マジでおすすめ、帯枕の紐を下に引き抜くと天国!の巻
星わにこ
2023/11/22 00:00
枕紐をしっかり帯の中に押し込んだつもりでも、いつの間にか上に上がってきて帯揚げを上に押し上げたり、結び目がみぞおちあたりに当たってしんどくなってしまったり。そんな経験は皆様あるのではないでしょうか。
もう何年前のことになるでしょうか。たかはしきもの工房のアドバイザーさん考案の「枕紐をひっぱって帯の下から抜いてほどき、脇で紐を真下に引き下げてもう一度結んで帯に戻す」という裏技を教えてもらってから、自分で着るときにはずっとそうしています。
ただ、これはよく伸びて、つるつるすべらないたかはしの「空芯才」の枕紐だからできる技。ガーゼなどの伸縮しない枕紐やストッキングのようなつるつるの紐では安定しないのでおすすめできません。
また、枕紐を下に引き抜くときに、伊達締めや胸紐をしているとひっかかってうまく抜けないことがあります。
そんなときの裏技が月刊アレコレに掲載されていて、これが目から鱗。ベルトでつけるタイプの帯板の下に、帯締めを上を輪にしてはさんでおいて帯を巻きます。
帯枕の紐をその輪の中に通して結んで、帯締めを帯の下に引き抜けば、帯枕の紐がひっぱられて下に出てきます。それを解いて、ざっと脇に引いて分けて、さらに真下に引いて再度結ぶ。
毎回帯締めを引っ張り下ろす時に「ちゃららららら~~~♪」とポール・モーリアのオリーブの首飾り(手品のときによくかかるBGM)を口ずさんでしまう私です(笑)。
枕紐は帯のお太鼓の重さを支える役割がありますから、その重さをみぞおちで受けると結構厳しい。この枕紐下に引き抜く技(なんかいいネーミングないのか)は、それをすぱっと解決して、すごく胸元を楽にしてくれます。
普通のガーゼの枕紐でもこの技に近づけるコツは、少しゆるめに結んで、結び目を帯の下のほうに押し下げるとき、真ん中だけでなく脇からしっかりと中に押し込んでみてください。かなり楽になりますよ。
いろんな着付けの裏技がありますが、私的には着物を着ている時間を最も快適にしてくれた最強TIPSです! これ、考えてみたらコラムに書いてなかった!と慌てて書きました。たくさん食べられます(そこ?)
やったことないわ、という方がいらしたらぜひ試してみてください。快適ですよ~~~!
磁石式のアームクリップで裄を調節!の巻
星わにこ
2023/11/15 00:00
先日まで暑かったのに、いきなり気温が下がって冬の気配が感じられる様になった東京です。お気に入りの羽織や道中着が楽しめるようになりました。
羽織は一番上に着ますから、裄が短いと着物の袖が飛び出してしまうので、着物のときにはマイサイズのものでないと楽しめないとずっと思っていましたが、先日着付教室の生徒さんが素敵なアイデアで、裄の短いアンティーク羽織を楽しんでいらしたのです。許可をいただいたのでご紹介しますね!
使っていたのは長さ20センチほどの革のベルトの両端に磁石がついているアームホルダー。家事のときなどに袖をまくったとき、袖口からはさむことで長さを調節して固定してくれるすぐれもの。クラウドファンディングで見つけて、購入されたそうです。
クリップ式のアームホルダーだと、長着と襦袢の両方いっぺんには長さ調節できないですよね。これなら、さっと袖口を短くしてぱちんと磁石で挟むだけで、2枚いっぺんに短く調節できます。すごっ!
ささっと両袖の長さを短くしたら、お気に入りのアンティーク羽織を羽織っても、袖口が出てこず気になりません。賢―い! しかも、磁石ではさむので、今までのアームバンドやクリップに比べて着物の生地が痛みにくいのも高ポイントです!
今まで、裄が短い羽織は、洋服の上に羽織るくらいしか思いつきませんでしたが、この方法なら活躍の場がぐんと増えそうです。そうすると、今まで諦めていたおしゃれが楽しめちゃうかも! と目から鱗の裏技でした。
羽織に限らず、道行や道中着にも使えるし、普段の家事などでも、おしゃれに活躍しそうなアイテムですね! ちょっと工夫したら、自分でも作れるかも? 一般発売されたら購入してみます!
小さめ着物をコートワンピ感覚で着てみるの巻
星わにこ
2023/11/08 00:00
和洋ミックスは、今はもうすっかりおなじみになっていますよね。そんな着方をして、なにか言われないかしらと気にしたのも平成まで。令和な今は、「着物はこうあらねばならない」なんてことも、普段着に関してはほぼ言われなくなってきました。
普段着のウールの着物をタートルネックの上に着ちゃう、というのは結構昔からあった着こなしですが、最近は正絹の小紋や紬なんかでもパーカーの上に着たり、ワンピースの上に着たり。自由になってまいりました。
こちらは平成28年の記事。まだパーカーの上に着る発想が自分になかったころです。
関連記事:冬に楽しみたい☆ウールの普段着物の巻
パーカーの上に着物を着るのって、令和になってからよく見るようになりましたが、衿もよごれないし衣紋も気にならないし、頭いい!って目から鱗がおちた記憶が。この頃に比べても、本当に普段着物はどんどん自由になってきています。街でも見かけますし、YoutubeやSNSでも、自由な着こなしをしている人がいっぱいいて、見るだけでもわくわくしてしまいます。
インナーを洋服でいいやと思うと、すごく気楽に着物が着られます。例えば、着物を脱いでも大丈夫なインナーにしておけば、外出中に脱いだりもできる。薄いコートワンピースのような感覚で扱えます。
襦袢が、半衿が‥‥と気にしなくてよければ、ものすごくハードルが下がりますね。しかも、コートワンピ感覚であれば、多少裄が短くてもへっちゃらです。裾も短めに着付けて、靴やブーツも可愛いですよね。
今年の夏は、浴衣にスニーカーの女子が結構いて、おばちゃんはびっくりでした。ワンピースにスニーカーをコーデして履くのが流行っていますから、その延長なんでしょうね。
コートワンピ感覚で着るなら、サイズは小さめの方が扱いやすいです。おばあちゃんやお母さんの着物、譲られ着物や、リサイクルショップで見つけためっちゃ可愛いけど小さな着物。洋服の上にシャツワンピや、コートワンピのように着てみてはいかがでしょうか?
肌に直接触れる部分を減らせば、正絹の着物でもお手入れを頻繁にする必要もないし気にせずどんどんトライしてみましょう。ウールや紬もいいんですが、正絹の柔らか物の小紋なんかを羽織ると、ほんとうに着心地がよくてうっとりします。
身丈が短くても、下にロングスカートやロングワンピを着て、それを見せて着たり、そもそも丈を短く着付けても変じゃありません。それこそ足元はスニーカーを合わせれば今っぽいかも。ワンピースもロング丈が流行っていますから、違和感なくいけちゃいますよ。
帯も、ベルトでもいいし、もちろん半幅や名古屋帯をしたっていいわけです。決まりはないので、自分で「これいいわ」と思ったらなんでもOK。ポイントは「堂々と着る」。です。間違ってるかしらとか変かしら、と気になるようだったら楽しめませんよね。自信を持って、着こなしてください。
私はお出かけする時に和洋ミックスをするというよりは、家でくつろぐときにあったかいし、気分も上がるので洋服仕様の楽なインナーの上に薄いタートルネックを着て羽織って過ごしたりしています。まじで正絹あったかいので、暖房入れなくても平気なくらいです(急にババくさい理由)。
と、私がいうまでもなく皆様もう楽しんでいらっしゃる方もたくさんだと思います。これから寒い季節には、着物が大活躍ですね。いろんな着こなしが見られるのが楽しみです!
七五三は家族全員で着物!の巻
星わにこ
2023/11/01 00:00
七五三のシーズンがやってきました! 休日の神社にお参りすると可愛い七五三の子どもたちの姿を見かけることが増えます。
私も写真スタジオでの撮影はこの季節は七五三がほとんど。3才、5才、7才それぞれの可愛らしさ、りりしさ、美しさがあり、着付けをする側も楽しみです。
事前に一度、衣装合わせにきてもらってサイズを測り、肩あげと腰上げをして調整しておくのですが、これが結構大事な作業。気に入った着物を選ぶのも大事なんですが、サイズ調整をしてピッタリにしておくと当日の着付けもさっとできて、お子さんへの負担も少ないのです。
衣装合わせもほんとうにその子の個性が出て、「これ!」と即決する子もいれば、なかなか決まらない子も。着物は着ないと拒否られる場合もあります(笑)。
でもこうして一度スタジオにきてもらうので、本番では「きたことがある場所!みたことがある人!」と順応してくれるお子さんが多く、楽しく撮影をさせていただいています。着替えから撮影、ロケなどを2~3時間一緒に過ごさせてもらうのですが、さよならするころにはすっかり慣れてくれて、バイバイ!と手をふってくれて、本当に可愛いです。
たまに緊張して、笑顔が出なかったり、もう眠くてぐずってしまったり、パパママに甘えたくなってしまったり‥‥。兄弟がいたりすると、片方が主役だと片方が微妙にすねたりして、そんな姿も本当に可愛い。
自分の子どもが小さいときには、いうことを聞いてくれなかったりするとがっかりいらいらもしたものですが、その子もすっかり大きくなった今は気分はもはや「ばあば」。なにをしても、可愛い。可愛い以外言葉が出てこない(笑)。
そして、七五三の撮影のときは大変で‥‥なんて、そのご家族の想い出になるんだろうなと思うと、そんな1日のお手伝いをさせてもらえることをありがたく思います。
写真スタジオの仕事をはじめてから、もう9年目! おかげさまでリピーターさんもいらしてくださるようになり、ご家族が増えた!とか、あの小さかった子がもうこんなに大きくなった!とか、えっこの間成人式だったのにもう大学の卒業式? とか結婚式? なんていうことも。
お祝いの記念写真を、晴れ着で残すという幸せのお裾分けをしていただいている気分です。このお仕事をしていてよかったな~とつくづく感じる瞬間です。
スタジオを始めた頃は、七五三も成人式も、ママが着物を着ることはあってもパパが着るということはほぼなかったのですが、「全員和装、いいですよ!」とPRしまくり、ぼちぼちと着物をきてくれるパパが増え、その写真をみてまた着てくれるパパがいて‥‥今では2人に1人は着物をきて撮影されます。
そして大体「七五三以来です」とか「はじめてです」とかおっしゃるんですが、これがまた似合うんですよね~! ママは言うに及ばずなんですが、ほんとお祝いのときには日本人は着物だよ!って思います。
それから、たまに「子どもが主役だから、親が派手にすると‥‥」とおっしゃる方もいらっしゃるんですが、大丈夫です!! 子どものかわいさ、キラキラ弾ける若さには全然勝てませんので、安心して晴れ着を着て欲しいと思います(笑)
そして、七五三や成人式って、もちろん子どものお祝いなんですが、ここまでがんばって育てた親のお祝いでもあると思うんですよね。
ぜひぜひみんな着物でお祝いしてほしいな、なんて思う晴れ着シーズンでした。