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楽に着たいときは伊達締めを抜くなど。の巻

星わにこ
2019/09/13 00:00
 皆様、着物を着る時、紐は何本使っていますか? 礼装などを着るときは襦袢で胸紐、伊達締め、長着で腰紐、胸紐、伊達締め‥‥コーリンベルトなどを使う場合もあるでしょう。おはしょりを整えるためや、補整でタオルを抑えるために、さらに紐を使っている場合もあるかもしれません。  紐が多ければ多いほど、まあ、着崩れはしにくくなりますよね。でも、しんどいです。  普段着ではもっと少なく、胸紐を省略したりコーリンベルトを使って伊達締めを省略したり、と工夫されている方も多いと思います。  紐は1本でも少ない方が、楽ですもんね。  でもやはり、胸元をきちっとするには、伊達締めがあったほうがキレイに着られます。大きい面積をしっかり抑えることができるからです。逆に言うと、それだけの面積を押さえつけているわけですから、これがなければかなりラク。  以前、腰紐1本で着る着付を教えていただいたのですが、やはり胸元が崩れるような気がして、伊達締めだけはしていました。でも、今年「夏はやっぱり暑いなあ」と思っていて、伊達締めを省略してみようと思い立ち、着付の段階でやめてみたところやはりぐずぐずに。  そこで以前習ったように、伊達締めをして胸元を整えて、帯を結んでから伊達締めを抜く、という手順にしたところ、ほぼほぼ崩れなく着られることが判明。自分が以前と違うところは、補整をしっかりするようになったこと、着物を着るのに慣れてきていること、着物を着るときの所作が少し身に付いて来たこと、でしょうか。  どんなにきっちり着付けても、補整がないと崩れやすいし、姿勢や所作が悪ければどんどん崩れてきます。  普段着なら崩れてもいいっちゃいいですが、どうせ着物を着るならちょっとでもスッキリ見えたいなと思うので、ちょっと頑張るワタシです。でも、楽がいい。というワガママのせめぎ合い(笑)で落としどころを日々探しています。  伊達締めを抜くコツは、結び目を下にして、あとで抜きやすい位置にしておくこと。抜くときは、結び目を解いて下に引き出し、一気に引き抜こうとせずに、下に下げてぐるりと抜いていくこと。  このときの「ふわあああああああ」と声が出るような、みぞおちの開放感をぜひぜひ味わってほしいです。  このワザは、ある程度着付に慣れてからのほうが、効果が高いような気がします。やってみたことがない方がいらしたら、ぜひ一度トライしてみてください。紬や木綿など、形が決まりやすい着物は抜いてもほぼ問題ない気がします。  コーリンベルトを使っている人は、伊達締めを最初からしなくてもコーリンベルトで胸元、背中を整えてから帯をするので問題ないはずです。(私はコーリンベルトも省略したいので、伊達締めをしてから抜く方式に)  腰紐は省略するわけにはいきませんが(笑)もし、沢山の紐や伊達締めを使って「着物は苦しいなあ」と思っている方がいたら、「これ、いらんのとちゃう?」と思う紐を省略してみてもいいと思います。1本減るだけで随分違いますよ!!   一方、これがあったほうが自分にはいいと思えば、使えばよいと思います。  伊達締めを省略することにも、そんなの当然じゃん!?という方もいれば、そんなことを思いつきもしなかった、という方もいると思います。  着付には、いろんなやり方があります。習った通りにやらなくても、大丈夫。自分の着やすい着方、めざす着姿で、折り合いをつけつつ探っていくのも楽しいものです。どんな方法にも、いいところ、悪いところがあります。自分に、あう、あわないもある。着付に絶対、はないなと思う今日このごろ。ひとりひとり体型も違うし、着心地に関しては本当に個人差が大きく、探れば探る程、面白く、深い。  外からは見えないからこそ、着物の内側って、ワンダーランド(笑)。  友達と情報交換したり、ネットで動画を見て「えっこんなやり方あるんだ」とか、いろんな方法にトライするのもおすすめでーす! 秋からの着物シーズンにむけて、着付の見直ししてみませんか?