身幅が足りない着物を裾つぼまりにする方法の巻
星わにこ
2019/11/27 00:00
袷のシーズンも本格化してきて、半年振りにこんにちはする着物もあるわけですが、先日、ちょっと小さめサイズだけどお気に入りの小紋を着ようと思ったら‥‥‥あれっあれあれれっ(汗)しまっておいたせいか、着物が縮んでる!‥‥というのは嘘ですが、私の秋の成長に伴い、身幅が大幅に足りなくなっていたのです。
あーまあ仕方ないかと思いつつ、そのまま出かけたのですが(強心臓)、やはり出先で、先日身幅が足りない長襦袢をなんとかする方法を教えてくれた敏腕着付師さんに、もう少し裾つぼまりに着たほうがいいのでは?と言われてしまいました。
そうなんですよね~! 身幅が足りないと、下前がはだけてきがち‥‥。
実は身幅が大幅に足りないので‥‥と伝えると、あっ!そういう時は剣先に三角に布を足すといいんですよ~~!これ、コラムのネタにしてもいいですよ!と教えてくれました。なんという有難さ!!!
そうなのです。重ねが浅い下前は、うまく巻き込んでナナメに持ち上げるのが難しい。そこで、剣先に三角に布を足すことで、下前がうまくナナメに引き上げられるようになるというわけです。頭いい!!
早速試してみました!
ちょうど、下前を引き上げる時に身幅が足りないために、剣先だけが分離して上にあがって引きあげきれない衽の部分が、三角の布のお陰で剣先を引けばゆるやかに上に引き上げられて、裾つぼまりのラインを作ってくれるようになりました!
私は手元にあった木綿の布を使ってみましたが、とにかく、剣先と衽を繋ぐように布を足せば大丈夫。下前で隠れてしまうところですから、引く力に耐えられればどんな布でもOKです。引かれる三角の長辺部分をバイアスにしないことがポイントでしょうか(ここが伸びてしまうと意味がないので)。かなり雑ですみません。。。
あとは、もう大幅になんとかしたい!という場合は、剣先の下に裾まで布を足すのもアリだと思います。
やった! これで多少太っても大丈夫‥‥じゃなくて! マジでこの大増量をなんとかしなくては(汗)(汗)でも新米がおいしいよ~~(涙)(涙)
もし同じお悩みの方がいらしたら、ちょっと試してみてくださいませ。
ママの晴れ着で七五三☆の巻
星わにこ
2019/11/20 00:00
お天気のよい日が続く東京、七五三のお祝いの親子連れを見ると幸せな気持ちになるわにこです。3歳も5歳も7歳も、それぞれに愛らしく美しい。子どもが無事育ったお祝いに、節目節目にお祝いし、感謝する。今よりも、医療が発達していなかった時代には、その有難さはまた別格のものだったことでしょう。自分も、息子の5歳のお祝いが出来たときは、なんだかほっとしたものです。
記念写真撮影のお仕事は、そんな節目のお祝いを写真に残すものですが、七五三の撮影はやはり子どもが主役だけあって、思うようにはならないし、ごきげんにあわせての進行となります。でも、その姿はそのときだけのもの。そう思うと、ハプニングがおこっても、それも想い出になりますよね。
「何度髪飾りをつけてもすぐ投げ捨てた」とか「七五三で袖を破ったので、それ以降着物を着ろと二度と言われない」とか「草履をいやがって足袋で神社の外をかけまわった」とか、中にはご祈祷のとき、申込書にパパが自分の名前を書いたため、お子さんでなくパパの名前で祈祷された、とか(爆)みんなそれぞれ、七五三あるあるです(笑)
今年はお客様から、ママが自分のおばあちゃんに縫ってもらった晴れ着でお祝いをしたので、それを娘さんにも着せたいというご相談がありました。
「自分が3歳のときにきた写真があるんですが、娘のほうが大きいはずなのに、羽織らせたらなぜかぶかぶかで‥‥使えますか」と言われたのですが、7歳でも着られる晴れ着で、肩揚げと腰揚げが解いてあったため、娘さんには大きかったのでした。
お預かりして、肩揚げと腰揚げをし、サイズをピッタリに調整。御詣りと記念撮影のお手伝いをさせてもらいましたが、すごーくよく似合っていました!
御詣りにはママのお母様もいらしていて、少しお話をさせていただいたのですが、ママの小さい時には、草履で歩けなかったのだとか。確かにママの小さいときのお写真も見せていただいたのですが、娘さんのほうがちょっと身長も高くしっかりしている印象。草履もちゃんと履いてしっかり歩いていました。
月齢で3歳になってすぐか、4歳近くなっているかの差もありますよね。「義母が縫ったものなんです。クリーニングに出してしまっておいたんだけど、少しくすんでしまったかも‥‥まさかまた着られる日がくるなんて」と喜んでいらっしゃいました。
そう、お母様がお手入れしてしまっておかなければまたこうして受け継がれることもなかったんですよね。その時点では、将来その女の子が女の子のママになって‥‥なんてことは想像もつかなかったはず。
着物を用意したひいおばあちゃんも、きっと喜んでらっしゃることでしょう。
そして、揚げさえすれば、サイズの調整が出来て着られる、着物ってすごいなと思いました。
ママも「私より似合っているみたい」なんておっしゃってましたが、本当にキラキラ輝く陽の光の中で、とってもとっても可愛らしかったです。
また7歳でも着られるね、とお話しましたが、3歳は被布で、7歳は帯姿で。同じ着物でお祝いできるってよくできていますよね。着物は鴛鴦の可愛らしい模様なのですが、3歳の今は鴛鴦のあたまがちょっぴり被布に隠れてしまっているけれど、7歳になったときは絵羽の模様が全部、キレイに見えることでしょう。想像しただけで胸アツです。
振袖は最近ママ振といってママの振袖を着るお嬢さんも増えていますが、七五三も、晴れ着が残っている方は受け継いで着られたら素敵だなと思います。全部ではなく、一部でも、ご先祖様から守られているようで、嬉しいものではないでしょうか。
着物のよさ、ってそういう「受け継ぐ喜び」にもあるのではないかなと思います。民族衣裳なのですから、ここイチ!なときにはぜひ着てほしいなと思います。日本人に着物って本当に似合いますから~~(力説)
子どもの着物姿に「似合うなあ~」と目を細めるパパママを見て、ほんとに似合いますよねえ~とウンウン頷くおばちゃんでした。子どもたちにも着物を身近に感じてほしいな!
この11月、七五三を迎えたお子様とご家族の皆様、本当におめでとうございます(^^)
帯のお太鼓をまっすぐに作る方法☆の巻
星わにこ
2019/11/13 00:00
秋晴れの日が続き、週末は七五三の着物姿をちらほらとみかけた東京です。着物ででかけるのに、暑くもなく寒くもなく、よい気候。羽織を着るのはよく「紅葉の頃から桜が散る頃まで」と言われますが、そろそろ羽織りもののオンシーズンにもなりますね。羽織を着れば帯結びに自信がなくても、かくれちゃうからオッケー! 初心者さんのおでかけトライにもってこいのシーズンです。
帯結びに自信がない‥‥というとき、どうしても「お太鼓が曲がっちゃう」「傾いちゃう」というのをよく聞きます。どうやったらまっすぐになるのー、ということなんですが、答えはひとつ。
お太鼓を作る時に、鏡を見ない。
これにつきます。えっ!見ないとわからないのでは?と言われますが……。
鏡で後ろ姿を確認しようとすると、よっぽど大きな合わせ鏡かカメラで撮影しながら見るというようなことをしないかぎり、体を捻って確認するしかないですよね。体を捻って鏡を見ながらお太鼓を作ると、曲がる確率大! お太鼓が体の真ん中に来ない確率大! になります。
なので、帯を巻いて行くときは鏡を見て前帯がいい位置に来ているかを確認するのはいいのですが、お太鼓を作る時、たれに枕をあてるときは、鏡をみないで体をまっすぐにして、手の感覚で「帯が体の真ん中にきているか」「まっすぐ下にたれているか」を確認してから、枕をあててください。
このとき、枕が短めの場合は、枕が帯の真ん中にきているかも、鏡を見ないで手の感覚であわせてください。
なんなら眼を瞑って。私は瞑って、心の目で帯を見ています!クワッ(誰だよ) こうすると、指の感覚が他の情報に惑わされない気がするんです。もしよかったら試して下さい(笑)。
そうしてよいしょ、とお太鼓を背負うと、まっすぐ背負えます。体のくせなどでどっちかにずれるときは、ここまでやってからはじめて鏡を見て、チェックをしましょう。このチェックも、振り向いたり体を捻らないで、体をまっすぐにしたまま、横をむいて両サイドをチェックするのがいいです。
右左の横から見た帯に差があったら、ちょっと修正すればオッケー。くれぐれも、振り返らないことが肝要です。
たれの長さを決めるときも同じ。鏡を見ないで、手の感覚で指一本分のたれを決めていきます。お太鼓の形ができた、と思ったらはじめて鏡でチェックしてください。
慣れて来ると鏡をみなくてもできますが、ポイントポイントで鏡を見るのは自分の姿を客観的に見られるのでオススメです。
でも、鏡をじいい~~~っと見ながら着付けるより、手の感覚も大事にしながら着付けるとうまくいくような気がいたします。それぞれやり方は様々ですが、なんだかお太鼓が曲がっちゃう‥‥とかうまくいかない!というような時は、鏡を見るのをやめて、体に対してまっすぐかしら? と自分の体の感覚に問いかけてみてくださいね! あ、もちろん、ちょっと粋にタレをななめにしたいわ!なんてときもおためしください。手の感覚。