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卒入学式の着物とおばあちゃんの黒羽織☆の巻

星わにこ
2018/04/11 00:00
 この春は、子供の卒業式&入学式。そしてその間に自宅と仕事場の引越しをするという超ハードスケジュールでした。どうなることかと思いましたが、なんとか荷物だけは運び、ダンボールの中で生活しています。  そして子供の卒業式&入学式、いろいろバタバタになってはしまいましたが、両方とも子供たちの成長に感無量でした。  最近は担任の先生だけでなく、卒業生の袴での出席も増えているようで、いろいろ物議にもなったりしていますが、私は華美に装うという視点ではなく、本来の「礼装」という意味を考えてほしいなと思っています。袴も振袖も、本来は華美なもの、お金がかかるだけのものではなく、「礼装」としての意味が大事なのではないでしょうか。  でも今回は主役の着物のお話ではなく、保護者のことを書きたいと思います。  式には両方とも着物で出席。卒業式はお天気が怪しかったため、洗える付け下げに黒羽織で。小学校の卒業式は袴の子もちらほらいて、とても可愛かったです。担任の先生も、女性は袴姿でした。本当にキリっとしていて素敵でした!  一方保護者の着物姿は6年前の入学式に引き続きぼっち。さぞかし目立ってしまった!?と思いきや、袴の女の子のお母さんが「ちょっと袴が落ちて来ちゃったから直してもらおうと思ったのに、見つからなかった!着物でいた?」と言われるくらい、黒羽織を着てしまうと着物でも目立たないようです(笑)  母がよく黒羽織のことを「ぼろかくし」と言っていましたが、下がどんな着物でも、一つ紋付きの黒羽織を羽織るだけで改まった装いになり、かつ浮き難いのかもしれません。  昭和40~50年代は黒羽織が大流行し、学校の式でのお母さんの服装といえば、着物に黒羽織姿でした。私の母も学校行事で黒羽織を着ている写真が残っています。  私の黒羽織は、その母の黒羽織を仕立て直したもの。母は大叔母の紋付の着物を黒羽織に仕立て直したと言っていたので、むかしむかしの絹なのです。羽織るととろんと体に添って、本当に気持ちがよいのです。  そのリメイク顛末は以前コラムにも書きましたが、母との身長差もあったため、裄に生地を足したり、いろいろして仕立て直したものなのです。 >母の黒羽織をリメイクしてみましたの巻  中学校の入学式は色無地に黒羽織でした。こちらはもう1人訪問着姿の方がいました! 地域や学校にもよるかとは思いますが、もうちょっと着物姿が増えてもいいのになー!  スーツも同じかとは思いますが、着物はやはり日本人には格別の意味を持つ気がします。本当に気持ちも改まりますし、「礼装」という言葉の意味が体感できる気がします。  それから、あとは経済的な面も。私も特にこのために着物を誂えるなんてことはもちろんなく、いい感じに恰幅がよくなってまいった(涙)にも関わらず、25年前に作ってもらった着物をずっと着ております。  25年前の洋服とかよっぽどでないと着られませんよね。そういう意味では、非常に長く着られて経済的と言えなくもない。そして、上に着ている黒羽織なんて、仕立て直しをしているとはいえ織られてから軽く60年は経っています。  そして黒羽織につけている羽織紐は、義母が黒羽織につけていたもの。私の母はもうこの世にはいませんし、義母も遠く離れて暮らしています。でも、こうして母の黒羽織と義母の羽織紐を身につけて、式に出席することで、なにか皆に守ってもらっているような、嬉しく身が引き締まるような気持ちに。  そして、いよいよ新生活の始まり。  なんだか怒濤の日々でしたが、入学式に着た着物を汗とばしにかけておいたのを、畳んで畳紙におさめながら、少し落ち着いて足元を固めて、ゆったり生活していければいいなあ‥‥なんて。  この、なでながら畳んで、いろいろ想いながらする後片付けの時間も着物の特別な時間のような気がします。そしてあのときにこれを着たという記憶も、一緒に仕舞って‥‥。  さあ、また頑張ろう! と思うのでした。

腰痛に着物&ナンバ歩き☆の巻

星わにこ
2018/02/07 00:00
やってしまいました! ぎっくり腰です。寒くなると増えるらしいですね。まんまと寒い中、ゴミ捨てをしようとして違和感‥‥‥。やばい、と思ったらどんどん痛くなってあー‥‥‥。ちーん。  全く動けないほどではなかったため、じわじわと動いて生活していましたがもう、なにもかも予定が吹き飛ぶ痛さ。寝返りもうてずに横たわっているのに、追い打ちをかけるように雪が降ったり。やはり冷えが大敵なのですね。あと辛いのが咳!!泣けました。  そんな中、思いのほかよかったのが、着物でのおでかけ。パーティがあり、ちょっと無理かも?と思いましたが、どうしても行きたくて、根性で着物を着てでかけました。  でも、補整のたかはしきもの工房の「腰すっきりパッド」にホッカイロを仕込んで、温め&少し低い位置で骨盤を締めることで随分楽に。その上に帯をするので、腰の骨が立つというか、姿勢がよくなって、重ね着で暖かいので、洋服より快適に過ごせました。  しかも、着物のときは「ナンバ歩き(同じ方向の肩と足を出して歩く)」をすると結構いいんですよ。ねじれないので着崩れない。昔の日本人は皆この歩き方だったと言われています。ちょっとロボっぽいけど慣れればラクちんです。コツは大きく手をふらないこと。  あまりに快適だったので、洋服のときも、腰スッキリパッドをつけたまま生活しています(笑)少し下目の位置につけるので、Lサイズを使っています。本来の使い方とは少し違いますが‥‥。  ついで(?)なので本来の使い方について少し。全面ポケットになっている補正具なので、自分のウエストのくびれているところ(結構人によって上だったり下だったりします)とヒップの窪み(これも個人差大!)に必要な分のタオルを用意して、窪みを埋めるようにピッタリと巻き付けます。ブカブカにならないようにするのがポイント。  ウエストの補整なんていらなーい、と思っていたわたしですが、たかはしの腰スッキリパッドを使い始めてからは必ずしています。  なぜなら、体と着物や帯の間のクッションになってくれて、自分が楽だから。腰紐や胸紐、伊達締めがちょっと苦手だったのですが、補整を入れることでキリっと結ぶことが怖くなくなりました。腰紐がキリっと結べると、格段に着崩れしません。なんとなくはだけてきたり、おしりのところがひっぱられてブワブワになったり、ということがなくなるんです。  私は締め付け嫌いなところがあるので、これは福音でした。  もちろん、必要なところにタオルを入れてウエストと腰の凹凸を補整するので、着姿もよくなります。着物は直線断ちの衣類ですから、曲線よりも平らなところに沿わせると格段に着付けやすいです。あと、防水機能もあるので、汗が帯や着物に染み出さないのも嬉しいです。  普段は腰骨ぎりぎりにひっかかるくらいの位置にかませて凹凸を埋めるようにあてて、下線をキュッと止める(上はあまり締めません、苦しいので)のですが、腰痛対策にはもっと低い位置でコルセットがわりに巻いてみました。つけるときにやっぱりあったかいし、今ちょっと手放せなくなっています(笑)。  帯も腰紐も少し下目に締めると腰痛にいいようです。着物は重ね着だからお腹まわりがしっかり暖かいのもグッド。  もし‥‥腰痛に悩んでいる方いらしたら、おためしあれ! (ババくさい話題で失礼しました(^^;))

帯揚をリボン結びでパーティアレンジ☆の巻

星わにこ
2017/11/29 00:00
 街のあちこちにクリスマスツリーを見かけるようになり、いよいよ年末のパーティシーズンがやってまいりました。イルミネーションを見ていると、テンション上がりますねー。  コーディネートに赤、緑、金やクリスマスモチーフを取り入れるのも楽しいですよね。今日は、帯揚や帯締めの結びかたでパーティ気分を盛り上げる華やかテクニックをご紹介します。  まずは帯揚のリボン結び。  図のように、交差してぎゅっと左右にひっぱり、端を上下に立てます。上になったほうをリボンの幅に畳んで、そこに下の端をきれいに掛け、帯に押し込みます。半幅帯の文庫を作るときを思い出してください。  あとは形を整えればできあがり。簡単です! リボンの端を帯の外に出せば、大きく可愛らしいですし、ちょっと子どもっぽいかも?と思ったら下側を帯の中に隠せば、スッキリと大人リボンになります。  ここまできたら帯締めもハートにしちゃいましょう。ハートの帯締めの結び方はこちらをご参考になさってください。これも、カンタンなんです! コツは必ず左右の長さを揃えてから結ぶことです。帯締めが長過ぎて、ハートのしっぽが長―くなってしまうようでしたら、帯締めを後ろでちょっと結んで長さを調節するとうまくいきますよ。 >ハートに四つ葉のクローバー可愛い帯締めアレンジの巻  今回はポップなカラフルコーデをパーティアレンジしてみました。普通に結んだ時より、ずっと弾けて楽しそうになりましたよー。  アクセサリーをつけなくても、結び方を変えるだけでこんなに華やかに変身できちゃいますので、ちょっと物足りないな、というときぜひお試し下さい!

おキモノ旅の強い味方。水屋着(活動着)が便利!の巻

星わにこ
2016/04/20 00:00
先週からの熊本地震‥‥被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。余震が続く中不安な日々を送っていらっしゃることと思います。一刻も早く、安心できる状態に戻れますよう祈っております。  実は、14日の夜から16日まで博多に仕事で行っていたのですが、最初の地震で飛行機が空港にすぐに着陸できず、上空待機に。着いた夜も余震が続き、次の日にまさかの本震。宿泊していたホテルは13階だったのでかなり揺れ、夜中に飛び起きました。  テレビをつけると、真っ暗な中にも大きな被害があった様子が‥‥。携帯の地震警報音に東日本大震災を思い出し、一人不安な夜を過ごしました。幸い博多は大きな被害もなく通常通り仕事もでき、東京に戻ることができましたが、その後のニュースを見るにつけ、いろいろな想いがぐるぐるとしています。  ネットでも様々な情報が飛び交っていて、助かる情報もあれば、デマや困った情報もあり。無闇なシェアをしたり脊髄反射的に飛びついたりすることのないように見極めも必要だなあと改めて感じています。そして自分の身の備えも見直さなくては、ですね。  とにかく、自分の持ち場でがんばることが自分のできること。できるだけの寄付をしたり、日々の暮らしを続けることしかできませんが‥‥熊本、大分の皆さん、応援しています!  最近、着物で旅行や出張にいくことが増えたのですが、洋服と着物、両方を用意していくと、履物や上着等など荷物が膨れ上がるため、着物の場合は旅行の最初から最後まで着物で過ごしています。  乗り物でも、帯枕はやわらかメッシュのやわらかタイプのたかはしの空芯才を使うようになってからは、もたれても痛くないし、長距離もヘイキになりました。他にも特に困る事はないのですが、朝、ホテルのバイキングに行くときがちょっと面倒。  自宅では、朝食を食べてから身支度をする習慣なのですが、ホテルだとちゃんと着物に着替えてから部屋を出なくてはいけなくて。髪をセットしてお化粧して着物を着て、帯を結んで‥‥とフル装備しなくてはいけないのが意外とハードルが高い。  そこで、着物だけ羽織って、帯は結ばないで帯枕だけつけて(場合によっては帯枕もしないで)、前打ち合わせの木綿の活動着(水屋着)を着て朝食を食べにいくようにしました。これ、ラララ、ラクチーン!! ポリエステルのタイプでもいいですね。洗える素材が有難いです。  水屋着とは、お茶をされている方ならよくご存知ですが、お茶室のお勝手(水屋)でのお手伝いの時に汚れ防止につけるもの。袖口も絞られていて作業しやすいし、水仕事もおてのもの。畳の上で立ったり座ったりするものですから、丈もひざまでカバーされているものが多いです。割烹着よりガード範囲が広くて、エプロン感もあまりない優れもの。  道中着よりもかしこまりすぎず、汚れ防止もできて一石二鳥。旅先で居酒屋、なんてときも上に羽織れば、いろいろ気にせず、また周りにも気をつかわせずに重宝です。ちょっとした作業時のエプロン代わりにもなるので、着物旅には1枚持っていくとお役立ち間違いなし。  あまりエプロンエプロンしていない色柄を選ぶと、ちょっと外に出たいときにもgood。普段だけでなく、おキモノ旅のお供にもおすすめです。

妄想コーデ☆春の川辺「染の小道」をお散歩したい!の巻

星わにこ
2016/02/17 00:00
 春一番が吹いたと思ったら、ぐぐっと寒くなったり‥‥。三寒四温で、だんだん春に近づいているのかなと思いますが、本当に何を着たらいいのか迷ってしまいますよね。  梅も満開、あちこちでいろんな蕾も膨らみ始めて‥‥。今日は、毎年この時期に開催されている東京・中井の「染の小道」にお散歩にいくコーデを妄想してみました。  染めというとまず京都が思い浮かびますが、実は東京も一大産地。特に新宿は、大正の終わりごろから神田川、妙正寺川の豊富な水量を活かして染色とそれに関わる産業が発展してきました。川で反物を洗ったり‥‥という風景は、昭和30年代まで見られたそうです。  染の小道では、往時の風景の再現として、川に反物がかけられます。キラキラ光る水面の上にたなびく色とりどりの反物に心が躍りますよ~。  今日はそんなキラキラ川辺のお散歩をイメージしてコーデしてみました!  春一番が吹いたと思ったら、ぐぐっと寒くなったり‥‥。三寒四温で、だんだん春に近づいているのかなと思いますが、本当に何を着たらいいのか迷ってしまいますよね。  梅も満開、あちこちでいろんな蕾も膨らみ始めて‥‥。今日は、毎年この時期に開催されている東京・中井の「染の小道」にお散歩にいくコーデを妄想してみました。  染めというとまず京都が思い浮かびますが、実は東京も一大産地。特に新宿は、大正の終わりごろから神田川、妙正寺川の豊富な水量を活かして染色とそれに関わる産業が発展してきました。川で反物を洗ったり‥‥という風景は、昭和30年代まで見られたそうです。  染の小道では、往時の風景の再現として、川に反物がかけられます。キラキラ光る水面の上にたなびく色とりどりの反物に心が躍りますよ~。  今日はそんなキラキラ川辺のお散歩をイメージしてコーデしてみました! http://bit.ly/217Ftbp  今回は水辺にちなんで、ちなみ模様ばかりセレクト。川にかかる、反物をイメージしたストライプの小紋に、半衿は青海波の刺繍、帯揚は流水模様、帯締めは七宝組み波目。全体は江戸っぽい色のトーンで、でも帯締の色で春っぽさを。帯留も水にちなんだもので、小舟や花筏なんかどうでしょう。  帯は、中井の二葉苑さんの更紗のカニさん。カニは、はさみを振る仕草から「ツキを招く」といって、縁起のよい模様なのだそうです。川沿いの二葉苑さんでも、染の小道の期間中はいろんなイベントがあって、工房の見学もできます。  街には染色作家さんたちの作品が「のれん」の形で飾られます。たくさんの個性的なのれんの中からお気に入りを探すのも面白い! その他、アーティストや工房による展示や様々な催し物もありますし、ちょっと可愛い和の小物などもゲットできます。着物姿の学生さん達が「こみち隊」として街を案内してくれたり、ぜひぜひ着物でおでかけしたいイベントです。  川と街を埋め尽くす、染色作品は本当にフォトジェニック! 中井の春の風物詩、必見です。  私の密かな楽しみとしては、赤塚不二夫プロのところで毎年会えるウナギイヌさんやレレレのおじさんの着ぐるみと2ショットを撮らせてもらうことです!!!今年も会えるといいなー!!! 「染の小道」は来週末2月26日からの開催です。  今年は私は染色には参加できませんでしたが、パンフレットにイラストを使っていただいています。見てね(^^)。また26日にはお散歩にもいきます。もしわにこと一緒に中井散歩したいな~という方がいらしたら、お声かけ下さいね! ただぶらぶらするだけですが‥‥(えええ) http://shouwa.wix.com/1955  もうすぐ雛祭り。春のイベントが目白押しです。暖かな日差しを楽しみながら、寒さで縮こまった身体と心をほぐしつつ、着物で粋春のお散歩にでかけてみませんか?

まだまだお正月だもん☆思いっきり華やか着物!の巻

星わにこ
2016/01/13 00:00
 成人式までの青空が嘘のように、急に冬将軍がやってきたかのような東京です。三連休は成人式、青空の下で振袖姿をたくさん見ることができました。羽織袴姿もちらほら。スーツもいいですが、やっぱり振袖は華やか~! 見ているだけでワクワク。成人を迎えられた皆さん、ご家族の皆様本当におめでとうございます。  わにこも、友人のお嬢さんたちのコーディネート相談にのって、色無地振袖や伊達衿の襲色目を提案させてもらったり、わにコレ振袖で当日のお支度させていただいたり、とてもとても想い出深い成人の日となりました。もう、本当に自分の子どものように可愛らしいお嬢さんたち……でも、大人になって羽ばたいていくのだなあ~と感無量の1日でした。  さてさてそんなこんなで1月も半ばにさしかかってきましたが、まだまだお正月気分は終わっておりません。この時期はどんなに華やかな着物を着ていても、新春ということでお目こぼしをいただけそうな気がいたします。  新年会、初釜、新春公演観劇などなど、エトセトラ、エトセトラ。ここぞとばかりに晴れやかな気分を味わっている方も多いのでは。  私もお稽古始めや添釜など、あちこちに普段は着ないやわらかものの華やかコーデで出かけてみたりしております。振袖、留袖、訪問着、付け下げ、色無地、小紋‥‥いわゆる「やわらかもの」「たれもの」と言われる、羽二重、縮緬、綸子などの染めの着物は、本当に着心地がやわらかで「垂れる」という言葉が体感できますね。体に感じる適度な重み。絹を纏う、絹に包まれるヨロコビが一番実感できる着物ではないでしょうか。  左は梅の小紋に梅に初音の鼓の帯、右は絞りの訪問着に綴れの鏡裏の袋帯です。普段はちょっとなあ、と思うような華やかさもお正月なら平気~! 絞りの訪問着はいただいたもので「私にはちょっと派手かも‥‥」と思っていたのですが、着たら結構いけるじゃない? なんて思ったり(わはは)。  今週は、故池田重子さんの「日本のおしゃれ展」にも出かける予定です。1993年の初回の展示で、着物というものの圧倒的な美に腰が抜けそうになったことは今でも忘れません。はからずも追悼展になってしまった今回、じっくりとその美意識を感じてきたいと思います。  さらに今年は振袖OKの新年会に2つも出席予定です(えええ)。もちろん外は振袖では歩きませんが(笑)パーティドレスとして大人振袖を楽しもう!と目論んでおります。  いつものキモトモさんたちと和食で。それからお招きいただいて、洋館でのパーティで。着物の世界を知ったことで、新しい世界が広がりました。なんだか、思えば遠くへきたもんだ!!  考えてみると、ずっと女性らしい格好が苦手で、化粧っ気もなくお洒落なんか‥‥って思っていた自分が、着物マジックにすっかり味をしめ(笑)、メイクもちゃんとするようになり(あくまで当社比w)、褒めていただいても笑顔でありがとうございます~なんて言えるようになったのがオドロキです。  洋服を着ていたら、綺麗ですねなんて褒めてもらえることはまずない私ですが、着物を着ただけで褒めていただけるのですから、着物の力ってスゴイ!!  さらに、晴れ着ともなればテンションも更にアップです。なかなか訪問着など着る機会もないわと言わないで、お正月にこそばんばん着てみてはいかがでしょうか。別に用事がなくっても、例えばデパートを歩くだけでも、ホテルのロビーにいくだけでもいいんです。パ~っと気持ちが華やぎますよ。  ちなみに、松屋銀座で開催中の「日本のおしゃれ展」では、雑誌「美しいキモノ」の表紙看板があって、その前に立って写真を撮るとあら!「美しいキモノ」の表紙が飾れちゃう!という「表紙なりきりパネル」があるようですよ。女優気分で思いっきりお洒落していくのも楽しそう!  いろいろつまんないことがあってもしんどいことがあっても、女たるもの、お化粧をして着飾ることが気持ちを救ってくれることもあるんだなと、やっと気がついた女子歴40ン年目。私の場合のお洒落アイテムは着物です。  今年は「いやいやもうもう全然私なんて‥‥」と言わず、美しい着物姿を目指して精進したい! 着物の魅力をどんどんお伝えしたい! そんな風に思っております。  まだ1月のうちに、箪笥に仕舞ってある晴れ着を取り出して、目一杯お洒落してでかけてみませんか?

伊達衿に夢中!礼装のクラスアップにもお洒落にも の巻

星わにこ
2015/02/11 00:00
 最近、振袖やお祝いごとの礼装のコーディネートのご相談をいただくことがあるのですが、伊達衿が意外と大きい働きをするんだな~と改めて感じ入っております。  伊達衿は、重ね衿、比翼衿ともいって、昔は礼装の着物は重ねて着た(二枚襲など)名残です。留袖についている比翼がまさに二重襲の名残ですが、さらに簡易に衿の部分だけを二重に見せるものです。  振袖の襟元には必ずといっていいほど使われていますよね。昔は無地の羽二重地だった気がするのですが、地紋入り、ラメ入りは当然、最近では一連にパールなどを縫いつけてネックレス風に見せたり、レースを使ってヒラヒラにしたり……。なんでもありです(^^;)  私がハマっているのは、本来の伊達衿の使い方からはちょっと外れますが、伊達衿を振袖の衿に添わせて外に出すことをしないで、振袖の中、襦袢の上で何重かに重ねて、十二単風に見せる衿元です。半衿を見せる幅は抑えて、伊達衿を重ねていくのです。襲ねの色目を考えると素敵です!  また、振袖だけでなく、訪問着や付け下げはもちろん、色無地にも使うと礼装感がアップして華やかになります。ほんのちらりと見えるだけのラインですが、襟元に1色プラスするだけで見違えます。  淡い色の着物に濃い色を挿せばキリリと。淡い色をあわせればふんわりと。反対色、同系色、考え出すときりがなく(笑)最近どんどん伊達衿が増殖して‥‥(汗)だれか止めて~(汗)  形自体は非常に単純なものですから、作れちゃうかも?なんて野望まで。  それにお洒落と考えると、礼装だけに限らず楽しんでもいいと思うのです。以前、綾秦節先生に「紬に江戸小紋柄の縮緬の伊達衿を挿す」という超上級ワザを教わったのですが、これがウーンと唸るお洒落さ。  紬などには、礼装とは同じものではしっくりきませんから、似合う素材や色柄を見極めることが大事なのですね。  たかが伊達衿、されど伊達衿。あってもなくてもいい存在だけに、上手く使いこなせるとハっと目をひくコーディネートのアクセントになってくれます。伊達衿のポテンシャル無限大。  そんなわけで、ちょっと伊達衿沼にハマり中のわにこでした。皆様もぜひ伊達衿遊び、お試しを♪

着ないにこしたことはないけれど、必要な着物「喪服」の巻

星わにこ
2014/11/19 00:00
 先週は「きものサローネレポートを書きます!」と高らかに宣言しながら、お約束果たせずすみませんでした。6日に実家のある岐阜で入院中の母の容態が急変し、帰郷。そのまま看取って、お葬式、初七日を済ませ15日に東京に戻ってきました。結局きものサローネの会場には一度も足を運ぶ事ができず、大変ご無礼をいたしました。  後期の100人コーディネートへの参加は、友人に無理を言って振袖を搬入してもらい、代理での着せつけをお願いして無事叶いました。見たよ~とメッセージなどもいただき、嬉しかったです。今回の自分のコーディネートテーマは「オトナの振袖」。着られる頃を過ぎても、やっぱり着たい。知ってて楽しむオトナの振袖、ということで、40代以上だろうが既婚だろうが、着てみたっていいじゃない(出歩かなければw)ということで、低めに結んだお太鼓での振袖コーデを展示しました。  100人コーディネートは本当にいろんなスタイル、提案があって見応えがあったよ~と聞き、またファッションショーやトークショー、展示など3年目の今年はどうだったのか自分の目で見ることができなかったのを本当に残念に思います。皆様はお気に入りのスタイル、発見できたでしょうか?  さて、ここからは私事ではありますが、母と葬儀と喪服のお話を少しさせてください。  小さな頃は曾祖母、父と母、私と弟、それに叔父という大家族で育った私でしたが、小学生のときに祖母が亡くなり、中学生のとき叔父が結婚して家を出て、私も高校卒業と同時に家を出ました。  社会人になった年、弟が交通事故で急逝。家族が、特に両親がどれほどのショックをうけたかは言葉では言い表せません。その後を追うように祖父、父も亡くなり、実家は母ひとりが残りました。  私の喪服は、社会人になったタイミングで母が呉服屋さんに頼んで誂えてくれたのですがなかなか出来上がらず、弟が亡くなる1週間前に早く届けてくれるよう電話をしたところ、すぐに届けられたそう。  そしてすぐに弟の葬儀で着ることになったのですが、母はあんな電話をするんじゃなかったと、何度も泣いていました。そして結局祖父、父の葬儀でその喪服を着て、今度また母の葬儀で着ることになり‥‥。今回で袖を通すのは4回目。  着物が置いてある部屋へいくと、私の喪服が一式揃えて分かりやすい場所に置いてありました。1年半前から入退院を繰り返しての闘病生活でしたので、いろいろと覚悟をしていたのだろう一人暮らしの母の気持ちを思うと、涙が止まりませんでした。  そんな風に母が整えていてくれた喪服。予め長着をハンガーにかけ、襦袢、帯、帯揚帯締め、足袋、草履バッグに着付の小物と並べて揃えておき、いよいよお通夜。さて着ようと思ったところ‥‥‥  襦袢に半襟が付いてなかった~~~~(ごろんごろん)  襦袢もハンガーにかけてみればよかった~(ごろんごろん)  大慌てで従姉妹に半襟を持って来てもらい、最低限の部分だけ縫ってなんとか間にあいましたが‥‥本当に私って、大事なところが抜けていて‥‥(><)「ちゃんとせにゃだちかんやないか!」(ちゃんとしなきゃダメでしょ)という母の怒りの声が聞こえてくるような気がしました(;;)  喪服は、身内のお葬式ぐらいしか着る機会のない着物ですが、5つ紋の第一礼装。誂えてもらったものですからピッタリで着やすく、どっしりとした黒の縮緬で、気持ちがシャン!と引き締まりました。着物を作ってもらったときからは、かなり増量(汗)した自分ですが、その増量分も受け止めてくれる着物はまさに一生に一枚あればよいもの。  悲しみは繰り返さないようにということで、喪の帯は名古屋帯で一重太鼓。小物はすべて黒一色です。深い黒に丁寧に入れられたぐし縫いの白い糸、白い紋‥‥。手にとって心地好い絹の重さを感じながら、悲しいけれど、とても美しいものだなと、しばらくぼーっとしてしまいました。  喪主も洋装が主流になってきた今、喪の着物は必要かどうかは意見が分かれるところですが、私は大切な人にお別れをするときにこの美しい黒の5つ紋の着物を着て、背筋をのばせて良かったと思います。  だからといって、何度も袖を通したいものではないけれど、こればかりは人の運命ですから、仕方がない。  子に別れ、夫に別れてとてもしんどいことも多かった母ですが、愚痴をほとんど言ったことがありません。一人でなにもかも飲み込んで黙々と仕事をし、家のことをこなしてきました。  葬儀屋さんが「こんなに皆が泣くお葬式は珍しいですよ」とおっしゃいましたが、入院の直前まで会いたい人に会い、やりたいことをやり。たくさんの方がお別れを惜しんでくださいました。  ずっと両親はお見合い結婚だと思っていたのですが、今回、母から交際を申し込んだ恋愛結婚だったと、親戚のおじさんが教えてくれました。当時田舎で女性からアプローチすることは珍しかったそうで、いろいろあった末、結婚。そして私が生まれ‥‥。  父の闘病のときの母の看護ときたら自分でも「ようやった」というくらい、敬服ものだったのですが、なんだか腑に落ち。亡くなる1ヵ月前に父が亡くなる時に敷いていた布団を打ち直して使いたいと布団やさんにお願いし、母の部屋には打ち上がったばかりのその布団が敷いてありました。いろいろ大変だったけど、今は身軽になり、好きな人のところに向かっているかな。  私自身はもっと自分にできることがあったはずと、あれこれと悔いだらけだけれど、いつも前を向いていた母に習ってこれからを生きていきたいと思います。  ありがとう、お疲れさま、お母さん。

縁起柄帯で運気をアゲル!端午の節句は縁起柄で菖蒲(勝負)!?の巻

星わにこ
2014/04/23 00:00
もう来週はゴールデンウィーク!  皆様おでかけの予定などもうお決まりですか? いつも忘れていて慌てて飾る五月人形ですが、今年は少し余裕をもって出してみようかなと思っているわにこです。 うちは男の子がいるので、お節句は五月が盛り上がります。鯉のぼりや鎧飾りを飾り、袴をはかせて写真を撮るのを楽しみにしています。  新緑が芽生え始めたさわやかで明るい日差しの下、青空に鯉のぼりが泳ぐのを見ると、ひな祭りとはまた違って、スカッとした気分になります。夏に向かって、やるぞ!とスイッチが入るようです。 端午の節句にちなんだものというと、鯉、鎧、鷹など勇ましいモチーフが多いですね。それぞれが、子どもの健やかな成長と立身出世などを願った縁起柄となっています。 お宮参りのときにかける一つ身の祝着にもそういった縁起柄がよく使われています。一番見かけるのは、鷹と兜でしょうか。他にも唐獅子、虎、龍、宝尽くし、松、竹、波などなど。古い祝着には、いろいろ面白い柄があるので、古着屋さんやネットオークションなどで眺めるのも楽しいです。 よく使われる柄のいわれとしては 【鯉】威勢よく滝を登る勇ましさから出世魚とされ、立派な大人になるように願いがこめられている。竜門という激流を登り切った鯉は龍になるという伝説から「登龍門」という言葉が生まれた。 【鎧・兜 】武将が身の安全を願って神社に鎧を奉納したことから、身体を護り、健康であるように願うもの。配色の美しさからも鎧縅文(よろいおどしもん)など、女性用の帯にもよく使われている。 【鷹・鷲】 千里を見通し大空に飛翔する力強さから、勇壮で先を見通せる子になってほしいという願いがこめられている。 【唐獅子】 縁起のよいことが起きる前兆で現れるといわれる霊獣。力強く威厳があり、高貴な牡丹の花を好むことから牡丹と一緒に描かれることが多い。 【松】 一年中青いことから「不老長寿」を意味し、縁起がよいとされる吉祥文 【立浪】 力強く立つ波が穢れを洗い流し、災厄を除ける。 【虎】 風水では西を守る守護獣であり、勇敢で魔除けの力を持つ。家の守り神でもあり、家内安全、財運守護などの縁起を担ぐ。 【龍】 風水では東を守る守護獣で、中国では皇帝の象徴。雲を得て空に駆け上がって行く昇り龍の姿は、立身出世や商売繁盛などの象徴。 【竹】 中国では霊力が宿るとされる。まっすぐにすくすく成長する竹のように育って欲しいとの願いがこめられている。 などなど、子どもの健やかな成長と開運を祈ったものが多いですね。母としてはあまり勇ましすぎるのも心配なのですが(^^;)、世の中を生き抜く強さは持って欲しいなあ、などなどいろいろ欲張りな願いはありますが(笑)、健康で幸せであってくれればそれがなによりです。 あと忘れちゃいけない、菖蒲湯。 菖蒲(しょうぶ)は「尚武(武勇を重んじること)」や「勝負」と音が重なり、また形も刀のようであるため邪気を払い、厄難を除くとされています。 お湯に浮かべることで、血行がよくなる薬効成分やアロマ効果もあるとのこと。確かに、菖蒲の爽やかな香りは気分がよくなります。 ややこしいのは、飾りに使われる「花菖蒲」と菖蒲湯の「菖蒲」は全く違うものだそう。菖蒲はサトイモ科で花は黄色く小さいもので、花菖蒲はアヤメ科。ご存知の通り、綺麗な青い花を咲かせます。 よく「勝負帯」とか「勝負下着」(それちょっと違う(笑))とか言いますが、いろんな色、柄や文様の縁起を知って、自分のここ一番勝負!のとき、身につけると、力が借りられるようで、気持ちの支えになるものです。 五月の節句には、ワンポイントでいいからちなみ柄を身につけて、家族の健康や運勢アップをお祈りするのもいいかもしれませんね。 ===========いち利モールの縁起柄帯========== 西陣袋帯【京藝】龍             西陣袋帯【京藝】唐獅子 笹                        京紅型九寸名古屋帯【栗山吉三郎】    京紅型九寸名古屋帯【栗山吉三郎】 ======縁起ものの帯留====== ツゲ製アンティーク帯留 鯉      ちびどめ(寅)【かざりや鐐】

クリスマスコーデはおもいっきり!の巻

星わにこ
2013/11/27 00:00
先日、いち利モールさんのおでかけイベントで、 銀座の上海料理のお店でランチ&わにこのトークショーが無事開催されました。 なにしろ人前でトークなど初めてのことで、なにをしたらいいのかしら? 果たしてお客様は集まってくださるのかしら?とドキドキでしたが、 当日は沢山の着物美人の皆様が集まって下さり、お料理も美味しく、 笑顔いっぱいの楽しい時間を過ごさせていただきました。 ご参加下さった皆様、本当にありがとうございました。 Blogでもご紹介いただきました\(^O^)/ http://ichirimall.ldblog.jp/archives/35165310.html  イベントが終わった後、外に出たらもうすっかり街はクリスマス仕様!  ミキモトのクリスマスツリー、ブルガリやカルティエのビルのラッピングイルミネーションが 華やかに煌めいていました。  こうなってくるとキモノのおでかけも、クリスマスコーデで決めたいですね。 クリスマスカラーを取り入れるのもいいし、ズバリクリスマスツリーやサンタ、リース柄の帯や帯留もいい。  季節柄は贅沢なようですが、クリスマスものは意外と旬が長くて1ヵ月くらいは楽しめるのでオススメです。  今週は、また試着室でクリスマスコーデを妄想してみました  http://bit.ly/1gdMmAs (コーデの詳細を見ることができます) 雪の結晶柄の米沢紬に、プレゼント帯。赤の帯揚も雪の結晶。 半襟にはジングルベルの刺繍入り。緑の帯締めで、クリスマス気分最高潮。  刺繍半襟は、洗えるタイプでとってもお手頃価格なのも魅力です  しかもベルの刺繍は片側のみなので、クリスマスが終わったら反対側に付け替えると 雪の結晶&キラキラ半襟として、冬のシーズン中楽しめちゃいます。 これはウレシイですね。  もうひとつ、帯留もクリスマスのものが欲しくなりますね。 お手頃価格のものも多いのでついつい揃えたくなってしまいます。 1点ものが多いので、ゲットは急いで!  そうそう、イベントのとき教えていただいたのですが、人気の清水焼・馬籠静さんの帯留はほとんど1点もの。 買い逃して残念な思いをした方も多いのでは。 この絵柄の再販はありませんかとリクエストすると、入荷する場合もあるそうです。 忘れられない絵柄がある方はぜひリクエストを。  おしゃれで気持ちを盛り上げて、年末を乗り切りましょう\(^O^)/ ============================== いち利モールクリスマス特集好評開催中! http://www.ichiri-mall.jp/
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