振袖をドレス風に★還暦ライブ衣装の巻
星わにこ
2023/02/22 00:00
先日、松岡美桔さんのライブにいってきました。美桔さんはミュージカルの舞台などを中心に活躍されている女優さんで、着物繋がりのお友達でもあります。パワフルな歌声がかっこいい! 2019年には両足の人工股関節置換術を受けてリハビリを経て見事復帰し、2021年のレ・ミゼラブルにも出演。もうほんとに、尊敬する歌姫なのです。
このたび、なんとその美桔さんが還暦とのことで、記念にチャリティライブを開催。おなじく友達の初田せつちゃんのスタイリングで、20歳の時に着た振袖をドレス風に着ることに。当日せっちゃんが来られないため、急遽ピンチヒッターで着付のお手伝いに入りました。
その振袖は、美桔さんのお母様が紅型でご自分で染めて作られたそう。一ツ紋も入っていて、母の愛が溢れる素晴らしいもの。
今回はそれをワンピースの上に羽織って、ドレス風に。
ウエストをゴムベルトで止めてベルト部分で裾を引き上げ、帯を結んでドレス風な着こなしにトライ。途中で衣装替えもするので、さっと脱げる形です。
帯は織兵児帯を薔薇結びにして華やかに。とっても素敵でした。
お母様は昨年コロナで亡くなられており、ライブではそのお母様のエピソードも語られて、思わず涙‥‥。きっときっと還暦振袖で舞台に立つ娘を天国で見守っておられるはず。
ウクライナ支援と、児童虐待を受けた子どもたちの生活支援を行っているNPO団体へのチャリティライブということで、国境や人種、ジェンダーなどのボーダーを越えた平和や平等への想いが、歌声からひしひしと伝わってきました。
米倉斉加年さん作『多毛留』の朗読も。小さい時、母に買ってもらった絵本の挿絵が40年以上の時を越えて脳内に鮮やかに蘇り、鳥肌がたちました。百済の国から流れてきた乙女と漁師の物語と挿絵はそれはそれは美しくて、怖くて、悲しくて。
子どもの時にはわからなかった物語の意味を、教えてもらいました。
どうしようもないこと、起こってしまったこと。そして、なにを選んで生きるのか。
そのときわからなくても、いつかわかることもある。
年を重ねて、見える景色もある。
いろんな想いを受け取り、私も、がんばろ!と思えたライブでした。
60th anniversary charity live
“Beyond Borders”
~Reading & Singing~
https://eplus.jp/sf/detail/3795840001-P0030001
25日まで配信されています♪
<おまけの宣伝>
着物と関係ない話で恐縮ですが、星わにこの4冊目のコミックエッセイ
『53歳シングルマザーのライフプラン』世界文化社
が本日2月22日に発売になりました。
着物の話はほとんど出てこず、計算や計画を立てるのが苦手で
行き当たりばったり人生のわにこが、コロナで仕事や体調に
不安を覚えて、エンディングノートとライフプランに取り組んだ
お話です。人生後半戦、どうやって生きていこうかな、と
考えている方の、お役に立てば嬉しいです!