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お正月妄想コーデ☆初春梅尽くし の巻

星わにこ
2014/12/17 00:00
 まだ12月なのに本当に寒いですね。大雪で大変な思いをされている方もいるのではないでしょうか。大きな被害がでない事を祈っております。  でも、冬来たりなば春遠からじ。春の準備は実は始まっているのですよね。  もうすぐ新春!ということでお正月のコーデを妄想してみました。初春の梅をイメージして、梅尽くし。  梅は、どの花よりも早く咲いて、その香りで春を告げる縁起のよい花。高潔、清純、忍耐などの象徴に例えられ、実を結ぶことから大願成就の樹としても愛されてきました。迎春にぴったりの清々しいモチーフです。  そしてお正月!ということで景気よく(笑)贅沢なお値段のものから妄想してみました。いつもは商品を探す時「価格の安い順」で見ているのですが、今回は「価格の高い順」で検索しちゃいました。これだけのことですが、なんか贅沢~という気分に。安上がりな私です(笑) http://bit.ly/1uWSkvk  着物は憧れの友禅工房のはまやの小紋。艶やかな紺藍色に手描きの花が艶やかに咲いていて、訪問着にも負けないような豪華さですね。帯は老舗「京藝」の、手彫りの版木を使用したという柄ゆきは、手仕事ならではの奥深さがありますね。  どちらも厳密に梅そのものでなくても、梅に見立ててあわせてみました。小紋の柄は良く見るとバラのようですが、遠目でみれば梅にも見えなくもない‥‥梅はバラ科だし‥‥と自分の中で妄想(笑)。  帯締めは梅紫。帯揚は輪出しの絞り部分を梅に、半襟は七宝の刺繍を一輪の梅に見立てて。お正月なので、梅紫の伊達衿を挿してもいいかも。  松や竹の小物をプラスして、松竹梅にしてもいいし、もう少し春が近くなったら鶯(うぐいす)の小物を足せば「梅に鶯」。春に向かってうきうきします。  梅にはいろいろな意匠があり、写実的なもののほかに、ざっと思いつくだけでも、ねじり梅、利休梅、光琳梅、梅鉢、梅鶴‥‥。着物や帯にもたくさん使われていますから、手持ちのものから探すのもまたひとつの楽しみです。  他にも干支やお正月の縁起物を帯留などでプラスするのも、年に一度のお楽しみ。初詣やお正月のおでかけは思いっきり華やかに装いたいですね。  着物のお誂えは自分の好きな寸法にしてもらえるのも嬉しいところ。なかなかできませんが、こういう贅沢なよそいき小紋などはちょっとお袖を1寸くらい長くしてもドレッシーで素敵ですよ。  寒い寒い雪の下で、春に向けて花咲く力を蓄える梅を見習って、たくましく冬を乗り切りたいものです。

チンドン屋さん体験!ついに振袖姿で街に出る(笑)の巻

星わにこ
2014/12/10 00:00
 今年は例年より初雪のニュースがとても早いですね。そしてインフルエンザの流行も。予防接種をうつ間もなく早速、流行の先端をいってしまった我が家です。先が思いやられます……。  さて今日は、先月の話になりますが「とうとう振袖で出歩いてしまった」事件(?)のおはなしです。といっても、この年で振袖でお出かけという暴挙に出たわけではなく(笑)、チンドン屋さんのお供をさせてもらったのです!  最近はすっかり見かけなくなった「チンドン屋」さん。懐かしいわ~!という方も多いと思いますが、私自身は人より狸が多い(嘘)岐阜の山奥育ちなため子どものころにはテレビでしか見たことがなく。上京してパチンコ屋さんの新装開店!というチンドン屋さんに遭遇したときは「これが!」と興奮したものです。  鉦(かね)と太鼓のチンドンという賑やかな音、ゴロス(大太鼓)のドーンドーンと響くリズムにアコーディオンやサックスの哀愁あふれる旋律。なぜかじっくり見てはいけないような気持ちになるけど目が離せない奇抜な衣装にどきどき。ついふらふらと後ろをついていきそうになるのは何故なのでしょうか。  そのちんどん屋さんと派手な着物で一緒に練り歩こう!という企画が持ち上がり、もちろん(?)参加することに!  今年から友人と共同で昭和30年築という二軒長屋(通称「昭和な家」)を仕事場として借りて、セルフリノベーション(というと聞こえはいいがお金がないので自分たちで改装)しながらわいわい仕事をしたりイベントをしたりしています。  その昭和な家がある商店街のおまつりで、なんと一ヶ月間毎週末ちんどんやさんが練り歩くことになり。せっかくなのでいろいろな趣向で、ということで着物好きの集まる私たちのところにお話がやってきたのです。  ちょっと落ち込むことが続き、参加もどうしようか迷っていたのですが友人親子もきてくれて、「せっかくだから」と、なんちゃって和髪を結って派手な振袖に袖を通したら……あれ? 自然に笑顔に。なんだかとっても楽しいぞ?  友達も最初は「いや私、ちょっと疲れてて……」なんて言ってたんですが、二人とも振袖に着替え終わる頃にはテンションがだんだん上がってきて……。   そしていよいよチンドン「のまど舎」の皆さんの後について、商店街をみんなが知ってる曲を演奏しながら練り歩き。子どもたちはかわいい着物姿、ちょっぴり緊張の面持ちで先頭のチンドン太鼓の後に続きます。振袖のいい大人たち(笑)は適当に木琴たたいたりチラシを配ったり。もう、我々びっくりするほどニッコニコに。  そして、ちょっと意外だったのが通行人の皆様が結構な確立でにこにこ話しかけてくれたり、手を振ってくれたりすること。商店街の皆さんも、お店から顔を出してくれたり。東京砂漠ってもっとクールかと思ってた!(田舎ものの誤解)。  今の子どもたち、チンドン屋さんなんて知らないよね、受けるのかな? なんて内心失礼ながら思っていたのですが、音楽にあわせて、反対側の歩道を手をふったり踊ったりしながら一緒に歩く子たちがいたり。断然子どもたちが大喜びしてくれていました。  そうなんだ! チンドン屋さんの魅力って、その目立つ格好や懐かしさではなく「音楽」が肝なんだ! と生で演奏を聴きながらしみじみ。  まさにジャパニーズストリートミュージック。ちょっぴり物悲しくて、日本人のハートど真ん中にささるその演奏。1時間ほどの体験でしたが、その魅力にはまってしまいそうでした。  最後に記念撮影で、チンドン太鼓を持たせてもらったのですが、10キロ近くあるそうで、これをつけての演奏&練り歩きは重労働(@@)プロの凄さを感じ入りました。 (それにしてもうれしそうすぎる自分(汗))  常々「出歩かなければおばちゃん(あ、言っちゃった)でも振袖着てもいいよね!」と主張している私ですが、とうとうこの日は思いっきり街を出歩いてしまいました(笑)楽しかったです! この開放感が病み付きに……なんて、スミマセンモウシマセン(汗)  その後、ちょうど近所の神社で酉の市が開かれていたので参拝に。昭和な家スタジオのお仕事繁盛を祈願して熊手を購入、景気よく拍手を打っていただきました。  着物を楽しんでいると、なんだか楽しいこともいっぱい起こってくるみたいです。  時には決まりからちょっと外れた着物もよいもの。着物は着るもの、時と場所さえわきまえれば、どんな風に着たっていいんですよね。もっともっと、着物、楽しんじゃいましょう!

着物の防寒対策最強アイテム現る!?南の国からきたあいつの巻

星わにこ
2014/12/03 00:00
 もう師走! 今年も残すところわずかと思うか、あと1ヶ月もあると思うか。まだまだ2014年、あれもこれもやること山積で、もう一踏ん張りせねばと思いつつ、こたつで日々ゴロゴロ過ごしてしまい反省中のわにこです。  そして気圧配置も冬型に。本当に寒くなってまいりました。着物は体の中心部が帯で保護されているせいなのか、重ね着で空気の層ができるせいなのか、洋服でいるときほど寒さを感じないのですが、やはり、この時期は防寒対策をしっかりしたいところ。  とはいえ暖房の強い室内などでは暑くなってしまうことも多々あるため「なるべく簡単に着脱できるもの」で防寒対策をするようにしています。  着物で冷える部分は3つの首「首、手首、足首」なので、ここをカバーするものを用意します。  まず首はマフラーやショール。  手首は薄手のアームウオーマーと手袋で。長手袋も暖かいのですが、セパレートにしておくとなにか作業したいときに手袋だけさっととって、ひじはアームウオーマーで暖かいままというのが便利です。暖かかったらアームウオーマーは外してもいいのですが、薄手のものにしておけば、ひじの上にまくりあげておいてもあまり邪魔になりません。  足首は足袋の下にはくタイプの足袋インナーや、カジュアル着物のときにはロングタイプの足袋ソックスを愛用しています。足首からすねが冷えなければ、本当に着物は暖かく着られます。  いずれも、外したときにスマートにバッグに入れられるよう、薄手でかさばらないものにこだわっております。  さてここで問題です。寒いといえば雪。昨冬の東京の大雪のとき、着物ででかけた私を助けてくれた最強防寒アイテムはなんでしょう。ウールのコートはもちろんですが、着物のすそや足元を寒風からも雪はねからも守ってくれたすごい奴です。  答えは(早)、サルエルパンツです!  選んだのは布がたっぷり使ってあるタイプで、ひろげるとほぼ三角形になっているくらい股上がふか~いもの。裾が細くなっていないタイプをアジアンショップで見つけて「これはもんぺや水屋袴替わりに使えるかも!」とゲットしました。  股の切れ込みがほとんどないので、着物を普通に着た上に着物の裾をあげることなくそのまま履いてしまってOK。生地も厚手のコットンで、縞の織り模様なので和服とも相性よし。アジアはつながっているな~と実感。  雪の日はこれを履いてブーツを履き、上にウールのコートを羽織れば雪もへっちゃらです! 寒くない! 着物も汚れない! ブーツなのでぱっと見、着物姿には見えないですが(笑)  それからサルエルパンツは自転車に乗るときも超便利! 裾がはだけてもまったく見えないし、汚す心配もありません。帯つきのシーズンは、すれ違う人にちょっと「ぎょっ」とされますが(笑)快適です。  構造を見てみると、幅広の布を直線で折りたたんで縫ってあるだけ。作っても簡単そうです。でも、なんと2000円を切るという布代より買ったほうが安いお値段だったり(汗)  難点は、人前で脱ぎ履きするのがちょっぴり恥ずかしいことと、この季節着物の上にいったん履いたら暖かいので脱ぎたくなくなること(笑)普段着物はタートルネックセーターの上にウールの着物を着てサルエルパンツをON。こんなお気軽スタイルもたまにはおすすめです。  水屋袴もいいんですが、紐じゃなくてゴムなのがまた気軽で。考えてみたら、サルエルパンツって裁着袴(たっつけばかま)に形が似てますよね! 私が使っているタイプはもっとゆったりしたものですが。  夏はちょっと暑いな~と思いましたが、逆に考えると冬はこれくらい強い味方はない!というわけで防寒にも大活躍のサルエルくん。キモトモに紹介したところ「買ったよ」「わたしも買った」と大人気です。  先日、着る人がつくる着物情報誌「月刊アレコレ」で防寒についての特集でも紹介したところ、編集長さんも早速購入されたそう。112号に掲載されています。「七緒」でも大活躍の佐川由希さんや、元くるり店長の草萌さん、365日着物生活中のカメラマン渡部瑞穂さんと対談させていただいたのですが、皆さんそれぞれのこだわり防寒アイテムがあって目ウロコでした! やっぱり日常的に着物を着ている方のお話は勉強になります。そして皆さんとっても素敵でした  さてさてこんな便利なサルエルパンツなのですが、こうなると欲が出てくる! ほかの素材ではどうだろう? 冬用にエクセーヌみたいな素材とか夏用に涼しい素材はどうかとか、防水タイプもいいな、とか。袴みたいにサイドにスリットが入っていると通気性がよくなるんじゃない?などなど、次々理想のサルエルパンツを妄想してしまいます(笑)いち利モールさん、オリジナルサルエルハカマ、作りませんか~(なんて言ってみたりして……)  皆様も、和装用だけにこだわらず使えるアイテム探してみませんか? そして見つかったらぜひ、わにこにも教えてくださーい。

いよいよクリスマスシーズン!ホワイトクリスマス妄想コーデの巻

星わにこ
2014/11/26 00:00
 冬本番になってまりましたね。寒いです!朝お布団から出られません。。。  この夏から友人と昭和30年築の長屋を借りて仕事をしている私なのですが、とうとうこたつを設置しました。旧暦10月の最初の亥の日亥の刻に暖房を使い始めると火事にならないそうです。亥は水を司るため、そう言われているとか。  自宅では随分前に出してしまいましたが、それにしても暖かい。ビバこたつ。しかし、根が生えてしまうので本当に危険です。和室のこたつで障子を閉めて着物で仕事をしていると、世間の流れに全くついていけなくなりそうですが(笑)。  さて今日は、いよいよクリスマスシーズン突入!というわけでそろそろツリーが飾られたり、お家イルミネーションを始めるお宅があったり、花屋さんでポインセチアが並べられていたり‥‥と、街へ出ると気分が盛り上がり始める季節に。  今年はとっても寒いので、ホワイトクリスマスになったりして? そんな妄想コーデをしてみました。  江戸小紋のあられで夜空の雪を。真っ白なクリスマス柄の帯に、赤の帯揚と緑の帯締め。半襟は、イルミネーションのようなキラキラが刺繍で入ったものを選んでみました。  クリスマス帯のページには、真っ赤な着物や緑の着物とあわせたコーデもあり、そちらも素敵です http://ichiri-mall.jp/ap/prd0235313000.html  帯留は、クリスマスモチーフのものがいっぱい揃っていますので、ポイントにして遊びたいですね。これも、油断しているとあっという間にソールドアウトになってしまうので、欲しいものがあったら即決!でしょうか。  毎年直前に「あーあれがないこれがない」とイマイチ納得しきれないままのコーデになってしまいがちなのは今年でサヨウナラしたいところです(自分)。  最近、いち利モールでウインドウショッピング中に気になるのが、20代のいち利ショップスタッフが選んだ「ミヤコレ」シリーズ。レースの半襟や、ハっとする色の帯揚げなど、「おぬしやるな」という感じで、とてもいいアクセントになってくれそうなものがいっぱい。  クリスマスコーデにもピッタリの三部紐も!と思ったら、あっという間に完売になっていました。http://ichiri-mall.jp/ap/prd0247223000.html  シーズン先取りのチェック、欠かせませんね。  皆様、どうぞよいクリスマスをお迎え下さい。

着ないにこしたことはないけれど、必要な着物「喪服」の巻

星わにこ
2014/11/19 00:00
 先週は「きものサローネレポートを書きます!」と高らかに宣言しながら、お約束果たせずすみませんでした。6日に実家のある岐阜で入院中の母の容態が急変し、帰郷。そのまま看取って、お葬式、初七日を済ませ15日に東京に戻ってきました。結局きものサローネの会場には一度も足を運ぶ事ができず、大変ご無礼をいたしました。  後期の100人コーディネートへの参加は、友人に無理を言って振袖を搬入してもらい、代理での着せつけをお願いして無事叶いました。見たよ~とメッセージなどもいただき、嬉しかったです。今回の自分のコーディネートテーマは「オトナの振袖」。着られる頃を過ぎても、やっぱり着たい。知ってて楽しむオトナの振袖、ということで、40代以上だろうが既婚だろうが、着てみたっていいじゃない(出歩かなければw)ということで、低めに結んだお太鼓での振袖コーデを展示しました。  100人コーディネートは本当にいろんなスタイル、提案があって見応えがあったよ~と聞き、またファッションショーやトークショー、展示など3年目の今年はどうだったのか自分の目で見ることができなかったのを本当に残念に思います。皆様はお気に入りのスタイル、発見できたでしょうか?  さて、ここからは私事ではありますが、母と葬儀と喪服のお話を少しさせてください。  小さな頃は曾祖母、父と母、私と弟、それに叔父という大家族で育った私でしたが、小学生のときに祖母が亡くなり、中学生のとき叔父が結婚して家を出て、私も高校卒業と同時に家を出ました。  社会人になった年、弟が交通事故で急逝。家族が、特に両親がどれほどのショックをうけたかは言葉では言い表せません。その後を追うように祖父、父も亡くなり、実家は母ひとりが残りました。  私の喪服は、社会人になったタイミングで母が呉服屋さんに頼んで誂えてくれたのですがなかなか出来上がらず、弟が亡くなる1週間前に早く届けてくれるよう電話をしたところ、すぐに届けられたそう。  そしてすぐに弟の葬儀で着ることになったのですが、母はあんな電話をするんじゃなかったと、何度も泣いていました。そして結局祖父、父の葬儀でその喪服を着て、今度また母の葬儀で着ることになり‥‥。今回で袖を通すのは4回目。  着物が置いてある部屋へいくと、私の喪服が一式揃えて分かりやすい場所に置いてありました。1年半前から入退院を繰り返しての闘病生活でしたので、いろいろと覚悟をしていたのだろう一人暮らしの母の気持ちを思うと、涙が止まりませんでした。  そんな風に母が整えていてくれた喪服。予め長着をハンガーにかけ、襦袢、帯、帯揚帯締め、足袋、草履バッグに着付の小物と並べて揃えておき、いよいよお通夜。さて着ようと思ったところ‥‥‥  襦袢に半襟が付いてなかった~~~~(ごろんごろん)  襦袢もハンガーにかけてみればよかった~(ごろんごろん)  大慌てで従姉妹に半襟を持って来てもらい、最低限の部分だけ縫ってなんとか間にあいましたが‥‥本当に私って、大事なところが抜けていて‥‥(><)「ちゃんとせにゃだちかんやないか!」(ちゃんとしなきゃダメでしょ)という母の怒りの声が聞こえてくるような気がしました(;;)  喪服は、身内のお葬式ぐらいしか着る機会のない着物ですが、5つ紋の第一礼装。誂えてもらったものですからピッタリで着やすく、どっしりとした黒の縮緬で、気持ちがシャン!と引き締まりました。着物を作ってもらったときからは、かなり増量(汗)した自分ですが、その増量分も受け止めてくれる着物はまさに一生に一枚あればよいもの。  悲しみは繰り返さないようにということで、喪の帯は名古屋帯で一重太鼓。小物はすべて黒一色です。深い黒に丁寧に入れられたぐし縫いの白い糸、白い紋‥‥。手にとって心地好い絹の重さを感じながら、悲しいけれど、とても美しいものだなと、しばらくぼーっとしてしまいました。  喪主も洋装が主流になってきた今、喪の着物は必要かどうかは意見が分かれるところですが、私は大切な人にお別れをするときにこの美しい黒の5つ紋の着物を着て、背筋をのばせて良かったと思います。  だからといって、何度も袖を通したいものではないけれど、こればかりは人の運命ですから、仕方がない。  子に別れ、夫に別れてとてもしんどいことも多かった母ですが、愚痴をほとんど言ったことがありません。一人でなにもかも飲み込んで黙々と仕事をし、家のことをこなしてきました。  葬儀屋さんが「こんなに皆が泣くお葬式は珍しいですよ」とおっしゃいましたが、入院の直前まで会いたい人に会い、やりたいことをやり。たくさんの方がお別れを惜しんでくださいました。  ずっと両親はお見合い結婚だと思っていたのですが、今回、母から交際を申し込んだ恋愛結婚だったと、親戚のおじさんが教えてくれました。当時田舎で女性からアプローチすることは珍しかったそうで、いろいろあった末、結婚。そして私が生まれ‥‥。  父の闘病のときの母の看護ときたら自分でも「ようやった」というくらい、敬服ものだったのですが、なんだか腑に落ち。亡くなる1ヵ月前に父が亡くなる時に敷いていた布団を打ち直して使いたいと布団やさんにお願いし、母の部屋には打ち上がったばかりのその布団が敷いてありました。いろいろ大変だったけど、今は身軽になり、好きな人のところに向かっているかな。  私自身はもっと自分にできることがあったはずと、あれこれと悔いだらけだけれど、いつも前を向いていた母に習ってこれからを生きていきたいと思います。  ありがとう、お疲れさま、お母さん。

きものサローネin日本橋で自分のきものスタイルを探そう!の巻

星わにこ
2014/11/05 00:00
 きもの好きの皆様ならもうチェック済みとは思いますが、今週末から来週にかけて、東京日本橋できもののビッグイベント「きものサローネin日本橋」が開催されます。今年で3回目のこのイベント、今回はなんと6日間! 週末、休日だけでなく、平日の20時まで行われているのでお仕事帰りにも気軽に寄れそうですね。  今、どんどん再開発が進んでいる日本橋は、老舗と最新ビルが立ち並んで伝統と先鋭が面白い具合にミックスされている街。着物でおでかけすると、楽しい街です。広い大通りでも、ちょっと路地裏でも、不思議と着物がしっくりいと馴染む街。それは、江戸の昔から商業の中心であり、東海道の始点であった日本橋という場所のパワーのせいかもしれません。  きものサローネはそんな日本橋の再開発を象徴する商業施設「COREDO室町」(前期)と「YUITO」(後期)で行われます。会場のあるビルには魅力的なお店もたくさん! COREO日本橋のB1には「日本橋案内所」があって、日本橋ならではのお土産も揃っています。  おっと、日本橋の話ばかりしてしまいましたが、肝心の「きものサローネ」は、「とにかく着物が好き!」で意欲的な活動をされている作家、メーカー、卸、小売、着付師、スタイリスト‥‥と、とにかく着物業界の人たちが一同に会するイベントです。  普段雑誌やネットで「これが気になる」なんて思っていたあの着物もあの帯も、あの小物も‥‥‥! 実際に手に取ってみられて、しかも作家さんやお店の方に直接お話が聞けるチャンス! これだけの規模で一般の人も見られる見本市はなかなかありません。  しかも、とても気軽に入れます! お買い物もしなくてもいいんです。(あ、欲しくなったら買ってもいいらしいです(笑))。私もとっても楽しみにしています。  出展ブースのほかにも、ステージがあってファッションショーがあったり、憧れの先生がたのトークショーがあったり! まさに、きもののお祭り、宝石箱やぁ~~~~!!(ヒコマロ)自分も毎日通いたいくらいです‥‥。  今年は、前期後期で3日間ずつ出展や展示が変わります。2会場に分かれて同時開催だった昨年より、それぞれじっくり見られるかも。  前期は華やかなステージショーが目玉。振袖スキーな私は「ミスインターナショナル振袖きものショー」が気になって気になって(笑)(ファッションショーは事前予約あり)。実はファッションショーなんて‥‥と思っていた私ですが、展示で動かない着物を見るのと違って、やっぱり人が着て、動く着物姿はいい! いろんな趣向が凝らされていて、とても刺激的です。着物のファッションショーは、今はもうほとんど行われていないのが実情。ぜひサローネで目撃して欲しいです。  後期はトークショーや東京の伝統工芸のワークショップがあります! ワークショップは、鼈甲や指物、刺繍等ちょっとドキドキするラインナップ。当日受付のようですので、絶対受けたい!と狙っているわにこです。  出展ブースには「銀座いち利」さんも参加。みたざき女将の笑顔に会えますよ。あと、個人的にはこのコラムを担当してくださっているいち利モールのイケメンスタッフ(まだお会いしてないので想像(妄想?)ですが、間違いナシ)Nさんもいらっしゃるということなので、今からドキドキです! 皆さんもチェックしてみてください(えええ)。  そしてエキシビジョンで「100人コーディネート」展示があります。着物に関わるいろ~~んな100人がまさに100通りのコーディネートを展示。なんとここに、私も参加させていただくことになりました! ただの着物好きだった私が、錚々たるメンバーの中に加えていただけるとは(汗)ドキドキです。マジ、バクバクです。自分の場合は、販売物があるわけではないので、「自分が着て一番ワクワクするコーデ」を展示する予定です。この日のために、他装を習いにいったり、キモトモと自主特訓をしたり、皆を巻き込んであーでもないこーでもないと準備しています! よろしかったら、見てやって下さいね!  (わにこも11日日中と13日夕方あたり出没している予定です(ワニ出没注意)。ワニ帯とかワニ半襟とかワニ帯留とかをしていると思いますので、見かけたら優しく声をかけてくだると喜びます(^^)石は投げないでください(;;))  もちろん、他の皆様のコーディネートも楽しみすぎて鼻血が出そうです(出すな)。お洒落としての着物を楽しむことに「こうでなければならない」ということはないはず。いろんな人の、いろんな好み、いろんなスタイルがあって当然。もしかすると「本当はこういうのが好きだった!」なんて開眼があるかもしれませんよ。  きものサローネに、自分のスタイルをみつけに足を運んでみませんか? ● きものサローネin日本橋 前期:11月8日(土)~10日(月)COREDO日本橋 後期:11月11日(火)~13日(木)YUITO http://kimono-salone.com/

着物のお着替え一式パッキングテクニック の巻

星わにこ
2014/10/29 00:00
 急に寒くなってまいりましたね~。我が家ではこたつコールが家族と猫から起こっていますが、いつ出そうかな~。  さて今日は着物のパッキングのお話です。出先で着物に着替えたいときってありますよね。お稽古ごとや、旅行などなど‥‥。そんなとき、どんな風に着物を持ち運んでいますか?  パッキングで大活躍するのが、風呂敷です。  着物、襦袢、帯はまとめてたたんで。畳紙はかさ張るので使わず、着替え用に着物を持っていく時には風呂敷に包むようにしています。畳紙型のうこんの風呂敷も使い勝手がよいので、大事な着物は包む場合も。  風呂敷に包む時には、一番外側を着物、帯、襦袢という順に重ねて畳むと、着物にシワがつきにくいのでオススメ。  中心に、帯枕や帯締、帯揚などを入れてしまいます。肌襦袢、裾除け、ステテコ、タオルなどの下着系一式に足袋も忘れずに! これは、別に薄いレーヨンの風呂敷に包みます。かさ張らないので、風呂敷の中包みに最適です。  これらをまとめて、大きめの風呂敷でまとめて包みます。きちっと形ができるので、崩れにくくて安心感があるので一番外側の風呂敷は綿を愛用しています。このとき、入れるバッグの大きさにあわせて包むのがポイントです。  着付の小物は、別に大きめの旅行ポーチに入れています。腰紐、伊達締め、衿芯、着物クリップ、コーリンベルトなどなど、一式入れていて、家で着替えるときもそこから出して、また仕舞うようにしています。都度、持ち運び用に用意する手間が省けます。(というとかっこいいが、都度用意すると絶対忘れ物をする確率がアップするので自衛策です……)  このポーチには何かのときのために、ちょっとした裁縫道具と安全ピンも入れています。あと、ヘアゴムとアメピン。  そして、ご存知の通り、これを全部持つと、結構重いんですよね~~!  スーツケースに入れてゴロゴロ転がして行く事が多いのですが、雨の日や雪の日はちょっと‥‥。そんな時は、大きめのトートバッグに入れて肩にかけていきます。そんなときは省略していいもの(肌着・補正関係など)は、ちょっと省略して最低限にします。  以前はハワイのお土産にもらったスーパーの大きなトートバッグを使っていたのですが、今はいち利モールオリジナルの着物帆布バッグを使っています。  これ、着物好きな皆さんが考えたということで、とってもよくできているんです。以前カスタムした記事をアップしましたが、シンプルな外見とお値段に似合わず、優れものなんですよ~。  一番気に入っているのが、帯板ポケット。風呂敷につつむとき、なんとなく邪魔だった帯板に専用ポケットが(感動)。帯板をうっかり忘れることがなくなります。帯枕もこちらのポケットを使っています。  そして、フラップがついているので、かぶせてしまえば中が見えない\(^O^)/   収納用のミニバッグのほうに小物ポーチを入れたら、バッグの持ち手にかければ、ダブルバッグになって、準備完了です! ザ・着物バッグというかんじがしなくて、カジュアルにも持ち運べて気に入っています♪  出かける前に、一度頭の中で着るシュミレーションをして、忘れ物がないか確かめるようにしています(一度、襦袢を忘れて気絶したわにこです。足袋をよく忘れるので要注意です(私だけ!?)。  皆様の持ち運びアイデアもありましたら、教えて下さい(^^)

オレンジ小物で遊んで☆蝙蝠の帯でハロウィン気分コーデ の巻

星わにこ
2014/10/15 00:00
 台風が去って、ぐっと秋が深まった気がしますね。もう手袋やマフラーがたくさんお店に出ていて、冬ももうすぐ‥‥でしょうか。早いです。  それとお店のディスプレイで目をひくのがハロウィンの飾り。かぼちゃに幽霊、魔女に黒猫。あちこちでハロウィンイベントが行われていますね。  着物でも、ちょっとそんなハロウィンのテイストを取り入れてみたい!的な妄想コーデをしてみました。 http://bit.ly/1rrlVdu  黒に藤、桜、菊など四季の花紋がまるで月のような形に見える小紋に蝙蝠帯のコーデに、強めのオレンジの帯揚帯締をしてみました。  帯留にハロウィンものをもってくれば完璧!   今年も馬籠静さんの新作が出ていて、もう既に売切れも(><)  ハロウィンのためだけに着物を誂えたりするのはとても贅沢でなかなかできませんが、こんな花紋の小紋なら時期問わず、帯を替えれば可愛らしく着こなせますね。  帯は、はまやのろうけつ染めの蝙蝠(コウモリ)の名古屋帯。蝙蝠は、中国では「蝠」が「福」と同音のため縁起がよい動物とされており、5匹の蝙蝠は五福といい「長寿,子孫、健康、富貴、繁栄」を表すとか。皇帝の服から、ラーメンどんぶりまで、蝙蝠をよく見かけますよね。  西洋文化の流入とともにあまり好まれなくなってきたようですが、本来は日本でも、江戸時代までは蝙蝠は害虫などを退治してくれるし、縁起のよい生きものとして愛されていたようです。意匠として見ても、広げた羽根の形がとってもクールな蝙蝠さん。私は大好きです。  そう思うと、蝙蝠帯はハロウィン限定柄ではなく、普段にもぜひ使いたいアイテムです。  着物、帯、小物、それぞれはまた違うようにも使えるけれど、テーマを決めてコーデするとピッタリくる。そういう「見立て」の楽しみは、人に押し付けるものではなく、密やかな自分の楽しみ。  だから、気がついてくれる人がいると、すご~く嬉しいのですよね。時にはみてみてーと、見せびらかしたりもしますが(笑)  コーデをあれこれ考える時間が、もしかしたら一番楽しいのかもと思う今日このごろです。わにこの妄想コーデの時間でした\(^O^)/

柄出しもカンタン☆この一手間で帯揚をキレイに整える!の巻

星わにこ
2014/10/08 00:00
 先日の台風、大変でしたね。でも、思ったより足早に通り抜けて台風一過の青空にびっくり。お陰で十三夜を拝むことができました。そしていよいよ本日10月8日の十五夜は皆既月食。すっきりと晴れてくれるといいのですが。 十三夜と十五夜のお月様、両方を愛でないと「片見月」といって、縁起が良くないのだとか。なんにしても、夜空を見上げる余裕は欲しいですね。  さて今日は帯揚をキレイに整えるコツのご紹介です。  実は今、一念発起して着付の勉強をしなおしているのですが、ちょっとした手業やコツで随分変わる!と感動の日々です。自己流はどうしても限界があり、そういうときにポイントでも教えてもらうと、ぐんと着姿が綺麗になります(あくまで当社比)。  そんなコツの中から、なんだか上手く決まらない~! 結び目の横がシワシワ~~~! 柄つきの帯揚なのに、上手いところに柄がこない~! と、悩んでいた帯揚が、綺麗に結べるようになったポイントをご紹介します。 (上手く結べる方は読み飛ばしてくださいね(^^;))  まず、帯枕は先にして結んでしまいます。そのあと帯揚を帯枕の上に通してかけます。ここで柄を出したい場所にひっぱりながら移動させます。脇の後ろの帯から覗くところとか、サイドとか、中心とか……。このとき、帯枕に帯揚をかけた部分が外れないようにうまく帯揚をひっぱってテンションをかけながらずらすのがポイント。  なかなかここでうまく帯揚を帯枕にかけられないわ、という場合は、帯枕の上だけに帯揚をかけておいて、帯枕をしてもOK。  それが決まったら、帯枕の下に帯揚をはさみます。このとき手は真後ろにはなかなかまわりませんので(笑)帯揚を帯の幅くらいに持って、両方でひっぱりながら帯枕が隠れるように包みます。  よく、帯枕に帯揚を最初からかけてゴムで留めたりしていたので、この後かけ式は最初知った時衝撃でした! 後からでも大丈夫なんですね。  そして、帯揚をひっぱりながら、内側に上から三分の一を折り、下から上に三分の一を折って3つに畳みます。そしてそれをさらに半分に折って、ここがポイント!  その状態で折った部分に指を挟み、スーッと折り目をしごきます。このとき、強めにテンションをかけながら、手が届く限り、ワキの後ろまでしごきます。すると帯揚がま~っすぐキレイに整います。  いままで、しごくのは教わったことがあっても、前の方しかしごいていなかったわたしでした。ここで綺麗に帯のところまでシワがとれたらすっきり綺麗に処理できます。  両方しごいたら、着物と同じ打ち合わせに重ねて、結ぶだけ。このコツを知ってからはすっきり結べるようになった(当社比)ので、苦手意識の強かった帯揚の処理が楽しくて仕方ありません!!  結ぶときは、結び目の幅が広くてふんわりと帯揚が見える量がたっぷりしているほど若い印象に。好みもありますが、年齢とともに、結び目は小さく、帯揚を見せる量も少なくすっきりとさせていくのが一般的です。  結ぶのがどうしてもうまくいかない!という人は、帯枕の紐をしっかり締めれば大丈夫ですから、結ばないで、結び目のような形に見えるようにクロスしてかけた状態で余りを帯の中にしまってしまうという裏技も。  着付の仕上、最後に帯揚がスッキリ決まると気分もいいですよね! 帯周りを上から見るたび「ウムウム」と自己満足の頷きをしてしまいます(阿呆)  ぜひ「ワキの後ろまでぐっとしごく」、この一手間をお試し下さい。

簡単☆ちょっとレトロな耳隠しヘアスタイルアレンジの巻

星わにこ
2014/10/01 00:00
 気がつくと、10月!過ごしやすい日が増えてきましたね。何故か我が家の庭では朝顔が花盛り‥‥夏の間うんともすんとも咲かなかったものが毎日20近くの花をつけています。朝顔って夏の花じゃなかったかなと調べてみたら11月くらいまで咲く品種のよう。秋明菊と並んで咲いているのがなんだか不思議です。  さてさて今日は、このごろ私がよくしている着物のときのヘアアレンジのご紹介です。モデルお見苦しくて失礼しますが(汗)耳が隠れるスタイルです。  盛り盛りもいいけど、普段着のときは、昭和のお母さんっぽいこんな髪型もいいと思いませんか? 耳が隠れるだけでなく、こめかみの気になる白髪も多隠れるので、普段には楽な髪型です。  アレンジは簡単! 耳を出さないように後ろで一つに結んで、夜会巻きの巻き込みを、横にするだけです!(と言ってもワカラン!といつも言われるので図解しました)  コツはたっぷりムースやヘアワックスなどをつけて、まとまりやすくしておくこと。私は最近男性用のヘアワックスのハードタイプを使っています。ちょっと洗うのが大変ですが(笑)もんのすごいキープ力です! ○トメージュもびっくりです。  夜会巻きコームだけではちょっと心もとない場合は、Uピンなどで補助してとめてくださいね。結構髪の毛は重いので、先日は、Uピンだけでまとめたら、髪の重さで崩壊しました(恐怖)夜会巻きコームやかんざしなどでしっかりと留めることをおすすめします(^^;)  巻き込んだ部分は少しグシャッとなってしまうので、上手くヘアアクセサリーで隠して。  それから後頭部に逆毛をたてておくと、ペッタンコにならず、コームやUピンのとまりがよくなると、美容師さんのキモトモに教えていただきました(多謝)   私がやると、昭和なおかーさん風味になってしまいますが、若い方がしたらレトロで素敵です。  ちょっと余裕を持って一つにしばれる髪の長さがあればカンタンにできますので、一度お試し下さい(^^)v