新着記事

アーカイブ

メールマガジン・会員登録はこちらから

夏の洗える着物が進化してるゾ☆の巻

星わにこ
2018/06/20 00:00
 梅雨寒の日が続き、着物も洗える着物の出番が多い今日このごろです。着心地は正絹が抜群によいのですが、歩く距離が長かったりするとついつい洗える着物に手が伸びます。  普段着だったらもう、浴衣にうそつき衿で着物風に着てしまったり。最近の浴衣はぱっと見着物と区別のつかないような柄ゆきのものも増えていて、素材も綿以外のものなど、浴衣ですというと驚かれるものも。あまりこだわらずにどんどん気温や天気にあわせて着ています。  最近愛用しているのが、竹繊維のものやセオアルファなどのポリエステル素材。レーヨンやポリエステル素材のものは以前に比べると格段に進化していて、「夏用」と言われるものは特に涼しくなってきている気がします。綿麻や麻よりも落ち感がよくて愛用しています。  なにより、いいなと思っているのはシワになりにくいこと。天然の素材に比べて多少手荒に扱ってもヘイキな気がしています(当社比)。そして洗うと乾きが早い&ノーアイロンでオッケー。これが本当にラクチンなんです。昨年購入したいち利オリジナルの洗える夏着物も昨年はヘビロテでした。  丁寧に手入れしたり、ゆったりした時間を持つのも着物の魅力のひとつではありますが、そればかりだと面倒になっちゃって手が伸びなくなるということもあります。着たいときにサっと気負わず着られるものがあるというのは有難いですね。それが私にとってはポリ&うそつき衿でしょうか。  しかも、麻や綿のものよりちょっとだけよそゆき顔なのも気に入っています。色柄も鮮やかでキレイなものが多いですね。逆に、もうちょっと落ち着いたものが増えてもいいかな~と思ったりしています。  むかーし買ったポリ着物などはやっぱり着てみるとゴワゴワ落ち着かなかったり暑かったりするので、もしそんな経験をして「ポリや合繊はだめ!」と思っていらっしゃる方がいらっしゃったら、新しい素材のものにぜひトライしてみていただきたいなと思います。進化してますよ!  肌着もおなじく、夏涼しい素材のものもたくさん出ています。綿は着心地はいいのですが、汗で濡れてしまうとそのままで、かえって体が冷えてしまったり着物に汗ジミを作ってしまうことも。速乾性のあるポリエステルの肌着のほうが、着心地も機能性もよかったりします。  このあたりは、本当にお好みなのでどちらを選ぶかはそれぞれだと思いますが、どちらが絶対いいというわけではなく、それぞれの長所短所を把握して自分で選べばよいのではないでしょうか。  私も、気分やTPOで使い分けをしています。選択肢をたくさん持っておくのは悪いことではないと思います。逆に、自分はこれ、と決めてしまってそれでシンプルに着るのもアリ。  でも、気がつくと進化してグンっとラクになったり便利になったりしているものもあります。世の中だけじゃなく、一見変わらないように見える着物も同じこと。いろんな素材を面白がってトライしてみるのもいいものですよ!

着物を着る回数をこなすと見えてくること☆巻

星わにこ
2018/06/13 00:00
 東京は梅雨入り、雨の日と天気の日の気温差と低気圧に翻弄されているわにこです。  書類を整理していたら、8年くらい前に着物好きとして、新聞に取材された記事の切り抜きが出て来たんですが、その着姿を見てものすごいショックをうけたんです。  なにがって、衿は詰まってるのに広衿が開いてるわ、おはしょりはぶわぶわだわ、髪型もボサボサで、全体的になんじゃこりゃ! でも、当時は「自分は着物が着られる。エヘン!」くらいに思ってたし、着姿に問題があるとか思ったこともなかったんですよね。いやこれは、取材してくれた記者さんも着物を着る方だったのに、ちょっと手直ししてくれなかったものかと逆恨み(?)しそうになったり。  その頃は、いわゆる「着物警察」のおばさまに「ちょっとアナタ」と直されることもあったけど、そりゃ声もかけたくなるわなあ、と思ってしまう姿でありました(苦笑)。  思い返してみると、その頃は本当に自己流で、ちょっとだけ習ったりしたことはあるけどあとは本で独学。当時はyoutubeなんかで動画が見られる時代でもなかったし、だいたい毎回着付に2時間とか平気でかかっていました。  そもそも着る回数自体も少なかったですし、毎回悪戦苦闘というかんじでした。大体、着物で力を使い果たして、作り帯のお世話になることばかり。それでも「自分で着られる」と、いろんなところにお出かけしていたのは我ながら偉いなあと。  だって、下手だから着ない、と諦めてしまっていたら、そこで試合終了。下手でもなんでも着てでかけて、着崩れたりうまくいかなかったりもして、気をつけるようになったり、所作も身に付いたりしたことで、今があるわけですから。  いや、今があると言っても、まだまだ修行中なれど、人様に教えることも増え、着る時間も15分20分あれば着られるようになり。やはり着た回数に、着姿は比例するんだろうなと思います。  でも漫然と着ると、やはり上達はしないし、自分がそれでいいと思うと変わらない。常にこうしたらああしたらと、自分にあったやり方を探す人は、どんどん綺麗になる気がします。  回数をこなして、ある程度着られるようになってくると、達人の言っていることが理解できるようになってもきます。レベルに応じて理解力が上がるというか‥‥。なんでもそうかと思いますが。  同じ日に、久々に着付のDVDを見たら、以前は着る方法を追って見ていたのが、どうしてそこでそうするのかということや手さばきの大切さが初めて理解できた気がしました。先生のすごさも。  新聞に載っている自分が、その着姿に疑問を持たなかったように、とにかく順番を守って着るだけが精一杯のときは、その先に神経がいかないよなあ~としみじみ。  その人なりの着姿でいい。好みもあるし、みんな同じじゃつまらない。もっと綺麗に着たいとか、こんな風に着たいと思ったときには、教わったり研究したり、そして回数をこなして、所作も身に付けば着姿もこなれてくる。  あと、どんなに「これがいいわよ」と言われても、それのなにがいいか理解できるところまで自分がいっていなければ、馬の耳に念仏ですよね。おばちゃんになった今になって「ああ若い時もっと勉強すればよかった」と思うけど、若い時は遊びたかったみたいな(笑)。ちょっと違うか。  着物の着方の正解はひとそれぞれ。洋服と同じように構えずに自分がいいと思うように着られたらいいんだよな、と思います。  幸い、私の周りにはその着姿についてけなしたりする人もいなかったため、私も着物を着ることが嫌いにはなりませんでした。  とはいえなあ‥‥‥記事になってたくさんの人の目に触れる時はそれなりにちゃんとしたほうがいいし、知ってる人はちょっと直してあげるといいよね‥‥なんて、写真を見ながら思うわにこでした。

できたての和菓子でお抹茶をいただく贅沢☆巻

星わにこ
2018/05/30 00:00
西荻窪の一欅庵という昭和8年に建てられた登録有形文化財の素敵な建物で、「和のくらし展」というイベントがありました。  もう6年ほど続いている、素敵な出展者さんの着物や和のモノコトに触れられる素敵なイベントです。折りにふれてはお邪魔しているのですが、このところばたばたで2年ほどご無沙汰していました。久々に伺う一欅庵は、門の脇に立つ大ケヤキも懐かしく、中に入るとふうわりと迎えてくれるような優しい雰囲気に満ちていて、思わずただいまーと言いそうになりました。  この建物は、宮大工さんによる素晴らしい細工がここかしこに残っていて、とても凝った作りになっています。お庭も緑に溢れていて、今は作られていない板ガラスの建具に色が揺らいで映って、本当に美しい空間です。  そんな建物の一角にお茶室があり、今回はそこで催された「歌舞伎茶会」に参加してきました。和三盆恵菓さんが和菓子を目の前で作ってくださるのをいただき、それを鳴海彩詠さんのお点前でお抹茶でいただくという贅沢な茶会。和三盆恵菓さんが松本幸四郎さん襲名の記念の和菓子にあうコーヒー「煎」にあう「勧進帳」の世界を映す和菓子コンテストの受賞作「瀧の水」を作り、できたてをいただきます。  鳴るは滝の水、鳴るは滝の水、日は照るとも絶えずとうたり‥‥義経を逃がすため、富樫の前で弁慶が「延年の舞」を舞う場面に因んだもの。  美しい手さばきでスッスッと色の違う餡があわせられ、包まれ、形づくられ‥‥‥あっという間に美しい、舞扇を模した紅白の練切が出来上がります。  餡の材料や、どうしてその形に作るのかなど、説明しながらよどみなく動く職人さんの手。無駄が一切なくて素晴らしいの一言。それはそれは美しくて、さながらお点前を拝見しているよう。見惚れてしまいました。製糖会社で和三盆作りに携わり、その後和菓子職人への道に飛び込んだ和三盆恵菓のご主人、頼富さん。虎屋で10年修行され、越谷でお店を構えられました。昨年オープンしたばかりですが、贅沢に和三盆を使ったとびっきりの和菓子で今注目を集めています!  できたてで水分が飛んでいない練切は、やわらかくほどけてなんとも言えない美味しさ。そして優しく、でも豊かな風味。こんな美味しい練切を食べたことがあるだろうか? いやない!と断言しちゃうほどの美味しさでした。  お干菓子の和三盆も、えっ?というほど優しく口の中でほどけていきます。こんな食感初めてかも。  お茶は茶箱でのお点前で、あえて白拍子のような髪型の彩詠さんが「舞の白」というこれまた舞に因んだ名のお薄を点ててくださいました。ほうっと口の中に広がる風味がたまりません。  お道具立ても素敵で、茶室の開け放った窓から入る心地好い緑の風とともに、ザアッと弁慶の舞のシーンが浮かぶような。逃げてー義経逃げちゃってー!そしてこの後六方飛びだな~なんて想像して、ちょっとワクワク。  本当に贅沢で、素敵なひとときでした。 私も、「瀧の水」というお題にあわせて、帯まわりは瀧をイメージしたコーデで。こういうところは本当に自己満足の世界なのですが、参加する楽しみのひとつ。他のお客様のお着物コーデを拝見するのもこれまた楽しみなのですよね~。  あまり時間がなくてゆっくりできなかったのが残念でしたが、また秋にもイベントがあるそうなので参加したいな~と思っております。  個人的なことですが、この2、3年、なんだかいろいろありすぎて、お茶をゆっくり楽しむなんて余裕も忘れていた気がします。引越しも一段落してちょっと心に余裕ができてきたのかも? なんて、懐かしい場所と変わらぬ笑顔に会えて、リラックスできた週末でした。  一欅庵は、イベント開催時は中に入って見学することもできます。今週末は西荻窪のチャサンポーというイベントで開放されていますよ。本当に素敵な場所なので、教えたくないくらい(ええ~)ですが、機会がありましたらぜひ足を運んでみてください! >一欅庵和のくらし展 >一欅庵

憧れの白大島の単衣で初夏の妄想コーデ巻

星わにこ
2018/05/23 00:00
 もう5月から単衣でいいよねーと言いつつ、気温が上がったり下がったりでまだまだ袷も仕舞いきれない今日このごろ。この時期よく袖を通すのが大島紬です。ツルリと滑るような光沢のある南の織物は、触ると少しひやりとして、少し暑い日にも涼感を呼んでくれます。  単衣といえば憧れなのが白大島。大島紬には大きく分けて4種類の染色方法があります。 藍大島:藍染めの糸で織られたもの 泥大島:テーチ木泥染で染めた黒い糸で織られたもの 色大島:染料で様々な色に染めた糸で織られたもの 白大島:白い糸に絣模様を入れて織られたもの  大島紬と聞いてぱっと思い浮かべるのは泥大島かもしれません。独特の艶のある黒さが美しい。それに対して、白い地色に淡く華やかな模様が織り出されている白大島は、これまた独特の光沢と張りがありとても美しいもの。さわやかで、単衣に理想的ではないでしょうか。  色が薄いだけに、普段着とはいかないところがまた今日はお洒落するぞ!という日にピッタリ。日傘をさして、おすましして出かけたくなるような着物です。  今回の妄想コーデは美術品のように精緻な織で有名な「都喜ヱ門」の白大島を選んでみました。なにしろゴージャス感漂う着物ですから、洒落袋帯でどーんと重厚感漂うパーティコーデもできますが、今回はあえてさらりと、マチネの観劇に行くようなイメージで軽めのワンピース風コーデを目指してみました。 http://bit.ly/2khShxM  帯はさわやかな色あいの米沢の八寸で、緯糸に和紙を織り込んだざっくりとした地風で、単衣の季節にもピッタリです。帯締めはメノウの石を組み込んであり、帯留をしているようにも見えますね。  衿には青い小花のレース、帯揚もブルーでさわやかにまとめてみました。せっかく白大島で決めるので、小物も懲りたいところ。レースのハンカチや山葡萄の籠バッグ、日傘や扇子で夏を意識してみました。  ふう~こんなコーデが似合うようになりたいわ~。夏の着物は薄手なので思ったよりも体のラインが響きやすいです。冬の間に大事に貯めた脂肪を今のうちになんとかしなければ‥‥えっ、遅いですかっ!  さわやかな新緑の風を感じたい妄想コーデでした。

ひかりの茶会で見た「もてなし」と「しつらい」の茶の心の巻

星わにこ
2018/05/09 00:00
 GW明けは急に季節が巻き戻ったように寒くなってしまいましたね。ずっと仕事だったGWも終わり、ほっと一息のわにこです。  ゴールデンウイークは東京キモノショーというイベントにお仕事で入っていたのですが、私の楽しみは「ひかりの茶会」という、会場内で催されている星霜軒主催のお茶会に参加すること。  イベントが始まってから3年目、毎年違った趣向でお茶の新しい可能性を見せてくださる素晴らしいお茶会なのですが、かしこまらず、押し付けがましくなく、アートな空間装置、はっとするような美しいお道具としつらいと、美味しいお菓子とお茶を楽しめるのです。  お茶の世界は、決まりがうるさいし知識がないからと敬遠する方が多いですが、そんなことは気にすることなく、ひたすらに美しい空間と、お茶を楽しめる場。毎回、しかも毎日書も花もお点前もお菓子もお茶も変わり、そのときの出会いを大切にする、一期一会とはこういうことかと感動し、行ける日は時間を見つけて通わせていただきました。  今年は、錆和紙のアートや銀色の球体が浮かぶエントランスをくぐり、青い光の待合で時間を過ごしたあと、宇宙ステーションを思わせる円形のトラス構造に、美しい宇宙の色を思わせる絞りの反物が45反かかっている中に設えられたお茶席に案内されました。  毎日テーマが変わるのですが、私が特に感動したのは3日目の「星」のお席。自分の名前が星だから、というわけではなくです(笑)。  茶箱から、大切な思い出の品を取り出すようにお道具が取り出され、お点前がはじまる。BGMはラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」。お茶でBGMがかかるなんて、新鮮ですが、よりドラマチックにお茶の世界に入って行けるような気持ちがしました。  美しい銀河のような主菓子をいただき、お茶をいただきながら、松浦ひかり先生、吉森宗浩先生のお話に耳を傾ける。わかりやすく、やさしく、お茶の世界に誘われます。 「星」の席のテーマは、亡き人に想いを馳せる。星になった人と今を生きる人が宇宙に浮かぶ野点の席で出会う‥‥。星霜軒の名の由来ともなった吉森先生の宇宙物理学者のお父様や、亡きお母様にお茶を点てお供えし続けたという日々椀のお話を伺いなら、私も、今は亡き大切な人や猫たちを思い出していました。  それぞれの、大切な人を思い出し、お茶をいただく。それはまるで、あの世もこの世も関係なくまるで亡くなった人がニコニコ同席してくれているような。今いるこの空間が、この世ではないようなそんな感覚を覚えました。  辛い思いや、悲しい想いもあるけれど、茶箱にはたくさんのものは詰め込めません。大切で、楽しくて、美しかった思い出だけ詰めこんで、ときどき取り出して、語らって、また仕舞って‥‥。  そんな風にできたらと思ったら、ぽろりと涙がこぼれました。年ですかねー。 そして私も、いずれは星になり、この肉体から解き放たれて自由になれる。誰かが思い出してくれたときは、ニコニコの笑顔を思い出してくれるように‥‥生きていきたいなあと思いました。  お茶のお稽古をしていると、うまくできたとか手順が守れたとかそんなことばかり気にしてしまう自分がいますが、それは修練を積むしかなく、そこよりも、もてなしの心を持つことのほうが本意なのだなと改めて思う、素晴らしいホスピタリティ溢れるお茶会でした。  他の日も、テーマにそったBGMとお点前のコラボが素晴らしく、特に2日目のボレロの勇壮なメロディが流れる中、5人の男性がシンクロしてお点前をするという超絶カッコイイお茶席、残念ながら入れなかったのですが目撃した皆さんから興奮気味の報告を伺いました!見たかった!  最終日はTime to say goodbyeを聞きながら、8人でのお点前、またお客様から2人入って総勢10人で盆略点前を見せていただき、一期一会、別れと旅立ちを想い‥‥。本当に素晴らしいお茶会に参加できて、感謝の気持ちで一杯です。星霜軒では月釜も開催していらっしゃるので、いつか参加してみたいと思っております。  お茶はおもてなしとしつらいの総合芸術だということ、守るべきものと時代にあわせて変わっていくものがなければ、どんなに素晴らしいものでも続いて行くことはないということ。ただ、遊べばいいということでもなく、基本を踏まえたうえで自由に羽ばたく凄さを思い知った気がしました。  東京キモノショーでは本当にいろんな着こなしのトルソーとそしてお客様がいらして、着物に関しても、そんなことを思ったりしたのでした。いろんな好み、いろんな方向を見たり触れたりすることで自分の好みもまた化学変化を起こして、変わったり、戻ったり。それもまた楽しいものです。こうでなくてはならない、ということはない。そして、他を否定することはしたくない。という思いを新たにした5日間でした。 星霜軒

ゴールデンウィークは単衣でおでかけ!の巻

星わにこ
2018/05/02 00:00
 ゴールデンウイーク中、皆様はどんなご予定でしょうか? 平成最後の1年に突入したと思うと、1日1日を大切にしないと、とか、なんにもしてないなーという焦りとか、はわはわした気持ちになったりもして。  旅行やおでかけに、着物ででかけたい!と思うけど、東京はもう真夏日が続いております。24度超えたら単衣、というのをひとつの目安にしているのですが、もう4月から単衣まくりです。真夏日には単衣だって暑いくらいですよね。私は少しでも涼しく着られるよう、うそつきを使っています。 ●着物でうそつき!? 簡単便利なインナーの巻  着物は身八つ口(袖の付け根)が開いているし、着てしまえば意外とそんなに暑くもないものです。建物や乗り物の中は空調も効いているので、大丈夫。逆に、暑いからと肌着等を省きすぎると、汗が直接着物にいってしまうので、汗とりは必須になります。  その辺のバランスを差し引きしながら、天気予報と相談。最近は突然の雨などもあるので、ちょっと怪しいなと言うときは、薄いコートと晴雨兼用の傘を持っていきます。  このところ、毎年ゴールデンウイークにはきものイベントに参加しているのですが、今年は日本橋で今日から始まる「東京キモノショー」。アイコンにもなっている、宇山あゆみさんの人形が今年は中原淳一の世界とコラボ。めちゃくちゃ可愛いです。  そして私がなんといっても楽しみにしているのはキモノスタイル200という、マネキンでの着物展示です。着物は、やはり着るものです。実際にマネキンが着ているコーディネートを見るのはとても楽しいもの。反物や平面で見るのと違って、生きている着物と会話ができるような気がするのは私だけでしょうか。  会場に並ぶたくさんの着物や帯とおしゃべりしながら(心の中でです、心の中で(笑))ぶらぶら歩くだけでもとっても楽しいんですよ。バラエティに飛んだコーデの中からきっと好みのものが見つかるはず。また、え~っ!こんなのもあるんだ!という驚きも隠れているはずです。  毎年趣向を凝らしたお席が楽しみな、ひかりの茶会もあります。お茶は堅苦しい、敷居が高いと思っている方も、一度体験してみていただきたい素敵な世界です。今年はステージが中心ということで、それも楽しみですね。ファンションショー、アート展示やワークショップも充実しています。黒留ナイトもありますよ。東京キモノショーのすごいなと思うところは、伝統から最先端まで、いろんな着物のスタイルが一気に体験できるところかなと思っております。  私自身も着物を着るようになって本当に決まりを守って、白衿白足袋ばかりで着ていた着物。でもそれ以外の素敵でカッコいい着こなしやスタイルに触れて、これもいいんだ、あれもいいんだと目からウロコがいっぱい落ちて、楽しみ方が広がりました。  着物は興味があるけど、決まり事がいっぱいありすぎて、ちょっと‥‥という方にもぜひ見ていただきたいイベントです。  私も相変わらず、好きなので白衿白足袋が中心だけど‥‥。それしか知らないのと、たくさんある中からそれを選んでいるのでは、違うと思います。絶対そうでなくてはならない!という思い込みが外れると一気に世界が広がりますよ~! 私も会場でウロウロしているので、見かけたら声をかけてくださいね!  ゴールデンウイーク、着物に関連したイベントや場所はもちろん、着物はこうでなくてはいけない、こういうこところにしか着て行けない、というそんな思い込みも外して、いろんなところにおでかけしてみてはいかがでしょうか。

えり芯の収納☆空き缶を使うと便利でしたの巻

星わにこ
2018/04/25 00:00
 4月からいきなり真夏日になったかと思うと肌寒かったり、本当になにを着ようか迷ってしまいますね。なんかオールシーズン着られる衣服内温度調節付きの着物インナーとか開発されないかしらとか思ってしまうわにこです。  皆様えり芯の収納はどうされていますか? つい引き出しの中に結構ずさんに放り込んでおいて、折れてしまったりペコペコさせてしまったりしていませんか? え、私だけですか?  えり芯はまるめておくと、折れずに綺麗に収納しておけます。  以前は輪ゴムや髪ゴムで留めたりしていたのですが、輪ゴムは頼りない時もあったり、いい加減な私はゴムをどこかにやってしまうことも多く、着物クリップで留めておく方法に落ち着いていました。でもやっぱり、クリップが手近になかったり(どんだけモノの管理が苦手なんだか)。  クリップ留め形式は、持ち歩きにもとっても便利で気に入っているのですが、引き出しに入れると横になってしまったり、なんか納得いかない形が気になっていました。そこでキモトモに「丸いカンに入れるといい」と聞いて試してみましたよー!  おおー!これはスッキリでステキ。すっぽり入ってしまうと取り出しにくかったりするので、ちょっと浅めのカンに入れてみました。  予備のものや固さの違うものもスッキリ一緒にしまっておけるので便利!  大体直径8センチ前後のものが扱いやすそうです。あまり太くてもジャマですし、細くてもプラ芯だとクセがきつくつきすぎてしまいます。  使い終わったガムテープの芯とかデコって使ってもいいかもしれません。ペットボトルを輪切りにしたりしてもよいかもかも。  これでベコベコの衿芯にはおさらば! 引き出しの中もスッキリ! ですね\(^O^)/

伊勢木綿でさわやか初夏コーデの巻

星わにこ
2018/04/18 00:00
 気温がぐんと上がったり下がったり、着物のおでかけに頭を抱える晩春ですね。桜がとても早く咲いたかと思ったら、一気に初夏の花まで咲いてしまい、いつもゴールデンウイークに楽しむ藤を見ながら、駆け足の季節に驚いています。  こうなるともう、単衣で過ごしたい。暑いと予報が出るとうそつき衿と、薄手のウールや木綿などの単衣に出動してもらっています。  でも急に気温が下がることもあるので、日焼け止め兼のアームカバーと大判ショールは手放せません。  暑ければ暑いで、寒ければ寒いで、悩んでばかりですね(笑)。でもこの四季の移ろいがあるから、日本は美しい。ボケないで済むかも?なんて思ったり。  木綿の着物はあまり持っていないので、こういう時期に活躍してくれそうな伊勢木綿で、最高気温が23度を超える日コーデを妄想してみました。  伊勢木綿は、もう織元が1軒しか残っていませんが、昔ながらの格子柄が大人カワイイチェックのワンピのようでとっても可愛いのです。肩掛けカバンやピクニックバスケットを持っておでかけしたくなってしまいますね。  八寸の帯に可愛い帯留をつけて、藤やツツジをみながらお散歩したいコーデです。  さわやかな初夏の風を感じながら、木綿の着物でおでかけしましょう!(妄想)

卒入学式の着物とおばあちゃんの黒羽織☆の巻

星わにこ
2018/04/11 00:00
 この春は、子供の卒業式&入学式。そしてその間に自宅と仕事場の引越しをするという超ハードスケジュールでした。どうなることかと思いましたが、なんとか荷物だけは運び、ダンボールの中で生活しています。  そして子供の卒業式&入学式、いろいろバタバタになってはしまいましたが、両方とも子供たちの成長に感無量でした。  最近は担任の先生だけでなく、卒業生の袴での出席も増えているようで、いろいろ物議にもなったりしていますが、私は華美に装うという視点ではなく、本来の「礼装」という意味を考えてほしいなと思っています。袴も振袖も、本来は華美なもの、お金がかかるだけのものではなく、「礼装」としての意味が大事なのではないでしょうか。  でも今回は主役の着物のお話ではなく、保護者のことを書きたいと思います。  式には両方とも着物で出席。卒業式はお天気が怪しかったため、洗える付け下げに黒羽織で。小学校の卒業式は袴の子もちらほらいて、とても可愛かったです。担任の先生も、女性は袴姿でした。本当にキリっとしていて素敵でした!  一方保護者の着物姿は6年前の入学式に引き続きぼっち。さぞかし目立ってしまった!?と思いきや、袴の女の子のお母さんが「ちょっと袴が落ちて来ちゃったから直してもらおうと思ったのに、見つからなかった!着物でいた?」と言われるくらい、黒羽織を着てしまうと着物でも目立たないようです(笑)  母がよく黒羽織のことを「ぼろかくし」と言っていましたが、下がどんな着物でも、一つ紋付きの黒羽織を羽織るだけで改まった装いになり、かつ浮き難いのかもしれません。  昭和40~50年代は黒羽織が大流行し、学校の式でのお母さんの服装といえば、着物に黒羽織姿でした。私の母も学校行事で黒羽織を着ている写真が残っています。  私の黒羽織は、その母の黒羽織を仕立て直したもの。母は大叔母の紋付の着物を黒羽織に仕立て直したと言っていたので、むかしむかしの絹なのです。羽織るととろんと体に添って、本当に気持ちがよいのです。  そのリメイク顛末は以前コラムにも書きましたが、母との身長差もあったため、裄に生地を足したり、いろいろして仕立て直したものなのです。 >母の黒羽織をリメイクしてみましたの巻  中学校の入学式は色無地に黒羽織でした。こちらはもう1人訪問着姿の方がいました! 地域や学校にもよるかとは思いますが、もうちょっと着物姿が増えてもいいのになー!  スーツも同じかとは思いますが、着物はやはり日本人には格別の意味を持つ気がします。本当に気持ちも改まりますし、「礼装」という言葉の意味が体感できる気がします。  それから、あとは経済的な面も。私も特にこのために着物を誂えるなんてことはもちろんなく、いい感じに恰幅がよくなってまいった(涙)にも関わらず、25年前に作ってもらった着物をずっと着ております。  25年前の洋服とかよっぽどでないと着られませんよね。そういう意味では、非常に長く着られて経済的と言えなくもない。そして、上に着ている黒羽織なんて、仕立て直しをしているとはいえ織られてから軽く60年は経っています。  そして黒羽織につけている羽織紐は、義母が黒羽織につけていたもの。私の母はもうこの世にはいませんし、義母も遠く離れて暮らしています。でも、こうして母の黒羽織と義母の羽織紐を身につけて、式に出席することで、なにか皆に守ってもらっているような、嬉しく身が引き締まるような気持ちに。  そして、いよいよ新生活の始まり。  なんだか怒濤の日々でしたが、入学式に着た着物を汗とばしにかけておいたのを、畳んで畳紙におさめながら、少し落ち着いて足元を固めて、ゆったり生活していければいいなあ‥‥なんて。  この、なでながら畳んで、いろいろ想いながらする後片付けの時間も着物の特別な時間のような気がします。そしてあのときにこれを着たという記憶も、一緒に仕舞って‥‥。  さあ、また頑張ろう! と思うのでした。

肩幅が狭く見える!ほっそり着付のコツ☆の巻

星わにこ
2018/04/04 00:00
 まだ4月上旬だというのに、もうすっかり初夏のような陽気で、着物も何をきたらいいか迷ってしまう今日このごろ。単衣の登場時期が年々早くなっているわにこです。  さて、よく「着物体型」という言葉を耳にしたことはありませんか? なで肩で、胸は控えめ(笑)、ずん胴で‥‥というイメージです。こけしちゃんみたいな体型だと、体が筒状なので、立体裁断・縫製ではない平らな布である着物がきれいに着られるというわけです。  だから、体の凹凸に補整を入れると綺麗に着物が着られる‥‥というわけですが、着物用のブラジャーやウエスト・ヒップの補整は販売されているけれど、なで肩にする方法はない‥‥と諦めていませんか?  着方のコツで、かなりこの肩問題が解決するんです。しかもほっそり見えます!   美容家のIKKOさんの着物姿の肩、するりと滑り落ちるような美しいなで肩のラインですよね。でもIKKOさんの洋服姿を見るとしっかりと肩幅があります。それを着付で美しいラインに見せているんです。  その着付のコツとは、首から衿を離すこと。あとは衿を寝かせることです。そして半衿を多めに見せること。要するに、肩に乗っている着物の幅を狭くすることで、肩の幅が狭く見えるということです。  この衿を「離す」「寝かせる」ためには、結構衣紋を抜く必要があります。あまりやりすぎると品がなくなってしまうので、気をつけて。  そして半衿を見せる幅を広くすることで着物の肩幅が狭くなります。先日先輩から衣紋抜きの幅を広くとっているという話を伺いました。それもうまく衿を寝かせる一つの手ですね!  最近、テレビでドラマや芸能人の着物姿を見ると、肩が張っている人が多いなあ~頭が小さいからかな? すごく肩幅が広く見えるな~などと思っていましたが、それは実はピッチリと襟元をあわせすぎている、着付のせいだったのだと気がつきました。振袖は伊達衿を入れたりするので、同じ着付でもこの着物の衿のラインが首から離れるため、そんなに気になったりしないのですが、同じセオリーで着付けると肩幅が広く見えてしまうんですね。  もし、肩幅が広いから‥‥とお悩みの肩、いえ方がいらしたらぜひこの「衿を首から離す」着方をお試し下さい。肩幅だけでなく、ふくよかさんにもほっそり見えて嬉しいワザですよ~。あともう一つ。姿勢だけでも随分変わります。肩甲骨を寄せるイメージで、肩を後ろに落として下さい。  着付+姿勢で、めざせ!ホッソリ肩! ですです。

お引っ越しに収納に☆風呂敷包みの基本とコツの巻

星わにこ
2018/03/30 00:00
 そんな中、自宅と仕事場をダブルで引っ越すことになっているわにこです。しかも時期もどんかぶり、リフォームも同時進行でもうしっちゃかめっちゃかであります。終わらない冬はない! 明けない夜はない! 終わらない仕事もない! とブツブツいいながら、今日も荷物と格闘しております。  自宅も仕事場も、運ぶ着物の量が半端ない! 自宅のほうは、引越し屋さんから1箱に10枚ほど入る専用ダンボール(あるんですね!)をもらい、たとう紙のままばんばんつめこんでいます。が、仕事場は徒歩2分の場所に越すというのもあって、自力で引っ越すことにしたものの、着物の運搬がなやましい‥‥と思っていたのですが、これが、風呂敷に包むとあら便利!! 着物や帯って結構重いのですが、ふろしき包みにするととても運びやすいのです。  ダンボールに入れるときも、こまごましたものを風呂敷につつんでから入れると、非常に整理しやすい。  ドロボウさんが唐草模様の風呂敷を背負っている絵を見たことがあると思いますが、たしかに持って入るときはかさ張らず、どんなものでもざっくりまとめて包んで運べる。凄腕のバッグ&パッキンググッズです。  子供が小さいとき、風呂敷の上で遊ばせて、遊び終わったらおもちゃをざっくり包んで片付けておいたりもしましたが、本当に「なにかをまとめて包んじゃう」そして「運ぶ」ことにおいて、風呂敷ほどフレキシブルなものもないのではないでしょうか。  先日は、お膳7客を隣駅に運ぶというミッションがあったのですが、風呂敷のおかげで無事包んで運ぶことができました。いろんなサイズの箱なども、きちんと包めばかなりうまくパッキングできます。段ボール箱だと「後少しで入らない!」とかいう場面でも、自在に対応できるところがすごいなと思います。  また収納時にも風呂敷は本当に便利。私は衣替えしてオフシーズンの着物や帯、衣類は風呂敷につつんで押入れボックスに入れたり、スチールラックに積んでおいたり。種類別に分けておけば、その包みを手に取ればそこから探すことができるんです。  着物を風呂敷に包んでおくときのコツは、空気をぬきながら、丁寧に包むこと。角と角をあわせるとき、間の布を遊ばせないできちんと中に寄せること。こうすることで持ち運びのときに、中で布が遊ばないのでシワになるのを防げます。  引越しのときだけではなく、旅行や収納のときにもこれをするだけできれいにしまえますので、ぜひピッチリ包み込むようにしてみてください。なんだかいろいろなテクニックを覚えたくなりますが、基本の「平包み」「お使い包み」「四つ結び」を覚えれば基本大丈夫!  結び目はタテ結びではなく真結びで!(帯揚と同じです!) 「平包み」は結ばないで包む。ゴロゴしないし、なにか他の容れ物にさらにいれるときにはこれでも。 「お使い包み」は一つの角だけ結ぶ。いわゆるお弁当結び。1つの対角線で十分に荷物を包めれば結ぶのは1カ所でオッケー。 「四つ結び」は2つの角を結ぶ。ゴロゴロはしますがこれが中身が一番安定します。引越し等荷物として運ぶときには安心。  そして、風呂敷は汚れたら洗えます。畳んでしまえば邪魔にもなりません。改めて風呂敷の力に開眼したわたくし。バッグにも風呂敷を1枚入れて歩くようになりました。  風呂敷を一度、見直してみませんか?

桜尽くしの妄想コーデ☆試着室が新しくなったゾの巻

星わにこ
2018/03/21 00:00
 東京はもう開花宣言! 平年より9日も早いのだそう。ほんと早い。早いですよね~。少しまた気温が下がって、満開はまだ先になりそうですけれど、なんだか気持ちばかりが焦ってしまうのは私だけでしょうか。年度末で引越しもあってめっちゃ忙しいのに花見とか(><)できない!!できないよ~(自業自得ですが‥‥)。  さて、毎月恒例の妄想コーデも今回は桜をテーマにしました。使いたいモチーフがはっきりしている時は右上の検索窓に、モチーフ名を入れて探してしまいます。 「桜」と入れると、さすが国花。着物と帯だけではなく、帯締め帯揚げ半衿、帯留や足袋、伊達締めなどの着付小物までずら~っと表示されました。全身ぜ~んぶ桜コーデもできちゃいますね。帯板や着付クリップまで桜モチーフでいけちゃいます!  気に入った着物、帯を選んで「チェックした商品を試着する」ボタンを押すと、試着室に入れます。あっ! 試着室が変わった! 以前は試着した姿をチェックするのに、前と後ろから見た様子は切り替えボタンでチェックしていましたよね。それが同時に表示されるようになって、あら便利。  特に帯は、後ろ姿がよく見たいですから、わざわざ切り替えなくても見られるとイメージがはっきりするので、より妄想も膨らみます(笑)。  ちなみに私は着物の模様がわかりやすいので、いつも背景「なし」にしています。  今回は夜桜見物をイメージして妄想してみました。 http://bit.ly/2HMMav4  桜だけれどモノトーンでもちょっとキッパリしたコーデにしてみました。半衿と帯締めでちょっとだけ桜色を効かせて。帯締めも桜の模様です。  改めていち利モール全体を見てみたら、スッキリと見やすくリニューアルされてます!(気付くの遅っ!) 担当さんに聞いてみると、「ふっふっふ、『お仕立て・加工をする』ボタンが増えたり、いろいろ他にも便利になったんですよ~」とのこと。試着室だけじゃなかった!  ログインパスワードを再設定しなおすと、500円チケットがもらえました。そしていろいろ70%オフ‥‥‥! あーいけないものを見てしまったかもー!!   ちょっと欲しい帯留があったんだよね‥‥えーと‥‥‥、桜さくらコーデでは飽き足らず、さらに妄想の旅に出てしまいそうです。誰か止めて~(笑)。

リサイクル着物について考えた。の巻

星わにこ
2018/03/14 00:00
 先週無事「きもチャリ」が終わりました。仲間とやっているチャリティ活動の中で、着物でチャリティを、と始まったイベントですが、たくさんのご寄付をいただいて、もう6年近く続けています。  箪笥の肥やしになっている着物を寄付していただいて、それをお買い上げいただいて、公益財団法人みちのく未来基金という震災孤児の進学をサポートする団体に寄付しています。  こちらのコラムでご縁をいただいた方からもご寄付やお買い上げを頂いて、今年は3日間のイベント全体で50万円以上の寄付をすることができました。一方会場等の都合もあり、今後毎年の継続は厳しい状況ですが、できることを続けて行けたらと考えています。心を寄せて下さった皆様、本当にありがとうございました。  チャリティにやってくる着物たちは、ただの不要品だとは私には思えません。自分の着物でもう着ないからいらないというものもありますが、大体はおばあさま、お母様、ご縁のある方の着物を、ただ捨てたり売ったりすることができなくて、使って下さいとおっしゃるものが多いです。中には高価だっただろうな~とため息がでるようなものも。  仕分けや陳列を皆でやりながら「どういうものだろうね」と話す時間も楽しいです。畳む作業をしながら、着物や帯と心の中で話したり(危ない人)。またこの畳むという作業もいいのですよね。スタッフで入ってくれた友人が「こうやって手でなでて、畳むから、着物って愛着が湧くのかもね」と言っていましたが、本当にその通りだなと思います。  スタッフではわからないことも多いので、今回は「きものカード」というものを作り、だいたいのサイズやどういうものなのかを書ける方には記入していただいたのですが、皆さんがそれを大事にされていて、でも着られないからどこかで役にたってくれればという想いで寄付してくださったのだと伝わるものが多く、メッセージに感動するものも。  着物は、ただのモノではなく、なにか心を動かすものがあるようです。また、お母様の手刺繍や染め、おばあさまの編んだビーズ半衿などを寄付していただいた方もあり、気持ちが暖かくなりました。  そして不思議なのが、それぞれの着物に、それが似合う人が迎えにきてくれるということです。いくらフレキシブルに着られるといっても、着物にもサイズはありますし、リサイクルではなかなかピッタリのものを求めるのは難しいもの。だからこそ、あっ!とご縁を感じたものはお迎えしてしまうんですよね(笑)。  はんなりなもの、粋なもの、個性的な着物や帯など、それぞれ似合う人がお買い上げになっていきます。その様子はちょっと感動ものです。「この帯はどんな人が似合うんだろう?」と思っていたら「私はこれ」と持っていた方。「あ!帯が呼んだかも」と思うくらいイメージピッタリで思わず唸ってしまいました。  すごく個性的な色や柄の着物も、ちゃんと似合う人が現れる。着物の「引き寄せ力」を感じます。とはいえ、やはりどうしても3日間で全てを販売することはできません。  残った着物は、環境活動や被災地支援などを行っている「環境まちづくりNPOエコメッセ」さんに寄付させていただいています。こちらでは店舗で販売したり、着物フェアをしたり、着物としては着られないものは素材として活用してくださっています。(こちらの受付は随時です)  もちろん、着物は自分で新しいものをお誂えするのが最高ですが、リサイクル着物との出会いも捨てがたいものがあります。でもどうやって選んだらいいか、お手入れはどうしたらいいか、などなど不安もあるかと思います。  そんなときは「初めてのリサイクル着物 選び方&お手入れお直し」(髙橋和江著)をお勧めしちゃいます。マンガも交えつつ、わかりやすい構成になっています。マンガとイラストは私が担当させていただきました(宣伝か!)。著者はきものをたのしくやさしくおもしろく、のたかはしきもの工房の女将です。お手入れや畳み方のハウツーもあって、QRコードを読むと動画も見られるんですよ。名古屋帯の畳み方など、本当に便利です。  なんか最後の方は宣伝になっちゃいましたけれども(笑)、着物は中古だからいらない、とばっさりできない何かがありますよね。またリーズナブルに手に入るのも魅力です。洋服などにリメイクするのもいいのですが、着物好きとしては、着物はなるべく着物として着てほしいな~と勝手な願いを持っています。  それにはやっぱりもっと、着られる人を増やさないとですよね。着付はハードルが高いと思われがちですが、そんなこともないんです。まずは和洋ミックスでもいいし、自己流でもいいので、身につけてくれる人が増えたらいいなあ~。羽織なんか、カーディガンがわりに着るとなかなかいいですよ。正絹のものは着心地もあったかさも最高です。  箪笥から飛び出して、次の持ち主のところにお嫁にいく着物たちを見ながら、いろいろと想いをめぐらせた3日間でした。

着物はめぐるよ☆「きもチャリ」今年も開催の巻

星わにこ
2018/03/09 00:00
 東京はやっと暖かくなってきたなあと思ったらまた厳しい寒さと雨。三寒四温とはよく言ったものですね。もうすぐ春ですね。  そして、東日本大震災から七年。もう七年という気も、まだ七年という気もしますが、まだまだ生活が立ち直っていない方もたくさんいらっしゃいます。クリエイター仲間で集まって「wasurenai」というチャリティイベントを毎年この時期に開催して、収益金を親を被災で亡くした子どもたちの奨学金にあてている「みちのくみらい基金」に寄付する活動を続けています。  できる範囲でできるだけ。それぞれ作品や得意な技を持ち寄って、チャリティということで、わたしは着物を寄付していただいて販売する着物のチャリティバザー、略して「きもチャリ」部門で活動しています。  昨年はコラムで寄付をお願いしたところ、全国からたくさんの寄付をお送りいただき、過去最高の売上でした。今年も、覚えていてくださって送ってくださった方もいらっしゃいます。きもチャリの開催を楽しみにしてくださっている方も増えて、ありがたい限りです。  今年も、30箱以上のダンボールが受付日に届き、嬉しい悲鳴が。着物好きの仲間が集まって、仕分けや値付けをし、陳列。これがなかなか大変な作業です。目利きというわけではありませんから、着物の状態をざっと見て1000円、3000円‥‥と仕分けていきます。だから、掘り出し物があるかもなんです。帯も500円、1000円から。すごくよいものでも、とってもお得な値段。  今年は「着物カード」というのを作って、どんな着物なのか、一言添えていただけるようお願いしました。サイズの他におばあさまのもの、お母様のもの、どこで買ったか、何に似合うか‥‥メモしていただきました。寄付してくださった方の思いが伝わって、じーんとする場面も。  ただの古着のようでも、着物ってなんだかそれだけじゃない。気持ちがこもっているような気がします。だから、こうやって着ない着物たちが箪笥から飛び出して、着る人や作る人の手にわたってまた活躍して、しかもそれが奨学金の支援になる。チャリティの開催は正直大変なこともいっぱいですが、毎年それが励みになって続けています。  着物は、そのままきてももちろんいいし、和洋ミックスにしたり、羽織なんかは洋服の上にカーディガンがわりに着ても可愛いですよ。正絹だから、軽いし暖かいです。 >チャリティその後☆箪笥から飛び出した着物たち  ここ3年会場になってきた昭和な家が、今年取り壊されることになり、このスタイルでの開催はこれが最後になります。今後どういう形になるかはわかりませんが、奨学金の寄付につながるチャリティは続けて行けたらよいなあと思っております。チャリティは、大きな負担になっては続かないので、細く長く。できるときにできるだけ。そしてなにより、関わる人が楽しいことが大事だと思います。 https://www.facebook.com/events/732091060329268/  3月9日(金)~11日(日)の開催です。このコラムがアップされるころ、ちょうど開催中です。  リサイクル品でもこれは!というものに出会ったら、お手入れして着るのも楽しいものですよ。いち利モールさんでもクリーニングはじめ、裄直しなど、いろいろな着物のお手入れメニューがあります。受け継いだ着物、出会った着物……楽しんでおしゃれに着てあげたら、着物たちも大喜びですよね。  3.11はみんなにとって忘れられない日で。それぞれの想いを抱えて過ごされると思います。もしなにか、自分が関われることがあったら、目をむけてみてみてもらえたら。  前を向いて歩き出すためにも。

歌舞伎座!高麗屋三代襲名披露にいってきたよ☆の巻

星わにこ
2018/02/28 00:00
 皆様歌舞伎は御覧になりますか? 先日、歌舞伎座の二月公演、高麗屋三代襲名披露にいってまいりました。私は、細く長く機会があればという程度ですが、一番好きな伝統芸能です。わかりやすく、華やかで、けれん味があって、役者さんたちが魅力的で。演目の着物もそうですし、観劇にいくときに着物を着ていくのも楽しみのひとつです。もちろん、他の方の着物を見るのも!  私がはじめて歌舞伎を観たのは、地元の農村歌舞伎。岐阜県中津川市加子母の明治座で、村人たちの演じる歌舞伎。子供歌舞伎もあり、同級生たちが出演する義経千本桜でした。岐阜は農村歌舞伎が盛んで、歌舞伎は身近なものという感覚で育ちましたが、東京にでてはじめて歌舞伎座へ行って、あたりまえですがケタ違いの華やかさと豪華さにくらくらしたことを覚えています。  以降、本を読んで勉強して、学生の頃は観たい演目は幕見にオペラグラスを持って通いました。毎月通う熱心なファンではなかったですが、友達に誘ってもらったり、折々に観に行きました。特に仁左衛門丈(当時は孝夫様)出演の演目のときは、張り切って出かけたものです。  仁左衛門丈の襲名披露のときは、母と名古屋の御園座公演に一緒にでかけたのもよい思い出です。花道横で仁左さまの脛に鼻血が……(すみません)。そのときの演目は郭文章。また、新歌舞伎座の柿落しで同じ廓文章を仁左衛門・玉三郎で観たのも良い思い出です。亡くなった母にも見せてあげたいな、なんて思って、形見の数珠ブレスレットをつけていきました。  実は、新歌舞伎座は今回が二度目。浅草や演舞場では観たりしていましたが、なんだか慌ただしい日々が続いていてそんな余裕もなく。今回高麗屋さんの襲名公演に誘ってもらって、スケジュール的には厳しいかなあ‥‥と思ったものの、ああそういえばここしばらく、落ち着いて歌舞伎を観ることも叶わなかったなあと、思い切って出かけることにしたのでした。  案の定、ぎっくり腰になったりしてw 万全の状態ではなかったですが、思い切って出かけてよかった!!! 着物も着て行きましたよ!  千秋楽だったのもあって、お客様も、迎える役者の奥様がたも、それはそれは素晴らしい着物姿が多く、ついキョロキョロ。詳しい友達にいろいろ教えてもらってほおおお!!あーっ!あの方は、あーっ!あの方もと心の中でキャーキャー言いながら、堪能しました。  本当に豪華な出演陣で、久々に観た私でもああ、あの役者さんがこんなに立派になってとか、変わらないとか、年をとったなあなどと感慨にふけりながら観劇することができました。観客席も着物姿の方も多く、大向うのかけ声もいつもよりたくさん! アドリブも楽しく、知らず知らず心が浮き立ちます。  歌舞伎の魅力のひとつは、世襲制にあるのだろうなあと長く観ていて思います。だから、それぞれの役者さんの後ろに先代の面影を見ては「ああ、お父さんに似てきたなあ」とか「父を超えたなー!」とか「もうちょっと頑張れ」とか(笑)そんなことを実感として思うようになってきました。昔はその役者さんのお父さんの話をされても「知らんし」とか思っていましたが(笑)、ええ、お父様の若い頃をリアルタイムで見ていて知っていますとも~~! 自分が年をとった証拠でもありますよね。  別に家族や親戚でもないけれど、子供が生まれ、成長して立派に名跡を継いで行く様を見るのは、感慨深いものがあります。見続ければ見続けるだけ、発見もあり面白さも増す。芸と、そういう血統のサブストーリーも、観客に足を運ばせる魅力となっているのでしょう。  今回は三代揃っての襲名披露と、なかなか願ってもできることではないお目出度い興行。生まれたときからかくあるようにレールが敷かれてそこでさらに自分を磨いていくというのは並大抵のことではないでしょう。白鸚を襲名した幸四郎さんが、染五郎から幸四郎を襲名するときに10代のころはそれがいやで、反発をして音楽をやったりしたこともあるというインタビューを読んだことがあります。それがなんと37年前のこと。今回お孫さんが染五郎となり、大名跡の幸四郎を息子に譲り、今はどんな風に感じていらっしゃるのでしょうか。  いつもそこにある歌舞伎。それを維持していくのも大変なことでしょう。だけど、そうだからこそ観客である我々も、折々にあのときこれを観た、誰と一緒に行った、自分自身はこうだった、などと思い出せる。舞台に足を運んで、お弁当を食べて、時の流れを感じながら、お芝居や踊りに涙ぐんだり手を打ったり。  久しぶりにゆっくりした時間を過ごして、歌舞伎に繋がる思い出にも心をめぐらせ、本当に楽しかったです。やがて今日のことも、ああ、あの襲名披露のときは観にいったと、思い出のひとつになっていくのでしょう。そしてまた、いつかの未来の幸四郎の襲名公演を、わたしは見ることが果たして出来るのでしょうか? 連れて行ってくれた友人に感謝しつつ、胸いっぱいで歌舞伎座をあとにしました。  次はいつ来られるのだろう。物理的には行くことができても、やはり強いモチベーションか、精神的に余裕があるときじゃないと無理だなあと思ってしまいます。ちょこちょこと、好きな役者さんがこの演目をやるから!なんて、着て行く着物に迷って、ときめいて。そんな芝居見物ができる余裕のある人生が送りたいと、夢ノートに書いておこう。  高麗屋三代のご襲名、誠におめでとうございました。

2018春のトレンドカラーで妄想コーデ☆の巻

星わにこ
2018/02/21 00:00
寒い寒いといいつつも、春が一歩一歩近づいて来ている感がありますね。梅がつぼみを膨らませていたり、太陽の角度があがってきたり‥‥。二十四節気では雨水、七十二候でいうと土脉潤い起こる(どみゃくうるおいおこる)。雪が雨にかわり、固い大地が潤い、柔らかくなりはじめる時期です。  寒くて凍える冬も、必ず終わりがくる。じわじわと春に向かっていると思うと、少し気持ちが明るくなります。  そして春はなんだか優しい色を身にまといたくなりませんか? 今年の春のトレンドカラーは、ラベンダー、イエロー、ミントグリーンなど、パステルカラーが中心だそう。ラベンダーとミントグリーンを選んで、着物と帯の色差をあまりつけず、帯締めをポイントにしたワンピース風のコーデを考えてみました。 http://bit.ly/2sBusYI  全身でなくても、ちょっと流行の色を取り入れるだけでハッとコーデが新鮮になることってありますよね。お気に入りのいつものコーデに、ちょっとプラスしてみてはいかがでしょう。

意外と知らない?足袋のはきかたおさらい☆の巻

星わにこ
2018/02/14 00:00
 突然ですが、皆様足袋をはくときはどんな格好ではいていますか? 足袋をはくときは、基本は体育座りポーズでひざを立ててはきます。ちょっとエレガントにはきたければ、横座りもアリ。体幹に自信のある人は、立ってはく?  さてさて引き続きぎっくり腰の余波で、おとなしめの生活をしているわにこです。とにかくゆっくり動き、腰に負担がかからないように‥‥なんですが、着物を着る時。着物を着るの自体は大変ではないんですが、足袋をはくときがちょっと、いえ大変辛い‥‥。  前屈みになってする動作が辛いんですね~。体育座りをしても横座りをしても、辛い! で、足を組んで履いてみたら、あらっ! コハゼに手が届きやすく、履きやすい! 皆様もう御存知でしたか? ちょっとお行儀が悪いですが、背に腹は変えられない。足袋は一番最初に履きますから、考えてみたらどんなポーズも自由自在ですよね。らくちんでした。  ついでに(?)足袋のはきかたのおさらいをしてみました。  最初に足袋を折り返して指をきちんと入れる。こうすると足袋をピタっとはけます。あと、よくつま先を伸ばして足袋を履こうとする方がいますが、つま先はたてて足首の角度を直角にしたほうがコハゼはとめやすいですよ。基本的なことですが、コハゼは下からとめていきます。 まとめると‥‥ (1)足袋のコハゼを外して、つま先に向かって半分に折り返し、足を入れて指を奥まで入れる。 (2)折り返し部分を元に戻して、かかとをきちっと納める。 (3)足首を直角にしてコハゼを下からとめる。二本の掛糸にこはぜをひっかけ折り返してとめていきます。一番上までとめたら、全体を後ろに引くようにして密着させると外れてきにくいです。 ※このとき、座って足を組むと、コハゼがちょうどよく見えて手が届きやすく、ラクにはけます。どうしても履きづらいとき、お試しください。  コハゼは、掛糸二本を一度にひっかけてとめますが、上のほうなど足首が太くてかけられないようなときは、手前の1本にかけたりしてもオッケー。自分にピッタリサイズの足袋を誂えられればそんなこともありませんが、市販の足袋はいろんなサイズがありますし、基本は伸縮性がないものなので、自分にあった足袋を探してください。  小さめの足袋をキュキュッとシワの入らないようにピタッとはいた足元は本当に美しいもの。でも結構痛かったり。かといってブカブカの足袋は不格好(^^;)このあたりは個人差がありますので、辛くなく美しく見える足袋が欲しいなあといつも思います。  私は特に甲高幅広の足なので、なかなかキレイに履ける足袋がなく、どうしてもストレッチ足袋にしてしまいがち。綿でピタリと決まった足元は憧れです。また、訪問先で草履を脱いで上がったりする場合はきれいな足袋でお邪魔したいもの。こんなときは替えの足袋を持っていくという方法の他、足袋カバーをつけていって、中に入った時に脱ぐという方法もあります。(時々、忘れてずっと履いていて気付いてあっ!ということも多いですが‥‥えっ私だけですか)。  ファッションとして履く足袋は、今いろんな素材のものが出ていますし、色や柄も豊富。寒い時期はネルや別珍の足袋もいいですね。レースや合皮などのものもあり、白ばかりにこだわらず、ラクに楽しく履ける足袋で遊ぶのもいいですよね。合皮のものなどは、草履にうまくあわせると、ブーツや靴っぽくもあり、カッコイイですよ。着物のときは必ず履くものなのに、ちょっとおざなりにしがちな足袋のおしゃれ。今年は私もいろんな足袋にトライしてみたいです。  もちろん、はくときもスマートに‥‥を心がけて(苦笑)。

腰痛に着物&ナンバ歩き☆の巻

星わにこ
2018/02/07 00:00
やってしまいました! ぎっくり腰です。寒くなると増えるらしいですね。まんまと寒い中、ゴミ捨てをしようとして違和感‥‥‥。やばい、と思ったらどんどん痛くなってあー‥‥‥。ちーん。  全く動けないほどではなかったため、じわじわと動いて生活していましたがもう、なにもかも予定が吹き飛ぶ痛さ。寝返りもうてずに横たわっているのに、追い打ちをかけるように雪が降ったり。やはり冷えが大敵なのですね。あと辛いのが咳!!泣けました。  そんな中、思いのほかよかったのが、着物でのおでかけ。パーティがあり、ちょっと無理かも?と思いましたが、どうしても行きたくて、根性で着物を着てでかけました。  でも、補整のたかはしきもの工房の「腰すっきりパッド」にホッカイロを仕込んで、温め&少し低い位置で骨盤を締めることで随分楽に。その上に帯をするので、腰の骨が立つというか、姿勢がよくなって、重ね着で暖かいので、洋服より快適に過ごせました。  しかも、着物のときは「ナンバ歩き(同じ方向の肩と足を出して歩く)」をすると結構いいんですよ。ねじれないので着崩れない。昔の日本人は皆この歩き方だったと言われています。ちょっとロボっぽいけど慣れればラクちんです。コツは大きく手をふらないこと。  あまりに快適だったので、洋服のときも、腰スッキリパッドをつけたまま生活しています(笑)少し下目の位置につけるので、Lサイズを使っています。本来の使い方とは少し違いますが‥‥。  ついで(?)なので本来の使い方について少し。全面ポケットになっている補正具なので、自分のウエストのくびれているところ(結構人によって上だったり下だったりします)とヒップの窪み(これも個人差大!)に必要な分のタオルを用意して、窪みを埋めるようにピッタリと巻き付けます。ブカブカにならないようにするのがポイント。  ウエストの補整なんていらなーい、と思っていたわたしですが、たかはしの腰スッキリパッドを使い始めてからは必ずしています。  なぜなら、体と着物や帯の間のクッションになってくれて、自分が楽だから。腰紐や胸紐、伊達締めがちょっと苦手だったのですが、補整を入れることでキリっと結ぶことが怖くなくなりました。腰紐がキリっと結べると、格段に着崩れしません。なんとなくはだけてきたり、おしりのところがひっぱられてブワブワになったり、ということがなくなるんです。  私は締め付け嫌いなところがあるので、これは福音でした。  もちろん、必要なところにタオルを入れてウエストと腰の凹凸を補整するので、着姿もよくなります。着物は直線断ちの衣類ですから、曲線よりも平らなところに沿わせると格段に着付けやすいです。あと、防水機能もあるので、汗が帯や着物に染み出さないのも嬉しいです。  普段は腰骨ぎりぎりにひっかかるくらいの位置にかませて凹凸を埋めるようにあてて、下線をキュッと止める(上はあまり締めません、苦しいので)のですが、腰痛対策にはもっと低い位置でコルセットがわりに巻いてみました。つけるときにやっぱりあったかいし、今ちょっと手放せなくなっています(笑)。  帯も腰紐も少し下目に締めると腰痛にいいようです。着物は重ね着だからお腹まわりがしっかり暖かいのもグッド。  もし‥‥腰痛に悩んでいる方いらしたら、おためしあれ! (ババくさい話題で失礼しました(^^;))

苦しくない胸紐の結び方を考える☆の巻

星わにこ
2018/01/31 00:00
着物を着ていて、苦しいとき。私の場合は、みぞおちあたりに紐が当たってしめつけてしまっている時です。高い位置に紐を結ぶと、襟合わせが押さえられるのできれいに着付けやすいのですが、そうすると苦しくなってしまうことが多いものです。  着物を着ると苦しい、と感じることがあったら、紐の位置を見直してみるのはいかがでしょうか。紐で体を縛る回数は減れば減る程楽なわけで、中にはどんどん紐を抜いて行って、最後は腰紐1本で着るという方法もあるくらい。  ただ「そういう風に習ったから」「本に書いてあるから」紐や伊達締めを結んでいるのであれば、その位置が少し下がってみぞおちを押さえないようにしたらどうなのか、紐を省略したらどうなのか、試してみるのはいかがでしょうか。ほんの1センチ、2センチ紐を下げただけで体がぐんと楽になることもあります。  胸紐や伊達締めは、着るときの押さえと考えて、面でとめる。締め付けない。みぞおちにあたりそうだったら、位置を下げる。着ている間に上がって来てしまったら、指を差し入れて、ぐっとひくだけでもゆるんで楽になります。  紐をギュッとしっかり締めなくてはいけない部分は、腰紐1本だけ。ここは、おはしょりを作ってその重さを支えるので、ゆるいと着物がぐずぐずになってしまうため。ただ、締めるのも背中側でしっかりしめて、お腹側はキリキリには締め付けません。  他の紐はギュっと結ぶというより、太めの紐を丁寧にひらいてあてて、面で押さえるというイメージです。腰紐以外は結ばずにからげるだけにすることもあります。ただゆるいだけだと、してもしなくても同じになってしまいますから、適度な押さえになるように。このあたりは、感覚と慣れでしょうか。  もうひとつ、苦しくなる元凶が帯枕の紐。ガーゼで作った大きな結び目の玉がみぞおちにヒットするとこれほど苦しいことはありません。パンチでえぐられているようなものです。必ず左右どちらかに結び目をずらして、紐はなるべく帯の中に深くしまうようにしましょう。枕紐の素材を変えるのもおすすめです。  着付は、案外思い込みを捨てるとラクになること、変わることたくさんあります。たまには、YOUTUBEの動画をみたり、他の人の着付を研究してみると面白いです。胸紐ひとつにしても、モスリンの紐、木綿の紐、絹の紐、博多織の伊達締め、ゴム‥‥しないという選択肢だってあります。私も日々、ラクにキレイに着られる方法を研究中です。  ちょっとしたことですが、人それぞれ楽な方法が違うのです。自分にあっている方法、まだまだ他にあるかもしれませんよ。

妄想の限りなく降り積もる雪のドットコーデ☆の巻

星わにこ
2018/01/24 00:00
 寒さ本番! 東京は久々の雪景色。毎年大騒ぎしているような気もしますが、年に一度あるかないかの積雪では、心構えがちゃんとできないものですね。転んだりしないように用心したいものです。  かくいう私も着物で出かける仕事があり、この!大雪のときにこそ履きたい撥水モンペを仕事先に忘れて履いて出かけられないという失態。仕方ないのでレインコートと防寒コートの二枚重ねで出かけました。  だんだんと雪が降り積もっていく美しい日本庭園を窓から眺める一日は、仕事とはいえ心が潤いました。  雪かきや大変なことも多いですが、やはり雪が舞い、地面を白く覆い隠すと気持ちがフワリと上がるから不思議です。美しいものは、よきものかな。  今回はそんな雪をイメージしたドットコーデです。 http://bit.ly/2DzMWOp  ドット雨縞という名前の結城紬ですが雨から雪に変わって行く様子のようにも見えます。帯は白にドット。真っ白な空から降ってくる雪は、見上げるとグレーに見えますよね。帯揚も白にドット&ボーダー。帯締めも白に丸い石。半衿は白にラインストーンがキラキラしています。ワントーンだけど、可愛くてワクワクするようなコーデを目指してみました。  だんだんと雪が積もって、モノクロの世界に変わっていく。きれいでワクワク。家に御籠もりして、窓の外の雪見をしながら暖かい飲物を飲んでもいいし、しっかり着込んで外に出て雪だるまをつくるもよし!(雪かきをするのがベストですけども、これはなかなかウキウキしない(笑))  こんなことをいうと雪国のみなさまに怒られそうですが、たまの雪の日。あの雪の日は……なんて記憶にも残っていくものです。今年の東京の大雪、皆様はどんな思い出ができましたか?