100均のロング温泉タオルで簡単ウエスト補整の巻
星わにこ
2016/11/09 00:00
皆様補整はどうされていますか? 体を筒型に整えると着物が綺麗にラクに着られますし、体型カバーにもなります。細い人は細いなりに、そうでない人もそれなりに(^^;)。私は1ミリでも痩せて見えたいので以前は補整なんて!と思っていましたが、和装ブラをして適宜補整を入れて体を筒型に整えたほうがスッキリとみえるんだと納得してからは、結構しっかり補整を入れるようにしています。
特にウエスト部分の補整は重要だと感じています。基本は補整パッドを使っていますが、涼しくラクに、気楽に着たいときにはタオル補整をしています。お腹にお肉はたっぷりあるので(涙)そんなに必要はないのですが、ラインが整うだけでなく汗とりにもなるし、帯との間のクッションにもなって体が楽なので浴衣のときもこの補整だけは欠かせません。
ウエストのタオル補整というと、いろいろなやり方があると思います。20代のころ、着付けを最初に習った時に作ったのが、タオルを三つ折りにして、端を三角形に折ってひもを縫い付けたもの。ヒップのところにもう一枚タオルをはさんで装着していました。
あとは、タオルを巻いて、その上から腰紐で止めたり。さらしの補整もやりました。今は、中にタオルを入れてボリュームを調整できるたかはしきもの工房の腰スッキリパッドに落ち着いています。
が、タオルだけで補整するときに、とても便利なものを発見! 100円ショップで見つけた「職人」というロングタイプの温泉タオルです。これが通常70~80センチのところ、100センチあるもの。その名の通り、職人さんが頭にタオルを巻く時に余裕をもって縛れるというもの。
これだと、ヒモをつけたり、タオルを巻いて上から腰紐でとめたりしなくても、ウエストにまいたら端をちょっとはさみこめば止まるのでラクに補整できます。いままでのタオルだと寸足らず(爆)だったワタシもこれなら大丈夫!
やり方は簡単! タオルを二ツ折もしくは三ツ折にしたら、ヒップ上の窪みにハンドタオルやタオルを当てて抑え、前に回して、タオルの端を折り上げて上側にはさみ込むだけ。
タオルは分厚いよいタオルだと私の場合モコモコしすぎてしまう(爆)し、洗ってすぐ乾く薄いタオルのほうが使いやすいので「欲しいものがあった!」と、売場で見つけたときにはコーフンしてしまいました(笑)。
だって紐とか縫い付けるのは面倒くさいし、乾かしたりするのにもそのままのほうがいいですよね。買ってきて、さっそくウエストに巻いて、折り込んでピッ!と止まったときの満足感。これはいい! 後にハンドタオルをはさめば、ヒップ上の補整もできました。
そんなにがっちり止まるわけではありませんが、上から襦袢や着物を着てしまうので、それまでずれなければいいわけで。紐の結び目も1つでも少ない方がラクチンですし、結ぶという動作が挟むだけに変わっただけでも時短です(鼻息)。
プチプライスでちょっと便利なものが見つかると嬉しいですよね。ほんのちょっと長いだけなのに‥‥使えるヤツ。もしウエスト補整のタオルがちょっと短いなと思っていらっしゃったら、試してみてください!"\
スマホアプリで着物雑誌の表紙になろう☆の巻
星わにこ
2016/11/03 00:00
このところ、びっくりするほど急に寒くなって、あわてて羽織やストールを出してきたわにこです。俄然、着物のオンシーズンになってきましたね!
さてさて最近、Facebookなどで流行っているのが、雑誌の表紙風に写真を加工できるスマホアプリ。いろんな雑誌のものが出ていますが、11月15日の着物の日にむけて、その名も「きものブック表紙アプリ」。プレジデント社「七緒」、世界文化社「きものサロン」、ハースト婦人画報社「美しいキモノ」の表紙になれちゃうアプリです。
早速FB&キモトモの皆さんが、素敵な着物姿で雑誌の表紙を飾っていました! こういう顔ハメ看板系のなりきりお遊びが大好物な私ももちろんチャレンジ☆ 合成だけあって、パネル前で撮るよりもよりホンモノ感が高いです。
そして、1冊の雑誌につき、文字の色違い、配置違いや特集名違いなど4パターン用意されているので、着物の雰囲気にあわせたり、色とコーデすることも可能。これはハマります~(笑)。京都織物卸商業組合が、着物の日PRのために作成したのだとか。
それぞれの雑誌の表紙は「それっぽい」写真を選ぶとなんちゃって度アップ。
「美しいキモノ」はひたすら女優気分でニッコリ!! 「きものサロン」はドラマチックに! 「七緒」はふんわりほっこり、目線を外して笑わない(笑)背景に雰囲気があるものを‥‥。などなど、それぞれなりきりで撮ってみても楽しそうですよね~!
手持ちの写真で遊んでみました。全然上記の特徴とは違いますが‥‥(爆)
大変失礼いたしました。
さてそもそも「着物の日」ってなんだろう? と思いましたら、七五三のお祝いの日にかけて、家族みんなで着物で外出してほしいと昭和41年に全日本きもの振興会が制定した日なのだとか。いまいち浸透していない気もしますが(失礼な)、語呂合わせで5月29日の呉服の日よりは、着物でおでかけには、よい気候かもしれませんね。
あ、普通の(?)雑誌の表紙アプリのほうも、結構はまります(笑)。なんでもない写真が面白く見えたりして楽しめますよ!
帯締をベンジンで洗ってみた。の巻
星わにこ
2016/10/26 00:00
そろそろ袷だけで勝負できるかな、と、週末に箪笥の中身を入れ替えたわにこです。小物も、夏・単衣用を仕舞い、袷用を手に取りやすいところに入れ替えました。
ふと、帯締がくすんでいるような気がして、ベンジンクリーニングにチャレンジすることにしました。広口のガラスびんなどに帯締や帯揚を入れ、そこにひたるくらいベンジンを入れてシェイクする、というものです。
昔、母がシルクのスカーフやネクタイをシャカシャカしてた記憶があります。やり方は知っていたのですが、今回はじめてチャレンジしてみることに。
自宅にあったベンジンが、気がついたら揮発してしまっていた(ちゃんと中蓋がしまってなかったのね‥‥爆)ので薬局まで買いに行きました。染み抜き用のものは洗濯用洗剤コーナーの片隅に置かれていたりします。
ベンジンはいろんなメーカーから出ていて、エリモト、リグロインという名前で売られているものもあり、着物のお手入れ用にはそれらをおすすめされることが多いです。お値段も結構まちまちです。
ベンジンは揮発性が高く、引火もしますので換気のよいところで作業します。今回はシミ抜きや衿汚れ落とし等よりも量を使うので、ベランダでトライ!
まず帯締をビンに入れ、ドボドボッと帯締が浸るくらいにベンジンを入れます。そしてシャカシャカシャカ!としばらくシェイクして、取り出します。このとき、房の部分はギュっと絞ります。素手だとちょっと爪が白くなったので、絞るときには、炊事用の手袋などをするとよいと思います。
房を整えて陰干しすると、ベンジンが揮発して気持ちよい程早く乾きます。
ビフォーアフターは、というと、古いシミやヤケなどはおちないのですが、手あかが落ちてスッキリ、という感じです。ビフォーアフターを‥‥と思って写真に撮ったのですが、いまいち違いがわからない(爆)という程度です。帯締めの色などにもよると思いますが‥‥。
これではコラムにならないゾ? というわけで、帯締の半分だけベンジンに浸けて振って洗ってみることに。こうすれば比較しやすいはず!
そして‥‥‥2本やってみた結果‥‥‥。たしかに、言われてみれば、しない(上)より、シェイクしたほう(下)がキレイになってる‥‥気がする‥‥。が、いかがでしょうか?
生成りのほうは、結構スッキリしていますよね。濃紺のほうも、白ちゃけた、というか色あせたかんじがなくなって、ツヤが戻ったかんじがします。
わかりやすいように、画像を調整してみてこれくらいなので、肉眼でパっとみて劇的に「すげえええ!! キレイになったぁぁ!!」という程ではない‥‥かな?(歯切れが悪いよw) でも確かに、乾いたあとは少しツヤが戻ってこざっぱりします。
帯締は、もともとクリーニングやお手入れに出したりするものではありませんし、このお手入れは必須ではありませんが、油系の汚れをつけてしまったときなどは強い味方になってくれるはず(大体あとになってからしか気付かなかったりして手遅れな場合が多いんですが‥‥涙)。
リサイクルなどで手に入れた古いものも、一度シャカシャカしてから使えば、さっぱり気持ちよく使えますよね。希に色落ちしたりするものもありますので、まとめてやるより1本1本やったほうがよいと思います。また、ジップロック系の袋類にいれて揉むとよいという情報もありますが、ものによっては袋が溶けてしまう場合もありますので、ガラスびんをおすすめします。
帯揚も同様に、ビンに入れてシャカシャカすれば、さっぱりします。ただし、落ちるのはドライクリーニングと同様、油系の汚れのみ。水溶性、汗などの汚れは落ちませんのでご注意ください。また、金糸・銀糸の使ってあるものも変色の原因となりますのでこの方法は使えません。大切なものは専門家にご相談くださいね。
洗った後、ビンに残ったベンジンには汚れが溶け出していますので、もったいないからと元の容器に戻したりはしないでくださいね。とっておく場合は、しっかり蓋をしてビンごとジップロックに2重に入れるなどしておいてください。ビンのまま置いておくと、専用容器ではないので揮発してしまいます。いずれにしても火気厳禁ですので、取扱いには注意してください。
こういうお手入れは自己責任ですが、知っておいてソンはないはず。小物も時々は、手入れすると気持ちもスッキリしますよ(^^)。"
ハロウィン・コーデは色で決めよう☆の巻
星わにこ
2016/10/19 00:00
朝は寒いなと思っても、日中結構気温があがるのでコーデに迷う今日このごろ‥‥とはいえさすがに袷でも耐えられるようになってきた東京です。
街はすっかりハロウィン一色。カボチャの限定パッケージお菓子が気になります(お菓子か)。大体一周して、限定ものよりは定番もののほうがやっぱり美味しいよね、ということにはなるんですが、やっぱり買ってしまうんですよね‥‥。何故人は限定に弱いのでしょうか。
着物も、定番以外にやはり季節ものでも楽しみたいですよね! ハロウィンコーデはそのものズバリ!なアイテム(ジャックオランタンやオバケ、黒猫の帯とか着物とか‥‥)はハードルが高いので、小物と色あわせでハロウィンっぽく見せるのもひとつアリかと思います。
色。黒、オレンジ、赤、紫‥‥このあたりを逃げ場なくみっちり組み合わせていくと雰囲気がでます。
というわけで今年のハロウィンコーデは、あえて色だけで攻めてみました。
http://bit.ly/2e4gIwQ
どれも特にハロウィンがモチーフなわけではありませんが、全体的にハロウィンなイメージ。
もちろん半衿や帯揚、帯留などにチラリ、ハロウィンイメージのアイコンをつければますます気分が盛り上がる事間違いなし。
あとは魔女帽子を被ったら、立派なハロウィンコーデの出来上がりです。私もこーんな感じで楽しんでみましたヨ! 着物も帯もハロウィンじゃなくても、魔女帽子だけでもいいような気もしてきましたが(笑)、要は楽しんだモン勝ちってことで(どうでもいいけど嬉しそうですね、ワタシ……(汗))。
ちなみにハロウィン、ここ10年くらいですっかり秋の行事として定着してきた感があります。昭和生まれのワタシの子どものころはなかったような。もともとは古代ケルト人の収穫祭で悪霊を追い払う、という行事だったそうですが、アメリカの民間行事として定着、それが日本でも定着、という流れのようです。クリスマスなどと違って特に特定の宗教の行事ではないというのが、なんだか意外でした。
またハロウィンの時期は日本のお盆のようなもので、亡くなった人が帰って来ると信じられており、同時に魔物もやってくるため、魔女やお化けなど怖いものに仮装することで魔除けになると考えられました。だから、皆コワ~イものに仮装するんですね。
私にとってハロウィンは、子どもと一緒に楽しめるイベントのひとつ、ぐらいに思っていたのですが、そう思うと今年は仮装に気合いが入りそうです(コスプレ好きなだけ?)。
着物だから、いや着物だからこそ楽しめるお洒落もいろいろ。季節を取り入れるのは、着物のお洒落の醍醐味。いろんな行事を楽しんじゃいましょう!
キモノEXPO行ってきました!着物でイベントへGOの巻
星わにこ
2016/10/13 00:00
急に冷え込んで、いきなり秋が深くなったようなこの数日。袷でおでかけしたくなって10月12日から開催されている「キモノEXPO」初日に行ってきました!
着物、帯から草履や小物まで、一気に見られます。いつもいち利モールのネットウインドウショッピングでコレどうかな~と思っている実物が見られるチャンスでもあり。
会場につくと、来場記念のオリジナル腰紐がもらえました。可愛くて、モスリンで使いやすそうです。なにげにウレシイ。
今回のお目当ては大人気の「体験講座」。いつも参加してみたいな~と思っていた体験講座や茶話会が会場で同時開催されているのです~(要予約)。今回は、「刺し子刺繍帯留」のワークショップに参加しました。
ワークショップの時間が来るまで、ブースを拝見。職人さん、作家さんから直接お話が聞けるのは勉強になります。きものクリニックもあるので、お手入れなども相談できます。
1)入口で~す。この看板が目印。
2)いち利モールの「ミヤコレ」いろいろ、実物が見られます
3)もうクリスマス~(><)可愛い! 年々帯留が巨大化している気がするのは私だけでしょうか。
4)帯の「扇や」さんは、帯専門。オリジナルの帯のほかに、羽織や着物、スカーフなどからのリメイク帯も請負ってくださるそう。着物1枚で名古屋帯2本、もしくは名古屋帯と半幅帯など2本の帯ができるそうなので(羽織からは1本)お母様の着物を娘二人で分ける、な~んてこともできそうですね。催事中は特別価格だそうです。
5)草履の「岩佐」さんの刺繍の猫さん鼻緒、可愛すぎる!!
6)靴底に使うゴムを草履に採用、砂利道でもラクに歩けるオリジナルの台に、職人さんがその場ですげてくれます。台と鼻緒を選んで当日お持ち帰りできるのは嬉しい。
お話を聞きながら(物欲と闘いながらw)の時間はあっという間。ワークショップの開始時間にテーブルに。「つまみ細工」や「水引帯留」のコーナーもあり、参加の皆さんの熱気がスゴイです。
わたしは「刺し子刺繍帯留」にチャレンジ! 最初に土台の布の色と糸の色を決めるのですが、これが悩むんですわ~~~~~~~~(><)
見本を見ながら、参加の皆さんと「これもいいですね」「こっちも」な~んて言っていると、全然決まりません(笑)
結局藤色に白という大好きな色のとりあわせに決定。えっと、これならあまり糸がはっきり見えない(アラが目立たない(爆))と思った……とかいう理由ではないですよ? ゴホンゴホン。でもまた、他の方が選ばれた色を見て「それもいいな~」なんて、羨ましくなったり(笑)。
先生に刺し方をデモンストレーションしていただき、早速自分で。ちょっと「離せばわかるお年頃」になってきたローガンズなワタシには、布目を数えながら刺すというのが思ったより大変(^^;)。途中解いてやりなおしたりしながら、タテヨコ&ナナメと刺していき「花十字」という模様が完成しました。
糸をつい強くひっぱってしまい、お手本のようにふんわりと作ることができませんでした。簡単なようで難しい~(><)
刺し終わったらわたを詰めて帯留の台に貼って、帯留に。遠目でみれば、なかなかのできばえ(?)満足! 所要時間は1時間半~2時間程度でした。始まると皆さん無言でひたすらちくちく。無心に針を刺していると、時間もあっという間。途中琴の生演奏もあり、素敵な音色に耳を傾けながら針を動かしていると、いろんなことも忘れて、集中できてとてもよい時間が過ごせました。その上、帯留も持って帰れて大満足!
一人で行っても、参加の皆さんお着物好きの方ばかりですから、話も弾んであっという間に時間が過ぎて行きます。
体験講座も茶話会もとても人気があり満席が多いようですが、当日でも定員に空きがある場合は参加できるそうです。予約優先だそうなので、興味がある講座があったらお問い合わせしてみてくださいね!
目の保養もたーくさんさせていただき、帰途につきました。キモノEXPOは東京・有楽町交通会館での開催は15日(土)まで、そのあとは銀座いち利さんにて2日間。また10月19日(水)から23日(日)は大阪御堂筋ホール心斎橋で開催されます。
着物でおでかけというと、どこにいこうか‥‥と悩む方が多いかもしれませんが、こういうイベントに行くのも一つの選択肢。張り切ってお洒落していくと褒めてもらえるし(笑)、身につけているものについて、詳しい人にアドバイスをもらえたりすることもあるので、きものイベントに着物で行くのはオススメですよ!
着物が見たいからと、いきなり呉服屋さんに入るのは相当覚悟がいりますが、こういうイベントだと気軽に、たくさんの商品を見る事ができるので私は好きです。
この日は、久しぶりに袷のやわらかものを着たくなって、バーガンディの付け下げに房の帯で。帯揚は夏に生藍で染めたものです。やっぱりどっしりと重いものを着ると、テンションあがります~!! お洒落しておでかけって楽しい!
秋はEXPOの他にもきものサローネ後半戦などなどきものイベント目白押し。好みのイベントにぜひ着物でおでかけしてみてはいかがでしょうか。
お茶や着物って怖~い!?楽しむココロがあればいいの巻
星わにこ
2016/10/05 00:00
先週、友人のももせいづみさんと向山真理さんの銅版画と陶器のコラボレーション展のオープニングのお呈茶のお手伝いにいってきました。呈茶とは、お茶を差し上げること。茶道のときによく使われる言葉です。
ギャラリーを訪れてくれたお客様に、向山さんの素敵な器でお茶を楽しんでいただくという企画で、お抹茶をお出しする日とトルコのチャイをお出しする日があり、お抹茶の日のお手伝いをさせていただいたのですが、とにかく気軽に楽しんでいただきたいということで、格式ばらずにやりましょうということに。
お釜はじめ茶道具もあるもので。着物も、紬で。
茶道経験者が集まって、ああでもないこうでもないと準備をしました。そのとき、お作法も着物も茶道のドレスコードできちんとしていると、茶道をやったことがない人からすると「何も知らなくてすみません、無作法ですみません」という気持ちになって、とても緊張するんだよね、という話が出ました。
万年初心者の私も、大寄せのお茶会に出かけても「いいのかなこれであってたかな」とドキドキするので、よくわかります。まして今回はお茶がメインではなく、ギャラリーにいらしたお客様のおもてなしなので、そういう雰囲気にならないように心がけました。まあ、正式にやれと言われても、私の力ではできないわけですが(苦笑)、もともと「お客様をもてなす」心が茶道の基本のはずですから、お客様がリラックスしてお茶を飲んでくださればいいなあと、友達といろいろ考えて。
そんなわけで、気軽な装いでお手伝いに出かけました。
風が吹き抜ける白いギャラリーを抜けて、落ち着いた和室の作品展示を見ながら、お茶を楽しんでいただく趣向。廊下に釜をかけてテーブルでお茶を点ててお出ししました。お菓子もオーダーで作ってもらったという可愛い月とウサギの薯蕷饅頭。床の間には銅版画と、陶の花入れの中には銅線。とっても落ち着く空間で、釜のシュンシュンという松風(釜の鳴る音のこと)を聞きながら座っていると、日常を忘れて心がほっと安らぐような気がしました。
お茶をいただく時緊張する、という話を聞いた時、そういえば着物も同じように「どうしたらいいか緊張する」「ルールを知らないから」「着方がわからないから」といわれる事が多いかも、と思いました。
特に季節の変わり目、特にいまごろは私も「単衣にしようか袷にしようか」とか合わせる小物はこれでいいのかとか、ちょっと考え考え選びます。季節感は大事にしたいけど34度(爆)とかあったら、マジメな話、袷とか、無理っすよねー! そこらへんは臨機応変にできたらいいと思いますし、まして普段着だったら体感温度で決めなきゃやってられないですよね。
また最近は「着物警察」「着物憲兵」なる言葉もあるとか。着物を着ている人がルールを守っているか正しいかチェックする人のことなんだそうです。これは怖い(笑)。正装はさておき、普段着やファッションの着物に「絶対正解」はなくて、本人がよければそれでいいはず。洋服と同じですよね。
伝統や、しきたりを守るのも大切ですが、同時に時節に合わせて変わって行く部分もなければ、ただの化石になるだけ。着物やお茶に興味がある人にはどんどん自己流でいいから楽しんで欲しいなあと思います。本格的に極めたくなってから、学びを深めてもいいじゃないですか。最初から学ばなければやっちゃだめ!って風潮は、たくさんの人をシャットアウトして、結果どちらも気軽に手が出せないような雰囲気になってきているような気がします。
どっちも、ほんとは気軽に楽しめる、日本のよき文化だと思います。無意味に敷居を高くするようなことだけは、したくないものですよね。
極めなくってもなんちゃってでも、楽しんだもの勝ち。ギャラリーで展示を楽しむついでに、お茶美味しいわ、着物いいわね、なんておっしゃってくださるお客様と会話しながら、そんなことを思った週末でした。
見やすくコンパクトに収納☆名古屋帯のくるくる巻畳みの巻
星わにこ
2016/09/30 00:00
10月目前! 袷の季節に突入する前に箪笥の帯の入れ替えをしました。箪笥の一番見やすい引出しから夏帯を片付け、半幅とよく使う名古屋帯を投入。
大切な帯はたとう紙に入れてしまっていますが、普段によく使う名古屋帯はくるくる巻畳みにしてこのように箪笥の引き出しに入れています。箪笥から引き出せば、ぱっと何がどこにあるかわかるし、とても便利。
箪笥が猫の爪でボロボロなのはお見逃しください‥‥(;;)
写真右側は半幅帯を引き出しの幅にくるくる巻いたもの。あとは全部名古屋帯です。どうやって畳んでいるかというと‥‥
まず、お太鼓の上、三角になっている部分で折り返します。
胴の部分をだいたい帯の幅に、屏風畳みにしていきます。
お太鼓の表が出るように、胴の部分を包むようにくるくる巻いていきます。
たれ先までたたんだら出来上がり。このとき、たれ先が中途半端な長さになってしまって帯を結んだ時に畳みあとが見えてしまいそうなら、一度中に折り返して隠れるところに折れる部分を持ってきます。
こんなかんじで内側に折っておきます。
母からもらった名古屋帯がこの畳み方で畳んであったのですが、持ち運びも収納もコンパクトで便利なので気に入っています。意外と畳み皺も気になりませんよ。普通の名古屋帯の畳み方をすると、片手で持つとバラバラ‥‥とバラけてしまったりしますが、この畳み方なら大丈夫です。
先日、着物の達人もこの畳み方を愛用していると聞き、今ではほとんどの名古屋帯をこの畳み方にしてしまっています。引き出しにいれるとき、片付けも選ぶのもラクチンなんです。
また、胴の部分もくるくると丸めていって、三角の部分に後からあわせてさらにお太鼓を巻く方式もあります。こちらのほうが胴につく折り皺が軽減されます。やりやすい方法にトライしてみてください。
あくまでも、普段に使う帯の簡易な畳み方です。大切な帯、箔や刺繍を痛めたくないものなどはちゃんと平らにたたんでたとう紙に納めて下さいね。
名古屋帯のくるくる巻畳み、パッと帯が見渡せる収納にするとコーディネートを決める時間も短縮できますよ! よかったら普段使いの帯からお試し下さい。
<おまけ>
写真をとって、スマホをPCに繋いで、振り返ったらもうヤツがいました(´Д`)やあーめーてぇぇぇ。
「きものサローネ」は現在進行形の着物姿のお祭りだった☆の巻
星わにこ
2016/09/21 00:00
シルバーウイーク、秋の三連休は皆様いかがお過ごしでしたか? わたしはきものサローネin日本橋に通っておりました。
今年で5回目になるきものサローネは、毎年がらりと趣向が変わり、参加する側も「同じイベントなの?」と思うくらいなんですが(笑)、今回参加してみて感じた事をちょっと書きますね。
今年のきものサローネは先週末の「着物カーニバル!」と10月末開催の「着物産地展&SHOW」と2部に分かれての開催。YUITOで行われた着物カーニバル!は、メーカーさんから職人さんの個人出展まで本当にバラエティに富んだ出展で、見ても見てもキリがないくらい。京都の名工コーナーも見応えあり。
メインステージでは着付、コーディネートやしみ抜き、下着などに関するそれぞれの達人のトークや、三味線や日本舞踊などのライブもあり、たくさんの人でにぎわっていました。体験、実演コーナーも実際に職人さんとお話しができて面白い。
個々のブースがちょっと狭くてごちゃごちゃ感はありましたが、逆にそこで自分のアンテナを張るのが楽しい部分もあり、なによりぐっと近くで直接お話できることで、出展者さんたちの着物に対する熱い気持ちが感じられたかなー。モノとの出会いもそうですが、ヒトとの出会いが面白かったです。わたしも、「コラム読んでますよ」っておっしゃっていただいたり、とても嬉しかった!
何度も参加していると、同じ出展者さんの新作も楽しみになりますし、その時買わなくても、あとから「あのときのあんなものが欲しい‥‥」とイメージが膨らんで次の機会にいただいたり、思い切ってオーダーしたり。
わたし自身は「たかはしきもの工房」さんのお手伝いに入らせていただいていて、コラムにも書いたことのある「キレイな帯揚の整え方」というミニ講座をしたりしておりました。
そんなわけであまりじっくり他のブースを見ることができなかったのですが、イベントにいらっしゃるお客様が、この暑いんだか寒いんだかどうなんだかわからない上に雨の心配がある中、着物姿の方がとても多かったことに感動。
しかも、本当にその着物姿がバラエティに富んでいて。正統派の単衣姿から浴衣衿つき、和洋ミックスまで、様々。そして、それぞれにとてもお似合いで、素敵なのです。
着物と一言で言っても、ファッションですから、好みもバラバラ。したい格好が違ってアタリマエ。たーくさんの着物姿の方にお会いしたことで、それを改めて思い出しました。
和洋ミックスでとても可愛かったのが、道行きをワンピースのように着ていた方 羽織でワンピもステキでした。着物にスニーカーもカッコイイ。ポケモンGOPlusを帯留にしている方も! やっぱり着物は着てナンボ。畳んでおいてあるよりも、人が着たほうが、はるかにイキイキするもの。
着物の着方に正解はなくて、好きなようにすればいい。売る側からの提案ではなく、実際に、着物を楽しんでいるユーザーサイドの姿に、着物の現在進行形を見せてもらった気持ちでした。
「着物はかくあらねば」なーんてつまらない事を言って着物ユーザーを減らすより、あれもある、これもあるとバラエティ豊かな提案があるほうが絶対楽しいし、着てみようという人も増えるはず。
そこから、自分の好きなものを選んで行けばいいのだから‥‥。
そんなことを思った、きものカーニバル!参加でした。
10月の「着物産地展&SHOW」は、着物ファッションショーもあり、また別な角度からの着物を楽しめるはず。100体コーデは圧巻ですよ(今年はわにこは出展していません)。きっと好みのスタイルが見つかるはず。継続は力なり、でどんな形でもこういうイベントが続いていくのはいいことだと思っています。一旦は絶滅に近かった、ファッションとして楽しむ着物もまた広がっていきますように。
おまけ:
個人的に楽しかったコーナー!!「美しいキモノ」と「趣通信」のコラボで、「美しいキモノ」の表紙ボードの前で写真が撮れるもの。「日本のおしゃれ展」にもありましたよねー!! 私も撮ってもらいましたー。わはは。ちょっとボードに近づきすぎてちっさくなっちゃった。しかも仕事終わりで化粧全落ち(^^;)でもでも、なりきりで撮ると楽しいです!(ポイントは一つだけ、恥ずかしいと思う気持ちを捨てること(爆))
趣通信さんのサイトにいくとカバーガールになりきった皆様の写真が見られますよ~。公式サイトにもイベントレポートがどんどんあがっているので、ぜひのぞいてみてください。着物の現在進行形が見られます!
> きものサローネ
> 趣通信
1年中OK!? 便利でおシャレなレース半衿の巻
星わにこ
2016/09/14 00:00
最近、季節を問わず愛用しているのが「レース半衿」です。礼装以外なら、素材感が合っていれば1年中OK。こんな季節の変わり目、塩瀬には早いけど、絽縮緬なんて持ってないし‥‥な~んていうとき便利なのがレースです。
あまり季節を気にしなくていいし、お洒落だし、最近もっぱら愛用しております。「あらレースもいいわね」って、よく褒めていただけるんですよ。
市販のものでもいいですし、幅広のレース生地を買ってきてもOK。立体感があるのでちょっとニュアンスがあるお洒落な襟元になりますよ。
レースと一言で言っても透け透けなものから刺繍っぽく見えるような豪華なもの、モコモコでベロアのようなほっこりしたものまでいろいろなタイプがあります。一番顔に近いところにくるものですから、あててみて顔うつりのよい色のものを選びましょう。
綿レースは素朴で可愛いものが多く、肌あたりもよい。ポリエステルのものはキラキラと光沢があったり、華やかなものがたくさん。種類も豊富で値段もお手頃なのが魅力です。
人間最初に習ったことからなかなか外れるのは難しいようで、かくいう私もお茶をやっていたせいもあるのか半衿と足袋は白と決め込んで、そこからなかなか踏み出せなかったのですが、白いレースだったら抵抗なくつけることができました。
そこから、ちょっと生成りのレース、ほっこり素材のもの、薄い色のレース‥‥と段々冒険するようになり、最近ちょっとはまっているのが手作り作家さんのカラフルな布の上にレースが縫い付けてあるもの。土台の布はとってもキッチュで派手だったりするのですが、上に白いレースがあることで、程よくポップで可愛い襟元ができあがるのです。
それだけだとちょっとどうかな~というような色や模様の半衿も、上にレースを1枚かけると、色がちらりと透けてお洒落になったりします。
それからレースの半衿の何がいいかというと、半衿つけのときにかなりザクザク適当な針目で縫い付けてしまっても、シワやヨレが目立ちにくいということ(ええ)。これがまたやめられない一因でもあり(こら)。
ピシッと美しい、真っ白な半衿は気持ちが引き締まりますし、大事な時には気合いをいれたいもの。
でも普段のお洒落には、気がラクで可愛いレースの半衿、おすすめです。秋めいてきた空に、生成りのレースの半衿はいかがでしょうか。かしこまりすぎず、くだけすぎない、ほどよくお洒落な襟元を演出してくれますよ。まだ未体験の方がいらしたらぜひお試し下さい。
石けんプラス漂白剤つけおきで足袋のカンタンお手入れの巻
星わにこ
2016/08/31 00:00
台風お見舞い申し上げます。皆様のところでは大丈夫でしたか? 大雨になると、気持ちが落ち着きません。このごろの雨、降るといったら降る! という感じで容赦がない気がします。
先日は下駄に足袋を履いていてザーッと雨に降られ、鼻緒の色落ちでシミがついてしまいました。浴衣だからと雨対策をぬかっていたのもあるのですが、本当に凄い雨でびっくりしました。
足下が悪いと泥はねもついてしまうことも。石けんをつけてブラシでゴシゴシしたり洗濯板にこすりつけたり……その割にあんまり綺麗にならなくて。ただでさえおっくうな足袋洗いにため息でした。
が、このごろは脱いだら石けんで目立った汚れをゴシゴシ、とこすって、あとはオキシクリーンという漂白剤をお湯で溶かしたところに浸けておいて、次の日の朝ネットに入れて洗濯機にポン、というお手入れで済ませています。これが真っ白になるんですよ~。件の鼻緒色落ち汚れも落ちました!
漂白剤を使うときは、生地を痛めにくい酸素系がおすすめです。
石けんは、洗濯用石けんならなんでもいいのですが、廃油利用の手作り石けんファンです。少し溶けやすいのと匂いが気になることがありますがアルカリ度が高いものが多いのか、よく落ちる気がします。時々、自治体の作業所などの販売で購入できるので見つけたらまとめ買いしています。
オキシクリーンを溶かすのにお湯が必要、というのだけがちょっと面倒ですが(ズボラすぎる/笑)温度が高いと、石けんの効果もアップしますよ。
続けて着物の日のときには、2、3足まとめておいて浸けることもありますが、やっぱり、その日のうちにやっつけてしまうのが一番スッキリ! ですね。
先日は、洗ったけどなんだかすっきりしない足袋をオキシクリーンでキレイにしよう!と思い立ち、5足くらいの足袋をまとめてつけて、濯ぐときにお風呂の残り湯で‥‥と思って浴槽に入れたら、全部の足袋がつま先から浮いてきて、思わず「ひぃぃ!!」と叫んでしまいました。想像してみてください‥‥ちょっとしたホラーでした(よい子は真似しないでください)。
干すときには底や甲の部分を引っ張って形を整えシワをのばし、こはぜをとめる掛け糸(受け糸)のある側を洗濯ばさみではさんで干します。洗濯バサミの跡が残ってしまっても隠れる部分だからです。アイロンをかければいいわけですが、そこはズボラなのでちょっとでも手間を減らしたいわけです(汗)。
白くてシワひとつないピタ~ッとした足袋にシュッとした江戸前の細い鼻緒に舟形の足元には憧れますが、締め付けに弱いポッテリ足の自分は楽なストレッチの足袋ばかり……。足袋の裏は黒かったら汚れが目立たないのに!と思ったり。そのうち新素材のラクでスッキリな形でお手入れが簡単な足袋が出ないかな~!
いつかは、わたしのポッテリ足に会う足袋をオーダーしてみたい!という夢があります。足袋ひとつとっても、コダワリ始めるとキリがない世界ですね~。靴と違って、着物では足袋が丸見えになるし、汚れやすいですから気を配りたい部分。他所様のお宅にあがるときやお茶会のときなどは、足袋カバーをはいたり、替えの足袋を持っていくようにしています。
でも気軽なおでかけのときなど以前は足元なんてあんまり見えないし、気を抜いていましたが、エスカレーターとかに乗ると前の人の足元ってすごくよく見えるんですよね(汗)。それに気付いたときはちょっと冷や汗。あっ、見られてたらちょっと恥ずかしい~と思った事も何度かあります(汗)。
素足に下駄のシーズンももう終わり……。別にこれ見よがしに見せるわけではなくても、お気に入りの足袋を履いているときは気分がよいもの。キレイな足袋で楽しくおでかけしたいですね。