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成人式に振袖を着なくても人生はこれからだ!の巻

星わにこ
2018/01/10 00:00
 本年、成人の日を迎えられた皆様、ご家族の皆様、おめでとうございます! 毎年思うのですが、無事に20歳まで成長し、成人を迎えるということの有難さは格別のものですね。  成人を迎えられた御本人はもちろんのこと、親や大切に見守って来た人にとって、子どもが成人を迎えるというのはひとつの大きな節目です。今年も成人式を迎えられるお嬢様の振袖の準備や撮影などのお手伝いをさせていただきましたが、第一礼装で成長を寿ぎたいという気持ち、そして装ったお嬢様の美しさ愛らしさに毎回毎回、めちゃめちゃ感動します。  「振袖を着る」ということがイコール成人の祝というわけではありませんが、その日の為に準備をしたり、親や祖父母、親戚などの着物を譲り受けたりと、それぞれにお祝いの気持ちがこもっていて、晴れの日に日本のプリンセスドレス=振袖を着る風習が受け継がれていってほしいなあと願います。  でも、実際のところ何も知らない状態でイチから振袖を成人式に着ようと思うと、結構なお金がかかってしまうのが現状のようです。レンタルで何十万とか、オプションや撮影などでびっくりのお値段も耳にします。振袖を買ったりレンタルしたりしたら卒業式袴やウエディングドレスまでタダ!?な~んてサービスもあったり。どこまで行くの!?なんて思って話を聞いていました。そうではない振袖も、いっぱいあるはずなのに‥‥。  今年の成人式はなんといっても、当日に営業停止をした振袖レンタル業者の話題でもちきりでしたね。金銭的なことももちろんですが、成人式の当日に「振袖がない」という事態に直面した当事者の皆さんのお気持ちを思うと胸がつぶれそうです。ありえないことですし、絶対に許せない出来事ですが、でも‥‥敢えて言いたいのですが、「成人式に振袖が着れなくても人生は終わらない!」ということです。もう取り返しがつかない、二度とそのときは戻ってこないけど、それでおしまいじゃないと。極論かもしれませんが、そのことで、必要以上に傷ついてほしくないと思います。  貴女が成人したその尊い事実はなにも損なわれないのですから。  振袖を着ること自体は、成人式以外でもできます。ちょっと別の話ですが、実際私は、30年程前の地方の「生活簡素化運動」というもので自治体が振袖での成人式出席を禁止したために、成人式に振袖は着ていません。でもそのあと、着たいときにきています。  成人式の振袖は、そのときしか、着られないものという意味では花嫁衣装みたいに特別なものかもしれません。でも花嫁衣装だって何度も着る人もいます。最近はお一人様ウエディングだってあります。記念の写真を後から撮るのもひとつですし、また別の機会に振袖を着てみるのもアリではないでしょうか。  お金や、大切な振袖、撮影した写真など取り戻さねばならないものはあり、これからそのために奔走しなくてはならない方もいると思いますが、どうか、必要以上に悲観的にならないで欲しいなと願います。  きもの業界でも被害者の会が立ち上がったり、代わりに出来る限りのサービスをしてくれるところもあります。一人で悩まないで、いろんなところと繋がって問題を解決していってくださることを願います。助けの手を求めたら、きっと役に立ちたい!と手を差し伸べてくれる人がいます!  神様は、乗り越えられない試練は与えないと、私もなにかにぶつかるたびに思います。時には「これしんどすぎないですか」と恨み言の一つも言いたくなるときもありますが、それでも命がある限り、どうでもこうでも生きていかねばならないと、思うようになりました。  私事ですが年末に人生の大半を共にした大切な人を亡くしました。生きてるうちが花なのよ。死んだらそれまでよと思い知りました。大変なこともあるけど、生きていればいいこといっぱいあるはず! そのいいことは、自分の受け取り方次第でいいことにも悪いことにもなる。  今回、この問題について「可哀想」「気の毒」という言葉をちょこちょこ目にするので、そんな風に事件に対してではなく、ご自分のことを思って欲しくないなと思います。私も人からみたら可哀想で気の毒だと思われる境遇かもしれません。でも、私は可哀想でも気の毒でも哀れな人間でもありません。誇りをもって生きています。人生に無駄な経験はない!‥‥はず、はず……(自分にも言い聞かせています/苦笑)。ちょっと的外れかもしれませんが、今回感じたことを書いてみました。  あとね、成人式にいかなかった人も、行けなかった人も同じだと思います。  成人したことには変わりはないんだから。  成人されたみなさま。これから名実ともに大人として羽ばたいて、たくましく、素敵な女性になってくださいね! 男性もね! 本当に、おめでとうございます。  そして機会があったら、ぜひまた着物にも袖を通してみてくださいね! 振袖もいいし、それ以外の着物もいいものですよ!