリティにやってくる着物たちは、ただの不要品だとは私には思えません。自分の着物でもう着ないからいらないというものもありますが、大体はおばあさま、お母様、ご縁のある方の着物を、ただ捨てたり売ったりすることができなくて、使って下さいとおっしゃるものが多いです。中には高価だっただろうな~とため息がでるようなものも。  仕分けや陳列を皆でやりながら「どういうものだろうね」と話す時間も楽しいです。畳む作業をしながら、着物や帯と心の中で話したり(危ない人)。またこの畳むという作業もいいのですよね。スタッフで入ってくれた友人が「こうやって手でなでて、畳むから、着物って愛着が湧くのかもね」と言っていましたが、本当にその通りだなと思います。  スタッフではわからないことも多いので、今回は「きものカード」というものを作り、だいたいのサイズやどういうものなのかを書ける方には記入していただいたのですが、皆さんがそれを大事にされていて、でも着られないからどこかで役にたってくれればという想いで寄付してくださったのだと伝わるものが多く、メッセージに感動するものも。  着物は、ただのモノではなく、なにか心を動かすものがあるようです。また、お母様の手刺繍や染め、おばあさまの編んだビーズ半衿などを寄付していただいた方もあり、気持ちが暖かくなりました。  そして不思議なのが、それぞれの着物に、それが似合う人が迎えにきてくれるということです。いくらフレキシブルに着られるといっても、着物にもサイズはありますし、リサイクルではなかなかピッタリのものを求めるのは難しいもの。だからこそ、あっ!とご縁を感じたものはお迎えしてしまうんですよね(笑)。  はんなりなもの、粋なもの、個性的な着物や帯など、それぞれ似合う人がお買い上げになっていきます。その様子はちょっと感動ものです。「この帯はどんな人が似合うんだろう?」と思っていたら「私はこれ」と持っていた方。「あ!帯が呼んだかも」と思うくらいイメージピッタリで思わず唸ってしまいました。  すごく個性的な色や柄の着物も、ちゃんと似合う人が現れる。着物の「引き寄せ力」を感じます。とはいえ、やはりどうしても3日間で全てを販売することはできません。  残った着物は、環境活動や被災地支援などを行っている「環境まちづくりNPOエコメッセ」さんに寄付させていただいています。こちらでは店舗で販売したり、着物フェアをしたり、着物としては着られないものは素材として活用してくださっています。(こちらの受付は随時です)  もちろん、着物は自分で新しいものをお誂えするのが最高ですが、リサイクル着物との出会いも捨てがたいものがあります。でもどうやって選んだらいいか、お手入れはどうしたらいいか、などなど不安もあるかと思います。  そんなときは「初めてのリサイクル着物 選び方&お手入れお直し」(髙橋和江著)をお勧めしちゃいます。マンガも交えつつ、わかりやすい構成になっています。マンガとイラストは私が担当させていただきました(宣伝か!)。著者はきものをたのしくやさしくおもしろく、のたかはしきもの工房の女将です。お手入れや畳み方のハウツーもあって、QRコードを読むと動画も見られるんですよ。名古屋帯の畳み方など、本当に便利です。  なんか最後の方は宣伝になっちゃいましたけれども(笑)、着物は中古だからいらない、とばっさりできない何かがありますよね。またリーズナブルに手に入るのも魅力です。洋服などにリメイクするのもいいのですが、着物好きとしては、着物はなるべく着物として着てほしいな~と勝手な願いを持っています。  それにはやっぱりもっと、着られる人を増やさないとですよね。着付はハードルが高いと思われがちですが、そんなこともないんです。まずは和洋ミックスでもいいし、自己流でもいいので、身につけてくれる人が増えたらいいなあ~。羽織なんか、カーディガンがわりに着るとなかなかいいですよ。正絹のものは着心地もあったかさも最高です。  箪笥から飛び出して、次の持ち主のところにお嫁にいく着物たちを見ながら、いろいろと想いをめぐらせた3日間でした。

着物はめぐるよ☆「きもチャリ」今年も開催の巻

星わにこ
2018/03/09 00:00
 東京はやっと暖かくなってきたなあと思ったらまた厳しい寒さと雨。三寒四温とはよく言ったものですね。もうすぐ春ですね。  そして、東日本大震災から七年。もう七年という気も、まだ七年という気もしますが、まだまだ生活が立ち直っていない方もたくさんいらっしゃいます。クリエイター仲間で集まって「wasurenai」というチャリティイベントを毎年この時期に開催して、収益金を親を被災で亡くした子どもたちの奨学金にあてている「みちのくみらい基金」に寄付する活動を続けています。  できる範囲でできるだけ。それぞれ作品や得意な技を持ち寄って、チャリティということで、わたしは着物を寄付していただいて販売する着物のチャリティバザー、略して「きもチャリ」部門で活動しています。  昨年はコラムで寄付をお願いしたところ、全国からたくさんの寄付をお送りいただき、過去最高の売上でした。今年も、覚えていてくださって送ってくださった方もいらっしゃいます。きもチャリの開催を楽しみにしてくださっている方も増えて、ありがたい限りです。  今年も、30箱以上のダンボールが受付日に届き、嬉しい悲鳴が。着物好きの仲間が集まって、仕分けや値付けをし、陳列。これがなかなか大変な作業です。目利きというわけではありませんから、着物の状態をざっと見て1000円、3000円‥‥と仕分けていきます。だから、掘り出し物があるかもなんです。帯も500円、1000円から。すごくよいものでも、とってもお得な値段。  今年は「着物カード」というのを作って、どんな着物なのか、一言添えていただけるようお願いしました。サイズの他におばあさまのもの、お母様のもの、どこで買ったか、何に似合うか‥‥メモしていただきました。寄付してくださった方の思いが伝わって、じーんとする場面も。  ただの古着のようでも、着物ってなんだかそれだけじゃない。気持ちがこもっているような気がします。だから、こうやって着ない着物たちが箪笥から飛び出して、着る人や作る人の手にわたってまた活躍して、しかもそれが奨学金の支援になる。チャリティの開催は正直大変なこともいっぱいですが、毎年それが励みになって続けています。  着物は、そのままきてももちろんいいし、和洋ミックスにしたり、羽織なんかは洋服の上にカーディガンがわりに着ても可愛いですよ。正絹だから、軽いし暖かいです。 >チャリティその後☆箪笥から飛び出した着物たち  ここ3年会場になってきた昭和な家が、今年取り壊されることになり、このスタイルでの開催はこれが最後になります。今後どういう形になるかはわかりませんが、奨学金の寄付につながるチャリティは続けて行けたらよいなあと思っております。チャリティは、大きな負担になっては続かないので、細く長く。できるときにできるだけ。そしてなにより、関わる人が楽しいことが大事だと思います。 https://www.facebook.com/events/732091060329268/  3月9日(金)~11日(日)の開催です。このコラムがアップされるころ、ちょうど開催中です。  リサイクル品でもこれは!というものに出会ったら、お手入れして着るのも楽しいものですよ。いち利モールさんでもクリーニングはじめ、裄直しなど、いろいろな着物のお手入れメニューがあります。受け継いだ着物、出会った着物……楽しんでおしゃれに着てあげたら、着物たちも大喜びですよね。  3.11はみんなにとって忘れられない日で。それぞれの想いを抱えて過ごされると思います。もしなにか、自分が関われることがあったら、目をむけてみてみてもらえたら。  前を向いて歩き出すためにも。

歌舞伎座!高麗屋三代襲名披露にいってきたよ☆の巻

星わにこ
2018/02/28 00:00
 皆様歌舞伎は御覧になりますか? 先日、歌舞伎座の二月公演、高麗屋三代襲名披露にいってまいりました。私は、細く長く機会があればという程度ですが、一番好きな伝統芸能です。わかりやすく、華やかで、けれん味があって、役者さんたちが魅力的で。演目の着物もそうですし、観劇にいくときに着物を着ていくのも楽しみのひとつです。もちろん、他の方の着物を見るのも!  私がはじめて歌舞伎を観たのは、地元の農村歌舞伎。岐阜県中津川市加子母の明治座で、村人たちの演じる歌舞伎。子供歌舞伎もあり、同級生たちが出演する義経千本桜でした。岐阜は農村歌舞伎が盛んで、歌舞伎は身近なものという感覚で育ちましたが、東京にでてはじめて歌舞伎座へ行って、あたりまえですがケタ違いの華やかさと豪華さにくらくらしたことを覚えています。  以降、本を読んで勉強して、学生の頃は観たい演目は幕見にオペラグラスを持って通いました。毎月通う熱心なファンではなかったですが、友達に誘ってもらったり、折々に観に行きました。特に仁左衛門丈(当時は孝夫様)出演の演目のときは、張り切って出かけたものです。  仁左衛門丈の襲名披露のときは、母と名古屋の御園座公演に一緒にでかけたのもよい思い出です。花道横で仁左さまの脛に鼻血が……(すみません)。そのときの演目は郭文章。また、新歌舞伎座の柿落しで同じ廓文章を仁左衛門・玉三郎で観たのも良い思い出です。亡くなった母にも見せてあげたいな、なんて思って、形見の数珠ブレスレットをつけていきました。  実は、新歌舞伎座は今回が二度目。浅草や演舞場では観たりしていましたが、なんだか慌ただしい日々が続いていてそんな余裕もなく。今回高麗屋さんの襲名公演に誘ってもらって、スケジュール的には厳しいかなあ‥‥と思ったものの、ああそういえばここしばらく、落ち着いて歌舞伎を観ることも叶わなかったなあと、思い切って出かけることにしたのでした。  案の定、ぎっくり腰になったりしてw 万全の状態ではなかったですが、思い切って出かけてよかった!!! 着物も着て行きましたよ!  千秋楽だったのもあって、お客様も、迎える役者の奥様がたも、それはそれは素晴らしい着物姿が多く、ついキョロキョロ。詳しい友達にいろいろ教えてもらってほおおお!!あーっ!あの方は、あーっ!あの方もと心の中でキャーキャー言いながら、堪能しました。  本当に豪華な出演陣で、久々に観た私でもああ、あの役者さんがこんなに立派になってとか、変わらないとか、年をとったなあなどと感慨にふけりながら観劇することができました。観客席も着物姿の方も多く、大向うのかけ声もいつもよりたくさん! アドリブも楽しく、知らず知らず心が浮き立ちます。  歌舞伎の魅力のひとつは、世襲制にあるのだろうなあと長く観ていて思います。だから、それぞれの役者さんの後ろに先代の面影を見ては「ああ、お父さんに似てきたなあ」とか「父を超えたなー!」とか「もうちょっと頑張れ」とか(笑)そんなことを実感として思うようになってきました。昔はその役者さんのお父さんの話をされても「知らんし」とか思っていましたが(笑)、ええ、お父様の若い頃をリアルタイムで見ていて知っていますとも~~! 自分が年をとった証拠でもありますよね。  別に家族や親戚でもないけれど、子供が生まれ、成長して立派に名跡を継いで行く様を見るのは、感慨深いものがあります。見続ければ見続けるだけ、発見もあり面白さも増す。芸と、そういう血統のサブストーリーも、観客に足を運ばせる魅力となっているのでしょう。  今回は三代揃っての襲名披露と、なかなか願ってもできることではないお目出度い興行。生まれたときからかくあるようにレールが敷かれてそこでさらに自分を磨いていくというのは並大抵のことではないでしょう。白鸚を襲名した幸四郎さんが、染五郎から幸四郎を襲名するときに10代のころはそれがいやで、反発をして音楽をやったりしたこともあるというインタビューを読んだことがあります。それがなんと37年前のこと。今回お孫さんが染五郎となり、大名跡の幸四郎を息子に譲り、今はどんな風に感じていらっしゃるのでしょうか。  いつもそこにある歌舞伎。それを維持していくのも大変なことでしょう。だけど、そうだからこそ観客である我々も、折々にあのときこれを観た、誰と一緒に行った、自分自身はこうだった、などと思い出せる。舞台に足を運んで、お弁当を食べて、時の流れを感じながら、お芝居や踊りに涙ぐんだり手を打ったり。  久しぶりにゆっくりした時間を過ごして、歌舞伎に繋がる思い出にも心をめぐらせ、本当に楽しかったです。やがて今日のことも、ああ、あの襲名披露のときは観にいったと、思い出のひとつになっていくのでしょう。そしてまた、いつかの未来の幸四郎の襲名公演を、わたしは見ることが果たして出来るのでしょうか? 連れて行ってくれた友人に感謝しつつ、胸いっぱいで歌舞伎座をあとにしました。  次はいつ来られるのだろう。物理的には行くことができても、やはり強いモチベーションか、精神的に余裕があるときじゃないと無理だなあと思ってしまいます。ちょこちょこと、好きな役者さんがこの演目をやるから!なんて、着て行く着物に迷って、ときめいて。そんな芝居見物ができる余裕のある人生が送りたいと、夢ノートに書いておこう。  高麗屋三代のご襲名、誠におめでとうございました。

意外と知らない?足袋のはきかたおさらい☆の巻

星わにこ
2018/02/14 00:00
 突然ですが、皆様足袋をはくときはどんな格好ではいていますか? 足袋をはくときは、基本は体育座りポーズでひざを立ててはきます。ちょっとエレガントにはきたければ、横座りもアリ。体幹に自信のある人は、立ってはく?  さてさて引き続きぎっくり腰の余波で、おとなしめの生活をしているわにこです。とにかくゆっくり動き、腰に負担がかからないように‥‥なんですが、着物を着る時。着物を着るの自体は大変ではないんですが、足袋をはくときがちょっと、いえ大変辛い‥‥。  前屈みになってする動作が辛いんですね~。体育座りをしても横座りをしても、辛い! で、足を組んで履いてみたら、あらっ! コハゼに手が届きやすく、履きやすい! 皆様もう御存知でしたか? ちょっとお行儀が悪いですが、背に腹は変えられない。足袋は一番最初に履きますから、考えてみたらどんなポーズも自由自在ですよね。らくちんでした。  ついでに(?)足袋のはきかたのおさらいをしてみました。  最初に足袋を折り返して指をきちんと入れる。こうすると足袋をピタっとはけます。あと、よくつま先を伸ばして足袋を履こうとする方がいますが、つま先はたてて足首の角度を直角にしたほうがコハゼはとめやすいですよ。基本的なことですが、コハゼは下からとめていきます。 まとめると‥‥ (1)足袋のコハゼを外して、つま先に向かって半分に折り返し、足を入れて指を奥まで入れる。 (2)折り返し部分を元に戻して、かかとをきちっと納める。 (3)足首を直角にしてコハゼを下からとめる。二本の掛糸にこはぜをひっかけ折り返してとめていきます。一番上までとめたら、全体を後ろに引くようにして密着させると外れてきにくいです。 ※このとき、座って足を組むと、コハゼがちょうどよく見えて手が届きやすく、ラクにはけます。どうしても履きづらいとき、お試しください。  コハゼは、掛糸二本を一度にひっかけてとめますが、上のほうなど足首が太くてかけられないようなときは、手前の1本にかけたりしてもオッケー。自分にピッタリサイズの足袋を誂えられればそんなこともありませんが、市販の足袋はいろんなサイズがありますし、基本は伸縮性がないものなので、自分にあった足袋を探してください。  小さめの足袋をキュキュッとシワの入らないようにピタッとはいた足元は本当に美しいもの。でも結構痛かったり。かといってブカブカの足袋は不格好(^^;)このあたりは個人差がありますので、辛くなく美しく見える足袋が欲しいなあといつも思います。  私は特に甲高幅広の足なので、なかなかキレイに履ける足袋がなく、どうしてもストレッチ足袋にしてしまいがち。綿でピタリと決まった足元は憧れです。また、訪問先で草履を脱いで上がったりする場合はきれいな足袋でお邪魔したいもの。こんなときは替えの足袋を持っていくという方法の他、足袋カバーをつけていって、中に入った時に脱ぐという方法もあります。(時々、忘れてずっと履いていて気付いてあっ!ということも多いですが‥‥えっ私だけですか)。  ファッションとして履く足袋は、今いろんな素材のものが出ていますし、色や柄も豊富。寒い時期はネルや別珍の足袋もいいですね。レースや合皮などのものもあり、白ばかりにこだわらず、ラクに楽しく履ける足袋で遊ぶのもいいですよね。合皮のものなどは、草履にうまくあわせると、ブーツや靴っぽくもあり、カッコイイですよ。着物のときは必ず履くものなのに、ちょっとおざなりにしがちな足袋のおしゃれ。今年は私もいろんな足袋にトライしてみたいです。  もちろん、はくときもスマートに‥‥を心がけて(苦笑)。

腰痛に着物&ナンバ歩き☆の巻

星わにこ
2018/02/07 00:00
やってしまいました! ぎっくり腰です。寒くなると増えるらしいですね。まんまと寒い中、ゴミ捨てをしようとして違和感‥‥‥。やばい、と思ったらどんどん痛くなってあー‥‥‥。ちーん。  全く動けないほどではなかったため、じわじわと動いて生活していましたがもう、なにもかも予定が吹き飛ぶ痛さ。寝返りもうてずに横たわっているのに、追い打ちをかけるように雪が降ったり。やはり冷えが大敵なのですね。あと辛いのが咳!!泣けました。  そんな中、思いのほかよかったのが、着物でのおでかけ。パーティがあり、ちょっと無理かも?と思いましたが、どうしても行きたくて、根性で着物を着てでかけました。  でも、補整のたかはしきもの工房の「腰すっきりパッド」にホッカイロを仕込んで、温め&少し低い位置で骨盤を締めることで随分楽に。その上に帯をするので、腰の骨が立つというか、姿勢がよくなって、重ね着で暖かいので、洋服より快適に過ごせました。  しかも、着物のときは「ナンバ歩き(同じ方向の肩と足を出して歩く)」をすると結構いいんですよ。ねじれないので着崩れない。昔の日本人は皆この歩き方だったと言われています。ちょっとロボっぽいけど慣れればラクちんです。コツは大きく手をふらないこと。  あまりに快適だったので、洋服のときも、腰スッキリパッドをつけたまま生活しています(笑)少し下目の位置につけるので、Lサイズを使っています。本来の使い方とは少し違いますが‥‥。  ついで(?)なので本来の使い方について少し。全面ポケットになっている補正具なので、自分のウエストのくびれているところ(結構人によって上だったり下だったりします)とヒップの窪み(これも個人差大!)に必要な分のタオルを用意して、窪みを埋めるようにピッタリと巻き付けます。ブカブカにならないようにするのがポイント。  ウエストの補整なんていらなーい、と思っていたわたしですが、たかはしの腰スッキリパッドを使い始めてからは必ずしています。  なぜなら、体と着物や帯の間のクッションになってくれて、自分が楽だから。腰紐や胸紐、伊達締めがちょっと苦手だったのですが、補整を入れることでキリっと結ぶことが怖くなくなりました。腰紐がキリっと結べると、格段に着崩れしません。なんとなくはだけてきたり、おしりのところがひっぱられてブワブワになったり、ということがなくなるんです。  私は締め付け嫌いなところがあるので、これは福音でした。  もちろん、必要なところにタオルを入れてウエストと腰の凹凸を補整するので、着姿もよくなります。着物は直線断ちの衣類ですから、曲線よりも平らなところに沿わせると格段に着付けやすいです。あと、防水機能もあるので、汗が帯や着物に染み出さないのも嬉しいです。  普段は腰骨ぎりぎりにひっかかるくらいの位置にかませて凹凸を埋めるようにあてて、下線をキュッと止める(上はあまり締めません、苦しいので)のですが、腰痛対策にはもっと低い位置でコルセットがわりに巻いてみました。つけるときにやっぱりあったかいし、今ちょっと手放せなくなっています(笑)。  帯も腰紐も少し下目に締めると腰痛にいいようです。着物は重ね着だからお腹まわりがしっかり暖かいのもグッド。  もし‥‥腰痛に悩んでいる方いらしたら、おためしあれ! (ババくさい話題で失礼しました(^^;))

苦しくない胸紐の結び方を考える☆の巻

星わにこ
2018/01/31 00:00
着物を着ていて、苦しいとき。私の場合は、みぞおちあたりに紐が当たってしめつけてしまっている時です。高い位置に紐を結ぶと、襟合わせが押さえられるのできれいに着付けやすいのですが、そうすると苦しくなってしまうことが多いものです。  着物を着ると苦しい、と感じることがあったら、紐の位置を見直してみるのはいかがでしょうか。紐で体を縛る回数は減れば減る程楽なわけで、中にはどんどん紐を抜いて行って、最後は腰紐1本で着るという方法もあるくらい。  ただ「そういう風に習ったから」「本に書いてあるから」紐や伊達締めを結んでいるのであれば、その位置が少し下がってみぞおちを押さえないようにしたらどうなのか、紐を省略したらどうなのか、試してみるのはいかがでしょうか。ほんの1センチ、2センチ紐を下げただけで体がぐんと楽になることもあります。  胸紐や伊達締めは、着るときの押さえと考えて、面でとめる。締め付けない。みぞおちにあたりそうだったら、位置を下げる。着ている間に上がって来てしまったら、指を差し入れて、ぐっとひくだけでもゆるんで楽になります。  紐をギュッとしっかり締めなくてはいけない部分は、腰紐1本だけ。ここは、おはしょりを作ってその重さを支えるので、ゆるいと着物がぐずぐずになってしまうため。ただ、締めるのも背中側でしっかりしめて、お腹側はキリキリには締め付けません。  他の紐はギュっと結ぶというより、太めの紐を丁寧にひらいてあてて、面で押さえるというイメージです。腰紐以外は結ばずにからげるだけにすることもあります。ただゆるいだけだと、してもしなくても同じになってしまいますから、適度な押さえになるように。このあたりは、感覚と慣れでしょうか。  もうひとつ、苦しくなる元凶が帯枕の紐。ガーゼで作った大きな結び目の玉がみぞおちにヒットするとこれほど苦しいことはありません。パンチでえぐられているようなものです。必ず左右どちらかに結び目をずらして、紐はなるべく帯の中に深くしまうようにしましょう。枕紐の素材を変えるのもおすすめです。  着付は、案外思い込みを捨てるとラクになること、変わることたくさんあります。たまには、YOUTUBEの動画をみたり、他の人の着付を研究してみると面白いです。胸紐ひとつにしても、モスリンの紐、木綿の紐、絹の紐、博多織の伊達締め、ゴム‥‥しないという選択肢だってあります。私も日々、ラクにキレイに着られる方法を研究中です。  ちょっとしたことですが、人それぞれ楽な方法が違うのです。自分にあっている方法、まだまだ他にあるかもしれませんよ。

妄想の限りなく降り積もる雪のドットコーデ☆の巻

星わにこ
2018/01/24 00:00
 寒さ本番! 東京は久々の雪景色。毎年大騒ぎしているような気もしますが、年に一度あるかないかの積雪では、心構えがちゃんとできないものですね。転んだりしないように用心したいものです。  かくいう私も着物で出かける仕事があり、この!大雪のときにこそ履きたい撥水モンペを仕事先に忘れて履いて出かけられないという失態。仕方ないのでレインコートと防寒コートの二枚重ねで出かけました。  だんだんと雪が降り積もっていく美しい日本庭園を窓から眺める一日は、仕事とはいえ心が潤いました。  雪かきや大変なことも多いですが、やはり雪が舞い、地面を白く覆い隠すと気持ちがフワリと上がるから不思議です。美しいものは、よきものかな。  今回はそんな雪をイメージしたドットコーデです。 http://bit.ly/2DzMWOp  ドット雨縞という名前の結城紬ですが雨から雪に変わって行く様子のようにも見えます。帯は白にドット。真っ白な空から降ってくる雪は、見上げるとグレーに見えますよね。帯揚も白にドット&ボーダー。帯締めも白に丸い石。半衿は白にラインストーンがキラキラしています。ワントーンだけど、可愛くてワクワクするようなコーデを目指してみました。  だんだんと雪が積もって、モノクロの世界に変わっていく。きれいでワクワク。家に御籠もりして、窓の外の雪見をしながら暖かい飲物を飲んでもいいし、しっかり着込んで外に出て雪だるまをつくるもよし!(雪かきをするのがベストですけども、これはなかなかウキウキしない(笑))  こんなことをいうと雪国のみなさまに怒られそうですが、たまの雪の日。あの雪の日は……なんて記憶にも残っていくものです。今年の東京の大雪、皆様はどんな思い出ができましたか?

煌めく絹糸の旋律☆日本刺繍の世界に酔いしれるの巻

星わにこ
2018/01/17 00:00
 そろそろお正月気分も抜けて平常運転!のはずですが、まだなんとなくボーっとしているわにこです。  昨年末からこの月曜日まで銀座松屋で草乃しずか先生の日本刺繍の展覧会「煌めく絹糸の旋律」が開催されておりました。御覧になった方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。  駆け込みで観に行ったのですが、もう本当にうっとりでした。着物や帯にも、刺繍が少し使われているだけでもぐん!と豪華になりますよね。それがもう、たっぷりと贅沢に思いっきり刺繍!刺繍!刺繍!が堪能できました。  刺繍の中でも、日本刺繍は細い絹糸を使って、繊細にしかしたっぷりと刺されていて、本当に美しいものです。「煌めく絹糸」と展覧会のタイトルにもなっていますが、絹糸がつやつやと光を放ち、見るものの心を魅了します。  正倉院模様や鳥獣戯画を刺繍で表現したもの、また歴史上や物語の女性たちをイメージした百花繚乱と名付けられた艶やかな振袖の数々。お母様との合作をはじめとした、創作の原点。素晴らしい展覧会でした。  観にいらしている方たちも、お正月らしい晴れ着、刺繍の入った着物や帯、小物など素晴らしい装いの方も多く、こちらも眼福でした。  プツッ。シューッ! プツッ。シューッ!  何の音だろう? と思ったら、会場で流れていた映像に映し出されていたのは実際に刺繍をしている様子。ピン!と張られた布に針が通る時にプツッ!と小気味良い音がし、シューッ!と糸が引かれる音がします。絹糸ならではの、音ではないでしょうか。まさに、絹糸の旋律。布目に正確に刺される針。舞うように引かれる糸。心地好いリズムで繰り返されるその音に、しばし聞き入ってしまいました。  日本刺繍の技法についても詳しく解説されており、地引き、繍い切り、相良繍い(さがらぬい)、菅繍い(すがぬい)、刺し繍い、割り繍い、駒取り、まつり繍いの8つの技法について知ることができました。  もう目がハートになってしまったわたくし、DVDつき図録を購入。家でもしつこく、プツッ、シューッ! をリピート視聴しております。草乃先生の創作への想いも、熱く、伝わってきます。映像ってすごいなー。  会場ではワークショップも開催されており、私は時間がなくて参加できませんでしたが、キモトモさんたちが参加されて、素敵な猫ちゃんの手鏡や桜の桐箱など、見せてもらいました。いやあ~~あの作品と映像を観たら、やってみたくなるよね~!  以前キモトモが「日本刺繍やる!」と取り組んでいたのを、私はいいや~な~んて横目でみていた私ですが、ちょっとうずうずしちゃいました。まあでも、自分でやったら、「美しい作品」というレベルになるには相当時間がかかりそうです(汗)。  圧倒的な美意識と、デザイン力と、刺繍の技法に打ちのめされた!(気絶)という気持ちになるほどの素晴らしい展覧会でした。技法を知ると着物や帯の刺繍を見る目が、今後変わるかも! 目の保養と「知る」ことって大切ですね。そして、DVDに収録されていたこれからの創作に意欲を燃やされる草乃先生のお話を伺い、美しいものを沢山見て、自分も美意識を磨いて行きたい! と強く思った年の初めでした。

成人式に振袖を着なくても人生はこれからだ!の巻

星わにこ
2018/01/10 00:00
 本年、成人の日を迎えられた皆様、ご家族の皆様、おめでとうございます! 毎年思うのですが、無事に20歳まで成長し、成人を迎えるということの有難さは格別のものですね。  成人を迎えられた御本人はもちろんのこと、親や大切に見守って来た人にとって、子どもが成人を迎えるというのはひとつの大きな節目です。今年も成人式を迎えられるお嬢様の振袖の準備や撮影などのお手伝いをさせていただきましたが、第一礼装で成長を寿ぎたいという気持ち、そして装ったお嬢様の美しさ愛らしさに毎回毎回、めちゃめちゃ感動します。  「振袖を着る」ということがイコール成人の祝というわけではありませんが、その日の為に準備をしたり、親や祖父母、親戚などの着物を譲り受けたりと、それぞれにお祝いの気持ちがこもっていて、晴れの日に日本のプリンセスドレス=振袖を着る風習が受け継がれていってほしいなあと願います。  でも、実際のところ何も知らない状態でイチから振袖を成人式に着ようと思うと、結構なお金がかかってしまうのが現状のようです。レンタルで何十万とか、オプションや撮影などでびっくりのお値段も耳にします。振袖を買ったりレンタルしたりしたら卒業式袴やウエディングドレスまでタダ!?な~んてサービスもあったり。どこまで行くの!?なんて思って話を聞いていました。そうではない振袖も、いっぱいあるはずなのに‥‥。  今年の成人式はなんといっても、当日に営業停止をした振袖レンタル業者の話題でもちきりでしたね。金銭的なことももちろんですが、成人式の当日に「振袖がない」という事態に直面した当事者の皆さんのお気持ちを思うと胸がつぶれそうです。ありえないことですし、絶対に許せない出来事ですが、でも‥‥敢えて言いたいのですが、「成人式に振袖が着れなくても人生は終わらない!」ということです。もう取り返しがつかない、二度とそのときは戻ってこないけど、それでおしまいじゃないと。極論かもしれませんが、そのことで、必要以上に傷ついてほしくないと思います。  貴女が成人したその尊い事実はなにも損なわれないのですから。  振袖を着ること自体は、成人式以外でもできます。ちょっと別の話ですが、実際私は、30年程前の地方の「生活簡素化運動」というもので自治体が振袖での成人式出席を禁止したために、成人式に振袖は着ていません。でもそのあと、着たいときにきています。  成人式の振袖は、そのときしか、着られないものという意味では花嫁衣装みたいに特別なものかもしれません。でも花嫁衣装だって何度も着る人もいます。最近はお一人様ウエディングだってあります。記念の写真を後から撮るのもひとつですし、また別の機会に振袖を着てみるのもアリではないでしょうか。  お金や、大切な振袖、撮影した写真など取り戻さねばならないものはあり、これからそのために奔走しなくてはならない方もいると思いますが、どうか、必要以上に悲観的にならないで欲しいなと願います。  きもの業界でも被害者の会が立ち上がったり、代わりに出来る限りのサービスをしてくれるところもあります。一人で悩まないで、いろんなところと繋がって問題を解決していってくださることを願います。助けの手を求めたら、きっと役に立ちたい!と手を差し伸べてくれる人がいます!  神様は、乗り越えられない試練は与えないと、私もなにかにぶつかるたびに思います。時には「これしんどすぎないですか」と恨み言の一つも言いたくなるときもありますが、それでも命がある限り、どうでもこうでも生きていかねばならないと、思うようになりました。  私事ですが年末に人生の大半を共にした大切な人を亡くしました。生きてるうちが花なのよ。死んだらそれまでよと思い知りました。大変なこともあるけど、生きていればいいこといっぱいあるはず! そのいいことは、自分の受け取り方次第でいいことにも悪いことにもなる。  今回、この問題について「可哀想」「気の毒」という言葉をちょこちょこ目にするので、そんな風に事件に対してではなく、ご自分のことを思って欲しくないなと思います。私も人からみたら可哀想で気の毒だと思われる境遇かもしれません。でも、私は可哀想でも気の毒でも哀れな人間でもありません。誇りをもって生きています。人生に無駄な経験はない!‥‥はず、はず……(自分にも言い聞かせています/苦笑)。ちょっと的外れかもしれませんが、今回感じたことを書いてみました。  あとね、成人式にいかなかった人も、行けなかった人も同じだと思います。  成人したことには変わりはないんだから。  成人されたみなさま。これから名実ともに大人として羽ばたいて、たくましく、素敵な女性になってくださいね! 男性もね! 本当に、おめでとうございます。  そして機会があったら、ぜひまた着物にも袖を通してみてくださいね! 振袖もいいし、それ以外の着物もいいものですよ!

着物で運転免許証の写真うつりが良くなる!?の巻

星わにこ
2017/12/20 00:00
 先日免許更新を迎えたわにこです。免許更新といえば、あの写真。なんでこんな写真うつりなの!?と自分の姿は棚に上げ、悶々とするあの写真がございます。  だが今回は、「着物で免許証写真を撮る」というひとつの目的が。そこで、調べてみると、衣服は白っぽいほうが顔色がよくなり、Vネックが小顔に見えるという情報が。そういえば、一度、モスグリーンのハイネックで更新したら、すごい顔色に映ったことがありました。  この条件だと、白い半衿であれば、これは着物がばっちりではないですか!!! そしてまさにVネック! 着物も明るい色を選んで、張り切ってでかけましたよ。  レフ板がわりにハンカチを持つといい,などの情報もありましたが、今は冬‥‥‥もうコートや荷物でていっぱいでそんなマジシャンみたいなことまではできませんでしたが、白半衿と明るい色の着物のおかげか、当社比で結構明るい顔色に映りました!! 経年劣化(爆)はもう諦めて、これからは着物で免許更新しようと思いました。  珍しいのか、試験場の方に「お着物素敵ですね」なんて言ってもらったり、結構楽しかったです。ずっと使っていた免許の写真、老けてる!って思ってキライだったけど今見てみると若い(笑)しかし、次の更新はゴールド免許のため5年後。そのときは、この写真も「まだ若いなあ」なんて思うのでしょうか。  実は、あの写真は自分で事前にとって持ち込んでもいいのだとか。いくつかの案件を満たしている写真であれば、指定の更新場所で使ってもらえます。  毎回いい写真を持っていって使ってもらえばいいんじゃん、と思いながら、うわーもう今日しか行ける日がないよ、なんてギリギリに更新所に駆け込んで「写真ひどっ!」と呟く繰り返し。今回は着物で免許証という野望(?)がやっと果たせたので、5年後は持ち込み写真で更新の野望を叶えたいと思います。  おっ!と思われた免許更新が近いあなた、ぜひ着物で免許更新されてはいかがでしょう。その他にも、証明写真にも使えるテクニックですね。  白半衿と明るい色の着物でGO! ただし、普段とあまりに落差の大きいモリモリの盛装はNGで。ナチュラル着物美人を心がけてください(^^) 明るい色の着物に白半衿で写真写りアップを狙え!コーデ(笑)

着物の防寒2017☆三つの首を温めろの巻

星わにこ
2017/12/13 00:00
 冬将軍到来! いきなり雪景色になったところも多いのではないでしょうか。東京は雪こそ降っていませんが、乾燥して寒い日が続いていますね。  今回は着物の防寒についてちょっとおさらいしてみたいと思います。  着物は重ね着していますし、帯まわりもあったか。下着やコートなどの防寒も大切ですが、それにくわえて押さえておきたい、冷えポイントの首元・手首・足首の3つの首。ここをカバーさえすれば、着物は本当に暖かい衣服です。  まず首はマフラーやショールで。羽織りやコートでは首元はカバーできませんし、アップスタイルにしたときなど本当に後ろの首の付け根が寒い! 特に冷すと風邪をひくという風池(ふうち)というツボの部分は温めておきたいところ。  次は手首。こちらはアームカバーが有効です! 手袋とアームカバー両方しておくと最強。手袋はとってしまいますが、アームカバーはたくしあげておくだけでもOKです。  そして足首。こちらは足袋の下にはくハイソックスがマジあったか。以前は、スパッツなどを履いて防寒していましたが、足首が出てしまうのでやっぱり寒い。トレンカにしてみたこともありますが、スパッツやトレンカはお手洗いのとき上げ下ろしが面倒くさい。というのでここのところ、足袋の下にはくハイソックスタイプに落ち着いています。これにプラスしてステテコをはけば、足全体が暖かです。  難点があるとすれば、足袋のサイズがピッタリのものだとワンサイズアップしなくてはいけない時があることでしょうか。あとは、ちらっと階段などで足首のところが見えた時、目立つ色だとちょっと恥ずかしいです。ご自身のお肌の色にもよりますが、白めよりは濃いベージュのほうが、肌着っぽくなくて自然な感じがしますよ。  裏ワザとして、厚手の足袋ハイソックスを履いて、その上に足袋カバーやストレッチ足袋を履く、というものがあります。こうすると足の形も出難いですし、一見足袋をはいているようで、でもあったかラクラク。  あとは、足袋自体を暖かい素材にする、というのもアリですね。べっちんやネルなど、あったか素材の足袋にすると足先の冷えがかなり違います。最近では合皮の足袋などもあったりして、新素材のものを試してみるのもアリですね。厚手の足袋をはくと、かなり足元が頼もしいかんじです。  あとプラスワンアイテムとしてはホッカイロ。お太鼓の下につっこんでおくと暑くなったら取り出せて便利です。足先用ホッカイロを足袋の下に入れるのも、暖かいですよ。  3つの首をあたためて、着物でおでかけ楽しみましょう♪

やっぱり可愛い☆矢絣は若い女子しか着ちゃだめですか?の巻

星わにこ
2017/12/06 00:00
 寒くなってまいりましたね! 着物のときには足袋下ハイソックスとアームカバーが手放せないわにこです。  さて、先日ゲームマーケットに参加してきたのですが、フォントかるたというかるたの売り子だったため、やっぱ袴でしょ!というわけで袴姿でいってまいりました!  袴といえば、やはり矢絣の小紋にあわせたい!と矢絣の小紋に黒い袴をあわせてみました。  なぜ袴といえば‥‥かというと、大正時代に女学生たちの間で矢絣の御召に海老茶の袴姿が流行し「海老茶式部」と呼ばれたそうで、そのイメージが強いせいでしょう。マンガ「はいからさんが通る」でも、主人公の紅緒さんがこのスタイルでしたよね。先日の「はいからさんが通る」展に袴ででかけて以来、すっかり袴スタイルがお気に入りになっております!?  他に矢絣の着物というと、大奥の女中さんたちの姿も思い浮かべます。  矢絣は矢羽根絣、矢筈絣などとも言い、矢は射たらまっすぐ飛んで戻ってこないことから、嫁入りに持たせると出戻ってこない縁起柄とも聞かされてきました。これについては、辛かったら戻って来てもええんよ、とも思いますが(笑)それはさておき、よいところにお嫁入りできるようにということだったのでしょうね。  弓矢の模様は破魔矢などを連想させ、魔除けとして男子の着物の柄などに使われていますが、この矢絣については、行ったきりにならないように‥‥という願いから戦争にいく男性には着せない持たせないものだったそう。  魔を払い、まっすぐに、遠くに飛んで行く矢。模様に込められた様々な想いを知ると、身につける時に気持ちも変わる気がします。  大きな矢絣に花等様々に華やかな模様を使った崩し矢絣などもありますが、いずれも「若いお嬢さん」というイメージが強い、可愛らしい柄です。  実はそんなに矢絣に対しては思い入れもなく、普段は敬遠していたのですが、いざ着てみると、やっぱり可愛くてテンションがあがります! なんとなくハートがいっぱい飛んでるみたい。なんでしょうかこの若やいだ気持ち!!  フォーマルな場でなければ、自分が嬉しかったり楽しかったりすれば、年齢などにはとらわれずに好きな柄を身につけても構わないと私は思っています。だってファッションだから! 楽しんだもん勝ちではないでしょうか。  そして、知識として「この柄はこういうものである」と知って楽しむのとそうでないのとでは、楽しみの奥行きが全然違ってくると思います。  とはいえちょっと恥ずかしいわ、なんて思うときには、帯締めや帯揚などにさりげな~く好きな模様を取り入れるのもいいですね。  着てみて矢絣の魅力再発見!でした。やっぱり着物は、着てなんぼ。好きなもの、どんどん着てみよう!と思う年の瀬でした。

帯揚をリボン結びでパーティアレンジ☆の巻

星わにこ
2017/11/29 00:00
 街のあちこちにクリスマスツリーを見かけるようになり、いよいよ年末のパーティシーズンがやってまいりました。イルミネーションを見ていると、テンション上がりますねー。  コーディネートに赤、緑、金やクリスマスモチーフを取り入れるのも楽しいですよね。今日は、帯揚や帯締めの結びかたでパーティ気分を盛り上げる華やかテクニックをご紹介します。  まずは帯揚のリボン結び。  図のように、交差してぎゅっと左右にひっぱり、端を上下に立てます。上になったほうをリボンの幅に畳んで、そこに下の端をきれいに掛け、帯に押し込みます。半幅帯の文庫を作るときを思い出してください。  あとは形を整えればできあがり。簡単です! リボンの端を帯の外に出せば、大きく可愛らしいですし、ちょっと子どもっぽいかも?と思ったら下側を帯の中に隠せば、スッキリと大人リボンになります。  ここまできたら帯締めもハートにしちゃいましょう。ハートの帯締めの結び方はこちらをご参考になさってください。これも、カンタンなんです! コツは必ず左右の長さを揃えてから結ぶことです。帯締めが長過ぎて、ハートのしっぽが長―くなってしまうようでしたら、帯締めを後ろでちょっと結んで長さを調節するとうまくいきますよ。 >ハートに四つ葉のクローバー可愛い帯締めアレンジの巻  今回はポップなカラフルコーデをパーティアレンジしてみました。普通に結んだ時より、ずっと弾けて楽しそうになりましたよー。  アクセサリーをつけなくても、結び方を変えるだけでこんなに華やかに変身できちゃいますので、ちょっと物足りないな、というときぜひお試し下さい!

笑いってすごい!狂言のワークショップに参加☆の巻

星わにこ
2017/11/22 00:00
 11月15日、和gaku庵さん主催の狂言ワークショップ『古今あるある人間ものがたり「狂言」』に参加してきました。  今まで能を観に行って間狂言を見る、くらいの意識しかなかったのですが、今回は「狂言」について学べる、しかも夢の檜舞台に上がって実際に体験できるということでとても楽しみにして伺いました。  能は歴史上の人物や霊などの物語が多く、謡と舞で表現されオペラのようなもの。一方狂言は、名もなき庶民、一般市民の生活や生きている人たちを表現した喜劇。動物や鬼などの役以外は面を付けずに演じます。昔から変わらない、どこか憎めない滑稽な人物たちの様子が笑いを誘います。 「お客様にたくさん笑ってもらえると、演者のほうものっていくので、ぜひ狂言は構えずに、笑ってお楽しみ下さい」と、和泉流・六世 野村万之丞先生。万之丞先生はなんとまだ20歳。お話や説明もとてもお上手でわかりやすい上に爽やかなイケメンなんですよ! 袴姿も凛々しくて、本当に素敵でした。  そして実際に能舞台に白足袋を着用して上がらせていただき、簡単な所作や台詞を言ってみる、というのですが、まず構えて上半身を動かさずに歩くという基本の動作だけでも体がプルプル。次に先生の声量にびっくり! あたりまえですが、いざ自分も真似してみようと思っても全然声が出てません!  それでも二人一組で、主人と太郎冠者(たろうかじゃ)をやったり、お酒をついで飲む動作を扇を使ってやってみたり、のこぎりで垣根を切る動作をやってみたり。 写真:和gaku庵  泣いたり、笑ったり、おもいっきり大きな動作で大きな声を出す体験はとても楽しかったです。参加者の皆さんも、それぞれとても楽しんでいらして、笑顔がいっぱいの楽しいワークショップでした。  他にも貴重な面や装束も見せていただきました。狂言の装束の基本は縞熨斗目(しまのしめ=チェックの模様)の着附(きつけ)、肩衣(かたぎぬ)、半袴、腰帯で、それぞれの役に応じて色などは自由に組み合わせてよいのだそう。大正時代に作られたという装束も美しく華やかでうっとり。  洗ったりはしないものなので、汗取りの肌着の上に胴衣(どうぎ)という羽二重に綿をはさんだ汗取りをさらに着て、その上に装束をつけるそう。ウエストの補整をする場合もあるとか。補整とか汗取りとか、興味しんしんでいろいろ質問してしまいました(^^;)すみません。  七月の終わりには装束や面などを3日間かけて虫干しし、繕ったりして手入れをし、大切に受け継いでいくのだそうです。650年前の室町時代に生まれた演劇が、そのまま残り、今でも当時と同じように人々を笑わせ、幸せな気持ちにしてくれるというのは、受け継いできた方たちのたゆまぬ努力の賜物なのですね。今までとはまたちょっと別の気持ちで、狂言を鑑賞することができそうです。ありがとうございました!  和gaku庵では、日本の文化を学び楽しむ講座やお稽古がいろいろあります。日本の伝統文化を覗いてみると、着物に対する理解や面白さもぐっと深まる気がします。皆様も機会があったら、体験されてみてはいかがでしょうか? 和gaku庵 和泉流野村万蔵家 萬狂言

「はいからさんが通る」展へ袴でGO!の巻

星わにこ
2017/11/08 00:00
 芸術の秋!というわけで(?)ただいま弥生美術館で開催中の「はいからさんが通る」 展 ~大正乙女らいふ×大和和紀ワールド!~に行ってまいりました。 「はいからさんが通る」は70年代の少女漫画ですが、その後何度もアニメやドラマ、舞台や映画化されているので御存知の方も多いかと思います。  大正時代、「ハイカラさん」と呼ばれる袴姿の女学生たちは、時代の先端をいく存在でした。そんな女学生のひとり、紅緒はなかでも活動的ではねっかえり。そんな紅緒が恋をしたのが、婚約者の伊集院少尉。しかし、少尉は戦争で帰らぬ人となり‥‥波瀾万丈のストーリー、子どもの頃ドキドキで読んだものです。  大人になってすっかり忘れていましたが、袴とリボンが大好きなキモトモが「弥生美術館の『はいからさんが通る』展、袴をはいていくと100円引きになるらしいよ!コラムのネタになるんじゃない? 一緒に行かない?」と誘ってくれました。  二人で行ってもいいけれど、どうせなら皆を誘ってみよう!ということでキモトモたちに声をかけたところ、なんと7名の袴女子プラス洋装1名が集まりました!! はいからさん人気高し!!  せっかくなので、と根津の老舗『はん亭』のランチを予約。大正初期に建てられたというお店の建物はとても趣があって、はいからさん気分が盛り上がります!  串揚げのコースに舌鼓を打って、お腹も満足したところで坂を上って弥生美術館へ。アラフィフの袴集団はちょっと、いいえかなり注目を集めていたかも‥‥。しかし、赤信号みんなでわたれば怖くない(古)。恥ずかしいかなと思っていましたが、全然平気でした(笑) 長羽織を着ていると、意外と袴姿は目立たないです。まあロングスカートみたいなものですしね‥‥(違)。とにかく動きやすくて楽です。  そして、チケット売場で袴着用でご来館の方は「ハイカラさん割引」!ということで100円引き(他割引と併用不可)+大正乙女しおりをいたただきましたよ~!  入口には、紅緒さんと少尉の等身大(?)立て看板のある記念撮影コーナーが! 嬉々として写真を撮ってもらったのですが、あとで見てみて,少女漫画の登場人物と自分とのあまりの頭身差にびっくり(笑)少尉、足なっが~い!  前期・中期・後期で展示替えがあるそうなのですが、この撮影コーナー、男性が前期は少尉、中期は狼さん、後期は編集長に変わるそうです。編集長派のわたしとしては、もう一度来るしかない!?   肝心の展示は、狭い館内だしさくっと見終わるかな‥‥と思ったら、いやいや。見覚えのある懐かしのマンガ原稿、憧れたカラーピンナップ、あれもこれも、キャー!! キモトモたちも同じ気持ちだったのか、もう全員食い入るように見入っておりました。  はいからさんだけでなく、ヨコハマ物語やあさきゆめみしなどなどの原画、カラー原稿の美しさにもう、うっとり。大和和紀ワールドに浸っているうちに、あっという間に時間が過ぎてびっくり! また、実際の女学生スタイルの着物や袴、資料なども展示されていて見応えがありました。  最終回のあらすじを見て、あらためて編集長の不憫さに涙するツメ子、いえわにこ。番外編があってよかったねーなんてマニアな会話を交わせる喜び(笑)。はいからさん、も一度全部読み直したいな~。往年の少女マンガパワーに胸アツでした!  写真オッケーなキモトモと記念撮影させてもらいました! 皆様それぞれ素敵でしょ? わにこは髪の毛のカットを失敗し(涙)帽子姿です。袴楽しい!! 「はいからさんが通る」展は12月24日まで。もう前期は終わってしまいましたが、まだまだ開催されております。はいからさんファンは必見! ぜひ!袴で御覧になってくださいませ。気分もさらに盛り上がること間違いなしですですよ~。 >「はいからさんが通る」 展 ~大正乙女らいふ×大和和紀ワールド!~

腰にクッション☆着物で長時間椅子に座っても疲れないゾの巻

星わにこ
2017/10/25 00:00
 台風が次々とやってきて気持ちが休まりませんが、被害が出ないよう祈りつつ、雨でもがしがし着物ででかけているわにこです。  台風はともかく、雨の日も装備さえしっかりすれば着物で外出も怖くありません。なんともう4年も前(えええ)に書いた記事ですが、参考にしていただけたら幸いです。 >正絹着物でもできる雨の日対策  この装備に、さらに大雨とか、寒い時期には撥水加工のモンペをはくという技も加わりました。今、めちゃ気になっているのは、撥水加工の足袋カバーです。ビショビショの足袋を履き替えるより、撥水加工の足袋カバーをするほうがスマートですね。  さて、例によって雨の中、観劇の予定があり‥‥どうしようかと思ったのですが、せっかくなので頑張って着物で行きました! 結構本降りだったので、洗える着物に洗える羽織、アイロンをかけた雨コートに雨草履で完全装備。  シアタークリエで上演中の「土佐堀川」という作品で、NHKの朝ドラ「あさがきた」の原作です。高畑淳子さん主演で、テレビよりたぶんずっと事実に近いビジュアルで(笑)、広岡浅子氏の一生を舞台化。もの凄いバイタリティで、次から次へと起こる困難も乗り越え、嫁ぎ先の加賀屋の家業を炭坑経営などで建直し、日本初の女子大を設立、生命保険会社も軌道にのせ‥‥。  いやいや、人間負けとったらあかんでー!!という気持ちにさせられる、元気がでる舞台でした。  席につくと、劇場のスタッフさんが「お着物なので‥‥腰にクッションにお使いになりますか?」と膝掛けを渡してくださいました。お帰りの際は座席に置いたままで結構です、とのこと。私はこのサービスは初めてだったので、おお、こんなサービスがあるんだ、とありがたくお借りして試してみました。  まるめて腰にあたる部分にあててみると、椅子にもたれたとき、帯枕が邪魔をして猫背になりがちなのを腰で支えてくれるので、ラクちん!  本来は着物の時、帯が椅子の背にあたらないように座った方がいいのでしょうが、劇場でそれは嫌われます。なぜなら、背筋をのばして前のめりに観劇していると後ろのお客様が見づらいから。  帯枕をやわらかいタイプの空芯才にしてからもたれるのは嫌じゃなくなったのですが、乗り物ではシートリクライニングで少し倒すとこの猫背問題は解決されるものの、リクライニングのない椅子で3時間近い観劇時間‥‥やはりちょっと腰が疲れます。これは目からウロコの発見でした。同行の友人は、半巾帯でペタンコだからいらないわ、と断っていましたが、お太鼓の人にはとてもいいサービスだなあと思いました。  長時間椅子に座るようなとき、自分でも、ちょっと腰にあてるクッションや膝掛けを持参するといいのかも!  ちょっと嬉しいサービスで、新たな発見!でした。シアタークリエさん、ありがとうございました。

憧れの山葡萄のかごバッグ☆ナデナデして育成するゾの巻

星わにこ
2017/10/11 00:00
 皆様お元気ですか! 10月なのに真夏日とか、本当に体がついていかなくて見事に風邪をひきこんだわにこです。まだまだ単衣は仕舞い込めませんね。  さて、先日実家に帰省した折、山葡萄のかごバッグを見かけて一目ボレ。しかもとってもお得になってます。ずっと欲しかったアイテム、欲しい!と思ったものの‥‥  私が知ってる皆さんがお持ちの山葡萄のバッグに比べるとなんだか白ちゃけていて、ピンピンヒゲが飛び出していてこれどうなの!?  それはそれは素敵な飴色の山葡萄のバッグの持ち主に聞いてみると「最初はそうなのよ!」とのこと。お手入れは、タオルなどのやわらかい布で拭いて磨いてあげること、そしてひたすら手でなで回すこと!「こんな色になるのには何年もかかっているのよ~」。  山葡萄の蔓で編んで作る籠は、もともと山仕事の道具入れに使われていた丈夫なもの。10年20年と使い込んで、育てていくんだそうです。また壊れたりしても、修理して長く使えるそう。  もう私もいい年なんで、早くしないと使い込む機会も失ってしまうかも(笑)(いやあまり笑い事でなく) というわけで、えいっ!と購入してしまいました。ちょっと早い自分の誕生日プレゼントです。  持ち帰って早速、タオルでゴシゴシ。これでササくれていたヒゲが少し収まった? 手でなでまわして、というので、手のひらでナデナデ‥‥とするとあれっ!! ちょっと撫でただけなのに、なんだかツヤが。  嬉しくなってナデナデナデ‥‥‥。飛び出しているヒゲは決してひっぱって抜いてはいけないとのことで、ライターなどであぶって焼ききるといいとのこと。そ、そんな怖いこと! と思いましたが、試しにヒゲにライターの炎を当ててみると、見事に飛び出している部分だけチリッと焼けてなくなります。面白くて次々とヒゲをチリチリ焼いてしまいました。  そうするとかなり見た目もスッキリして、さっき買ってきた籠バッグと同じとは思えないくらい、ツヤっとしてスッキリ。あらこれはなんと手入れのしがいがあること!  あとはひたすらナデナデするのと、仕舞い込まないで風通しのいいところに置いておき、普段もばんばん使うとよいとのこと。(猫の爪とぎにされないよう気をつけなければ!)  和装バッグの代名詞のように思っていましたが、実は最初のころはささくれがあるので、着物を痛めてしまうかもしれないので、落ち着くまではジーンズなどの普段着のときにガンガン使うといいわよ、と言われました。  なんだか、結城紬の有名なエピソード、おろしたてはゴワゴワするので女中さんに着せた‥‥みたいなお話ですね(笑)。  ブラシと油で手入れする方法もありますが賛否両論あるようで、まずは先達の教え通り、手でナデナデして育成してみたいと思います。  今は和装だけじゃなく、ナチュラル系のファッションが好きな人にも「育てるバッグ」として人気があるそう。雑に使って古くなってダメになるんじゃなくて、丁寧に使い込んで味が出る、ってなんかいいですよね。自分もそんな人間になりたいなあ。  山葡萄のカゴバッグと一緒に成長していけたらいいなあと思う、人生折り返し地点でございました。

アイロンで雨コートのはっ水効果を復活させる!の巻

星わにこ
2017/10/04 00:00
 皆様雨コートのお手入れはどうされていますか? 私が持っているものはポリエステル製なのでたま~に汚れてきたなと思ったらザブザブと洗う程度。  はっ水加工について特に意識したことはなかったのですが、雨の日に出かけた時、キモトモの持ち運びのときにシワになってしまった雨コートを見たお店の方が、「はっ水加工は、熱を加えると復活するからアイロンをかけたりドライヤーをかけたりするとよい」と教えてくれたのです。  早速家に帰って自分も試してみると‥‥あらー。すぐに水がじんわりしみていたのに、アイロンをかけると、水をかけてもコロコロ…‥。ついていたシワもとれてパリっとキレイに。これはイイ!!!  それから思いついた時には洗ってアイロンをかけているのですが、先日また思い出してやってみました。やっぱり気持ちいい!!  ついでにヨレヨレになっていた折りたたみ傘もお風呂場でザーっと洗って、アイロンをかけたらなんだか新品のようになりました。これもおすすめです!!  熱を加えることで、はっ水加工に使われているフッ素が効果を取り戻すのだそうです。  アイロンをかけるときには、洗濯表示を見てアイロン可か確認してくださいね。温度や当て布など表示に従ってください。熱を加えればいいといっても、乾燥機はNG。  そして、アイロンをかけるに気をつけたいのは、汚れていると汚れも定着させてしまうので、汚れがないか確認すること。  それから、フッ素は油分も嫌いますので、ドライクリーニングはNG。手の脂もよくないそうなので、濡れたらタオルなどでやさしく水分をとりましょう。傘なども同じですが、使った後濡れたままにしておくとはっ水加工の効果が落ちてしまうので、ドライヤーでさっと乾かすだけで随分違うそうです。  はっ水スプレーをかけるのもよいですが、アイロンで復活させる方法もおすすめです。  たまにしか使わないものですが、お手入れしておくと気持ちよく使えるもの。衣替えの時期に、一度雨コートを見直してみませんか。

単衣の着物に「居敷当て」つける?つけない?の巻

星わにこ
2017/09/27 00:00
 気がつけば9月ももう終わり。秋晴れの日にそろそろ観念して浴衣や洗える夏物を洗ったり、お手入れに出したりして衣替えに備えています。自分で洗うときはもちろん、お手入れに出すときも、なるべくシミや汚れを事前にチェックしておくとよいですね。  そんなとき、時々あっ!と思うのがおしりのあたりの背縫いの「被せ(きせ)」(縫い目よりすこし余裕をもって布を折ってある部分)が開いて、縫い目が広がっているものがあること。  ピッタリ着付けて立ち座りが激しかったり、仕事や踊りなど動作が激しい場合はこの部分が広がってきやすく、酷いときは裂けてしまったりすることもあります。  ちょっとキケンかも!と思うような状態のものを発見したら、それを防いでくれるのが「居敷当て」です。居敷当ては、後ろ身頃の下半身部分だけにつける当て布。これがあることで補強になり、おしり部分の表地に力が直にかからなくなり、縫い目の開きを防いでくれます。  また、夏物や単衣では足が透けて見えたりするのを防ぐ効果も。また紬などの場合、足さばきもよくしてくます。  ウールなどの普段着の場合は、よく30センチ~40センチ四方くらいの共布でおしりの部分だけに居敷当てがつけてありますが、この場合は縫い目が表に出てしまうので、別布で後ろ身頃全体もしくは体の幅(共布=反物の幅)くらいにつけるものが多いです。  居敷当てをつけることのデメリットは、布が1枚増えるので暑い。別布でつけると洗濯の時に表地に収縮率が変わることがあり、お手入れに注意が必要。生地代、仕立て代がアップする、などがあります。あと、長襦袢を透けさせて楽しみたい着物などにはつけるとそこが透けなくなってしまいますのでNG。  でも、この居敷宛があると安心して着られるのですよねー。それに、透けが防げるので、暑い時期にうそつき襟にステテコ1枚で着られちゃうので結果暑くない! なにも知らないときは「料金が高くなる」という理由でケチってつけなかったのを、後悔しています。    基本仕立てる時につけるものですが、探せばお直しをしてくれるところもあるので、あとからつけてもらうこともできます。  これからもし、次のシーズンの単衣や夏物のことを考える時は、居敷当てのことをちょっと思い出してくださいね(^^)。着物の素材によってふさわしい居敷当ての種類も変わりますので、お仕立ての時に相談してみてください。  まだまだ日中暑いのでしばらく単衣は手放せそうにありませんが、朝晩は着物でおでかけによいかんじになってきました。秋の着物も楽しんでくださいね\(^O^)/

芸術の秋!GINZA SIXの観世能楽堂におでかけしたよ☆の巻

星わにこ
2017/09/13 00:00
今年4月にオープンしたGINZA SIX。その地下3階に能楽堂があるのを御存知ですか? 渋谷にあった観世能楽堂がそのまま移築され、スヌーピーコラボのグッズなどでも話題になっていましたね。  恥ずかしながら、流行ものに弱いわたくしGINZA SIX自体はじめて。こんなことでもないとなかなか行けない!と、雨予報でしたが、張り切って着物でおでかけしましたよ。  キモトモ(着物友達)に招待をいただいて大倉流祖先祭へ。豪華な出演者の皆様を間近で見られて眼福でした。途切れることなく一日中開催されていますが、昼間の数時間だけ番組を拝見してきました。  友人達のお陰で、お供して足を運ぶうち、なんとなくわかるようになってきた能の世界。本を読んだり映像を観たりするのとは違い、やはり生の舞台は格別です。予習をしていくと、ああ、お話のこの部分、というのがわかって楽しいですし、ただただ目の前に繰り広げられる夢幻の世界に酔うもよし。謡を聞きながら睡魔と闘ったり負けたり(負けるんかい)するのも醍醐味です。  伝統芸能の舞台は、衣裳的にも眼福。能衣装は言うまでもなく、黒紋付袴でずらりと並ぶ囃子方や地謡の皆様かっこいい! 皆様所作が伴っているので、本当に着姿が素敵なのですよね。友人の初舞台もあったのですが、その中に女性がキリリと色無地で紅一点というのも、本当にりりしく美しかったー。  男性の袴には馬乗り(ズボン型)、行灯(スカート型)がありますが、能楽では「仕舞袴」という馬乗り型の進化形の袴を着用される方が多いとのこと。動きやすい構造で、立ったり座ったりしてもシワなどができにくいのだとか。仕舞は行灯の方もいましたが、囃子方や地謡、後見の方はほとんど仕舞袴だったのかなー。地謡の右から2番目の人かっこいい!とか(鑑賞目的がずれている気も‥‥(^^;))。短い時間でしたが堪能して参りました。  自分もまた、伝統芸能仕様の着物でお洒落をして観に行くのも楽しみのひとつ。別に決まりがあるわけではありませんが、演目にあわせたり、季節をたのしんだり。私は、観能にいくときは色無地や江戸小紋などで行くようにしています。遊びは帯や帯留などで。でも、コダワリはさりげなーくもしくは自分だけしかわからない、みたいなのが理想です。歌舞伎ともまた違う楽しさ面白さ。きっと皆様にもいろいろなコダワリがおありなのではないでしょうか。  この日は蒸し暑かったのですが、秋を意識したコーデで。むじな菊の江戸小紋に萩の刺繍帯。マダム仕様(笑)の真珠の帯留と指輪。帯揚を濃い紫で締めてみました。雨だったので草履が色の濃いカレンブロッソだったのがちょいと自分的には残念でしたが、鏡板の松色ってことで。  あと、あまりの暑さに髪を切ってしまったのですが、やっぱり着物のときはアップヘアが気分が上がりますね~。また伸ばそうと改めて思いました。  その後ランチやお茶で、同行の友人と演目について話すのもまたこれ楽しい! イケメン探しをしているのは私だけではない(笑)というのもわかりました。それぞれのツボの話を聞いて、そんな見方もあるのかとか、いろんな情報交換をしているうちにあっと言う間に時間が経って。能や芝居見物は、昔は1日がかりの贅沢な娯楽。現実を離れて贅沢な時間を過ごすのは、リフレッシュになりますね。銀座という場所もまた、華やかな気分になりました。  日々の慌ただしさに紛れて、こんな時間を忘れていた私です。これからは暑さもやわらいで、着物を楽しめる季節がやってきますね。芸術の秋でもあります。着物で鑑賞するのにピッタリな伝統芸能、能楽に興味があったらチェックしているといろいろな催しもありますよ。  私が能の世界を最初に覗いたのは、「能への誘い」というイベントでした。今年は川崎で開催されます。  能ってよくわからない、という方もまずは入門編からえいっと覗いてみるのもよし、詳しい友人に連れて行ってもらうもよし。探してみると、意外と能っていろんなところで上演されています。アンテナにひっかかったらぜひチェックしてみてくださいね! 観世能楽堂入口にて。松羽目物気取りで(笑)