5,500円(税込)以上で送料無料

着物
着物
一覧を見る
小紋
一覧を見る
とび柄/水玉 とび柄/水玉
無地系 無地系
ぼかし ぼかし
更紗/唐草 更紗/唐草
縞
格子/市松 格子/市松
洗える着物 洗える着物
新品プレタ 新品プレタ
夏物 夏物
その他 その他
一覧を見る
米沢織 米沢織
大島紬 大島紬
結城紬 結城紬
十日町 十日町紬
琉球 琉球紬
上田紬/伊那紬 上田紬/伊那紬
小千谷紬 小千谷紬
浜松紬 浜松紬
牛首紬 牛首紬
塩沢 塩沢
夏物 夏物
その他 その他
色無地
一覧を見る
紋意匠縮緬 紋意匠縮緬
御召
一覧を見る
御召 御召
撥水加工済み 撥水加工済み
夏物 夏物
羽織・コート
一覧を見る
羽織 羽織
コート コート
雨用 雨用
未仕立て 未仕立て
夏物
一覧を見る
紬
小紋 小紋
色無地 色無地
麻
紋紗 紋紗
御召 御召
洗える着物 洗える着物
浴衣 浴衣
木綿
一覧を見る
阿波しじら 阿波しじら
遠州木綿 遠州木綿
久留米絣 久留米絣
綿麻 綿麻
伊勢木綿 伊勢木綿
その他 その他
訪問着
一覧を見る
訪問着 訪問着
一覧を見る
袋帯
一覧を見る
西陣 西陣
大島 大島
江戸更紗 江戸更紗
十日町 十日町
牛首 牛首
新品プレタ 新品プレタ
夏物 夏物
その他 その他
九寸名古屋
一覧を見る
西陣 西陣
琉球 琉球
大島 大島
京友禅 京友禅
江戸紅型 江戸紅型
京紅型 京紅型
結城 結城
米沢 米沢
新品プレタ 新品プレタ
夏物 夏物
その他 その他
八寸名古屋
一覧を見る
博多 博多
米沢 米沢
琉球 琉球
牛首 牛首
西陣 西陣
夏物 夏物
その他 その他
夏物
一覧を見る
九寸 九寸
八寸 八寸
袋帯 袋帯
新品プレタ 新品プレタ
半巾帯
一覧を見る
新品プレタ 新品プレタ
博多 博多
米沢 米沢
西陣 西陣
兵児帯 兵児帯
その他 その他
角帯
一覧を見る
西陣 西陣
その他 その他
帯小物
帯小物
一覧を見る
帯〆
一覧を見る
平組 平組
丸組 丸組
ゆるぎ組 ゆるぎ組
三分紐 三分紐
二分紐 二分紐
帯留付き三分紐 帯留付き三分紐
夏物 夏物
帯揚
一覧を見る
無地/ぼかし 無地/ぼかし
友禅 友禅
絞り 絞り
刺繍 刺繍
夏物 夏物
その他 その他
オリジナル オリジナル
根付
一覧を見る
真鍮/合金製 真鍮/合金製
ガラス製 ガラス製
その他 その他
帯留
一覧を見る
ガラス製 ガラス製
真鍮/合金製 真鍮/合金製
アンティーク アンティーク
陶器製 陶器製
貝殻製 貝殻製
天然石 天然石
その他 その他
数-SUU- 数-SUU-
大原商店 大原商店
リオン工芸 リオン工芸
馬籠静 馬籠静
スタジオサカミ スタジオサカミ
オリジナル オリジナル
小物
小物
一覧を見る
半衿
一覧を見る
刺繍 刺繍
無地/ぼかし 無地/ぼかし
レース レース
夏物 夏物
その他 その他
履物
一覧を見る
草履 草履
足袋 足袋
下駄 下駄
雨草履 雨草履
草履バッグセット 草履バッグセット
鼻緒 鼻緒
カバー カバー
その他
一覧を見る
バッグ バッグ
羽織紐 羽織紐
収納 収納
ハンガー ハンガー
ピアス ピアス
かんざし/櫛 かんざし/櫛
風呂敷 風呂敷
割烹着/エプロン 割烹着/エプロン
ショール ショール
手袋/アームカバー 手袋/アームカバー
衣装敷 衣装敷
ブローチ ブローチ
財布 財布
ペット用品 ペット用品
その他 その他
着付小物
着付小物
一覧を見る
帯板(前板) 帯板(前板)
帯枕 帯枕
腰紐 腰紐
伊達締 伊達締
ベルト ベルト
クリップ クリップ
その他 その他
肌着
肌着
一覧を見る
インナー
一覧を見る
肌着 肌着
ステテコ ステテコ
裾よけ 裾よけ
半襦袢 半襦袢
補整着
一覧を見る
ブラジャー ブラジャー
パッド パッド
うそつき
一覧を見る
替え袖 替え袖
替え衿 替え衿
襦袢 襦袢
その他 その他
長襦袢
長襦袢
一覧を見る
洗える長襦袢 洗える長襦袢
正絹 正絹
き楽っく用 き楽っく用
麻/綿 麻/綿
紋紗 紋紗
お悩み別で商品を探す
補正をキレイにしたい 補正をキレイにしたい
汗かきさんにオススメ 汗かきさんにオススメ
冬のあったかアイテム 冬のあったかアイテム
着崩れ防止で美しく 着崩れ防止で美しく
帯結をカンタンに 帯結をカンタンに
お手軽♪うそつき お手軽♪うそつき
着物を楽しむコンテンツ
ブログ
きもの知恵袋 オトナの着物生活
動画
女将ちゃんねる 着付け実践動画
コラム
着物の基本!着こなし・コーデコラム

新着記事

アーカイブ

メールマガジン・会員登録はこちらから

花粉症と黄砂対策にはインナーマスクと木綿の着物!?の巻

星わにこ
2021/03/17 00:00
東京は14日午後に桜の開花宣言が出ましたね。昨年に引き続き観測史上最も早いそうで、我が家の近くの桜もぽちぽちと咲き始めています。今年も皆でわいわいお花見、というのは叶いそうにありませんが、やはり桜を見ると晴れやかな気持ちになります。 花は花でも、花粉症にお悩みの皆様にとっては今は辛い季節ではないでしょうか。今年は黄砂もすごいようで、花粉症でない私でも目がしょぼしょぼ‥‥。そして去年からず~っと不織布マスクをつけているので、密着させる頬のあたりがもうちくちくして限界感ありありです。着物でお散歩したいな~なんて思っても、ちょっとためらわれてしまうのでは。 花粉症対策としては、環境庁の「花粉症環境保健マニュアル2019」によるとマスクの中にインナーマスクをするとよいとのこと。インナーマスクとは、ガーゼを10センチ角に切ったものを用意し、1枚はそのままマスクの内側にあて、もう1枚は化粧用コットンをくるんで、鼻の下にあてるもの。これをマスクと併用することで花粉の吸い込みを99%以上除去できるそう。 この、化粧用コットンをガーゼでくるんだものがちょっと鼻水とかがたれたときに(汚くてスミマセン)いい仕事をしてくれます‥‥。もうガーゼでくるむのが面倒で無印良品の生成カットコットンをそのまままるめて鼻の下にあてているのですが、今までマスクの中に水滴がついたりして不快だったのも解決されていいかんじです。 マスクの内側にあてるガーゼですが、手作りが得意な方はコットンなどでプリーツのついたものを手作りしてもいいですよね。抗ウイルスの市販品などにすれば、えい花粉はウイルスより大きいので効果はより高くなりそうです。 次に衣類は、帯電しやすい素材が花粉を吸着しやすくNG。綿が最も帯電しにくい素材で、「綿.麻<絹<化繊<ウール」の順で花粉付着率が高くなっていきます。もちろん同じ素材でも、織り方によっても付着率は変わります。 繊維の表面が滑らかなもののほうが花粉がつきにくく、付着しても落ちやすいので、着物でいうと、結城紬のようなほっこりとした真綿系は花粉がつきやすく、大島紬のようなツルツルとして生地の密度が高いものは付着しにくいということになります。ほっこりした木綿の着物より、なんとなくツルツルの大島のほうが花粉がつきにくいような気がしますが、どうでしょうか。 また着物は、長着と長襦袢の素材の相性で静電気が起きる(絹+ポリエステルなど)ので、そのあたりも気をつけるとよりGOOD。肌を露出したところに花粉がつきやすいので、体を覆ってくれる着物はなかなかよいチョイスでしょう。 化繊でも、東レの「アンチポラン」や帝人の「ポランバリア」など、花粉がつきにくく、付着しても落としやすくする素材も出ていて、スプリングコートなどに遣われています。こういう素材で着物は難しいとしても、着物にさっと羽織れるものなどがあれば素敵かもかも! な~んてまたまた妄想しているわにこでした。 ブタクサ花粉症なので、いつも夏の終わりにア"~!!となることが多いのですが、なんだか今年は春から目がショボショボ‥‥いえこれは、違う違うそうじゃそうじゃないと自分に強く言い聞かせています‥‥。 というわけで(?)花粉症にお悩みの方がいらしたら、ガーゼと化粧用のコットンのインナーマスク。あとはメガネと帽子、そして着物を着るなら大島紬か木綿をおすすめします!!(麻もいいけど、まだちょっと早いですよね) 集まれなくてもマスクでも、せめて着物で花見のお一人様散歩ぐらいはしたいな~と思う春でした。

大学卒業式の女子袴はいつから定番になったのか?の巻

星わにこ
2021/03/10 00:00
先週、袴の流行について調べていて、「女子大生・卒業式・袴・いつから」で検索したところ、90年ごろから1987年の映画「はいからさんが通る」の流行で女子大生が卒業式に袴をはき始めたという記事があり、当時女子大生だった自分の実感とは合わないなあと思ったのがきっかけで、調べて見ました。二週連続袴の話題で失礼します。 まずはお知恵拝借!と、その頃以前に女子大生だった皆様に卒業式の服装についてSNSで聞いてみました。ちなみに91年卒のわたしは、1尺4寸(53センチ。ちょっとだけ長め)の袖のピンクの江戸小紋に紫の無地の袴でした。同級生は袴もいれば、振袖もスーツもいました。生協でレンタルもありました。 83年卒:友達はほとんど袴姿 85年卒:袴。写真をとっておけばよかった! 85年卒:自分も友達も袴。謝恩会はドレス。84年卒の姉も袴。75年卒のいとこが着たピンク付下とえんじの袴を借りた。 85年卒:色無地に袴(デパートレンタル)。ほかにも付下、振袖に袴の人もいた。 85年卒:うす橙色の色無地と母の黒い袴。袴と振袖は半々だった。 90年代卒:ほぼ振袖。袴は女性の先生が着るイメージだった 88年卒:東京女子大はほとんど袴(矢絣は禁止だった) 88年卒:キャップとガウン 86年卒:袴(レンタル)着用。袴は多かったが、振袖やドレスもいた。 91年卒:保育園の先生である伯母(今88歳)はずっと卒業式は袴だった。その袴を借りた。 91年卒:成人式の振袖にレンタルのグラデーションの袴。 80年代から袴は定番のようですね。ちなみに、銀座いち利の女将にも伺ってみたところ、74年卒業で振袖に袴だったそうです。周りも小紋や色無地に袴で、先生も袴だったと教えてくださいました。 「はいからさんが通る」の映画の影響で袴が復活して履かれ始めたということではなく、礼装として卒業式では定番の服装のひとつであったのではないでしょうか。原作漫画の連載開始が1975年、アニメ化が78年ですので、そちらのほうがブームへの影響はありそうです。私自身も子どもの頃から大好きだった漫画ですし、刷り込みになっていると感じます。 袴が定番でこれが流行、というように雑誌にとりあげられたりするのには、女子の進学率も関係があったのでは?との指摘も。70年代に大学が大衆化し、女子の進学率も上がり、80年代には女子大生ブームがやってきます。 ふーむと思っていると、『スキルアップ!情報検索 基本と実践』の著者の一人である中島玲子先生に「女子大生 袴 1980」で検索したら共立女子大の文献がありましたよと教えてもらいました。 田中淑江ほか.卒業式に見る袴の現代的着装の研究Ⅲ : 「伝統的な視点から.共立女子大学家政学部紀要」2015,Vol.63, p. 23 - 35.によると注の(1)に「筆者が新聞4 紙(朝日新聞・読売新聞・毎日新囲・繊研新聞)を用いて分析した結果、袴復活の黎明期を1980年代初期-1980年代後期、定着期を1980年代末期-1990年代中期、安定期を1990年代後期~現代と時代区分を行った。」とあります。 全文もpdfで読めますし、この研究にはⅠやⅡもあり、卒業式の袴の着付の考察(衿あわせやえもんの抜き具合など)や流行などについて研究されておりものすごく面白い。ぼんやりと袴について「そんなかんじ?」と思っていたことが明文化されていて老眼鏡をかけたときのような気持ちになりました(婆)。 また、togetterのまとめ記事もありました。引用されていた1980年代バブルのころの謝恩会のドレスが度肝を抜かれる華やかさです!! 1970年代から女子大生の数が増えたのに伴い、1980年代初期には袴を履く女子大生の絶対数が増え、今では卒業式といえば袴、というような状況になったと考えられます。レンタル業者が着付までまとめて校内で行ったりするようになった時期とも重なるのでは。あとは、校風や学部や専攻にも関係があるかもしれませんね。 中島先生に「知りたいことを検索するときは、いつから?とか抽象的な言葉ではなく、知りたいことがどういう風に書かれているか、使われている言葉を想像して検索するといいですよ」と教えていただきました。 わにこはひとつ賢くなりました・・・・。 そして、「袴に振袖をあわせるのは最近のことだ」となんとなく思い込んでいたのですが、いち利女将の証言によって覆されました! 確かにはいからさんしかり、大正時代の高畠華宵の絵にも振袖に袴の若い女性がたくさん描かれていますし、もともと袖が長い着物にあわせるほうがスタンダードで、むしろ70~80年代の普通の袖丈の着物に袴、という流行のほうが少しイレギュラーだったのかもしれません。この頃は、手持ちの着物に袴をあわせていた人が多数だったためと考えられます。 今は着物もレンタルが多く、ほとんど二尺袖(76センチ)か振袖(100センチ前後)になります。やはり袖が長いと華やかですよね。もちろんご自分の着物で用意されている方もいらっしゃると思いますが、普通丈の袖は先生が着るものという流れになってきています。着物といえば何か絶対のルールがあると思いがちですが、細かい常識や流行も時代によって変化しているものなんですよね。 今回は女子大生に絞って調べましたが、今は小学生も卒業式に袴を着用しますし、それも漫画「ちはやふる」の人気が関係あるという人もいるようです。それだけではないにしても、漫画の影響というのも昨年の七五三の子どもたちの「鬼滅の刃」の影響による和装人気を見ても確かにあると感じます。 今回はふとした疑問から、ネットを通じて調べただけですがいろんなことがわかりました。そして、ちょっとぐぐって一番最初に見たものを鵜呑みにしたりすることは避けて、裏をとる大事さも痛感、反省。今は、なにかあるとすぐ拡散されてそれが事実かどうかというのはなおざりにされているように感じます。いろんな情報をちゃんと読み込む検索のスキルも必要なんだなと、袴とは関係ないところでも考えさせられた一件でした。いろいろ教えてくださった皆様に、感謝です!

令和の袴はここが違う!卒業袴にも流行あり。の巻

星わにこ
2021/03/03 00:00
3月、卒業の季節ですね。ご卒業の皆様、おめでとうございます。昨年はちょうどコロナ禍への突入の時期と重なり、卒業式も入学式も中止や縮小が相次ぎましたね。今年は対策を取りながら開催のところが多く、大学などは例年のようにで袴をレンタル当日会場で着付‥‥というようなこともないようです。いろいろなことが変わってはいますが、人生の節目であることには変わりなく。それぞれの形でお祝いできるよう、心より祈っております。 今年は小学生、大学生はじめ卒業式の袴着付をご依頼いただいているのですが、自分の卒業式(30年前‥‥がーん)の時と比べるといろいろなことが変わったなあと思います。ネットで調べてみると、1987年の映画「はいからさんが通る」の流行で、90年代から大学生が卒業式に袴を着るようになった、と記述されています。 私の卒業式のとき(平成初期)には、すでに「やっぱり卒業式は袴でしょう!」と母が張り切って用意してくれたのですが、ネットもない時代にそんな超流行に乗ったんでしょうか。「はいからさんが通る」の原作は1975年連載開始、大人気で1978年にはアニメ化され、私も子どもの頃夢中でした。だから、映画の流行ではいからさんブームが、というのはあったとは思いますがそれだけかなという疑問が。もう母も亡くなっているので聞くこともできませんが、このあたりもう少し調べてみたいですね。 実際の卒業式では今のように女子はみんな袴!ということもなく、スーツもあれば振袖もいる、というような状況でした。成人式も同じくですから、和装がこんなに増えた背景にはレンタル業者さんの仕掛けと躍進が凄かったということなのかなあと拝察いたします。 最近の袴姿が変わったと感じるのは、とにかく華やかになっているということ。 平成初期は色無地もしくは江戸小紋や小紋などに伊達衿をあわせたものに無地袴が主流。矢絣のはいからさんスタイルもありました。普通の着物に袴をあわせる、というかんじで、袖も普通でせいぜい若いので少し長めかな、という程度でした。レンタルも主流ではなく私も袴をその日のために買ってもらいましたし、「家にある着物に袴をあわせる」ということだったのかもしれません。 今はニ尺袖がベースで、振袖に袴をあわせるのも普通になってきています。最初振袖に袴をあわせるのを見てびっくりしましたが、もうすっかり慣れてしまって普通丈のお袖だと、先生ですか?と思ってしまうほど地味に感じるようになりました。慣れってすごい。また、袴も刺繍、グラデーション、バイカラーと華やか。紐の裏表で色が違うタイプも増えて、結び目も乙女結びだけではなく飾り結びなどバリエーションも豊富です。 振袖に袴をあわせるようになったのは最近では、と思っていたのですが実はそうでもないようです。ちなみに、1994年(平成6年)の「美しいキモノ」春号には大学の卒業式の袴が紹介されていますが、早稲田大学でのスナップがまさに私の時代あるある(二尺袖も数名います)。ですが、同じ号に載っているグラビアの卒業袴は、色柄こそ地味目ではありましたが、小紋などの二尺袖、振袖に袴というスタイルが掲載されていてびっくり。いわゆる今成人式で着られるような振袖は、謝恩会のスタイルとして紹介されています。そういう雑誌や着物業界の提案が、実際に着られるようになっていったということでしょうか。 きものというと細かいルールがあって、それが絶対!のように言われることも多いですが、礼装としてきちんとしていればどんな組み合わせでも問題なく、またその形も洋服とおなじように流行があるんだということを改めて感じました。 あともうひとつ、紐を結ぶ位置が平成初期と今ではスタイルが変わってきています。以前は、前紐の付け根部分の下にやや斜めに引き下ろすように紐を回して結び、後ろ紐も少し斜めにあわせて前紐の付け根より下で飾り結びをしていました。 今は、前紐の付け根に重ねて紐を結び、後ろ紐もそれに重ねて平行に高い位置に飾り結びをするスタイルが多く見受けられます。前者は男袴と同じような着付で、このほうがしっかり締まって安定するかなと思いましたが、十二単の長袴の着付を習ったとき、前紐にすべて重ねて行くスタイルだったので、しっかり結びさえすればはずれるとかずれるとかいったことはないのでしょう。 また、結び目が少し高い位置にきますので、足長効果もあります。こんなところもアップデートされているんですね。民族衣装ではあるけれど、やはり着物も流行のもの。残って行くためには魅力的であり続けることも大切ですよね。 30年後。はたして袴は卒業式の定番スタイルでありつづけるのか? またそうだとしたらどんな進化をとげているのか? そしてそれを私は見届けられるのか? なーんて思ったりする春なのでした。

腰紐は着付けの要、姿勢の要。の巻

星わにこ
2021/02/24 00:00
皆様、腰紐はどのあたりに締めていらっしゃいますか? 腰骨のあたり、ウエスト、いろいろ好みの位置があると思います。きちっと締められればどこでも好きなところでいいと思うのですが、私の腰紐の位置変遷のお話、ちょっとおつきあいください。 きもの初心者の頃。着付け教室で「腰紐だけはしっかり締めなさい」と言われたものの、とにかく締め付けが苦手、ユルユル大好きな私は「まあ~これくらいでいいよね~」と自分を甘やかしがちな締め具合でおりました。 この頃とにかく着崩れやすかったのは、この腰紐がゆるかったせいが大きいと思います。「胸元がどんどん詰まって、ぐだぐだになる」「立ったり座ったりしているうちに、お尻にU字型のシワができていく」「下前が落ちやすい」という三重苦を背負っておりました。 40代になって着付けをちゃんと習い直そうと思ったところ、この腰紐のゆるさを毎回毎回指摘され「そんなにゆるいのかな」と、驚きました。自分ではまあまあ締めていたつもりだったのですが、全然足りなかったみたいです。 おへそのあたりで腰紐をなるべく平らにあてたら、後ろの腰の部分で交差させたときに真横にぐっ!と引き締めること。前ではぎゅうぎゅう締めないで、でもゆるまないように結ぶこと。 こうすると、ぎゅっと締めても後ろは苦しくなく、むしろ姿勢がシャン!として気持ちがいいのです。 位置ですが、最初は締めて痛いのが怖くて、腰骨のところで結んだりしていたのですが、そうするとやっぱりずれがちになってしまって、もう少し上、おへそのあたりから少し後ろ上がりになるように締めるようにしたところ、安定しました。 この位置に結べるようになったのは、ウエスト補整をするようになったのも大きいかもしれません。補整がクッションになってくれて多少きゅっとしめても苦しく感じなくなりました。 適切な補整と、腰紐をしっかり締めることで、ぐずぐず着付けから卒業できました!(当社比) 後ろ姿、特に下半身が大変身しますので、おしりがたわむ、裾つぼまりにならない、はだけてきちゃうなんてお悩みの方がいたらぜひお試しください。 腰紐を制する者は着付を制す!(なんてオーバーでしょうか?) どうも襟元や裾がぐずぐずしてしまう方も、胸紐や伊達締めなど他の紐はぎゅうぎゅうする必要はありません。腰紐の締め具合がもしゆるかったら、位置や締め方を変えてみてはいかがでしょうか? そして、やはり腰紐をいい位置にきちっと締められると、姿勢がよくなります。やはり腰は姿勢の要なんですねー。 最近よく、おはしょりがまっすぐなる裏技として腰紐をナナメに結ぶやり方を見ますが、腰紐は体の要にもなる部分なので、よい姿勢、体がゆがまないためには平行に結んだ方がよいと思います。 このあたりも好みなのですが‥‥。もちろん、ゆるゆるゆったり着付けが好きという方はそれでもいいのです。自分の目指すきもの姿にあわせて、うまくいかない原因をつきとめたり、やりかたを考えたり、いろいろな工夫をしていくのが、これまた楽しい。 昔は着付け教室で習ったままに、そのままやるのがいいと思ったこともありますが、人の体も好みも違うわけだし、いろんなやり方にトライして自分にあったものをチョイスしていくのがいいんじゃないでしょうか。 また、以前は大丈夫だったことも、年齢とともにだめになってきたり。そんなこともあります。自分にとってのベストを常に、探す楽しみを忘れないでいたいな~なんて腰紐の話から脱線してしまいましたが、もうすぐ春! 気に入ったきもの姿ときこなしでおでかけしたいですね。

<極力そのままリメイク>お袖2枚で三角トートバッグの巻

星わにこ
2021/02/17 00:00
先日作った道行ラップスカート 早速うきうき履いてでかけようとしたところ、正絹の袷でやや重めなのかやはり小さなホック2つではウエストに止まりきらん。すぐ外れるばい(私の腹圧がありすぎという話も)ということで、どうしようかな~と思っていたところ、友達がロックつき前カンという秘密兵器を送ってくれました。 前カンとは、スカートやパンツのウエストのところについている、ジッパーをあげてからよいしょっと留めるあの金具のことです。皆様ご存知かと思いますが、もうウエストゴムの衣類と着物で生活してるとどんどん洋服に疎くなってしまって、思いつきもしませんでした! ですよね~~いりますよね~~。 ということで早速とりつけて、外れて落ちてドリフのコント(昭和)みたいなこともなく快適に履けております。ありがとうございます! この他にも紐をつけて結ぶようにすれば調整もきいていいよ、というご意見もありなるほどと思いました。肩の部分の余り布でちょっと幅広のリボンのような紐を作り、ウエストに取り付ければアクセントにもなって素敵ですよね!! 私がマメで器用なら‥‥(汗)というわけでこちらの案は、器用な方ぜひ採用お願いします。そして見せて☆ と、前置きが長くなってしまいましたが、道行ラップスカートを作ったあとに、ポロンと袖が2枚余ってしまい、これをなんとかできないものか眺めていたのですが、できるだけ縫うとこ減らしてなんとかしたい。。。。でもなんか作りたい。。。 そう思って作ったのがこちら! 袖を2枚くっつけてバッグにしちゃったバッグ(なんだそれ)。 芯などもいれてないので、くったりとしたかんじが優しく、上側の端を内側に折り込めば、ちょっとかわいい三角形になります。 もう、持ち手さえ縫うのが嫌だった私(どんだけ)、取り外しのできるバッグの持ち手というのがあるのを知り、採用!!! あとは、袖口側を一旦全部解いてぐるりと表地と裏地を縫い合わせ、袖を2枚重ねてコの字型に縫い合わせてひっくり返すだけ。 ここでかなりの厚みがあるので、手縫いだと手がかなり痛いかもしれません! 私はミシンで無理矢理縫いましたが、最後に針が折れました(涙) それが難といえば難ですが、3つのポケットがある、袋状の物体が出来上がります。あとは取っ手をパチンパチンと好きな場所にとりつけるだけ。手数はかなり少なくてバッグの形になります!(なにがしたいのか) メインの袋部分は1つですが、外側が二重になっているので、ちょっとしたものを分けて入れたりすることもできます。やっぱり正絹、手触りもよくてなかなか満足なできあがりになりました! サブバッグとしても活躍しそうです。 あと今回初めて知った、取り外しのできる持ち手は、他にもいろいろ活用できそうです! なんとか楽ができないものかといろいろ知恵をめぐらすことも、勉強になりますねえ(そればっかりもどうかとは思いますが)。 今回どうしても2枚でなんとかしたいと思ったのでこうなりましたが、袖1枚で1つのバッグにして2つ作ってもいいと思います! ちょっと薄手なので、たよりないかもしれませんが、エコバッグにはいいかも! もし道行スカートつくってみたわ!という方がいらっしゃったら、残りのお袖の行く先の参考になれば幸いです。 関連記事:羽織の袖で作ったバッグの話はこちら

昭和・平成・令和☆着物スタイルの変遷考の巻

星わにこ
2021/02/10 00:00
いつも、着物はボディを寸胴にしたほうが布が体に添ってキレイに着られます! 胸やヒップが目立たず、まっすぐなI(アイ)ラインを作った方がスマートに見えます。だから補整は大事です、と言い続けているワタシですが、先日、でも昭和の女優さんの着物姿とか帯は胸高で体もすっごくカーブしてますよね?と質問されました。 そうなんです。昭和中期のきもの雑誌を見ますと、今と全然着付けもモデルさんのポーズも違っています。流行、ということもあったと思いますが何を目指して着付けられていたのかということがまず違ったのではないでしょうか。 着物が生活に根付いていたこの頃は「着物だって、洋服と同じように足長でほっそりスタイルに見えたほうがいい!」ということがまずありました。だから、モデルさんの立ち姿もまっすぐ立つのではなく、ひねりを加えたり足を曲げたり。帯もウエストに食い込むような形で、ヒップのまるみも感じられる着付けです。 この頃の雑誌「美しいキモノ」や「きものと装い」(主婦の友別冊)などを見ても、特集で「温泉旅行にいったらこんな装い」とか、「夫婦でデート」などなど、様々なシチュエーションでの着物姿が紹介されていますし、自分で作る着物の小物やうわっぱりの製図など、まったくの普段着というよりはちょっとよそ行きだったかもしれませんが、日常に着物姿があったことがわかります。私(50代)がちょうど子どもの頃。祖母は着物が当たり前、母の世代もお正月や卒入式、なにかがあると着物を着ていた世代で、着物になじみがある人も多いでしょう。 もともと、礼装は昭和の時代でも、動き回ることが前提ではありませんから、この頃から美しくシワなく着るという傾向がありました。特に戦後に着物が着られる人が減って行く中での着付け教室などによる「着物のルール」が厳格化していく中で、いろんなしばりも生まれていき、着物離れはどんどん進んでいきました。 それが決定的になったと感じられるのがバブル時期。普段に着物を着ることがほぼなくなってきたときに、着物を「冠婚葬祭の必需品、高級品」として販売した呉服業界によって、着物は日常生活から切り離されてしまいました。このころ創刊されたのが「きものサロン(現在のきものSALON)」。女優さんたちが美しく、一分の隙もなく呉服屋さん提供の高級呉服をモデル仕立て(本仕立てではない)で着ていました。それもあって、ポーズに動きがなくなっていきました。それはそれで絵のようで美しくはありますが、これは日常生活では再現しにくい美しさといえます。 もちろん着物を愛して、普段に着ていた人もいますけれど、本当に少なかったのではないでしょうか。雑誌でも、普段に着物を楽しもう、というよりは、高級なものをいかにシワなく美しく装うかというようなところが主眼だったような気がします。このころの雑誌の着物や帯の値段を見ると「ひっ」と思うような金銭感覚です(笑)。当時20代だった私は、着物に憧れて着たいなと思っていましたが、着物一枚に帯三本なんて呪文のように言われ、言われるがままに着物を買って行ったらどうなるの?と不安にもなり、着物を一旦諦めた思い出があります‥‥。 また少し流れが変わってきたと思うのが平成中期。平成14年の「KIMONO道(後のKIMONO姫)」16年の「七緒」創刊。リサイクル着物やアンティーク着物などを安価におしゃれに楽しんで着ようという流行がやってきたのです。当時古着などで本当に安価に手に入った着物。この頃、バブルを知っている身としては「えー!着物500円とかどういうこと!?そしてこんなに自由でいいの!?」と、楽しさに再開眼して、どっぷり着物沼にはまったワタシ。 東京では、本当にこの15年で普段に着物を楽しむ人の姿が増えたなと実感します。着付教室や呉服業界リードではない、「やっぱ着物着たいじゃん!」という普段着物の流れ、そして着物を着るうちに「いいものはいいよね」と知る、伝統の技もあり。新しい素材の普段着物あり。またやはり、ここでリバイバルとでもいいましょうか、あの足長でヒップのまるみが感じられる曲線着付けが戻って来ているようにも感じます。 ただ言えるのは、曲線着付けが戻って来たからといって補整が必要じゃないわけではないということです。足長着付けは胸をかなり抑えないと難しい。あと、年齢にふさわしいかどうかというのもあります。ここも、個人差があるとは思います。 普段着に関してはここに正解はなくて、自分が「どんな着姿」が理想なのか、ステキ!!憧れ!!なりたい!!と思うのかが最優先事項。人がどういおうと、自分が着たいように着ればいいし、なりたい着物姿に、補整するしないを含めて、寄せて行くことが一番いいんじゃないかなと思います。礼装はまた、別ですけれどね。 今はYoutubeなどもあり、いろんな人のいろんな着付け方法が見られる時代。正解はないからどんどんいいとこ取りして、自分なりのきものスタイルを見つけていけばいいんじゃないかなと思っております。せっかくこの時代に「着物を着よう」という物好き(笑)な仲間は、間違い探しをするより、お互いリスペクトして大事にしたいですよね。 昭和から一般人として着物を眺め続けて来た体感はこんなところですが、うっかり年寄りの繰り言みたいになってしまい、長文となってしまったことお許しください。こうして書いてみるとやだー!もう半世紀も過ぎちゃったわ!と驚き。でもまだまだ人生長いと信じて、いろいろなことを決めつけず、楽しむ気持ちを忘れないでいたいと思います! 皆さんもいろいろ教えてくださいね。

道行をラップスカートに!ちくちくリメイクの巻

星わにこ
2021/02/03 00:00
リサイクルきもののイベントで、すごく素敵な着物のリメイクスカートを履いている方がいて、思わず声をかけたら「これ? 作るのめちゃくちゃ簡単なのよ!」とおっしゃる。 またまた‥‥。お裁縫が得意な人の「簡単」は、私信じないことにしてるんです‥‥って思っていたんですが、説明を聞いたらめちゃ簡単な行程でした。 道行の袖を外して、衿の横部分を活かして、その上で縫い代分残してまっすぐカット。三つ折りにしてゴムが通せるように縫うだけ。道行の前であわせる部分がそのままスカートの前面にきて、くるみボタンがついたとてもおしゃれなラップスカートが出来上がる!という寸法。 確かに‥‥よく見ると道行そのままの形が活かされています。手ぬい作家の髙橋恵美子先生の本に掲載されていたものだそうです。 作り方があまりにも簡単だったので、私にもできるかも?と思ったっきり忘れていたのですが、先日仕事場近くのリサイクルショップを覗いたら、セールで道行が300円で売られていたのです‥‥。状態もとてもヨイ。そこで思い出しました。ラップスカートのことを。300円なら失敗しても辛くないと思い、早速挑戦してみました まず袖をはずして、図の1の部分をカットする。(私は7センチくらい縫い代のつもりで残しました)図の2の部分が袖付けと身八つ口の部分で割れてるので、縫い合わせます。器用な人はポケットにしてもいいかもよ。 内側に三つ折りにして、ゴムが通るようにして手縫いでちくちく縫い、ゴムを通せばもうできあがり。ゴムの端は、縫い留めました。 もともとの道行のお仕立てがとてもいいし、切るときドッキドキしましたが、本当に履き心地のいいスカートができあがりました。正絹のしっとりした感じが気持ちよく、またほんとうに暖かい。 でもお洗濯はクリーニングに出すしかないかな、と思ったけど、なんとなくいけそうな生地だったので、カットして残った、肩の部分を試しに手洗いしてみました。あまりシワにもならず、脱水してすぐにアイロンをかければ問題なさそうです。 このあたりは道行の生地、裏地によって違うと思いますので、もし手洗いしてみたかったら、余った部分で手洗いテストしてみてください。 今、残った袖でバッグが作れないかな、なんて考えています。羽織の袖でバッグをつくった時と違って、衿部分の布がないから違う形がよさそう。 こういう縫うところが少ないリメイクなら私もまたできるかも? おおざっぱな私は想像だけで適当ざっくりに作ってしまいましたが、ちゃんとした道行スカートの作り方手順が知りたい方は、髙橋先生の本をおすすめします。 「簡単 手ぬいで素敵に作れる 着物リメイクの服と小物 色・柄・素材を生かすアイデア」 高橋恵美子(著/文)家の光 ステイホームでちくちく手縫い、ちょっとはまりそうです(単純)。

おひとりさま観劇☆初春大歌舞伎にいってきましたの巻

星わにこ
2021/01/27 00:00
緊急事態宣言中の東京ですが、動ける部分は動かし続けている‥‥という感じで、日中もさほど人出が減少した様子はありませんね。私も、感染対策に気をつけながら仕事がある限り動いているような状況です。 そんな中、第三部の終幕の時間が早まったため、行けなくなったお友達からチケットを譲ってもらって歌舞伎座へ行ってきました。不要不急?と思いましたが迷っていたら「楽しいことは免疫力もあがりますよ」と言うお言葉ももらい、着物を着て出かけることに。 歌舞伎座について空を見上げると、月がかかっていてとても奇麗でした。 そして、なんと静かな歌舞伎座‥‥。座席をあけてあるため、入場人数が少ないのはもちろん、みんなマスクで無言です。座席で食事をしながらわいわい見ることはもちろん、大向こうや、かけ声もありません。食べ物を売っている売店もすべてクローズ。万全の感染症対策です。スタッフの誘導もスムーズで、観客もみな無言で従っています。 あの華やかな芝居見物気分の、さんざめくロビー、正月の晴れ着、新春の賑わいはありませんでしたが、いざ幕があくと、そこは確かに初春の歌舞伎座。 「菅原伝授手習鑑」は車引の段。高麗屋三代による三つ子の松王丸、梅王丸、桜丸というなんともめでたく華やかな舞台。これぞ歌舞伎!な衣装に隈取りに見得。坂東彌十郎の時平もこれまた憎々しく、それぞれの型を堪能しました。 上方落語をもとにした「らくだ」は、肩の力を抜いて見られる世話物。中村芝翫と片岡愛之助の掛け合いが面白く(芝翫のスキャンダルを愛之助がいじるシーンも‥‥)左團次と彌十郎の因業大家夫婦もサイコーです。 襲名披露から2年過ぎ、染五郎くんも大きく見える。染五郎というと、まだ現白鸚さんの若い頃をイメージしてしまう昭和な女ですが、やっと現幸四郎さんの染五郎に慣れて来たかなと思ったらもうお孫さんが染五郎かよという、いやはや時の流れを感じずにはおられません。らくだも、三津五郎と勘三郎のときはねえ‥‥なんてほんと、歌舞伎で昔語りをするばあさんになるとは、若い頃には思いもしませんでしたわー。いやあねえ。。。 数少ない私の観劇歴ですらこれですから、歌舞伎好きの皆さんは本当に、思い入れが強いと思います。厳戒態勢とも思えるような、こんな状況でなぜ歌舞伎座の幕は上がり続けるのか。なぜ観客もオンラインではなく、チケットを握りしめて、劇場に足を運び続けるのか。 それは、文化の灯だからではないでしょうか。そして、舞台にあがっている役者や地方だけではなく、裏方の頭取や狂言方、大道具、小道具、衣裳、床山、楽屋番、照明、音響‥‥そして表方と呼ばれる場外まわりなど直接当日の舞台に関わっている人だけでもどれだけの人数かいるでしょうか。またそのまわりで公演に関わるお仕事は数限りなくあります。歌舞伎座が止まってしまったら、すべてが止まってしまう。中には、今止めてしまったらもう二度と次に繋げないようなものや技や文化があります。 歌舞伎だけでなく、他の演劇、音楽、舞台についても同じことが言えるのではないでしょうか。その灯を繋いでいくために、今日も歌舞伎座はライトアップされつづけ、スタッフも、観客も無言で、それを守っているように思われました。 かかっている舞台が素晴らしいだけに、声に出して笑ったり、友人と感想を言い合ったり、買い食いしたり、帰りにお茶したり‥‥早くそんな日が戻ってくるといいと心から願ったおひとりさま観劇でした。 この日のお月様は、なんだかずっと忘れられないような気がします。

なんにもなくても、家で訪問着を着てみたら!?の巻

星わにこ
2021/01/20 00:00
緊急事態宣言の範囲が広がって、またおでかけが遠のいてしまったなという方も多いのではないでしょうか。私も、おでかけもなく、お茶のお稽古もなく、着物をきる機会がぐんと減ってしまいました。着付けのお仕事はしていても、なかなか自分で着る機会がありません。 着付けのレッスンもしているのですが、ご希望でしばし様子見になることも。そんな中、リクエストをいただいてオンラインレッスンをすることになりました。在宅ワークでも、オンラインレッスンとなれば化粧もして、着物をきて、生徒さんとお話し。メッセンジャーでの動画通話ですが、1対1でじっくりとお話ししながら、やわらかものを着て袋帯を結んで、綺麗に着あがると、やっぱりテンションがあがります。 なんだろう、この着物の力。偶然にもFBで、なんにもないけど家で着物を着ました、という投稿を3件ほど見ました。着物を着ると、ちょっと嬉しくなる。みんなそんな気持ちになりたいのではないでしょうか。 何度かレッスンなどで家で着物を着たのですが、やはり、とくに気分の上がり方が半端ないのが訪問着。晴れ着ってすごい。ほんとに気分が晴れるようです! もったいないとか、以前のわたしなら思ったかもしれませんが、しまいっぱなしより時々取り出してあげたほうがいいのでは?と思うように。いざ着るときのシュミレーションにもなりますし、虫干しにもなります。家の中で練習で着て、コーデ写真をとるだけならたいして汚れもしません。 着物はやっぱり手を動かして着るとどんどん上達するし、手早くもなります。やはりちょっと自分で着ることに関しては機会も減っていたので、着てみるとカンも戻ってきますね。 家で普段着を着るのもいいのですが、練習だけだったらどーんと晴れ着を着てみるのも楽しいですよ。気分が爆上がりします。どうせ出かけたりもしないしと、このごろちょっとテンションが下がり気味だったのですがおとっときの訪問着に袖を通したら、気分もハレバレ(単純) そして、あっこんなところにおりジワがついてた、なんて気付きもあったり。やっぱり色が派手でもう着られないな?。。と思ったり。後回しにしてた、袖付けのほつれに気付いたり。着付けの腕試しになったり。 着たらぱちりと写真を撮って、ちょっとお手入れをしてしまうようにすると、なかなかこれよろしいのでは?と思うように。 よく、しつけがついたままで着た形跡がない着物を受けついだ、とかもらった、とかいうお話をききますが、「もったいない!」と思っていたわたし。でも、そういえば私も仕立てたはいいがまだ袖を通してない着物があるんです。ここ一番に初めて袖を通す!というのもいいけれど、なんだかこのまましまいっぱなしになってしまいそうな気もして、だったら着てみよう!と思い切って着てみました。 実は星が流れている模様の訪問着で、初心者の頃「星だわ!」とか勢いづいて入手したもののなんというかちょっとどこに着ていけばいいの?と悩んでしまい込んでいたもの(笑) でも実際着て見たら限りなく小紋みたいで、しかも目立つところに置き染みが。。気付いてよかった! これならもっと普段に着てしまえるなと新発見。「こんなときに着たいな」とか「ここに行ってみたい」みたいなところまで夢が膨らんで、あれこれコーデを試して、とっても楽しい時間になりました(後片付けがちょっと面倒だけど(笑))。 お出かけしないからこその、訪問着着付け練習。気分が晴れなかったら、お気に入りの着物に袖を通して見てはいかがですか。着終わるころには結構気分があがっているはず! ひとりじゃあちょっとつまらなさすぎる、なんてときはきのおけないキモト(着物友達)とオンラインでコーディネートのみせっこをしながら着るのも楽しいですよ!

男子の袴もかっこいいぞ!2021成人式所感の巻

星わにこ
2021/01/13 00:00
11日は、成人の日でしたね。新成人の皆様、ご家族の皆様、心よりおめでとうございます。 緊急事態宣言、大雪などなど成人式の開催がこんなに揺れた年はないのではないでしょうか。東京では結局成人式を開催したのは23区中2区だけ。結局、私が着付けをさせていただく予定だった新宿区・中野区の新成人も、直前に成人式が中止・延期となりキャンセルに。着付けのお仕事をさせていただくようになってから初めて、なにも予定がない日となりました。仕方のないことですが、残念です。 そんな中で、直前に写真スタジオでの撮影をご希望の新成人が。なんと友人同士の男子3人でとのこと。お支度の時間をずらしたり、スタジオ撮影は短時間で、集合の撮影は屋外でなど、工夫して撮影をさせていただきました。 自分たちで好きな袴を選んでレンタルしてお持ち込み。白や黒の柄に紋のところに西洋の紋章っぽいのが入っていたり、華やかなスタイル。幸い晴天に恵まれて、キラキラのロケ撮影が出来ました。袴姿がとっても気に入ったみたいで、成人式はないけど当日もやっぱり着たい、ということで急遽2日連続着付けもさせてもらいました。嬉しかった(^^) 振袖の着付けがなくて残念‥‥なんて思っていましたが、男子の袴もこれまたかっこいいもので。いつも黒紋付の着付けばかりをしているのですが、きらびやかな羽織袴もいいもんだなあと思いました。なにより、自分たちが気に入って選んだものなので、テンションが高い! ポーズも決まってとてもかっこ良かったです。成人式の装いは礼装であるとともに、祭の衣装のような意味もあるのだなーと。なんかもうアイドル撮影みたいでした! 3人組といえばシブがき隊とか少年隊とか思うので年が丸ばれなわたしです。 同時にお母様方の着付けもさせていただきました。色留袖、色無地(ご自分の成人式の振袖の袖を留めたものだそうです)、訪問着。それぞれとっても美しかった! またこれキャンディーズ的な?(例えが昭和で申し訳ない)。子どもの成人式は、新成人となったお祝いでもあるけど、育て上げた親御さんのお祝いでもありますよね。男子母の私としては、20歳となった男の子を、目を細めて見守るお母様たちの気持ちが痛いほどわかります!!!よくぞここまで(涙)です。 一人の男子が「お姫様抱っこしたとこ、撮ってください。決まりなんで」って、なんとママをお姫様だっこして写真を撮影。白い羽織だったこともあって、どこの王子様かと思いました!! 母の夢ではないですか? おんぶでもいいわ、って友達に言ったら「それ介護でしょ」と突っ込まれてしまいました(笑)笹川良一が頭をよぎった私は昭和な女です。。。(昭和ネタばっかりですみません) とにかく、あっという間の、私たちスタッフにとっても思い出深い撮影となりました。このようなお祝いごとに関わらせていただけるのは本当に有り難くまた身が引き締まる思いがします。 たくさんのお友達と会ってワーっと楽しむことは今は難しいけれど、どんな形でも20歳の想い出は残していただきたいなと思います。コロナのせいで、時期がずれるのは仕方ないこと。今は、健康に留意して生活しなくてはならないし、いたしかたのないこの経験もきっと糧になるはず。 本当に当日は、いろんな過ごし方をされたことと思います。成人式があってもなくても。行っても行かなくても。成人したことに変わりはなく。もちろん着物を着ても着なくても。生きてこの日を迎えて、大人の第一歩を踏み出した新成人の皆さんに、心からのエールを送りたいです。 そして、成長を見守った大人たちにも! 笑顔で上を向いていきたいなと改めて思う令和三年の成人の日でした。おめでとうございます!