夏の小物をいっきに仕舞う☆衣替えの巻
星わにこ
2018/09/26 00:00
秋の長雨,急に肌寒くなりましたね。もう絶対袷なんか着られる日がくる気がしないと思っていましたが、やっぱり季節は巡るのだなあと感心。
こうなったら諦めて(何を)天気予報とにらめっこして、天気のよい日に帯締めと帯揚の入れ替えをしなくては~~と思っているわにこです(思ってるだけかよ!)。
まだ少し暑い日もありそうですが、絽や麻の帯揚はもうおしまい。縮緬を使いたくなるまで、綸子などのすっきりとした帯揚で過ごします。
インナーや着物は気温にあわせてまだまだ夏仕様だったり、単衣だったり‥‥ですが、小物から季節先取りのお洒落を楽しみましょう。逆に、夏に向かう5月後半からは小物に夏物を取り入れて、先取りを楽しみます。
昨日にしがみつかないで、さらりと次の季節に進めたら、かっこいいですもんね。まあ現実は、なかなか衣替えもおっくうだったりするわけですが。。。
浴衣や絽、紗など完全な夏の着物は、普段のものは6つに畳んで(イラスト参照)風呂敷につつんで、夏物と書いた押入れケースに入れてしまいます。
帯締め帯揚も、夏のものは全部集めて、また使う季節まで風呂敷にくるんで同じケースに入れます。
帯揚は、すごく汗をかいたときにしたものなど、おしゃれ着用の洗剤で洗います。夏物は汗じみができやすいので、薄い色のものは特に気を使います。そうでないものも、さっとアイロンをかけてから仕舞っておくと次に出したときにとても気持ちがいい!
私は帯揚を箪笥の引き出しに入れているので、そこに入れる大きさにたたんで風呂敷に包んでおいて、入れ替えの季節にそのままズボっと冬物と入れ替えます。これ結構快感。
一度、この帯締めと帯揚をまとめて箱に入れておいたんですが、箱に入れたこととどこにおいたかを引越し騒動でわからなくなってしまい、季節の小物が全部ない~~~! と真っ青になったことが(笑)<あんまり笑い事じゃないという。。。
それ以来、季節が終わったものは全部一カ所にまとめておくことを心がけています。小物がないと、本当に困るんだ!!と身に染みた出来事でした(そんなことばっかり)。今も、あーおちよ(妄想のお手伝いさん)が全部虫干しして箪笥の入れ替えしてくれないかな~と積み上がった夏物とにらめっこしているわけですが‥‥。仕方ないので自分がお手伝いさんに変身してがんばりたいと思います。まあ~わにこ奥様ったら、こんなところに染みをつけて! キレイにしておかなくては!! 来年の夏に見つかったら叱られちゃう! な~んて(どんなプレイ)。
A型のサガなのか、やるとなったらとことんやらないと気がすまないので、とりかかるまでに時間がかかるのが難点‥‥。日々の積み重ねがあるとらくちんなのはわかっているんですが。
さあ、ため息をついてないで、雨があがったら衣替え。がんばれワタシ! がんばれみんな!(えっ!もう終わってる? 私だけですかっっ!
憧れの花嫁着物☆白無垢の下はどうなってるの?の巻
星わにこ
2018/09/19 00:00
ムシ暑い日もありますが、季節は確実に秋に遷り、いよいよ着物のオンシーズンがやってきますね。成人式や七五三の前撮りなどもシーズンです。記念写真の撮影着付のお仕事もしているのですが、人生の節目に和装で写真を残すって本当にいいなあ~と、いつも思いながらお手伝いさせていただいています。
節目に和装、の最高峰(?)といえば、やはり花嫁衣装でしょうか。着付もなかなか学ぶのが難しい分野ですが、先生に恵まれて、教えていただく機会を得ました。
最初はおはしょりを作らない、裾を引く着付に戸惑いの嵐。着物自体もしっかりと重みがあり、扱いに四苦八苦でした。トルソーさんにブツブツいいながら練習につきあってもらい、次の段階でとにかく生身の人に着付けないと上達しないよ、ということで、お友達に練習台になってくれる人いませんか、既婚未婚年齢問わずで!と募集したら、あっという間にスケジュールびっしりになるくらい希望者が! なんという有難いことでしょう。
でも、わっかるーっ! 私も着てみたいですもーん(笑) おかげさまで、いろんな体型の人身御‥‥いえ!花嫁様を着付させていただき、すっごく勉強になりました。そして、みんな違ってみんな美しいのです! スリムでも、グラマーでも、それぞれの魅力がふわっと浮かび上がるのですよね~。着付させてもらいながら、うっとりしちゃうくらいなんです。ワクワクしてなんだか、子どものころ着せ替え人形で遊んだことを思い出したり。
さてさて、着付の順番ですが、まずは肌襦袢を着てしっかり補整をして、襦袢を着用します。このとき、通常の2倍の長さのある伊達締めでぐるぐるに胴体を巻きます。次に「掛下」と呼ばれる振袖を着ます。比翼がついていて、裾に綿も入っているゴージャスなもので、普通の振袖とは違いおはしょりをつくらず、裾引きで着ます。これが難しい! そしてまた長い伊達締めでぐるぐる巻きに。
帯は掛下帯。なるべく高い位置で文庫結びにします。これがまたとっても難しい! 帯締め帯揚げを結んだら、最後に抱え帯を丸帯の下線のところに結びます。
後ろから見ると、これがまたリボンが2つあるようで本当に可愛い!! ぜーんぶ真っ白な、可愛らしい掛下姿は、ウエスト部分が高いので、腰の丸みもふわりと見えて、裾引きがまるでトレーンをひいたウエディングドレスみたいでほんとうにほんとうに美しくて可愛らしいのです。
だいたいモデルさんはこの段階で一番テンションがあがるような気がします。想像してみてください、裾の長い純白の大振袖。美しい地紋が絹の光沢で浮かび上がります。どんなきらびやかな色や模様のものよりも、美しい気がしてしまうのは私だけでしょうか。
白無垢を着たことがあるという人でも、この掛下姿がどうだったかあんまり覚えてない~と言います。私も覚えてない! 昔すぎるから? いやいや、着せ着けてもらっているときは、自分がどんな姿かあまりわかりませんものね。特に後ろは見えないし。だから、今回勉強して改めて、こうなってたんだ!と知りました。
でも掛下姿は上に白無垢を羽織ってしまうので、ほとんど見えないんですよね~! もったいな~い!! この可愛らしい姿を見られるのは本来は夫となる人だけ、ということなのでしょうね~。ふふふ。
さてこの掛下の上に白無垢を羽織って、懐剣、筥迫、扇子を胸元に差して、花嫁姿のできあがりです。挙式のときは神様の前ということで、綿帽子か角隠しで髪を隠し、披露宴では外します。
先週末、はじめて先生のヘルプの元、婚礼着付をさせていただきました。ドレスでの挙式だったので、和装での写真も残したいというお二人の後撮りです。白無垢と、色打掛2種というお着替えでの撮影。ご家族もいらして一緒に記念写真を撮ったり、サプライズで新婦の後輩たちが駆けつけたり、笑顔が溢れて、本当に幸せいっぱいおすそわけいただく撮影となりました。
外に出て、お寺に御詣りして、公園で少し撮影もしたのですが、通りかかる方たちがニコニコとおめでとうと言ってくださって、いいわね、いいわねと老夫婦がずっと見学(笑)されていたり。なにより主役二人の笑顔が本当に素敵で。
末永くお幸せに~!!!\(^O^)/ 写真:昭和な家スタジオ
いやあ~ほんとうに婚礼衣装って、ものすごくスペシャルだなあ~と改めて感じた一日でした。これからも技術を磨いて、美しくお着付できるようにがんばらなくちゃーと決意。あと、私ももう一度着たいなあ~(えっ)。
着物はファッション、好きなように着ていい、というときと、いろいろな決まりを守って儀式の中で纏うとき。それぞれに、よさがあります。人の手を借りて着る晴れ着は、着る人を主人公にしてくれる特別な装置のようにも感じられます。花嫁衣装の形や結び。それにまつわる理由やいわれがそれぞれあり、幸せになりますようにという祈りが込められています。そしてそれは特別な日の為だけ。だからこそ美しく、心にも残るのでしょうね。
帯締めクロスで帯まわりを遊ぶ☆の巻
星わにこ
2018/09/12 00:00
台風や地震で落ち着かない秋の始まり‥‥被害にあわれている皆様に心よりお見舞い申し上げます。小さなことですが私の田舎でも台風21号で敷地で倒木があり、道路の邪魔になっていると連絡がありました。片付けも終わらぬうちに次の台風の予報にやきもきしたり、心が休まりませんが、災害への備えを改めて考えさせられます。
永遠に続きそうだった暑さも一段落で、そろそろ衣替え。着物が楽しい季節がやってきますね。このごろ気になっているのが帯締めのクロス使い。大きめのベルトのバックルのような帯留に帯締めをクロスさせているキモトモがいて、素敵だったので早速マネしてみました。
普通の帯留に細い帯締めを2本通してみたら、三分紐1本使いよりぐっと表情が出て楽しい!
大きめの帯留はもちろん、普通のものでも帯締めを2本通せるような金具の帯締めやブローチなど、たのしめるものは結構ありました。金具の足が2本あるものは片方づつ違う帯締めを使っても楽しめます。
帯締めはどの色にしようかな~って決めかねる時もあるのですが、そんな時は2本選んじゃえばいいんだ!って欲張りですか?
最近の帯留は、結構大きいものが多くて、へたすると帯締めが迫力負けしてしまうものもあったりするので、どーんとインパクト大にしたいときなど使えるワザです。
無地や大人しい帯も、賑やかに変身できます。コーディネートがちょっと物足りないなと思われたとき、ぜひチャレンジしてみていただきたいテクニックです!
これが、細めの帯締めをクロスさせて遊んでみたときです。そして実は、帯揚はスカーフ、帯はつけ帯、浴衣をうそつき衿で着物風に着ているといういろいろなフェイクコーデでもあります(笑)。
オーソドックスなコーディネートも大好きですが、要素をプラスして盛っていくおしゃれも楽しいものです! あとらくちんに手抜きして着るのも、楽しいです(笑)。以前はとてもルールにこだわったり、そういうものでしょ、という思い込みが私にはありました。でも、こだわりなくファッションとして楽しむキモトモがいっぱいできて、目からウロコがいっぱい落ちてます。まだまだ、弾けきれない中途半端な部分はありますが(笑)。
なんでもそうかもしれませんが、自分で枠にはまってしまうと、楽しくないこといっぱいあります。着物もおしゃれ、絶対こうでなくてはならないという決まりはありません。ちょっと面白いなと思ったり、あら素敵と思ったらどんどん取り入れてみませんか。新しい自分が見えてくるかもですよ。
うさぎさんの単衣でお月見妄想コーデ☆の巻
星わにこ
2018/09/05 00:00
9月になり少し過ごしやすくなったかな、と思ったのも束の間の大型台風、皆様大丈夫でしたでしょうか。まだまだ蒸し暑い日が続きそうですが、気持ちだけは秋に向けて、おしゃれを楽しみたいもの。
今回は、素敵な十日町紬の兎の反物を発見! 早速試着室でコーディネートしてみました。
新潟県の十日町は豪雪地帯で、冬の間の生業として織物の技術が発展してきました。現在も着物の一大産地として知られています。そんな十日町で織られている先染めの紬ですが、格子や縞だけでなく、こういった凝った柄も一寸の狂いも許さない職人技で生み出されています。
色がシックなので、さりげなく、でも可愛くお洒落なほどよさがたまりません。筆を持って○を書いていますが、○がお月様のようでもあり、うさぎさん自身が筆で描かれた絵のようでもあり。鳥獣戯画ファンにもぐっときそうな図案ですね。
今回は麻の帯をあわせてみました。丸くぼかしが入っていて、遠くから観ると夜空に浮かぶお月様のよう。鈴虫の声が聞こえてきそうです。
半衿や帯揚・帯締めは少し抑えた秋の色を選んでみました。単衣の時期は本当に短く、さらに初夏と秋とそれぞれをイメージさせる色柄で、おでかけ予定と気温や天気を見て‥‥となると本当に一年に一度着られるかどうか、ということも少なくありません。とても贅沢ですが、でも、それがまた楽しみでもあるのですよね。
ああ、秋にはこれを着よう。そんな1枚があることが、実際に着る着ないに関わらず、心の潤いなのかもしれません。妄想コーデも、心の潤い。今日もまたああでもないこうでもないと夢を膨らませる秋の夜長なのでした。