無理にでも着物を着る時間をつくることの巻
星わにこ
2024/11/27 00:00
気がついたら私もあと数年で還暦という年齢になりました。子育てがひと段落したら、時間ができるかな~と思っていたけど、相変わらず日々バタバタしていて落ち着いて何かに取り組める気配がありません。
私は主に仕事でいっぱいいっぱいになっていますが、この年齢だと家族のことや介護で大変な人も多い。自分の体力も衰えていくし、生きていくということはなかなか大変なことなんだなあと思います。
時間ができたらやりたいことがある、とか思っていたけれど、暇にはなかなかならないし、本当に年をとるということはできていたことができなくなっていき、思うように動けなくなっていくのだなと実感しています。
だから、やってみたいなと思っていることがあったら後回しにしないでやってみたほうがいいと思うのですが‥‥でも、時間がない!
着付けのレッスンをしていると、生徒さんが「練習する時間がありませんでした」とおっしゃることがあります。それはもちろん、予習復習をしてレッスンのときに疑問を解決して、上手くなっていくのが理想なんですけど、できないときはできないですよね。
私もお習字のレッスンに月2回いっているのですが、忙しいを言い訳に練習も思うようにできず、先生に見ていただくものを前日になんとか書き上げて持っていくのが精一杯なことがほとんど。それでも、レッスンをする場所にいき、その時間は筆を持って机に向かい、他のことは忘れて文字に取り組むと心が穏やかになります。
だから、着付けのレッスンもこの場に来て、着物を着るだけでもいいんですよとお伝えしています。着る時間がなかったら、動画を見るだけでもいいし、それができなければレッスンに来るだけでもいい。着物を着たいな、という気持ちがあって、細々とでも取り組めれば十分。
日々忙しい中、時間を作ってレッスンに来るだけでも、自分を褒めていいじゃないかと思います。
そうして細々と続けると、一定時間を経てある日気がつくとできるようになることがあります。よく資格試験に合格するには何時間勉強時間が必要、みたいな目安を言われたりしますが、なんでもある日ぱっとできるようになることはなくて、やらないとできるようにはならない。
着物も定期的に着ることで、上手くなっていく。初心者はもちろん、上手な人も、着れば着るだけこなれていきますよね。まがりなりにも続けていれば形になるということもあるし、なにより好きなことをする時間を持つという心の豊かさも大事だなあ~と感じています。
この先も、余裕があって趣味に十分に時間を注ぎ込めることもないかもしれないけれど、それでも好きなことができる時間をちょっとでもいいから持ちたい。
着物も忙しいから、面倒だから、暑いから、寒いから、雨だから、だから……とつい今日はいいか、となってしまいがちなんですが、好きな着物を着る時間が心を豊かにしてくれると感じたら、無理にでもその時間を作ることが大事なのかもな~と思います。好きなことができると、そのために頑張れたりもしますし、機嫌よく日々が過ごせますよね。
自分の誕生日は、いままで後回しで、家族や友達が何かしてくれたら嬉しいなとかそんなふうに思っていた部分があり、期待通りじゃないとがっかりすることも。でも今年の誕生日は美容院に行き、自分の食べたいものを自分で用意して自分をお祝いしてみました(笑)。案の定子供は「あ!忘れてたゴメン」と言っていましたが、自分で気に入ったように好きなものを食卓に並べたので、大変満足しました。今後はこれでいけばノンストレス!
なんだか抽象的な話になってしまいましたが、自分が望んでいることを叶えてあげられるのは結局自分。好きなことをする時間って結構無理をしないと作れないし、年齢を重ねてきて、やりたいことがあったらいつやるの? いまでしょ!と感じることが多くなりました、というお話でした。