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肌襦袢の小衿が衣紋から見えるときはどうしたらいいの?の巻

星わにこ
2021/05/19 00:00
なかなか人形の世界から戻って来れないわにこですが、着物の話題に戻ります。趣味の世界におつきあいいただき、ありがとうございました! ひな人形や着物のお人形など見かけたら、どんな風になっているのかな、と見てみるのも面白いと思います。 わたしの作った「さくら人形」は着付の知識も学べるような内容になっていたのですが、3体とも、いわゆる肌襦袢の小衿が衣紋から見える着付でした。赤い小衿がちらりと見える着付は、日舞などでもします。花嫁の肌襦袢もそうしたタイプもあります。 もともとは肌襦袢に小衿という細い衿がついているものは、長襦袢の衿のストッパーとしてつけられたもので、そもそも見えるものだったのです。うそつき衿で、この小衿に芯を入れてストッパーにして固定するタイプのものがありますが、その着付のやり方ですね。見えるようにする着付もある、と思っておくと他人の着付も気にならなくなります。小衿に限らず、着付はいろんなやり方があるので、知っておくといろいろあるんだな~って、心が豊かになりますよね。 間違っているわけではないのですが、今はほとんど小衿を見せない着付がスタンダードになってきているので、小衿がある肌襦袢を使って着る場合に「衿から肌襦袢が見えてしまうのはどうしたら」とよく質問されます。 衣紋の抜き具合も昔より抜きが大きくなっていますし、小衿がついてないタイプの肌襦袢でも昔のものだとあまり衣紋も抜けないので、見えてしまいがちですよね。 まず試したいのは、首から衿を離して着付けること。こうすると、後ろの衿もこんにちはしにくくなります。 後ろにぐっとひいて衣紋を抜こうと思っても、構造上抜くことは難しいものもあります。さてどうしたらよいかというと‥‥ 1)脇の馬乗り(スリップ)をほどいて深くする 2)脇の身八ツ口をほどいて深くする のどちらか(もしくは両方)を試して見てください。ほどいたときには、縫いどまりを玉止めしたり、ほつれない工夫をしておいてくださいね。 そうすると、衣紋を抜いても衿があいます。 以前、長襦袢の衿があわないときの対処法としてこの脇をほどくという技をご紹介しました。 衿があわなくても一番下だからいいや、と思われるかもしれませんが、実は肌襦袢をきちっと衿あわせすることも美しい着付のコツなのです。 肌襦袢も両胸を包むように深くあわせることで、脇のだぶつきもおさえられ、胸もまんなかに寄せられて痩せ見え効果もあります。布の面でしっかり体を包むように着ると、体もささえられますし、体の凹凸や布のシワもなくなって補整にもなり、着物が着付しやすくなります。 ゆるっと着るのが好きな方はゆるりと着付けていただいていいと思うのですが、もしピタッとサイズのあう肌着を着ることで着付が楽になるということを未体験の方がいらしたら試していただきたいです! 木綿の肌襦袢を工夫して着るのもよし、思い切って新しい肌着を求めてみるのもよし。今は、吸汗速乾機能のあるものや涼しいもの、あたたかいものなどいろんな素材のものもあります。たかが肌着と思わずに、肌襦袢こそ、ピタリと着る工夫をしてみてくださいね。