帯の前結びと後ろ結びどっちがいいの?の巻
星わにこ
2023/04/19 00:00
名古屋帯や袋帯を結ぶとき、お太鼓を前で作る前結びの方が増えているなあ~と感じます。前結びは簡単!といわれますが、後ろ結びに慣れていると戸惑うことも多いです。今回は自分でもやってみて感じた、前結びと後ろ結びのいいところ悪いところをあげてみたいと思います。
前結びのよい点・悪い点
〇お太鼓の形や柄を確認できる
〇帯揚げも綺麗にかけられる
〇気持ちが楽!
×帯を回すとき、着崩れしやすい
×前結び用の帯板が必要。暑い
×意外と後ろで結んだりする作業も多い
×胸高には結べない
後結びのよい点・悪い点
〇回したりしないので、手早く結べる
〇帯板を選ばない
×お太鼓の形や柄が確認しづらい、見えないのでイライラする
×後ろ手の作業が多い
×難しく感じる
欠点としてあげたところも、改善余地はありますし、必ずしもそうではない場合もありますが悪しからず。
慣れてしまうと、後ろ結びのほうが早いし楽だと思うのですが、最初に覚えよう!としたときの敷居の高さは半端ないです。実際、着付けレッスンでお教えするのに超難関!なのがこのお太鼓。構造が理解できるまでは、「今どういう形にするために、なにをどう動かしているのか」がわからないんですよね。いまだにね、なぜお太鼓結びをしなくてはならないのか? その形である必然性はあるのか? こんなん誰が考えたんや??と思うこともあります。どうしてこんな面倒なことをしなくてはいけないのか! それは説明できません(笑)。そういうもんだと思ってやるしかない。その形があまり好きでなければ、他の結び方なり、服装をすればいいわけですから。
とはいえそんな、どうなってるかよくわからない形を、なが~い布(帯)を使って、ささっとできるわけでもない手順を踏んで形にしていくわけですから、最初はほんと頭に疑問符が浮かびまくります。最初から作り帯でええやんけ!と思ったりもします。
これは慣れと理解でしか解決できないと思います。とにかく回数結んでみる、あとは動画などを見てひたすらイメトレすることで上達します。慣れてくれば、自分のやりやすいアレンジを加えたりして楽にできるようになってきます。
でも、この「ひたすら回数をこなす」「イメトレをする」といういわゆる修行パートをぽーんと飛ばすことができるのが「前結び」なんですよね~~~~!!! いやほんとすごいと思います。
なにしろ、目で見て一番難しいお太鼓の形作りができるわけですから。今、私が、何にも知らないで一から帯結びを覚えなさいと言われたら、前結びを選ぶのではないかと思います。
でも実際は慣れているので自分でさっと着るときは、慣れている後ろ結びにすることがほとんどです。着付けは、体が覚えていて普段と違うことをしたりするとよくわからなくなったりすることもあるので、自分が慣れている方法が一番効率がいい。
でもやわらかくてお太鼓柄のここが出したい!と決まっているような帯や、帯揚げの柄を後ろ脇で見せたいポイントがある、というようなこだわりがあるとき、前結びをすることもあります。
帯結び含め、着付けは最終結果は同じでも、そこにい至るプロセスがそれぞれ着る人によって細か~く違ったりします。だって、要は着れればよかろうなのだ。ですから、手段は選ばなくていいはず。
いろんなやり方を知ると、それぞれのいいところを取り入れたり、自分にあったものがわかるので、「私はこれしかやらないの!」と決めつけてしまうのはもったいない。単に私が着付けオタクなだけかもしれませんが(笑)
たまには自分と違う着付けの方法を、試してみるのも面白いですよ~!