染物ってこうやって作るんだ★染のれん完成までの裏側を大公開!の巻
星わにこ
2014/02/26 00:00
2月は逃げるといいますが、もう月末!! ワタクシにとってこの月末はちょっと特別! なぜならこの月末のために去年から足掛け5ヵ月、ずっと準備していたものがあるからです。
それは「のれん」。新宿落合・中井で2014年2月28日~3月2日に開催される「染の小道」というイベントに出品するために、初めての染色作品づくりにチャレンジしたのです。
川に反物をかける「川のギャラリー」と中井の店舗にクリエイターが作成したのれんをかける「道のギャラリー」で、街全体が染め物のギャラリーに変身するこのイベント。
昨年までは、見にいっていただけでしたが、今年はご縁あって参加させていただけることに。商店を飾る99枚ののれんのうちの1枚を制作しました。
中井の紅型工房「おかめ工房」の山本加代子先生ご指導のもと、紅型に挑戦! 無謀にもデザイン・型紙作りから取り組んでみました。
もちろん(?)染めるのは「わに」!
作家とのれんをかけていただくお店のマッチングは、くじで決まります。デザインもお店の方と相談したりするためです。抽選会に出席し、クリーニング店の店先に飾っていただくことが決まりました。
ドキドキしながら「わにのれん」の提案をしてみると、OKをいただけました! 早速デザインを起こして、柿渋紙をデザインカッターで彫って型紙を作っていきます。
型紙彫りの作業はどきどきしながらはじめたのですが、上手かどうかはさておき、意外とワタクシ、仕事が早かった!! この、デザインカッターでさくさく切っていく作業‥‥どこかで‥‥あっ!! スクリーントーンだ!!
そう、今はパソコン上でやってしまう作業ですが、昔はマンガやイラストのグレー部分の表現は、スクリーントーンを切って原稿に貼っていたのですよね。昔とった杵柄が意外なところで役立ちました(笑)
(眉間の模様が千昌夫っぽいと評判(汗))
型紙が彫れたら次は「紗張り」。絹紗という、網目状の布を型紙に塗料で塗り固め、型紙の強度を増し、また何度も使えるようにします。
(濡らして、紗を貼る準備中!)
その型紙を使って、ぬかや餅粉などで作った「のり」を布に塗ります。
のりで防染していない部分に、呉汁(大豆の汁)で染めが定着しやすいよう地入れし、顔料を刷毛で刷り込んで(色挿し)いきます。
紅型の場合は、顔料を2度塗りして、さらに「隈取り」という紅型独特の手法で、濃い色でアクセントをつけて染めに立体感を出して行きます。
最後にみょうばんで色止めをして、水で糊を洗い流せばできあがり!!!
じゃじゃーん!
(ニャンだこれー!!(我が家の飼い猫、二代目いわしです)
乾いたら「湯のし」で布目を整えてもらい、縫製。足掛け5ヵ月、やっとわにのれんが完成しました!!(できあがりは、イベントでぜひ!)
はじめての制作、色むらはあるわ色は飛ぶわ、もうボロボロな出来上がりではあるのですが、勢いだけはある!(はず) 稚拙な作品ではございますが、他のすばらしいのれんを見るついでに、ぜひわにのれんも見て笑ってやっていただけると幸いです!
のれんなどのマップはこちら
http://www.somenokomichi.com/news/4010.html
わにのれんは地図32番の共洋クリーニングさん。あの、赤塚不二夫プロの近くです。不二夫プロにはもちろん、バカボンのパパののれんがかかっています! うなぎいぬの着ぐるみも出現するという噂です。
3月2日には、いち利モールさんのきものでおでかけイベント「染の小道をお散歩しよう♪」が開催されます。私もナビゲーターとしてお供しますよ。
たくさんののれんなどについてのインフォメーションは当日、冊子パンフレットも配布されます。わにこもイラストをちょっと描かせていただいています。ぜひ御覧下さい! また58番「おかめ工房」にはわにこの本も置いてありますので、よかったら見てくださいね(宣伝失礼)
イベント中はのれんや反物が飾られるだけでなく、作家さんたちもいろんな作品を販売していたり、限定のお得なランチが食べられるなど商店でもいろんな企画が目白押し。染め体験などもできますよ。
ぜひ着物で歩いて欲しいイベントです!
春のはじめの妙正寺川に、ぜひお散歩にきてくださいね\(^O^)/
染の小道 http://www.somenokomichi.com/
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ただ今 ほしわにこの個展『キモネコワニ展』をGallery&Cafe Warehouse Garden (http://i29352.wix.com/whgdn/)にて開催中です。
いち利モール「オトナの着物生活」で掲載されたイラストも展示しています♪
3月6日まで。2/27、3/1、3/6在廊しています。開催が被りますがこちらもよろしければ遊びにきてください(宣伝ばっかりすみません(´Д`))
http://www.facebook.com/hoshiwaniko
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いち利モールのイベント「染めの小道」で
二葉苑さんへ見学に行きます♪
二葉苑さんってどんなお着物や帯を作っているの?
という方はコチラをクリック
▼いち利モール 工房紹介ページ「二葉苑」
http://ichiri-mall.jp/koubou/list/koubou09.php
ひなまつりコーデはゆるキャラ帯が似合う!の巻
星わにこ
2014/02/19 00:00
2週連続の大雪とソチオリンピックのニュースで、ここは雪国だったかしら?と思うような毎日ですね。
豪雪被害が一刻も早く解消されますよう、お祈りしております。
早く春がこないかな、と今日は「ひなまつりコーデ」を考えてみた私です。
うちには女の子はいないので、豆雛を飾る程度。
毎年親戚や友達のところのお雛様を見せてもらうのを楽しみにしています。
特に初節句は盛り上がりますよね~! 赤ちゃんも可愛いし、お母さんのキラキラした笑顔も、本当に見ているだけで幸せになれます。
そんなひなまつりパーティにこんな着物で乱入したい!(乱入するな)
さて、ひな祭りに着てみたいコーデをいち利モールの試着室を使って妄想してみました。
http://bit.ly/1ckqDGQ
ほっこり春色の米沢紬は3色の縞で、菱餅をイメージ(笑)。
よもぎ色の半襟と四葉のクローバーの帯揚でこれから萌え出る緑を。
もちろん帯留はひな祭りで!
http://ichiri-mall.jp/ap/icCE03/so4/iq54/page1.html
こんな春色のこぎん刺しも、ほっこりでおすすめです。
http://ichiri-mall.jp/ap/icCE06/so4/iq54/page1.html
そして、コーデのキモはなんといっても、今、いち利モールのトップページでどーーーんと強烈なインパクトを放っている「くまモン」の帯。なんとなんと京都西陣の老舗、岡文織物さん制作です。
確かな技術で織り出された、くまモンがまた超可愛い~~~~!!!
これはもう、子どもたちも大喜びですね! 人気者間違いなしです。
それにしても、ゆるキャラって本当に日本人は大好きですよね。
「可愛い」ものに弱い。そしてゆるキャラの中でも、抜群の安定感を誇る熊本県の「くまモン」。
可愛さも横綱級です。可愛いけど、安っぽくない。
この帯をしていたら、間違いなく注目度ナンバーワンですね!
少し話はずれますが、ゆるキャラといえば、今年のお正月、無性に黄色い紬が着たくなり、水色のワニ帯に赤い南天の帯留をあわせておでかけした私……。
家に帰って、写真を見ていたら、あれ? 何かに似ている!?
そう、全身で某ゆるキャラのカラーコーディネートになっていたのでした(爆)
こう考えると、例えば青い着物に白い帯、黄色い帯締めに鈴の帯留でドラえもんとか、いろいろできるかもしれませんね!(できたからって、どうかという‥‥(笑))
あっちにいったりこっちにいったり、とりとめのないわにこの妄想コーデタイムなのでした(笑)。
はやく、春よこ~い!
※噂のふなっしーコーデ
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ただ今 ほしわにこの個展『キモネコワニ展』をGallery&Cafe Warehouse Garden (http://i29352.wix.com/whgdn/)にて開催中です。
いち利モール「オトナの着物生活」で掲載されたイラストも展示しています♪
3月6日まで。在廊日などはこちらでチェックしてください\(^O^)/
http://www.facebook.com/hoshiwaniko
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妄想コーデに使用した商品はこちらからチェックできます★
◆くまモンの帯一覧ページ
http://bit.ly/1fl9nyJ
◆米沢紬『紅のゆりかご』【中村工房】
http://ichiri-mall.jp/ap/prd0236899002.html
◆ラミエール半衿【テイジン】
http://ichiri-mall.jp/ap/prd0234960000.html
◆正絹帯揚(クローバー*クローバー)
http://ichiri-mall.jp/ap/prd0235054026.html
◆綾竹組み三分紐帯〆
http://ichiri-mall.jp/ap/prd0237021002.html
▼いち利モール試着室ページ▼
http://bit.ly/1cnJxga
オトナが楽しむ振袖パーティーに行ってきましたの巻
星わにこ
2014/02/12 00:00
先週末の東京は、なんと45年振りという大雪でした。一日中雪が降り積もり、なんだかワクワクしてしまいました。積もり積もった雪の中、次の日「NPO川越きもの散歩」の新年会へ行ってきました。
いち利モールのイベントがご縁でお誘いをいただいたのです。
毎年、川越の氷川神社の結婚式場で開催されるという新年会。今年はコスプレ的に振袖や留袖などでも参加歓迎とのことで、キモトモと振袖で参戦する気マンマンで準備していたら、この雪!!
当初の予定では、着物で行って会館の更衣室で振袖に着替え、新年会が終わったら普通の着物で川越観光をしようと思っていたのですが、交通機関の不安もあり、諦めて洋服にレインブーツで会場に向かいました。本当は3人で行く予定だったのが、天候のため2人旅に。
お話を伺うと、皆さん着物にレインブーツでいらして、会場で草履に履き替えた方が多かったようです。正絹の晴れ着でも、裾をめくって帯のところでクリップや紐で留め、上から雨コートを着てレインブーツをはけば、雪の中の移動もOKですよね。足下の悪さにも負けず、集まった皆さんの晴れ着姿は圧巻でした!
美味しいお料理をいただきながら、川越きもの散歩さんの活動を伺ったり、同じテーブルの方とお話をしたり。いろんなイベントを通じてお会いした方と再会したり、はじめましての方とも話がはずみ。着物好きだとすぐに打ち解けられるんですよね。
あっと言う間の楽しい時間を過ごしました。そして、なんと漫画家の近藤ようこ先生と同じテーブルで、お話ができて感激でした! 近藤先生の着物本は何度も何度も頷きならが読んだものです。このお天気だから洗える着物にしたの、とおっしゃってましたが、深い緑の紬風の着物に、雲と龍の帯がこなれた着こなしでとてもお似合いでした。
また、参加の皆さんが壇上に立って、お召しになっている着物の説明をするコーナーがあり、これがすっごく楽しかった!! 立った姿で着物が見られるので、全体のコーデが一目でわかり、その着物や帯にまつわるお話も実に興味深い!
私達以外にも振袖の方あり、色留袖の方あり、埼玉ブランド繭の「いろどり」紬、訪問着、色無地、白大島や自作の帯、ハットにブーツのクールな着こなしなどエトセトラエトセトラ……。それぞれがお似合いになっていて、あれも素敵、これも素敵とうっとりでした。
さて私はというと、久々に振袖が着られる!と相当前からワクワクしまくり、まつげエクステまでしてこの日を楽しみにしていました(笑)。のれん染めを教えていただいている中井の「おかめ工房」の山本加代子先生に「今度、振袖を着るんです!!」とお話したところ、なんと「あら、じゃあ私の振袖を着ていきなさい」と、先生の紅型の作品を貸していただけることに。
白地に「籠に牡丹と柳と燕」の中振袖は、裾にフキが入って、とてもとても綺麗で、お借りしたはいいものの、自分に着こなせるのかとしばし煩悶(笑)悩みに悩んで、松皮菱に桐や菊、竹の模様が入った昔の重めの袋帯をあわせてみました。頭はセルフセットで、部分ウイッグをかぶせてでっかい花が咲いています!(頭の中にも咲いています!(笑))
(うくく‥‥‥着ている人ではなく、中振袖の素晴らしい紅型にご注目ください\(^O^)/)
他にも、着物の女王風振袖、ン十年ぶりの振袖ですとおっしゃるベリーショートにピンクのメッシュの方、大人色の振袖の方などなど、見ているだけでもワクワク!
雪のため、振袖を着るのをやめたとおっしゃっていた方もいらっしゃったので、本当だったらもっとたくさん振袖姿が見られたかもと思うとちょっぴり残念でした。振袖って、お袖が長いだけなのに、どうしてこんなに気分が上がるのでしょうか。本当に不思議です。もっと長いお袖が自由に着られたらいいのに! いやでもそうすると、ドキドキ感が減るかしら?(笑)
着物が大好きな人たちのとても楽しい新年会でした。また同時に川越きもの散歩さんの絹文化を守り伝えようとする活動と、その熱意と探究心に感動しました。
帰り際、氷川神社に参拝すると、ちょうど結婚式が行われていて、真っ白な羽織袴の花婿と純白の綿帽子の花嫁が、白い雪と凛とした空気の中、神前に佇む姿は、それはそれは心が洗われるような清冽な美しさでした。
何もしなければ、簡単に消えてしまうかもしれないこの「着物」という民族衣装。この美しい日本の文化を絶やすのはもったいない。それにはやはり、どんな形であれ着物を着て、楽しむ人が増えることが必要です。きまりや伝統も大切ですが、形を変えていかねば残るものも残らない。
全体の幅がなければ王道もない。
柔らかな頭で、着物を楽しむ人とその間口がもっと広がるといいなと思った一日でした。
だから私ももっと振袖を着ようかなっ(そこか?(笑))
NPO川越きもの散歩の皆様、ありがとうございました。
◆NPO川越きもの散歩
http://kawagoe-kimono.jimdo.com/
◆ただ今 ほしわにこの個展『キモネコワニ展』をGallery&Cafe Warehouse Garden (http://i29352.wix.com/whgdn/)にて開催中です。
いち利モール「オトナの着物生活」で掲載されたイラストも展示しています♪
3月6日まで。在廊日などはこちらでチェックしてください。
https://www.facebook.com/hoshiwaniko
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紅型のお着物素敵ですよね。
いち利モールは、栗山吉三郎の紅型小紋を取り扱っています♪
▼栗山吉三郎 京紅型小紋▼
http://ichiri-mall.jp/ap/icAA04/so4/iq54/page1.html
補正の困ったを解決★「さらし補正」はナカナカよろしいの巻
星わにこ
2014/02/04 00:00
補正などほぼ要らない体型のわたくしですが、最近さらし補正にはまっています。上半身はきものブラかあしべ襦袢に胸パットだったんですが、最近ですね~お腹がシャレにならない気になり方。
30代のとき、妊娠4ヵ月で留袖を着る機会があり、着付けの人に「ちょっとお腹がぽっこりなんですが」というと、「ふふ、こんなの出ているうちに入りませんよ、もっと立派なおばさまがいっぱいいますから大丈夫」と笑われて、そんなもんかと思ったのですが、な る ほ ど、「おばさま」になってわかるこのぽっこり(涙)
ずっとさらし補正は胸が豊かな人がするものだと思っていましたが、平ら(涙)でも関係ないし、どうやらお腹の補正にもなる模様。昨年の夏に取材で知った笹島寿美先生の骨格に沿ったさらし補正の方式を試してみました。
まずは胸囲を4~5巻きくらいできるさらしを用意します(1反で十分余りが出ます)。腰の部分に補正が必要な人はタオルをはさみ、反物の半分の幅に二つ折りしたさらしを、肌襦袢の上に下腹から巻いていきます。背中からわきの下に通して、胸を押さえて二巻きします。ウエストの部分はきっちりまかなくてもいいので、ラクに巻いておきます。
ぎゅうぎゅうに巻かないとずれて下に落ちちゃうんじゃないかとどきどきでしたが、ざっくり巻いても骨格に沿って体の動きに対応する巻き方だと、ずれることはありません。上にも襦袢、着物を着て帯で押さえるので一日過ごして脱いだときもそのままです。感動しました。
腰にタオルを入れたときは安全ピンなどでとめるといいそうですが、私はその部分をちょっとだけ色糸で縫って、ポケット風にしています。こうしておくと、入れる位置を迷いません。
お洗濯は私の場合、二つ折りにしたまま適当にくるくるたたんで、洗濯ネットに入れて洗います。干すときも二つ折りのまま、ハンガーで干します。すぐ乾きますし、皺をのばしながら干せばアイロンも不要です。ずぼらですが、ちゃんと綺麗になりますよ~。
バリバリ昭和の田舎で育った私は、当然ながら布おむつ育ち。少し歳の離れた弟の白い布おむつが天気のいい日には竿に並んで青空の下ではためいていたのを覚えています。おひさまの匂いのするそれをたたむのを母に習って手伝ったりもしました。私にとって布おむつは、幸せの記憶。だから子どもは布おむつで育てました。幸いなことにうちの子どもは鉄のお尻で、かぶれ知らずで元気に過ごしました。ありがたかったです。いつも仕事でばたばたしていても、布おむつをたたんでいると、不思議と気持ちが本当に癒されたんですよ。
そんなこともあってか、さらしを干していると、布おむつを思い出してほっこりするんです。洗濯を含めて、さらし補正がすっかり気に入ってしまいました。たためば四角い布になるのも、気持ちいいんですよね。
ちょっと恐ろしいのは、とても融通がきくので少々太ってもまったく気付かないことでしょうか(汗)
体にさらしを巻き付けていくと、だんだん気持ちも着物モードにはいっていきます。姿勢が悪いと、気持ちよく巻けません。背筋をのばして、しゃきっとさらし補正、一度おためしあれ!
出典:「骨格と着つけの関係―着くずれしない着つけ」著・笹島寿美 神無書房