七五三の三歳の着物を二歳から五歳まで着る方法の巻
星わにこ
2021/11/24 00:00
今年も七五三のシーズンがやってきましたね。11月15日、江戸時代に徳川家が「袴着の儀」を行ったことに習い、その日に子供の成長を祝うようになったもの。現代では、日にちが前後してもだいたい11月の都合のよい日に氏神様にご挨拶にいく慣習となっています。
三歳女子は「髪削ぎの儀」、五歳男子は「着袴の儀」、七歳女子は「帯解きの儀」という平安時代の通過儀礼をもとにしていて、それぞれ三歳は着物と被布で、五歳は羽織袴で、七歳は振袖に大人と同じように帯を結んでお祝いします。
子供の着物は「揚げ」といって、肩や腰の部分をつまんで縫って裄や身丈を調整しておはしょりをとったりしなくても、羽織って紐を結べば着られるようになっています。
この「揚げ」を大きくつまめば丈が短くなるので小さいうちはたっぷりとって、育ったら揚げを小さくすればよいという、着物を買い替えなくてもすくすく育つお子さんのサイズに合わせられるという大変優れたシステムになっています。
子どもはどんどん大きくなるから洋服なんてすぐサイズアウトしてしまうし買い替えないといけないけど、その点この「揚げ」で調整できる着物はよくできているなあと思います。
七五三は毎年撮影スタジオで着付けをするのですが、いろんな身長のお子さんがいるので、レンタルのものは衣装合わせにきていただき裄や身丈を測らせていただいて、肩上げと腰上げを調整して着ていただきます。今年多かったのは、七五三のお祝いをされるお子さんの妹さんも着物が着たいというリクエスト。
一歳違うとかなり身長も違うのですが、二歳のお子さんも五歳のお子さんも、三歳のお着物の肩と腰の揚げを調整してお召しいただけました。帯は体の負担にならない兵児帯で。ひらひらと帯が揺れて、なんとも可愛らしかったです。特に小さいお子さんが大きく揚げをした着物を着ているのはえもいわれぬ可愛らしさで、魂が洗われました。
お祝いの着物はレンタルでもいいのですが、三歳の被布セットは洗える素材のものならお手頃な価格から揃っています。ネットに入れて洗濯機で洗えば綺麗になりますし、子供が汚しても気になりません。三歳の時に1回だけ着ると思うとなんだかもったいない気がしますが、二歳の頃から五歳までお正月やひな祭りに着物を兵児帯で簡単に着せてあげられる着物だと思うと、購入して楽しんでもいいのではないでしょうか?
被布はお祝いのときだけ使用して、長襦袢と着物があればOK。セットには兵児帯がついてこないことがほとんどなので、帯は別に購入されるとよいでしょう。洗える素材のものならお手頃価格です。
セットに入っている状態では三歳の平均身長にあわせて揚げがしてありますので、ここを調整すればいいのです。
コツは、もともとしてあった揚げを取らずに、その横に並行して縫うこと。元の揚げより大きくとるときは元の揚げはそのままにして(本当は取るのですが、ご自分でなさる分にはよいと思います)、お子さんが大きくなったら新しくした揚げを取ればいいのでらくちんです(ズボラ案ですみません)。
もっと大きくなって揚げを小さくするときは、もともとの縫い目は外します。
もともと揚げをしてない場合は、肩の場合は肩裄の真ん中をつまんで短くしたい分だけ縫えばOKです。あまり表に大きく縫い目が出ないよう二目落とし(一目落としでもOK)で縫っていきます。
腰の場合は、身丈を測ってその真ん中をつまんで短くしたい分だけつまんで縫います。こちらは帯で隠れる部分なので、落ちてこないようにざくざく縫えば大丈夫。
ものすごく乱暴な説明をしてしまいましたが、昔は自宅でだれでもやっていたこと。直線で縫えばいいだけなのでハードルも低いです。私も男の子でしたが、四歳のときに五歳の祝い着を買って、七五三はもちろん六歳までお正月やらなんやらと着せまくりました。転がりまくられても、食べているものをこぼしちゃっても、洗えるものなら心が穏やかです(笑)。
もちろんお祝いに正絹でよいものを、というのもまた素晴らしいことです。どんな風に着せたいか、ご自分が納得できるほうを選ばれるとよいと思います。
もし、小さなお子様お孫様がいらっしゃる方がいらしたらちょこちょこ着せられるように早めに七五三用の三歳着物・五歳着物を手にいれられるのもいいのではないでしょうか?
成人おめでとうございます!振袖雑感2020☆の巻
星わにこ
2020/01/15 00:00
連休は、全国で成人式が行われましたね。街のあちこちで振袖姿や初々しいスーツ姿ときには羽織袴姿を見つけると、おめでとう!と心の中で声をかけていたあやしいおばちゃん、わにこです。
今年は振袖着付のお支度のあとに、近くの中野区の成人式会場まで散歩して、振袖ウオッチングをしてきました。会場の前に、たくさんの振袖姿が華やかに集っていて、テンションマックス! 色、柄、帯結び、帯揚帯締めなどなど、友人と二人で「いいねえ」「いいねえ」と言いながら、拝見してまいりました。
色は、赤が多いかなと思いますが、ママ振も増えたせいかバラエティに富んでいる印象でした。私達が若い頃は、大正ロマン的なシブい色が流行していたけど、やはり明るい色のほうが若さがあっていいですね。シブい色でも本人が若ければ華やぐので問題ないのですが。
帯結びは三重紐を使った変わり結び全盛で、昔からのふくら雀や文庫はほぼ見かけませんでした。帯に飾りをつけている結び方もあり、それがとっても華やかだったので要研究課題になりました。
髪型は三つ編みアレンジで、髪飾りも以前ほど盛り盛りではないものが多いです。サイドに髪を一束たらすアレンジも多かったです。
正統派の着付が多い中、アナ雪のような髪型にブルーの振袖や、黒に黄色でヘアも同じ色に染め分けているアゲハ系、ポップなデザイン系振袖をちょっと短めに着て厚底ブーツのお嬢さんなどなど、個性豊かな着こなしも。男子もスーツだけでなく、日章旗を持ったお揃いの羽織袴の男子集団もいましたよ。
きっと、地域によってもいろいろなのでしょうね。でも服装に関わらず、本当に、みんな表情がキラキラしていて素敵でした。20歳の輝きですね~。
あと、昔から変わらないのがあの白いモフモフ。羽毛やファーのショールなのですが、これまた成人式でしかほぼ使われないですよね。首元もあまり暖かくはならないし、実用的にはうーむと思ったりもしますが、振袖の華やかさを引き立てて、白で顔も明るくする、振袖の強化装備だと思えばよいかと思います。あれをつけると、お嬢さんたちのテンションがぶわっと上がりますし(笑)そういう、なんか、20歳のときにだけ生える特別な羽根みたいな、そんなものかと理解しています(笑)。
ニュースにもなっていましたが、レンタル業者の倒産事件以来、ママ振(お母さんが着た振袖)を着る割合が増えているとのこと。そう思ってみると、確かにママ世代の振袖が多かったかも。でも、帯や小物で印象も変わりますし、なにしろ着ている本人がピチピチなので(笑)決して古いという感じはしませんでした。それぞれに、とっても素敵ですよね。
無論、新しく用意して、自分の好きなものを選ぶのもいいですし、まあなんなら振袖じゃなくてもいいわけです。とにもかくにもその日を無事に迎えられたことに、心からお祝いをしたいです。
それと同時に、この振袖の数だけ、着付をがんばった着付師さんがいるのだなと身が引き締まる思いがしました。わたしもまた当日まではかなり緊張していました。責任もあるから、体調も崩せない。年末も前撮りでたくさんの振袖着付けをし、帯結びの練習もしていたので指紋がつるつるです。時々スマホも反応しません。去年は爪が割れたため、今年はジェルネイルで補強して臨みました。
昨年は美容室に入りましたが、今年は昭和な家スタジオで前撮りしてくれたお嬢さんがたを、本番に送り出すお支度。お二人とも、お母様の振袖を小物を変えてコーディネートしての出席でした。受け継いで着るお嬢さんも、それを見るお母様も、本当に嬉しそう。それを用意したお母様のご両親もまた喜び一入ではないかと思います。
着付の仕事は、いつも緊張するものですが、振袖はやっぱりちょっと特別な思い入れがあります。特に成人式は、ついつい保護者目線になってしまうせいでしょうか。自分の成人式のときなんて、大人になる自覚もなければ友達に久しぶりにあえるな~くらいの、軽い考えでしかいませんでしたし、自治体の方針もあって振袖も着ることもありませんでした。
でも、その5年後、弟が20歳になりたてで交通事故で他界。成人式に出席は叶いませんでした。母はことあるごとに、成人式のスーツを着せたかった、着せたかったと亡くなるまで言い続けていました。若いころは、その言葉の重みをあまり感じませんでしたが、母親となった今となっては、子どもが無事成人し、晴れ姿を見ることがどんなに尊いことか、ひしひしと感じます。
周りの友達が、子どもが成人してほっとする、というのを聞くたび、よかったなあと思うと同時に私もその日を無事迎えられるよう祈るばかりです。成人のお祝いの着付は、私にとって祈りのようなものでもあるのかもしれません。
ともあれ、成人を迎えた皆様、そしてご家族の皆様、本当におめでとうございます。これからの人生に幸多からんことを祈ります。
そして、その日を支えた美容師、着付師はじめスタッフの皆様お疲れさまでした! また来年も、幸せのお手伝いができるよう、日々精進していきたいなと気持ちを新たにする、成人式の夜なのでした。
振袖の襦袢の袂が飛び出さない「つばさ」が便利☆の巻
星わにこ
2020/01/08 00:00
新年あけましておめでとうございます。本年もふふふと笑っていただけてちょっとお役にたつコラムをお届けしたいと思っております。どうぞかわらぬご愛顧よろしくお願い申し上げます。
さてさて、いよいよ成人式本番ですね! 今年成人を迎える皆様、本当におめでとうございます。急に子どもから大人になるわけでもありませんが、やはり大きな一区切りですね。20年間の成長の軌跡と、見守り育てられたご家族のお気持ちを想うだけで胸がいっぱいになります(はい、箱根駅伝を泣きながら応援するタイプです)。どうか自分を大切に、幸せになってほしいと心から願います。
そして成人式といえば、女子の振袖率、本当に高いですね。振袖で出席される新成人の方は、振袖を着るのは初めて!という方も多いのでは。
振袖でなにが大変かというとあの振袖最大の魅力でもある、長~いお袖です。ただでさえ慣れない着物姿、大変だとは思いますが、ちょっと動作に気をつければ大丈夫!
トイレ、車、座る時、そして階段。とにかく袖を引きずらないように、スマートに扱えればカンペキです。
振袖を着るときは。しぐさ美人で差をつけよう!の巻
あと、お袖で困るのが、強風。先日も成人式前撮りのロケ中、北風に悩まされたのですが、裾もはだけたりするけどなによりお袖の襦袢がぷわ~んと膨らんで外に出て来てしまうのが困り者。
そこで解決策として思い出したのが、「つばさ」です。「つばさ」とは、お袖の襦袢の内側、まるみの部分に、落としておく錘(おもり)。錘といっても、15グラムくらい、5円玉3つ分くらいの重さです。重さが負担になるようなことはありません。
これを入れることで、お袖の中で襦袢が泳ぐことなく安定し、飛び出しも防げますし、お袖自体も、ストンと落ちてキレイな形になってくれます。
ビー玉等が入っていて、袖の底に安定しやすいように筒型の形になっているもの、香りつきのものも市販されていますが、自分で手作りもできます。5円玉3つ(か同じくらいの重さで着物が汚れたりしない素材)をハンカチなどにつつんでもいいですし、どうせならちょっと可愛い布で袋をつくって入れるとよいと思います。
私も、撮影仕事用に作ってみました。
わかりやすく上に5円玉を置いていますが、中に入れて縫い込んで落ちないようにして使います。別に5円玉ではなくてもよいのですが、なんだか縁起がよさそうではありませんか? という理由です。ジャラジャラしそうで気になる、というときは、ボタンみたいに穴のところで糸止めしてもGOOD。
風がないときでも袖がひらひらしすぎないで落ち着いてよい感じです。成人式のとき、ちょっとお袖に忍ばせてみてはいかがでしょうか。着付け師さんにつばさを入れて下さい、って手渡しすれば、入れてくれると思いますよ。
今年の成人式、どうぞ全国よいお天気でありますように。晴れの一日、どうぞよい想い出になりますように。
お正月は家族で着物を!パパ着物もカッコイイの巻
星わにこ
2019/12/18 00:00
あーー今年ももうすぐ終わってしまう! 気ばかり焦ってしまう師走です。4年ほど前から、成人式や七五三など記念写真撮影の着付のお仕事をさせていただいています。家族全員が揃う年末年始は実はご予約が多いのです。
成人式は、男子の凛々しい羽織袴の記念写真も結構多いのですが、パパの和服はほとんど見ません。家族写真で主役やママが着物でもいつも「なぜお父さんだけがスーツなのか」というのが疑問でした。
そこで、お父さんもぜひ和装で! と提案してレンタルを始めたところ、ぽちぽちと着てくれるパパが現れ、今では家族写真撮影のときの半分くらいが羽織袴姿をチョイスしてくれるようになりました。
これが、かっこいいんですねー。
だいたい、着物はよくお召しになりますか?と聞くと、結婚式以来です、とか七五三以来です、とか中には着た記憶がないですとおっしゃる方も。でも、これが似合うんですね~。
実はスーツって、西洋人体型が一番似合うようにできているんですね。逆に言うと、着物は日本人体型に一番合うようにできている。のでので、着物は日本人に一番似合うな~と実感しています。
この冬、七五三、成人式、結婚式とそれぞれのお父様の紋付袴姿の着付をさせていただいたのですが、若くても、年を重ねても、かっこいいのが紋付袴だなあ~としみじみです。
着たことがないものを着るのは、ちょっと勇気がいるかもしれませんが、こういう時にぜひ着てほしいなと思います。最近の着付の課題は正装のときの補整。男性も紋付のときにはちょっと補整を入れるといいかんじになるなということ。お腹まわりだけでなく、胸元もちょっと入れると紋がしっかり出るのですね。女性と同じだけど、体型が違うのでもっと勉強が必要だなと痛感しているところです。
お正月は、家族で着物で迎えるのも素敵ですね。正装とちがってもっと気楽にチャレンジできるとよいと思います。紬やウールもいいですね。タートルネックのセーターやパーカーの上に着物を羽織るミックススタイルから入るのもいいかもしれません。
私もお正月は着物で!という夢があったので、結婚してはじめてのお正月、相方にウールの着物を着てもらったのですが、そのときステテコという秘密兵器を知らなかったため、着物って寒いからやだ、と次の年から着てもらえなくなってしまいました。トホホ。
先日、中学生の息子がパーカーとスパッツの上に着物を着ていましたが、なかなかいいかんじでしたよ。銀魂とかに出て来るキャラみたいでした。あったかくするとか、着たときの快適さや楽さの工夫も大事かと思います(^^;)。そういう姿で、帯の位置とか、袂のさばきかたなんかに慣れると、どんどん所作もかっこよくなりますよね。
ただ着物もまた、昔の着方のままでなく、新しい着方、新しい所作がスタンダードになってくるのかもしれないなあ~と思ったり。
結局なにが言いたいかと言うと、おしなべて日本男子はめっちゃ着物かっこいいので、もっと着物を着て!というお話でした(えええ)
年末セールでオススメ防寒グッズを探せ!の巻
星わにこ
2019/12/11 00:00
もう12月も上旬が終わり‥‥ってマジですか! 気がつくとあれもこれも積み残し‥‥気ばかり焦る師走。クリスマスのイルミネーションを見ると、毎年クリスマスの帯が欲しいな~と思いながら、パーティの予定もないしなあ、とまた今年も暮れていきそうな予感満載のわにこです。
しかし! 世の中は年末大バーゲンのシーズンでもございます。見ればついつい欲しくなる(笑)。今、いち利モールでは年末セールとあったかセールが重なってる時期!(15日まで)。1年がんばったご褒美に、なーんて言い訳しつつ物色している自分が危ないのは重々承知ですが、こういう時こそ後回しにしがちな小物やインナーに注目してみました。オススメの防寒グッズをご紹介です!
防寒でなにはなくとも着物の冬に欠かせないというくらい愛用しているのが足袋インナー。足元の冷え防止に必須なのです。ちょっとお色気には欠けますが(笑)スパッツなどを履くより、断然足元の寒さを防いでくれます。
私の愛用はこちら
足袋下ハイソックスのオークルベージュ
ちょっと厚めなので足袋は少し余裕のあるサイズにするのがおすすめです。もうちょっと薄い色もあるのですが、不思議とこの濃いめの色がチラっと見えた時に目立たない。あと絹のおかげか静電気が気にならないんです。
そんなに寒くないときはこちら、足袋インナーロング『ヒート+ふぃっと』。薄手なので足袋サイズも気になりません。薄手だけどよくあるストッキングタイプより断然あったかです。お値段お手頃な上に今セールかよ!(ポチッ)
チラっと見えた時やっぱり靴下が見えたらやだな~という方には足袋そのものが暖かいタイプか、足袋部分だけのインナーがおすすめです。
それから意外と冷えるのが、肘から二の腕。
ヒートテックなどを着込んでしまうと、これがもう脱げなくて暖房の暑いところで辛かったりするので、着脱できる着脱できるロングタイプのアームカバーがオススメ! ヒート+ふぃっとシリーズでありました。
白も可愛いけど、黒やグレーがコートに馴染んで洋服でも使いやすいので濃い色目もほしいところです。
首元はショールで。大判もいいのですが、冬は小さめのもので、コートの中にインしやすいものか、モフモフのファータイプを愛用しています。首を完全にくるんでしまうババスタイル。だって寒いんだもの(しくしく)。
ここまで書いて来て、すっぽりと体を覆う着物の中でチラ見えして美しい、首、手首、足首を完全に覆うスタイルだなと気がつきました(笑)。そのあたりの美学はそれぞれですよね。私はもう、首を出して歩いたら一発で風邪をひくのでがっつり覆う派です。
足袋下ハイソックスも、足袋が厚くなることで、草履の鼻緒が緩むからと履かない方もいます。私自身はそんなに気になったことはないのですが、このあたりもやはり美学というかこだわりですよね。
着物は、普段に着る分には洋服と変わらず、その人の好きに着ればよいと思うのです。そして、ここだけは譲れない!みたいなコダワリやスタイルも、それぞれだと思います。
自分の心地好いスタイルで、あったかい冬をお過ごしくださいませ。
あとはセールのときに肌着などを買って、お正月に着始めるのも気持ちが改まっておすすめですよ~。ちょっとくたびれてきたな、なんてものがあったら、今年のうちにさようなら。スッキリと新年を迎えたいものです。
着衣始め(きそはじめ)といって、お正月に新しいものを身につけるのは昔からよいとされてきました。
そうなるとやっぱり着物もねえ‥‥っと危ない危ない! 見るだけ見るだけ!(笑)でもめっちゃお安くなってる~!なんて誘惑と戦うのも楽しみ。年末のこのシーズン、お正月準備もお忘れなくです!
ママの晴れ着で七五三☆の巻
星わにこ
2019/11/20 00:00
お天気のよい日が続く東京、七五三のお祝いの親子連れを見ると幸せな気持ちになるわにこです。3歳も5歳も7歳も、それぞれに愛らしく美しい。子どもが無事育ったお祝いに、節目節目にお祝いし、感謝する。今よりも、医療が発達していなかった時代には、その有難さはまた別格のものだったことでしょう。自分も、息子の5歳のお祝いが出来たときは、なんだかほっとしたものです。
記念写真撮影のお仕事は、そんな節目のお祝いを写真に残すものですが、七五三の撮影はやはり子どもが主役だけあって、思うようにはならないし、ごきげんにあわせての進行となります。でも、その姿はそのときだけのもの。そう思うと、ハプニングがおこっても、それも想い出になりますよね。
「何度髪飾りをつけてもすぐ投げ捨てた」とか「七五三で袖を破ったので、それ以降着物を着ろと二度と言われない」とか「草履をいやがって足袋で神社の外をかけまわった」とか、中にはご祈祷のとき、申込書にパパが自分の名前を書いたため、お子さんでなくパパの名前で祈祷された、とか(爆)みんなそれぞれ、七五三あるあるです(笑)
今年はお客様から、ママが自分のおばあちゃんに縫ってもらった晴れ着でお祝いをしたので、それを娘さんにも着せたいというご相談がありました。
「自分が3歳のときにきた写真があるんですが、娘のほうが大きいはずなのに、羽織らせたらなぜかぶかぶかで‥‥使えますか」と言われたのですが、7歳でも着られる晴れ着で、肩揚げと腰揚げが解いてあったため、娘さんには大きかったのでした。
お預かりして、肩揚げと腰揚げをし、サイズをピッタリに調整。御詣りと記念撮影のお手伝いをさせてもらいましたが、すごーくよく似合っていました!
御詣りにはママのお母様もいらしていて、少しお話をさせていただいたのですが、ママの小さい時には、草履で歩けなかったのだとか。確かにママの小さいときのお写真も見せていただいたのですが、娘さんのほうがちょっと身長も高くしっかりしている印象。草履もちゃんと履いてしっかり歩いていました。
月齢で3歳になってすぐか、4歳近くなっているかの差もありますよね。「義母が縫ったものなんです。クリーニングに出してしまっておいたんだけど、少しくすんでしまったかも‥‥まさかまた着られる日がくるなんて」と喜んでいらっしゃいました。
そう、お母様がお手入れしてしまっておかなければまたこうして受け継がれることもなかったんですよね。その時点では、将来その女の子が女の子のママになって‥‥なんてことは想像もつかなかったはず。
着物を用意したひいおばあちゃんも、きっと喜んでらっしゃることでしょう。
そして、揚げさえすれば、サイズの調整が出来て着られる、着物ってすごいなと思いました。
ママも「私より似合っているみたい」なんておっしゃってましたが、本当にキラキラ輝く陽の光の中で、とってもとっても可愛らしかったです。
また7歳でも着られるね、とお話しましたが、3歳は被布で、7歳は帯姿で。同じ着物でお祝いできるってよくできていますよね。着物は鴛鴦の可愛らしい模様なのですが、3歳の今は鴛鴦のあたまがちょっぴり被布に隠れてしまっているけれど、7歳になったときは絵羽の模様が全部、キレイに見えることでしょう。想像しただけで胸アツです。
振袖は最近ママ振といってママの振袖を着るお嬢さんも増えていますが、七五三も、晴れ着が残っている方は受け継いで着られたら素敵だなと思います。全部ではなく、一部でも、ご先祖様から守られているようで、嬉しいものではないでしょうか。
着物のよさ、ってそういう「受け継ぐ喜び」にもあるのではないかなと思います。民族衣裳なのですから、ここイチ!なときにはぜひ着てほしいなと思います。日本人に着物って本当に似合いますから~~(力説)
子どもの着物姿に「似合うなあ~」と目を細めるパパママを見て、ほんとに似合いますよねえ~とウンウン頷くおばちゃんでした。子どもたちにも着物を身近に感じてほしいな!
この11月、七五三を迎えたお子様とご家族の皆様、本当におめでとうございます(^^)
帯のお太鼓をまっすぐに作る方法☆の巻
星わにこ
2019/11/13 00:00
秋晴れの日が続き、週末は七五三の着物姿をちらほらとみかけた東京です。着物ででかけるのに、暑くもなく寒くもなく、よい気候。羽織を着るのはよく「紅葉の頃から桜が散る頃まで」と言われますが、そろそろ羽織りもののオンシーズンにもなりますね。羽織を着れば帯結びに自信がなくても、かくれちゃうからオッケー! 初心者さんのおでかけトライにもってこいのシーズンです。
帯結びに自信がない‥‥というとき、どうしても「お太鼓が曲がっちゃう」「傾いちゃう」というのをよく聞きます。どうやったらまっすぐになるのー、ということなんですが、答えはひとつ。
お太鼓を作る時に、鏡を見ない。
これにつきます。えっ!見ないとわからないのでは?と言われますが……。
鏡で後ろ姿を確認しようとすると、よっぽど大きな合わせ鏡かカメラで撮影しながら見るというようなことをしないかぎり、体を捻って確認するしかないですよね。体を捻って鏡を見ながらお太鼓を作ると、曲がる確率大! お太鼓が体の真ん中に来ない確率大! になります。
なので、帯を巻いて行くときは鏡を見て前帯がいい位置に来ているかを確認するのはいいのですが、お太鼓を作る時、たれに枕をあてるときは、鏡をみないで体をまっすぐにして、手の感覚で「帯が体の真ん中にきているか」「まっすぐ下にたれているか」を確認してから、枕をあててください。
このとき、枕が短めの場合は、枕が帯の真ん中にきているかも、鏡を見ないで手の感覚であわせてください。
なんなら眼を瞑って。私は瞑って、心の目で帯を見ています!クワッ(誰だよ) こうすると、指の感覚が他の情報に惑わされない気がするんです。もしよかったら試して下さい(笑)。
そうしてよいしょ、とお太鼓を背負うと、まっすぐ背負えます。体のくせなどでどっちかにずれるときは、ここまでやってからはじめて鏡を見て、チェックをしましょう。このチェックも、振り向いたり体を捻らないで、体をまっすぐにしたまま、横をむいて両サイドをチェックするのがいいです。
右左の横から見た帯に差があったら、ちょっと修正すればオッケー。くれぐれも、振り返らないことが肝要です。
たれの長さを決めるときも同じ。鏡を見ないで、手の感覚で指一本分のたれを決めていきます。お太鼓の形ができた、と思ったらはじめて鏡でチェックしてください。
慣れて来ると鏡をみなくてもできますが、ポイントポイントで鏡を見るのは自分の姿を客観的に見られるのでオススメです。
でも、鏡をじいい~~~っと見ながら着付けるより、手の感覚も大事にしながら着付けるとうまくいくような気がいたします。それぞれやり方は様々ですが、なんだかお太鼓が曲がっちゃう‥‥とかうまくいかない!というような時は、鏡を見るのをやめて、体に対してまっすぐかしら? と自分の体の感覚に問いかけてみてくださいね! あ、もちろん、ちょっと粋にタレをななめにしたいわ!なんてときもおためしください。手の感覚。
長襦袢の身幅が足りない時の超☆裏技!の巻
星わにこ
2019/10/30 00:00
着物のトップシーズンがやってまいりましたね。今月の頭は暑くて袷なんて‥‥と思っていましたが、すっかり肌寒くなって、着物を快適に着られる気温になりました。紅葉狩りなどなど着物でおでかけしたくなりますね。
さて、もっぱら嘘つき衿で簡単に着物を着てしまっている私ですが、やはりちょっと気合いを入れてお洒落するぞ! な~んて、訪問着などをひっぱりだしてくると、それにあわせて作った長襦袢を着たくなります。
そんなとき。あれっ。長襦袢の衿がしっかり被らない。衣紋が抜きづらい。前のあわせがなんだか浅い‥‥もしかして、縮んだ!?
そうそう。着物とか長襦袢って、あまり着ないでしまっておくと、縮んじゃうんですよね~な~んて理由はなく、はい‥‥わたしが育ちました。というわけで、若い頃の着物や長襦袢の身幅がビミョウに(いえかなり)キビシイ。
痩せるしかないよね、とあきらめていたのですが、先日着付師さんに、そんな長襦袢の胸元をしっかりあわせる裏技を教えてもらいました!
それは、なんと、長襦袢の「脇をほどいて開く」という荒技!! 着付師さんも、どうしてもだめなとき、急を要する時、ご自分のものでほどいてもOKというときのみだけど、とはおっしゃっていましたが、なるほど、そうすれば衿をしっかり胸にかけられるので、衣紋もきっちり抜けますよね。
ただ、裾周りのあわせは深くならないのでそこは諦めですが、見えない部分なので不問で。袖の付け根から、腰の部分くらいまでの間の脇縫いをほどくのですが、それでも足りないときは、裾までほどいたこともあるそう。
あくまでも、どうしようもないときの応急処置、とおっしゃってましたが、もうちょっと衿があわせられたらいいのに‥‥と思うような、古い長襦袢でやってみるのはアリだと思います。よい子は真似しちゃいけません、な秘技とも言えるかも(笑)
肌襦袢の衣紋が抜けなくて、首元から見えてしまうような時に脇縫いをほどいてしっかり衣紋を抜き、胸の合わせを深くする裏技と同じ原理ですね。長襦袢を解く、という発想がなかったので目からウロコでした!
あまりないかもしれませんが、袷になっている長襦袢とかだとほどくのがちょっと難しいかもしれません。
もし、着用予定が差し迫っていてどうしても縮んだ(違)長襦袢を着なくてはいけないとき、背に腹は替えられない時、心の片隅に覚えておくとよい裏技かと思います。
どうも着づらいな~とか、うまく衣紋が抜けないな~と思っている長襦袢があったらそれはもしかしたら身幅が足りてないのかも!? あまり丈しか気にしない長襦袢ですが、そんなときは自分に身幅があっているかどうかも、ちょっと着目してみてはいかがでしょうか?
即位礼正殿の儀。装束の色で身分と年齢がわかる?の巻
星わにこ
2019/10/23 00:00
令和元年10月22日祝日、即位礼正殿の儀がとりおこなわれました。台風19号の被害があり、いろいろと落ち着かない中、奥ゆかしく儀式が行われるのをテレビでみておりました。お祝いの気持ちと共に、装束スキーとしても、色や文様、着付などなど食い入るように見て家族にやや引かれていたりもしましたが(^^;)
装束は、皇室の儀式や神事にときに着用されるものであり、平安時代の形を今に伝えています。美しい形、色、正絹の輝き、どれをとってもひたすらに素晴らしい、世界に誇れる日本の伝統ですね。
男性は「袍(ほう)」女性は「十二単(じゅうにひとえ)」を着用します。この装束の色や文様には意味があり、立場や年齢によって変わります。奈良時代に制定された律令制では身分によって、着られる色が定められており、それが「禁色(きんじき)」です。
中でも、一人しか着ることがゆるされないのが絶対禁色。それが、太陽が最も輝く時の色を現したとされる「黄櫨染(こうろぜん)」と朝日が昇る色を現したとされる「黄丹(おうに)」です。黄褐色のような黄櫨染は、ハゼ・スオウで、濃い橙色のような黄丹はクチナシと紅花でそれぞれ染められています。黄櫨染は天皇陛下が、黄丹は皇太子がお召しになる色。令和の式典では、黄丹は皇嗣(皇位継承順位第1位の皇族)である秋篠宮殿下がお召しになりました。
テレビで30余年ぶりに見る平安絵巻のような装束での儀式を食い入るように(主にパーフェクトな袍や十二単の着付けを)拝見しておりました。今回は、外の廊下をお通りになる姿は見られず、高御座(たかみくら)の帳から天皇陛下がお姿を現される様子が、本当に荘厳で感動的でした。
女性皇族のお召しになっている五衣唐衣裳(十二単)にも色の違いがあり、皇后陛下しか着ることをゆるされないのが純白の唐衣(一番上の上着)。他の女性皇族の皆様は紫の唐衣をお召しになっていました。
その下の表着(うわぎ)は、年齢によって色が違います。高齢者(概ね40歳以上:え~~!)が二藍(紺)、それ未満が赤をお召しになります。
その下には打衣(うちぎぬ)を羽織り、その下に五衣(いつつごろも)といって、5枚の内着を着ています。この内着の色の重なりが、いわゆる十二単の重ねの色目であり、美しいグラデーションとなっています。等間隔で並び、胸元だけでなく、膝のあたりの衿下、そして裾にかけて引かれる重なりとこれぞ十二単のクライマックスやあ~!と言いたくなるような美しさ、たまりません!
あとは、長袴のお色も違っていたのに気付かれましたでしょうか? 雅子皇后陛下や秋篠宮妃紀子様は赤い緋袴(ひのはかま)、眞子様や佳子様は紫のような濃色(こきいろ)の袴でした。緋色は既婚者、濃色は未婚者(既婚でも第一子出産まではOKという説も)の色目とされています。
実は打衣や、単(五衣の下、肌着の上に着る)も同様のルールがあります。こうした色目でも立場や年齢を知ることができるのですね。そんなところにも注目して見ていただくのも、面白いのではないでしょうか。
装束が、その形だけでなく、決まりや着付け方とともに、1000年以上受け継がれていることはすごいことだなと思います。実際に儀式などで陽の目を見るのは、稀なこと。しかし、重要なこと。その日のために、守り、伝えている方々の努力に頭が下がります。着物も、そういうエッセンスを十分に受け継いだ、民族衣裳なのだなとしみじみ。
こういうことこそが「文化」なのだなと思います。
儀式が始まると、降りしきっていた雨が止み、虹がかかるというミラクル。そして富士山の初冠雪が雲間から姿を現すという、まるで神話のワンシーンのような出来事がおこったのにも胸が熱くなりました。
即位を宣言されるお言葉の中で、平和と福祉という言葉が、特に心に残りました。今回の台風の被害のように、辛いことや大変なこと、いつの世もたくさんの試練はあります。でもその中でも、みんなが自分が守りたいもの、大切にしたいものを見極め、人間らしく生きていける時代になってほしいと、こころより願う大切な1日になりました。弥栄。
楽に着たいときは伊達締めを抜くなど。の巻
星わにこ
2019/09/13 00:00
皆様、着物を着る時、紐は何本使っていますか? 礼装などを着るときは襦袢で胸紐、伊達締め、長着で腰紐、胸紐、伊達締め‥‥コーリンベルトなどを使う場合もあるでしょう。おはしょりを整えるためや、補整でタオルを抑えるために、さらに紐を使っている場合もあるかもしれません。
紐が多ければ多いほど、まあ、着崩れはしにくくなりますよね。でも、しんどいです。
普段着ではもっと少なく、胸紐を省略したりコーリンベルトを使って伊達締めを省略したり、と工夫されている方も多いと思います。
紐は1本でも少ない方が、楽ですもんね。
でもやはり、胸元をきちっとするには、伊達締めがあったほうがキレイに着られます。大きい面積をしっかり抑えることができるからです。逆に言うと、それだけの面積を押さえつけているわけですから、これがなければかなりラク。
以前、腰紐1本で着る着付を教えていただいたのですが、やはり胸元が崩れるような気がして、伊達締めだけはしていました。でも、今年「夏はやっぱり暑いなあ」と思っていて、伊達締めを省略してみようと思い立ち、着付の段階でやめてみたところやはりぐずぐずに。
そこで以前習ったように、伊達締めをして胸元を整えて、帯を結んでから伊達締めを抜く、という手順にしたところ、ほぼほぼ崩れなく着られることが判明。自分が以前と違うところは、補整をしっかりするようになったこと、着物を着るのに慣れてきていること、着物を着るときの所作が少し身に付いて来たこと、でしょうか。
どんなにきっちり着付けても、補整がないと崩れやすいし、姿勢や所作が悪ければどんどん崩れてきます。
普段着なら崩れてもいいっちゃいいですが、どうせ着物を着るならちょっとでもスッキリ見えたいなと思うので、ちょっと頑張るワタシです。でも、楽がいい。というワガママのせめぎ合い(笑)で落としどころを日々探しています。
伊達締めを抜くコツは、結び目を下にして、あとで抜きやすい位置にしておくこと。抜くときは、結び目を解いて下に引き出し、一気に引き抜こうとせずに、下に下げてぐるりと抜いていくこと。
このときの「ふわあああああああ」と声が出るような、みぞおちの開放感をぜひぜひ味わってほしいです。
このワザは、ある程度着付に慣れてからのほうが、効果が高いような気がします。やってみたことがない方がいらしたら、ぜひ一度トライしてみてください。紬や木綿など、形が決まりやすい着物は抜いてもほぼ問題ない気がします。
コーリンベルトを使っている人は、伊達締めを最初からしなくてもコーリンベルトで胸元、背中を整えてから帯をするので問題ないはずです。(私はコーリンベルトも省略したいので、伊達締めをしてから抜く方式に)
腰紐は省略するわけにはいきませんが(笑)もし、沢山の紐や伊達締めを使って「着物は苦しいなあ」と思っている方がいたら、「これ、いらんのとちゃう?」と思う紐を省略してみてもいいと思います。1本減るだけで随分違いますよ!!
一方、これがあったほうが自分にはいいと思えば、使えばよいと思います。
伊達締めを省略することにも、そんなの当然じゃん!?という方もいれば、そんなことを思いつきもしなかった、という方もいると思います。
着付には、いろんなやり方があります。習った通りにやらなくても、大丈夫。自分の着やすい着方、めざす着姿で、折り合いをつけつつ探っていくのも楽しいものです。どんな方法にも、いいところ、悪いところがあります。自分に、あう、あわないもある。着付に絶対、はないなと思う今日このごろ。ひとりひとり体型も違うし、着心地に関しては本当に個人差が大きく、探れば探る程、面白く、深い。
外からは見えないからこそ、着物の内側って、ワンダーランド(笑)。
友達と情報交換したり、ネットで動画を見て「えっこんなやり方あるんだ」とか、いろんな方法にトライするのもおすすめでーす! 秋からの着物シーズンにむけて、着付の見直ししてみませんか?