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みんなで着れば怖くない!? 新年会で大人振袖満喫の巻

星わにこ
2016/02/03 00:00
 今日は節分。皆様豆まきの準備はOKですか? 結構前から年の数だけお豆を食べるのを放棄しているわにこです。このごろは、豆まきよりも恵方巻がメインを張っている印象のある節分ですが、鬼は外、福は内で難を払って、立春を迎えたいですね。  さて、先月の話に溯って恐縮ですが、わたくしこのお正月は新年会出席など、普段よりちょっとおめかしして、晴れ着三昧で楽しみました。うち、振袖は2回。振袖!? と思ったあなた、そうです、わたくしオバサンでございますが、振袖、着てますよ~!  以前よりしつこく「大人振袖」を提唱し、実践してきたわにこ。大人振袖の条件としては、下記のような大枠をもって着ております。 ・パーティ、新年会など、洒落のわかる皆様との会合にて、会場内のみ振袖姿を披露 ・小物などの色遣いはシック&ゴージャスに。訪問着感覚で帯は低い位置でお太鼓にすると大人振袖感アップ。 ・髪やメイクは気合いを入れまくって盛り盛りにしないと振袖に負けるので、そこは頑張る。  てな感じでしょうか。20歳の振袖とはまた違った楽しみ方をしたいものです。  今回は洋館での新年会と、老舗の料亭での新年会の2回、振袖を楽しみました。本当はもう一回、川越きもの散歩さんの新年会にも行きたかったのですが所用で断念(><) >以前川越きもの散歩さんの新年会に参加したレポートはこちら  今回も、大雪の予報とあたっていた日もあったのですがめげずに振袖でGO! どちらも更衣室はないので自宅から振袖で(爆)  でも、私には別名礼装隠しというフルレングスのコートという強い味方が。お袖の部分に振袖の袖をつっこむと「袖に西瓜を隠し持っている!?」というようなポッコリシルエットになってしまいます。そこで、お袖は体に沿わせてコートの中に収納(?)します。コートの袖には腕だけがあるわけです。  シワにならないか最初はちょっとドキドキでしたが、大きな問題はありませんでした。ちょっと体が太って見えますが(笑)成人式のとき雨コートを着る必要がでた時なんかも普通の雨コートで対応できる、使える技かもですよ!  どちらの新年会も、主催、幹事さんが自ら振袖! それで「ぜひ振袖でいらしてください」と言われた日には、これは着て行かないわけにはいかないでしょう。  会場にはたくさんの振袖姿の大人の女性が! お仲間~( ・∀・)人(・∀・ )と、きゃっきゃ一緒にお写真を撮っていただいたり。素敵な会場で、ちょっと気取って写真を撮ってもらったり。  ここで重要なのは、「恥ずかしいと思う気持ちを振り切る」ことです。以前のコラムを見返してみると、まだまだ躊躇や照れが感じられますね~。しかしいまはもう、中振袖くらいだとドキドキも少なく「ほんの普段着で」くらいの気分で着ている自分がオソロシイです。写真ににも、恥ずかしいという気持ちがうつっていませんw ちょっとイケない領域に足を踏み入れているのかもしれませんっっ!!  うわ、なにこのどやさー!という顔‥‥‥orz いまさらながら恥ずかしいかもっ、うひー(////)  でも、いいんです。楽しいから!!(ええ) 目指せ宇野千代、黒柳徹子。ミセスだって母だってかまや~しないじゃありませんか。振袖を着ると、本当に気持ちがあがるんですよ! 若い子だけが着るんじゃもったいな~い(笑)  ドレスアップの1つの選択肢として、大人の振袖、楽しみませんか?

たかはし女将直伝☆結ばない帯揚でキレイな結び目を作る方法の巻

星わにこ
2016/01/27 00:00
 何十年に一度レベルの大寒波、皆様ご無事ですかー。寒いの本当に苦手なので半泣きのわにこです。まあ、夏は暑いの本当に苦手って言ってるので、ないものねだりっぽいわけですが‥‥早く春が来て欲しい!  さて、今日は帯揚のキレイな結び目の作り方をご紹介します。以前こちらでサイドのキレイな整え方のコツを紹介しましたが、本日は前の結び目がどうしてもグシャっとなっちゃう‥‥というお悩み解決です!  いつも帯揚がめちゃめちゃキレイに整っているたかはしきもの工房の女将さんに「どうやったらそんなにキレイになるんですか?」としつこく聞いて(笑)、教わってきました~!  まずは帯揚のサイド部分のキレイな整え方のおさらいから。 >帯揚のサイドのキレイな整え方  サイドをキレイに整えるコツは、帯枕にかけた帯揚を左右にキュキュっとひっぱって、布目をまっすぐに整えること。  3つにたたんでさらに二つ折りにしたら、畳んだ状態でなるべく帯の端のまで指でしごいて、ここでも布目を整えること。  ここでテンションをゆるめず、キュッと前に引っ張っておくことが、キレイに整えるために大切なポイントです。  ここから結び目の作り方に入ります!  こうして綺麗に整った帯揚を、着物と同じ打ち合わせにあわせて、ひとからげします。キュッとひっぱったら、からげた部分をタテにします。  上と下を合わせて、前にひっぱり、クルクルとまるめます。  帯の中に、整えた結び目の部分がグシャっとならないよう気をつけながら余りの部分を押し込んでいきます。  このとき、帯枕の紐が帯の上のほうにあるとジャマで入れられないので帯枕の結び目や紐はなるべく帯の下のほうに押し込んでおくことも大事です。  結ばないので、からげるまではキュッとテンションをかけて緩まないようにして下さい。  これでキレイな結び目の出来上がり~。結び目といいつつ結んでないですが、ほどけてくることはありません。  たかはしきもの工房のべっぴん帯板を使うと芯棒がうまく押し込んだ帯揚の余りのストッパーになってくれてすごく上手く行きますよ。この帯板の芯棒が、帯を綺麗に前下がりにしてくれるだけじゃなくて、帯枕の紐があがってこないストッパーになって帯揚をのせるスペースを空けてくれるし、みぞおちが帯や帯枕の紐で圧迫されないのでとてもラクです。 >「ぺっぴん帯板」はコチラから  帯揚の端が余り過ぎるようなら、3つに畳む前にワキへ折り返しておくと帯揚の見えている部分もふっくらしてGOOD\(^O^)/ 帯揚の長さや素材によって、ご自分で調整してみてください。  ピッと一直線に帯揚が整いますよ! 結び目(に見える部分)を少し押し込んでも大人っぽいシルエットになります。ぜひお試しあれ♪

江戸小紋風大小あられで妄想の雪コーデ!の巻

星わにこ
2016/01/20 00:00
 今年は暖冬で楽勝‥‥なんてたかをくくっていたら、今週は全国的に大雪。東京も雪が降って「やっぱりこの時期が冬本番なんだ‥‥といまさらながら暖かい着物コートがない(><)なんて焦ってみたりしているわにこです。  もう終わってしまいましたが、先週、銀座まで故・池田重子先生の「追悼・日本のおしゃれ展最終章」を観に行ってきました。1993年の第1回からずっと拝見していた日本のおしゃれ展、この第9回で最終章かと思うと淋しいのと同時に、図録を読んでもうこれを最終章とすると決めて、先生がご自分で図録も校正までされていたのだと知り、こういう幕引きをされた凄さにうちのめされました。  素晴らしい染め、刺繍の華やかな花嫁衣装や振袖から、まさに江戸の粋といえるモノトーンのキリっとしたコーデまで一貫した美意識が感じられて、心が震えるようでした。細部まで作り込まれた帯留のコレクションも凄いの一言。  お腰が展示されていた回もあったな~とか、刺繍半衿が凄かったときや、会場の片隅に「冬のソナタ」というタイトルのキラキラの冬コーデがあった回もありました。それは図録には載っていませんでしたが、先生がヨン様お好きだったのかな~と乙女な一面を想像して微笑ましく思ったり。  また「美しいキモノ」でのお仕事の展示もあったのですが、いしだあゆみさんが雪の中、逃避行しているようなドラマチックなグラビアのページが。私の第一次きもの熱に罹っている時に見て、「うおー!すげー!なんか着物ってすげー!!」と興奮(興奮すんな)した記憶が甦りました。  ただただ憧れのコレクション‥‥。またどこかで拝見する機会があったらいいなあと思いながら会場を後にしました。  さてさて、その冬のソナタや美しいキモノではありませんが、今回は雪のコーデを妄想してみました。 http://bit.ly/1NjjNiR  わたしは縞のようないわゆる江戸前の粋なスタイルは全然似合わないのですが、こんなコーデなら大丈夫かな? 大小あられの小紋に、絞りの名古屋帯は鹿の子の部分が雪のよう。ちょっと渋めの帯揚帯締めで、大きめの渋い帯留をつけてみたい。半衿は雪輪の刺繍。  降りしきる雪の中を、ショールだけをひっかけて走る。浅い足袋からのぞく細い足首がほんのり赤く染まって‥‥(いしだあゆみのイメージで)もう、自分にはないものばかりっっ! シチュエーションとの合わせ技これぞ妄想!!妄想の醍醐味!!!(鼻息)  渋さの中にも淡い紫がほんのり女らしい。今年はそんな、オトナな着姿も目指してみたいです!   そういいつつ、ど~んと晴れ着で出かけて、おしゃれ展会場近くの「美しいキモノ」表紙垂れ幕の前で図々しいポーズで写真を撮ってもらったワタシでした。キタコレ。  色んな意味で、江戸の粋とはかけ離れすぎてスミマセン‥‥。でも、楽しいからいっか! そのうちなんとかなるだろう(ならないと思います……)。  自分にはないものも妄想しまくってしまえるのも試着室のよいところ。最近「みんなのコーディネート道場」もできて、他の方のコーディネートやこだわりが見られるのも楽しいです。早速わたしも投稿してみましたっ。 http://ichiri-mall.jp/ap/contest.html?md=ct10&contestId=5678&spc=ICR  新年の妄想はじめ、失礼いたしました。今年も試着室でコーディネート妄想タイム、おつきあいよろしくお願いしま~す!

まだまだお正月だもん☆思いっきり華やか着物!の巻

星わにこ
2016/01/13 00:00
 成人式までの青空が嘘のように、急に冬将軍がやってきたかのような東京です。三連休は成人式、青空の下で振袖姿をたくさん見ることができました。羽織袴姿もちらほら。スーツもいいですが、やっぱり振袖は華やか~! 見ているだけでワクワク。成人を迎えられた皆さん、ご家族の皆様本当におめでとうございます。  わにこも、友人のお嬢さんたちのコーディネート相談にのって、色無地振袖や伊達衿の襲色目を提案させてもらったり、わにコレ振袖で当日のお支度させていただいたり、とてもとても想い出深い成人の日となりました。もう、本当に自分の子どものように可愛らしいお嬢さんたち……でも、大人になって羽ばたいていくのだなあ~と感無量の1日でした。  さてさてそんなこんなで1月も半ばにさしかかってきましたが、まだまだお正月気分は終わっておりません。この時期はどんなに華やかな着物を着ていても、新春ということでお目こぼしをいただけそうな気がいたします。  新年会、初釜、新春公演観劇などなど、エトセトラ、エトセトラ。ここぞとばかりに晴れやかな気分を味わっている方も多いのでは。  私もお稽古始めや添釜など、あちこちに普段は着ないやわらかものの華やかコーデで出かけてみたりしております。振袖、留袖、訪問着、付け下げ、色無地、小紋‥‥いわゆる「やわらかもの」「たれもの」と言われる、羽二重、縮緬、綸子などの染めの着物は、本当に着心地がやわらかで「垂れる」という言葉が体感できますね。体に感じる適度な重み。絹を纏う、絹に包まれるヨロコビが一番実感できる着物ではないでしょうか。  左は梅の小紋に梅に初音の鼓の帯、右は絞りの訪問着に綴れの鏡裏の袋帯です。普段はちょっとなあ、と思うような華やかさもお正月なら平気~! 絞りの訪問着はいただいたもので「私にはちょっと派手かも‥‥」と思っていたのですが、着たら結構いけるじゃない? なんて思ったり(わはは)。  今週は、故池田重子さんの「日本のおしゃれ展」にも出かける予定です。1993年の初回の展示で、着物というものの圧倒的な美に腰が抜けそうになったことは今でも忘れません。はからずも追悼展になってしまった今回、じっくりとその美意識を感じてきたいと思います。  さらに今年は振袖OKの新年会に2つも出席予定です(えええ)。もちろん外は振袖では歩きませんが(笑)パーティドレスとして大人振袖を楽しもう!と目論んでおります。  いつものキモトモさんたちと和食で。それからお招きいただいて、洋館でのパーティで。着物の世界を知ったことで、新しい世界が広がりました。なんだか、思えば遠くへきたもんだ!!  考えてみると、ずっと女性らしい格好が苦手で、化粧っ気もなくお洒落なんか‥‥って思っていた自分が、着物マジックにすっかり味をしめ(笑)、メイクもちゃんとするようになり(あくまで当社比w)、褒めていただいても笑顔でありがとうございます~なんて言えるようになったのがオドロキです。  洋服を着ていたら、綺麗ですねなんて褒めてもらえることはまずない私ですが、着物を着ただけで褒めていただけるのですから、着物の力ってスゴイ!!  さらに、晴れ着ともなればテンションも更にアップです。なかなか訪問着など着る機会もないわと言わないで、お正月にこそばんばん着てみてはいかがでしょうか。別に用事がなくっても、例えばデパートを歩くだけでも、ホテルのロビーにいくだけでもいいんです。パ~っと気持ちが華やぎますよ。  ちなみに、松屋銀座で開催中の「日本のおしゃれ展」では、雑誌「美しいキモノ」の表紙看板があって、その前に立って写真を撮るとあら!「美しいキモノ」の表紙が飾れちゃう!という「表紙なりきりパネル」があるようですよ。女優気分で思いっきりお洒落していくのも楽しそう!  いろいろつまんないことがあってもしんどいことがあっても、女たるもの、お化粧をして着飾ることが気持ちを救ってくれることもあるんだなと、やっと気がついた女子歴40ン年目。私の場合のお洒落アイテムは着物です。  今年は「いやいやもうもう全然私なんて‥‥」と言わず、美しい着物姿を目指して精進したい! 着物の魅力をどんどんお伝えしたい! そんな風に思っております。  まだ1月のうちに、箪笥に仕舞ってある晴れ着を取り出して、目一杯お洒落してでかけてみませんか?

七福神コーデで福を呼ぶ!お正月着物でお目出度尽くし☆の巻

星わにこ
2016/01/06 00:00
 明けましておめでとうございます。星わにこでございます。いつも拙いコラムにお目通しいただきまして、ありがとうございます。相変わらずのこのコラムも、なんと足掛け4年目に突入(自分で書いてびっくり(@@)です)。これも読んでくださる皆様のおかげです。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。  それから今年から苗字を「星」と漢字で書くことにしました。よく「ほしわ・にこ」さんですか?と言われ苗字と名前の区切りを認識しづらいのかなあと申し訳なく思っていたりしたので、少しでもわかりやすくと。あと、保志や干しではないということで‥‥まあ、大体わにことか言ってる時点でどうよというツッコミはさておき(笑)改めましてどうぞよろしくお願いします!  さてそんなこんなの正月三日。年越しは久々に実家にいきましたので、三日が私の着物始めでした。新年ですので、気持ちも新たにいただきものの新しい衣裳敷を使い初め。  七福神の江戸小紋に、一富士二鷹三茄子の袋帯。帯留は有職文様です。友人のアート展へのおでかけでしたが、先生へのご挨拶もあり、一つ紋の入った黒羽織をあわせて少し改まった感じにしてみました。  江戸小紋は、一見無地に見えるほど近くに寄ってじっと見ないとわからない細かい柄で染められているのが特徴です。江戸時代の武士の裃が発祥で、それぞれの藩で定め柄がありました。小紋でありながら、三役と呼ばれる「鮫」「通し」「行儀」などは今でも紋をつければフォーマルとして着用できます。  一方、町人たちが楽しんだ「いわれ柄」は、実に自由闊達。美しいデザインもありますし、洒落が効いているものもたくさんあり、模様の由来や意味がわかると、感心するもの、笑みがこぼれるものも。  私が選んだのは「七福神」と漢字で細かく表した模様。ドットで表されているのでパっと見は読めませんが、よく見るとわかります。「七福神って書いてあるんですよ」と言うと、大概の方にウケてもらえます(笑)。いかがでしょう? 読めますか? 遠くから見たり目をほそめたり(笑)衿だけが比翼になっていて、色違いで同じ模様になっていてそれも気に入っています。  こういった文字デザイン、「家内安全」「七転八起」「開運縁起」「無病息災」など、結構あります。中には「合格」なんて文字の江戸小紋も。受験生の母だったら縁起をかついで思わず着たくなっちゃうかも(笑)。  同じ「七福神」でも、弁天様の琵琶、大黒様の打ち出の小槌、恵比寿様の鯛などの持ち物を描いてあるものも。無病息災なら瓢箪が6つ、良き事聞く、で「斧琴菊」、大根とおろし金の模様で厄落とし‥‥など縁起柄のものは、身につけているとなんだかお守りのようで、大好きです。  帯は一富士二鷹三茄子。お太鼓部分には富士、前帯に二枚の鷹の羽と茄子が3つの模様が織り出されています。螺鈿が少し入っていてキラッと光って綺麗! 随分前に購入したんですがなかなか締める機会がなく、初夢にかけてちょうどよい機会と、初おろし!   装束勉強会の皆様とご一緒でしたので、先生作の有職文様の帯留も。浮線綾と八藤丸の比翼文なので、帯の前柄の鷹と茄子と、藤に富士をかけて、前柄だけでも一富士二鷹三茄子になりますね、なんてお話もしたり。帯揚は瑞雲。お目出度いもの尽くしはお正月のお楽しみですねっ。  もうひとつ、昨年ヒトメボレしてしまった白い台に白い鼻緒で前坪だけが紅い、丹頂鶴のような美しい草履も初おろし。気持ちがあがります~! 一つ紋の黒羽織は母のものの仕立て直し。ウロコの地紋に達磨さんの肩すべりがついていてこれも縁起を担いでいます。  アート展の会場の伊勢丹では、ちょうど七福神のキャンペーン中で、七福神にちなんだアミューズメントがたくさん。宝船に乗って写真が撮れるコーナーがあったので、記念にパチリ。ちょうどカラーコーデもピッタリで、なんだか嬉しかったです! ちなみに私の今年の初夢は、船で遠くにいく夢だったんですよ~。いろいろ繋がって、面白~い! このコーナーは12日まであるようですよ。宝船に乗りたい人はどうぞ!   そんなちょっと改まってのおでかけ着物コーデは、自己満足だけど本当に楽しく、「お着物素敵ですね~」なんて声をかけていただいたり、とっても気分晴れ晴れ。お正月は、華やかな場所へのおでかけも増えます。お目出度いものは目出度い、愛でたい、そしてもうひとつ賞でたいもの。今年は素敵な人がいたら、素直に素敵ですね、って声をかけられるようになりたいなとも思ったり。そんな新年のおキモノはじめでした。  皆様はどんなおキモノはじめだったのでしょうか。よかったら教えて下さいね。まだの方も、お正月ならではの、めでたいコーデをぜひ。和服で福を呼んじゃいましょう~!

クリパに忘年会初詣新年会☆冬のおキモノ防寒対策はこれでキマリ!の巻

星わにこ
2015/12/23 00:00
 クリスマスパーティに忘年会‥‥この時期、おキモノでお洒落しておでかけの機会も多いのではないでしょうか。さらに、初詣に新年会‥‥と年末年始は着物で行きたいところが目白押しです。  ここでやっぱり気になるのが「防寒」です。もちろんですね、運転手さんつきの車で会場に行き、帰りもお迎えがという場合は無問題ですが、行きも帰りも電車ですっ!なワタクシの防寒対策をご紹介いたします~。  外は寒いからといって、着物の下に長袖のシャツやタイツなどをしっかりと着込んでしまうと、電車内や屋内でしっかり効いている暖房に参ってしまうことも。じわじわと暑くなってきて‥‥でも脱げない!と、のぼせそうになったこともあります。  かといって、室内で快適な装備では、外の寒さにやられてしまいます。特に初詣のように長時間外にいる場合はがっちり防寒が必要。  じゃあ一体どうすればいいの? というと、「着脱可能な防寒装備を整える」ということです。平たく言うと、簡単に取り外しのきくもので防寒をして、暑くなってきたら取り外せばよいということです。  着物の場合は、布が体全体を覆っていますし、特にお腹周りは帯でホカホカ。寒さに応じた上着(コートや羽織など)を羽織ったら、あとは、三首と呼ばれる「首、手首、足首」を温めればOK。  首は、ショールやマフラー、スヌードなどで。首を冷すと風邪もひきやすいですから、衣紋が抜けている部分をふわりとくるんであげるとGOOD。  手首は、手袋はもちろんですが、着物は意外と肘が冷えますので、アームカバーが必須。私はロング手袋より、普通の手袋プラスアームカバー派です。アームカバーは、薄いタイプが、たくしあげて隠すこともできるので便利です。  足首は、肌色に近い足袋下ソックスがおすすめです。脛とふくらはぎがあたたかいと、それだけでかなり体感温度が上がる気がします。  足の部分はスパッツもいいのですが、トイレのときなど、ちょっともたついて面倒に感じるときがあるので、このごろは年中楊柳のステテコを履いています。冬は防寒にもなるし、ちょっと汗をかいてしまったら汗とりにもなるスグレモノ。  また、冷える足底部分には、フリース足袋やべっちん足袋などのアイテムも。草履につま先カバーをかぶせたり、防寒草履も足先を暖かくしてくれます。あんまり寒い時や雪のときには、外ではブーツもあり!  そして最終兵器「使い捨てカイロ」。小さいものをハンカチなどにくるんで帯のタレの上あたりにつっこんでおくと、これが腰をいい具合に温めてくれます。暑くなったら、ここだと取り外しも可能。バッグの中にいれておいて、また帰りに装着もできます。  アップヘアにして激寒のときは、ヘアスタイルを損ねないイヤーマフをすることもあります。もうなんでもありです(^^)  毎年同じことを言っている気もしますが(汗)、素材や組み合わせなど、いろいろ試して、これでも自分なりに毎年進化しているんですよ~。皆様も新しいものにはピキーン!とアンテナを張って、試してみて、自分にあったものを取り入れてくださいね!  気温や体感温度と相談して、冷えない、そして屋内では取り外せる防寒グッズで、冬の着物のおでかけを楽しんじゃいましょう!

京都きもの旅2☆きものパスポートを持って紅葉狩りの巻

星わにこ
2015/12/09 00:00
 先週のお話です。急に冷え込んで、少し遅い紅葉が美しく色づいた京都に行ってきました! 今年は、比較的暖かい秋のためか紅葉が遅れたようで、例年見頃は11月下旬と言われていますが、12月の頭に見頃になった場所も多かったようです。  最初日程を決めた時にはもう終わっているだろうなと思っていた紅葉が見頃とあって、お仕事と絡めながらではありますが、空き時間に秋の紅葉狩り観光をしました。なにしろ人生で3度目の京都のわたくし。見るもの聞くもの食べるもの、ぜ~んぶ感動の超観光客!  そして今回もまた、ずっと着物での移動だったので、スマホのアプリで「京都きものパスポート」を入手していきました。キモトモは駅で冊子をゲット。駅などでの冊子配布のほか、HPのプリントアウトでもOK。冊子は地方発送もしてくれます。(寺院・神社ではスマホアプリ画面の提示では利用できません。HPのプリントアウトか冊子をお持ち下さい)  きものパスポートとは、着物を着て提示すると約450のお店や施設で特典が受けらるお得なもの。京都で着物を着ている人を増やそうという取り組みで、今年で15年目を迎えます。 http://kimono-passport.jp/  レンタル着物も普及しているようで、あちこちでお嬢さんたちが着物に半幅で、髪に花飾りをして歩いていました。余計なお世話だけど、帯付きはもう寒そう? 寒いのはおばちゃんだけ? とか思いながら(笑)、楽しそうな笑顔に、これをきっかけに着物好きになってくれるといいな~と思うのでした。  着崩れたら、「きくずれレスキュー」という着崩れを直してくれるお店もいっぱい。これは初心者でも思い切って着てみよう!という気持ちになれるかもしれませんね。まずは着てみることからですから!  初日は、いち利モールさんにご挨拶にいき、その後ずっと行ってみたかった清明神社にお参り。こちらでは修学旅行生ときものパスポートを持っている人に「百千寶」という金運上昇のお札を授けてくださいます。私もゲット\(^O^)/ 金運上昇祈願\(^O^)/ 切実!(笑) 桃を撫でて、厄を落として、追悼かねて、水木しげる先生の「安倍晴明公物語」をゲットしました。  またその近くの白峰神宮にも。蹴鞠の守護神が祀られており、サッカーはじめ球技、スポーツ全般の上達祈願の修学旅行生でにぎわっていました。全日本はじめ有名なサッカー選手のボールがたくさん奉納されていましたが、残念ながら門外漢で「凄そう」としかわからず。好きな方が見たらめっちゃ盛り上がりそうです! 私も、子どもが空手で頑張っているので、上達とご加護をお祈りして「闘魂守」をいただいてきました。  次の日はお昼に南禅寺で湯豆腐を食べに「順正」さんへ。ここでもなんとお料理のコース10%オフ。ビバ!きものパスポートですね。綺麗なお庭を眺めながら、初★京都湯豆腐です。  その後友達が穴場だと教えてくれた、くろ谷に移動。新撰組結成もされた金戒光明寺で、にわか歴女気分になってみたり(笑)。池のほとりで紅葉を眺めながら、石碑のご詠歌「池の水ひとの心に似たりけり 濁り澄むこと定めなければ」が心に染みます‥‥。最近ブーム(?)のアフロ石仏さんも見物。  次に紅葉の名所、永観堂に向かって歩く道中で、「ふさひも工房 なかお宗」という房好きには見逃せないお店に立寄りました。小さな店内には、伝統の組紐(くみひも)の技術を活かしたお土産が。大きな房も展示されていて目の保養(><) 最高級の絹糸で作られるという房は、さらさらとやわらかくなんともいえない触り心地でした。ずっと欲しかった濃いグリーンの帯締めがあったので、購入しちゃいました。  紅葉のライトアップを目指して永観堂にたどり着いてみると、昨日でライトアップは終わりました、とのお言葉。え~! 紅葉は綺麗に色づいているのに‥‥刻々と日が暮れて行く中、まだ知恩院ではライトアップをしていると聞き、タクシーで移動。すごく並んで待って入るのよ! と言われていたライトアップですが、季節外れのためかすぐに入場できました。しかもここでも拝観料が10%オフです。すごいな、きものパスポート。  昼の陽の光に揺れる紅葉とはまた違い、ライトに照らされて夜空に煌めく紅葉はまた一興! 順路を歩くとなんだかテーマパーク気分でウキウキに。季節も終わりのためか、人も少なくゆっくり見て回れました。  途中でお茶席があり、お庭を眺めながら一服。主菓子もまた紅葉の練切でうっとり。朱と闇のコントラスト、水面や石段に落ちた紅葉もまた本当に美しゅうございました~。  ライトアップ満喫後は、祇園に移動しておばんざいで夕食。京都南座の顔見世公演を見ていた友達と合流して、お宿に戻りました。そうそう、南座もきもので観劇すると特製手ぬぐいがもらえて更に番付も10%オフになるそうですよ。着物で京都、お得すぎます!  次の日は、早朝お宿の近くの京都のお伊勢さん、日向大神宮に参拝にいきました。ここもまた紅葉が美しくて……。天岩戸をくぐって厄払い。朝の冷えた空気の中、清々しい気持ちになって、大阪でのお仕事に向かいました~!  紅葉も楽しみ、関西のお友達にも会え、神社仏閣もお参りできて、本当に心洗われるよい旅になりました。  今回の私のきものスポート体験はこれくらいですが、紹介しきれないくらいたくさんの特典があります。有名な神社仏閣、美術館などをはじめ、着物関係のお店、飲食やカフェ、宿泊、体験エトセトラ。10%オフになるタクシーも。  今回はかなり行き当たりばったり(汗)でも結構特典を受けられましたが、事前にシュミレーションして行けば、もっともっと楽しめると思います。私は時間があったら体験系にチャレンジしてみたかった! ほとんどがかなり早めに予約を入れなくてはいけないので、調べてみてくださいね。房とか房とか房とか、作ってみたいなあ~(そればっかり)。  京都に行くなら、ぜひ着物で。そして「京都きものパスポート」をお忘れなく! です。

大島紬の里帰り。奄美大島へのの(布)旅してきました☆の巻

星わにこ
2015/12/02 00:00
 気がつけば師走。すっかり冬模様、町はクリスマスの準備に入ってきましたね。今年の5月に妄想1泊着物旅行のコラムhttp://ichirimall.ldblog.jp/archives/44284867.htmlを書いたのですが、この時点でなんと着物での旅行をしたことがなかったわにこ。  それが、コラムを書いてから大阪・京都3泊、気仙沼2泊、ついには奄美大島まで行ってしまいました。今週は明日からまた京都・大阪2泊です。お仕事でとはいえ、まさかこんなにすごい勢いで夢が叶うとは思いませんでした。妄想でもなんでも、口に出してみるものですねっ!  先月行った奄美大島では、まさに「軽くてシワになりにくく、水にも強い」とイラストに描いた大島紬で旅してきました。  大島紬はご存知の通り、鹿児島県の特産品。特に奄美大島で生産されているものを本場奄美大島紬と言います。先染めの糸を手織りで絣あわせをして精緻な模様を織り出す伝統工芸品です。  奄美大島観光大使の山中順子さんにご案内いただいて、「のの旅」としてその本場大島紬が生まれる工程を見学してきました。のの、とは大島紬のこと。機織りは「ののうり」、大島紬に関する仕事全般も「ののする」というように、言われるそうです。 「夢おりの郷」さんでは、図案の作成から糸くり、締機(しめばた)、テーチギ(車輪梅)染めから泥田での泥染め、機織りなどの工程を一通り見学しながら説明していただきました。  図案は設計図。数学的でとにかく細かい!! 繰り返し織って成立するように点対称、線対称に設計されています。泥染めは、何度も何度も、濃い濃い黒になるまで染めていきます。何事にも、中途半端さが感じられません。そしてずっと本などで読んで「締機をして色を染めてまたほどいて織る」というのが「???」だったのが、実物を見てやっと理解できた気がします。  大島紬は分業制。締機は力がいるので男性の仕事。細かい機織りは女性の仕事とされてきました。機織りは、4、5センチ織っては、機をゆるめて縦絣を針などを使って丁寧に整え、図案が綺麗に織り出されるように合わせていきます。こうするとまるでピントが合うように、模様がシャープになっていくのが凄い。とても時間がかかり、気が遠くなるような作業です。織り上がった部分にはてぬぐいをかけ、汚れないようにしながらさらに織りすすめます。これを一反約12メートル(気絶)。  工房には男性の織り子さんもいて、インクジェットで染めたという美しい虹色の糸を織っていました。新しい表現も、どんどん生まれているのですね。  また集落で、昔ながらに織られている工場にもお邪魔したのですが、屋内で昔ながらの機で緻密に織られている紬と、開け放たれた窓の外に見える南国のバナナ畑がなんともいえないコントラストでした。  織り賃も安いしね、ボケ防止よ、と笑って機を織る年配の女性に「あなたにとって『のの』って何ですか」と聞くと、生活ね、という答え。女性たちの生活の糧となってきた「機織り」。島の暮らしとは切っても切れないものがあるのでしょう。  また、「興紬工房」さんでは、大島紬の振袖も羽織らせていただいたり。夢のように軽くて、桜の羽衣のようでした。目からウロコ(@@)の魅力発見! ひとことで大島紬と言っても、伝統柄から、泥、藍、白、色‥‥‥様々な染めと技法で織り出されている芸術品のようなものまであり、その魅力はとても奥深く。  分業制の中、職人さんや織り子さんたちが競い合って完成度をあげてきたという、のの(大島紬)にかかわる人たちの気の遠くなるような緻密な作業と根気強さ、そして情熱を強く感じました。  前田紬工芸さんでは、ちょうど時期が11月の頭だったので、大島紬の羽織袴で七五三のお参りにいってきたというお子さんにも会いました。白大島の羽織が、きりっと白く光沢があり、とてもかっこよかったです。  大島紬を着ていると、島の皆さんに「大島紬ですね!」と笑顔で迎えていただけました。お話を伺うと、大島紬は島では正装。成人式も、結婚式も、お茶会も大島紬で出席されるそうです。お写真を見せていただきましたが、全員大島紬のお茶席には、きりっとした美しさが。島の皆さんの大島紬への誇りが伝わってきました。  大島紬というといままでは「高価」「贅沢」「でもカジュアル」というような印象を強く持っていたのですが、今回の旅で様々な形で大島紬に関わっていらっしゃる皆さんのお話を伺うことができ、今までとはまた違った気持ちで大島紬とおつきあいができそうです。  また、すぐには新しく買うことはできなくても、持っている大島紬に改めて愛着を感じることができました。本当に軽くて、旅の間全くストレスなし!  仕舞い込まずにどんどん着なくちゃもったいないなと実感。  のの旅一行も、今回もちろん大島紬!  山中さんの着物は二部式のオリジナルブランドののものがたりの「奄美式部」で、龍郷という伝統的な模様の大島紬と現代の黒い無地の大島紬を切り替えで仕立ててある、伝統の柄をモダンに甦らせたもの。着るのも簡単で、こういう着方だったら「着付は難しいから」と敬遠する人も着られそう。  私の着ていった色大島紬は、バイト先の社長さんのお母様のものを譲っていただいたもの。ヒトモト式という、織り模様が十字になっているものです。唐獅子の模様が入っていてその部分は総絣(タテヨコの糸が両方絣糸(先染めの糸)で織られている)になっていて、5マルキ。マルキとは縦糸に対して絣糸の本数がどれだけ使われているかの単位で1マルキが80本。5マルキ、7マルキ、9(コン)マルキ、12マルキがあり、数が増える程細い糸で織られているため、軽くて、繊細で細かい模様になります。昭和50年ごろに織られたものだね、と教えていただきました。  カメラマンの瑞穂ちゃんも藍大島紬、同じヒトモト式の5マルキ。昭和53年ごろのものかなあ、だそう。この頃使われる薬品が変わったそうで、柔らかく仕上がるようになったんだとか。  どちらの着物もおよそ40年振りのお里帰りということに! ひょんなきっかけから急に決まった旅でしたが、来られてよかったねえ~なんて思わず着物に話しかけてしまいました。  昭和40年代に起きた大島紬ブームや、その後も高級路線でも愛されれ求められてきたこの美しく軽い着物は、全国のたんすの中にたくさん眠っているのではないでしょうか。  2014年7月にバニラエアが成田初直行で就航し、奄美大島への旅は身近になっています。今回もオフシーズンということもあってか交通費自体は京都へ行くより安くてびっくり。島料理も美味しかった!  ビーチリゾート!海遊び!だけじゃなく、暑くもなく着物が着やすいこんな時期に大島紬を着て里帰り、大島紬の故郷・織元めぐりもおすすめですよ!   奄美大島の皆様、山中さん、アリガッサマアリョウタ~!(ありがとうございました)

長襦袢のたたみ方、衿はどうやって畳むのが正解? の巻

星わにこ
2015/11/25 00:00
 皆様、おかわりありませんか? わたくし、今月は風邪をひいて飛行機に乗ったら、航空中耳炎というのになってしまいまして、久々に熱を出してみたりしました。また、足がしびれてどうしようもないので接骨院にいくと座骨神経痛とのこと…‥。健康第一!!と改めて思う今日このごろです。  そんなこんなでちとふらふらしていても、着物を着ると気持ちがしゃっきりするから不思議。帯のおかげか、背筋も伸びます。もう今日はだめだ~と思っても、布を体に巻き付けていくと、だんだん体が支えられて、最後にしめた帯をポンっと叩けば(力士w)一日頑張れる気がします。  さてさて、今日は襦袢の畳み方のお話です。着物とは違うたたみ方で、ちょっと簡単ですよね。平らに広げて、真ん中に向かってパタンパタンとたたんでいくだけ。  折り目をきちっとあわせていくと、気持ちがいい! いつもな~んにも考えないで、ついている折り目に沿ってたたんでいたんですが、襦袢の衿のたたみ方、実は2種類あるのです。  そのまま自然に首に添わせた形と同じでたたむ方法、肩開き部分を内側に折り込む方法。  和裁士さんに伺ってみたら、関西仕立てで広衿のものは内側に折り込むことが多いとか。留袖や振袖などをたたむ時の「夜着たたみ」と同じ方法ですね。あとはだいたい自然な形のままだそうです。また広衿のものは着物と同じ畳み方にすることもあるそうです。  手持ちの襦袢を見てみると、なるほど広衿のものは衿が内側に折ってありました。でも、バチ衿のものでも内側に折ってあるものも。ここらへんは、気にしないで「畳んであったように畳む」(笑)のが一番無難なのかもしれません。  道行や雨コートも基本同じように前で袖を折りたたむ畳み方なのですが、販売時のパッケージやディスプレイで前面が見えた方がよいからという理由で洋服とおなじように、後側で袖等をたたんでいるものもあります。  これは見た目はいいのですが、崩れやすいですし、なにより超たたみにく~い!!面倒くさ~~い!!!(笑) なので、私はこの場合はついている折り目に従わず、前でたたむ方法に変更しています。  いずれにしても、空気を抜きながら丁寧にたたんでおくと後が楽なので(ええ、自戒をこめまくっております……)正しいたたみ方で、しまっておきましょう。 関連:長襦袢のたたみ方『銀座いち利の女将ちゃんねる』

筥迫(はこせこ)には何が入っているの?の巻

星わにこ
2015/11/11 00:00
 七五三シーズンですね! この季節、休日に神社を覗くと可愛らしい和服姿の子どもたちが千歳飴を持ってご家族と歩いている姿が目につきます。あどけない三歳の被布姿も、きりりと決まった五歳の袴姿も、可愛いけれどお姉さんな七歳の四つ身姿も微笑ましく、すくすく大きく育って‥‥と、他人なのにおばちゃんの涙腺は緩むのでした(阿呆)。  さて、七歳の女の子のお祝いは「帯解き(おびとき)」という、子どもの着物の付け紐を取って、初めて帯を結ぶ人生の通過儀礼。着物も四つ身という大人とほぼ同じ作りのものになります。また帯の下には、しごき帯を結びます。  その四つ身を着たときに胸に入れている、房やびらびらがついてる小さな箱のようなものが、筥迫(はこせこ)。気になりませんか? 白無垢や打掛の花嫁さんも懐中に入れていますよね。あの中には一体なにが入っているのかな~と思ったことはありませんか?  筥迫は、江戸時代の大奥や武家の女性が、打掛を着た時に懐中に入れた紙入れの一種。お金や守り札、紅板(口紅)なども入れたりしたようです。贅を競って、華やかなものを正装の時に身につけて、今で言うならパーティのクラッチバックのような感覚だったのでしょうか。サイズも現代に見られるものより大振りでした。  それが明治に入り、庶民も身につけられるようになって、サイズも小さくなり、装飾要素だけが残りました。現代では、七五三や成人式等のお祝いと婚礼の時に、飾りとして残っています。  筥迫のパーツを見てみましょう。 (わにコレ(笑)より、花嫁さんの筥迫)  まずは筥迫本体。外側は錦の艶やかな布が使ってあるものや、豪華な刺繍を施してあるものなど、とにかく華やかです。  中をあけてみると、紙を挟めるようになっていて、鏡がついているものが多いです。「はこせこ」と言っても、箱になっているわけではないのですね~。  それを開かないようにまんなかで留めているのが「胴締め」。  胴締めには、胴締めを締める紐がついていて、その先にぶら下がっているのが「落とし巾着」。匂い袋やお守りが入っているのですが、これは帯にはさんで筥迫が落ちないようにストッパーになる役割のものです。よくこの袋が可愛いので外にぶら下がっているのを見かけますが、帯の中に仕舞うのが本来の使い方です。  そして、飾り房。筥迫の上部、胴締めに差し込みます。赤いもの、白いもの、ハーフ(笑)、金、撚り房のもの、切り房のもの‥‥。これが胸元からこぼれて揺れると、うっとりしますね~(ええ?私だけ?)  この飾り房と同じところに、ビラ簪(かん)という銀のびらびらがついているかんざしを飾りとして差し込むこともあります。  七五三の筥迫は、可愛らしい色もいっぱいありますね。帯締めや草履、扇子やビラ簪、バッグなどとセットでトータルコーディネートのものなど、見ているだけで頬が緩みます。  花嫁さんの筥迫は、懐剣や抱え帯、扇子などとセットになっていて、これまた凛とした美しさがあります。  成人式や十三参りではほとんどつけることはありませんが、扇子などと共に、身につけてもおかしくない小物だと思います。  以前取材で、この筥迫を研究している「筥迫工房」の山崎さんにお話を伺ったのですが、お嬢さんの七五三のときに自分で作ってあげたいと思ったことが自作のきっかけだったとか。  山崎さんの筥迫作りワークショップは大人気で、自分の結婚式に自作をしたいという方はもちろん、七五三や十三参り、成人式やお嫁にいくお嬢さん・お孫さんに作ってあげたいという方も多いそう。自作の筥迫にお守りやお手紙、大切なものを入れて、お祝いの正装の胸元に忍ばせるなんて、素敵~~~~!!! これは大切な記念の品になりますよね。  番外編ですが、自分の楽しみのために作っても。お遊びで普段着に薄いタイプのもの、小さなものを作って、名刺入れやプリペイドカードなどを入れておくのも楽しいです。布で出来た名刺入れに房をつけるだけでもなんちゃって筥迫気分を味わえちゃいます。胸元にカード入れが入っていると、結構便利ですよ! 房がついていると取り出しもしやすいです。お茶のときの、お懐紙や帛紗を入れている感覚に近いかも?  小さな箱形に細かく細工をしてある筥迫は、日本人の美意識をぎゅっと封じ込めたかのよう。七五三のとき「開けてはいけない」と言われた記憶がある方も多いのでは。小さな美しい筥迫の宇宙を覗いてみませんか。