腰紐がさっと使える「ヘビちゃん」のつくり方の巻
星わにこ
2020/10/28 00:00
秋晴れが続いて気持ちのよいお天気、絶好の着物でおでかけ日和ですね。友人のカメラマンと運営している写真スタジオでは、このごろ七五三の撮影が続いています。鬼滅の刃が流行っているせいか、子どもたちは着物姿をとても気に入ってくれて、苦しいとか脱ぎたいとか言う子はほとんどいません。
お子さんだけじゃなく、パパママも着物を!とおすすめしているのですが、周知が足りずにスタジオにいらしてから、えっ、親も着ていいんですか? とか、知ってたら着たかった~というお声をいただくことがあります。今までは次回ぜひ、なんてお声掛けしていたんですが、先週七五三のお子さんだけの着物を予約いただいていたご家族に、「今お願いしたら、着られますか?」と聞かれました。今は、コロナで1日1組の撮影とさせていただいているため時間に余裕もあったので、急遽ご両親もレンタルの着物に着替えていただきました。
パパは、着物着るの初めてっス!、ママは成人式以来~!とニコニコ。パパが言い出しっぺなのですが、「えっ、帯ってこんな下で結ぶんスか!」「この、下に履くのがハカマですか」「足袋、どうやって止めるんですか」なんて言いながら、とても楽しんで着てくれました。似合うよなんてお互いに褒めあったり(本当にお似合いでした!)とてもほほえましかったです。主役の男の子は、羽織袴でダンスを踊ってましたが、これがまたかっこよかった!
家族の全員和装はほんとに絵になるので、ぜひ皆さんにお勧めしたいです! お子さんはもとより、ママももちろん、パパがこれまたかっこよくなります。
着物ってもっと大変だと思ってたけど、動けるし、楽しかった!と感想をいただきました。これをきっかけに、着物好きになっていってくれたらこんなに嬉しい事はありません。苦しくなく、楽できれいな着付けで着物を好きになってほしい。そんなことを思いながら日々写真館での着付けのお仕事をさせていただいてます。
さてさてめっちゃ前置きが長くなってしまいましたが、今日はそんな着付けのときに腰紐をさっととれる裏技をご紹介します。着付師さんはみなさんやってらっしゃると思いますが、私は「ヘビちゃん」と呼んでます。
二つ折りにした腰紐を、端がバラバラのほうから左手にくるくると巻き付けていき、最後にわっかになった方を手を引き抜きながら輪の中に少しもぐらせます。これでできあがり。
ヘビがとぐろを巻いているような形になるので「ヘビちゃん」と心の中で呼んでいるのですが、特に決まった名前はないと思います(笑)。こうして置いておくと、さっと輪を持てばはらりとほどけて腰紐が使いやすい。こういうちょっとした準備の差で着付け時間にも差がでてきます。
普段自分が着るときには、椅子や鏡にだらんと腰紐をひっかけておくことが多いのでヘビちゃんにはしませんが、かけるスペースがなかったりしたときには使えるワザです。
着付けをさせていただくたびに、支度や始末の差が、着付けの時間や仕上がりの差にも繋がってくるのだなとしみじみと感じています。精進しなくては(><)
スタジオも、ソーシャルディスタンスがとれるように改装して、荷物を大移動したので、ああでもないこうでもないと片付け中。動線をしっかり考えて、スムーズに着付けができるよういろいろと考えております。なんでもこういう積み重ねなんですね。怠け癖と闘いながら、がんばっております!
着物を着るというのは、私にとって、放っておくとずーっとだらだらごろごろしたい自分との闘いなのかも~~(笑)。