その着物、どうする?着物の整理は心の整理 の巻
星わにこ
2024/05/22 00:00
前回、着物の処分を考える時売れないと思ったほうがいいというお話をしました。じゃあ、どうしたらいいの?というお話なんですが、着物を欲しいという方ももちろんいます。そういう方のところに届けるには、安くても買い取ってくれる業者さんに売るか、メルカリやフリマなどで自分で売るか、などの選択肢もあります。そこは自分の手間とこだわりと価値観で決めるしかありません。
今回は売る以外の選択肢も考えてみましょう。
譲る、寄付、リメイク、古布に出す、捨てる。いろいろありますが、とにかくどれも手間も時間も熱量もかかります。もちろん捨てるのが一番手間がかかりませんが、その心の痛み方といったら。
でも、ちょっと考えてみて欲しいのです。どうしてその着物を手放すのか。
今の自分に必要ないからですよね。だったら、自分の楽な方法を選べばいいと思います。今大事にしたいのは、「お母様の着物」「若い頃の着物」ですか? 「これからの自分」ですか?
私も、ずっと母に作ってもらった嫁入り着物を捨てられずに可愛いピンクの鮫小紋を大事にしていました。でも、先日箪笥をあけてみたら、なんと!全体にシミが浮いていたんです~(涙)。若い頃、小雨のお茶会に着て行った時の雨シミかもしれません。10年ほど前に着たときにはそんなシミはみあたらなかったので、何十年も経って現れたのか手入れが悪かったのか‥‥。
そいういう目でみてみると、若い頃の着物は自分では「新しくていいもの」と思っていたけど、立派に30年とかを経た古い着物になっていました。
これが年をとるということなのか‥‥なんてしばし呆然。ほんと、自分自身もいつまでも若いつもりでもそうじゃないんだな~と実感する出来事でした。
色柄が好みじゃなくて、でもせっかく作ってもらったからとずっと箪笥に入れていた着物や、50代では着れないな~とか今の好みじゃないな~というものは思い切って手放すことに。自分が今着るか!着ないか! で選びました。
仕事で着物を着るサイズが同じ若い方に差し上げたり、リメイクをしたいというおお友達に差し上げたり、あとはリサイクルショップにひきとってもらったり、古布回収に出したりしました。断腸の思いもありましたが、人生の宿題をひとつ片付けたみたいで、ものすごーくすっきりしました!
もちろんシミが出たものも、染め直したりすれば使えるんですが、そこまでお金をかけてまた着るか?というと、その分で新しい着物が欲しいな‥‥と思ったり(また買うんかーい)
着物も衣類、ファッションと考えると、もったいないから着るのではなくその時の自分がしっくりくるもの、着たいものを着たいですよね。礼装はまたちょっと別の話ですけど、どちらにしても、自分が大切にできる範囲の数で、今着たいものを楽しむほうがいいと思うようになりました。
そして手放したものについては、執着しない! これが一番大事かも。
人生明らかな後半戦というか残りが少なくなってきた(笑)これからの時間を大事にするために。こだわりを捨てて、今自分が着たいものを着る。着物も洋服も同じようにしていきたい。
そして、自分の気持ちが一番すっきりする方法を選んでほしいんです。着物を処分したくなければ、持っていたらいいと思います。大事なものだから自分で着る、使うのが一番いいですよね!
手放したほうがいいと思ったら手放せばいい。やっぱりそれは、人がどうこう言うからではなく、自分が決めることなんだと思います。自分の人生だもの!
そして購入するときも「今、自分が着たい」ものを選ぶのが一番。残りの人生はお気に入りのものに囲まれて過ごしたいな~、とまだまだ片付けなくてはいけない様々なモノの山を見ながら思うのでありました。
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