着物はめぐるよ☆「きもチャリ」今年も開催の巻
星わにこ
2018/03/09 00:00
東京はやっと暖かくなってきたなあと思ったらまた厳しい寒さと雨。三寒四温とはよく言ったものですね。もうすぐ春ですね。
そして、東日本大震災から七年。もう七年という気も、まだ七年という気もしますが、まだまだ生活が立ち直っていない方もたくさんいらっしゃいます。クリエイター仲間で集まって「wasurenai」というチャリティイベントを毎年この時期に開催して、収益金を親を被災で亡くした子どもたちの奨学金にあてている「みちのくみらい基金」に寄付する活動を続けています。
できる範囲でできるだけ。それぞれ作品や得意な技を持ち寄って、チャリティということで、わたしは着物を寄付していただいて販売する着物のチャリティバザー、略して「きもチャリ」部門で活動しています。
昨年はコラムで寄付をお願いしたところ、全国からたくさんの寄付をお送りいただき、過去最高の売上でした。今年も、覚えていてくださって送ってくださった方もいらっしゃいます。きもチャリの開催を楽しみにしてくださっている方も増えて、ありがたい限りです。
今年も、30箱以上のダンボールが受付日に届き、嬉しい悲鳴が。着物好きの仲間が集まって、仕分けや値付けをし、陳列。これがなかなか大変な作業です。目利きというわけではありませんから、着物の状態をざっと見て1000円、3000円‥‥と仕分けていきます。だから、掘り出し物があるかもなんです。帯も500円、1000円から。すごくよいものでも、とってもお得な値段。
今年は「着物カード」というのを作って、どんな着物なのか、一言添えていただけるようお願いしました。サイズの他におばあさまのもの、お母様のもの、どこで買ったか、何に似合うか‥‥メモしていただきました。寄付してくださった方の思いが伝わって、じーんとする場面も。
ただの古着のようでも、着物ってなんだかそれだけじゃない。気持ちがこもっているような気がします。だから、こうやって着ない着物たちが箪笥から飛び出して、着る人や作る人の手にわたってまた活躍して、しかもそれが奨学金の支援になる。チャリティの開催は正直大変なこともいっぱいですが、毎年それが励みになって続けています。
着物は、そのままきてももちろんいいし、和洋ミックスにしたり、羽織なんかは洋服の上にカーディガンがわりに着ても可愛いですよ。正絹だから、軽いし暖かいです。
>チャリティその後☆箪笥から飛び出した着物たち
ここ3年会場になってきた昭和な家が、今年取り壊されることになり、このスタイルでの開催はこれが最後になります。今後どういう形になるかはわかりませんが、奨学金の寄付につながるチャリティは続けて行けたらよいなあと思っております。チャリティは、大きな負担になっては続かないので、細く長く。できるときにできるだけ。そしてなにより、関わる人が楽しいことが大事だと思います。
https://www.facebook.com/events/732091060329268/
3月9日(金)~11日(日)の開催です。このコラムがアップされるころ、ちょうど開催中です。
リサイクル品でもこれは!というものに出会ったら、お手入れして着るのも楽しいものですよ。いち利モールさんでもクリーニングはじめ、裄直しなど、いろいろな着物のお手入れメニューがあります。受け継いだ着物、出会った着物……楽しんでおしゃれに着てあげたら、着物たちも大喜びですよね。
3.11はみんなにとって忘れられない日で。それぞれの想いを抱えて過ごされると思います。もしなにか、自分が関われることがあったら、目をむけてみてみてもらえたら。
前を向いて歩き出すためにも。