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帯締をベンジンで洗ってみた。の巻

星わにこ
2016/10/26 00:00
そろそろ袷だけで勝負できるかな、と、週末に箪笥の中身を入れ替えたわにこです。小物も、夏・単衣用を仕舞い、袷用を手に取りやすいところに入れ替えました。  ふと、帯締がくすんでいるような気がして、ベンジンクリーニングにチャレンジすることにしました。広口のガラスびんなどに帯締や帯揚を入れ、そこにひたるくらいベンジンを入れてシェイクする、というものです。  昔、母がシルクのスカーフやネクタイをシャカシャカしてた記憶があります。やり方は知っていたのですが、今回はじめてチャレンジしてみることに。  自宅にあったベンジンが、気がついたら揮発してしまっていた(ちゃんと中蓋がしまってなかったのね‥‥爆)ので薬局まで買いに行きました。染み抜き用のものは洗濯用洗剤コーナーの片隅に置かれていたりします。  ベンジンはいろんなメーカーから出ていて、エリモト、リグロインという名前で売られているものもあり、着物のお手入れ用にはそれらをおすすめされることが多いです。お値段も結構まちまちです。  ベンジンは揮発性が高く、引火もしますので換気のよいところで作業します。今回はシミ抜きや衿汚れ落とし等よりも量を使うので、ベランダでトライ!  まず帯締をビンに入れ、ドボドボッと帯締が浸るくらいにベンジンを入れます。そしてシャカシャカシャカ!としばらくシェイクして、取り出します。このとき、房の部分はギュっと絞ります。素手だとちょっと爪が白くなったので、絞るときには、炊事用の手袋などをするとよいと思います。  房を整えて陰干しすると、ベンジンが揮発して気持ちよい程早く乾きます。  ビフォーアフターは、というと、古いシミやヤケなどはおちないのですが、手あかが落ちてスッキリ、という感じです。ビフォーアフターを‥‥と思って写真に撮ったのですが、いまいち違いがわからない(爆)という程度です。帯締めの色などにもよると思いますが‥‥。  これではコラムにならないゾ? というわけで、帯締の半分だけベンジンに浸けて振って洗ってみることに。こうすれば比較しやすいはず!  そして‥‥‥2本やってみた結果‥‥‥。たしかに、言われてみれば、しない(上)より、シェイクしたほう(下)がキレイになってる‥‥気がする‥‥。が、いかがでしょうか?  生成りのほうは、結構スッキリしていますよね。濃紺のほうも、白ちゃけた、というか色あせたかんじがなくなって、ツヤが戻ったかんじがします。  わかりやすいように、画像を調整してみてこれくらいなので、肉眼でパっとみて劇的に「すげえええ!! キレイになったぁぁ!!」という程ではない‥‥かな?(歯切れが悪いよw) でも確かに、乾いたあとは少しツヤが戻ってこざっぱりします。  帯締は、もともとクリーニングやお手入れに出したりするものではありませんし、このお手入れは必須ではありませんが、油系の汚れをつけてしまったときなどは強い味方になってくれるはず(大体あとになってからしか気付かなかったりして手遅れな場合が多いんですが‥‥涙)。  リサイクルなどで手に入れた古いものも、一度シャカシャカしてから使えば、さっぱり気持ちよく使えますよね。希に色落ちしたりするものもありますので、まとめてやるより1本1本やったほうがよいと思います。また、ジップロック系の袋類にいれて揉むとよいという情報もありますが、ものによっては袋が溶けてしまう場合もありますので、ガラスびんをおすすめします。  帯揚も同様に、ビンに入れてシャカシャカすれば、さっぱりします。ただし、落ちるのはドライクリーニングと同様、油系の汚れのみ。水溶性、汗などの汚れは落ちませんのでご注意ください。また、金糸・銀糸の使ってあるものも変色の原因となりますのでこの方法は使えません。大切なものは専門家にご相談くださいね。  洗った後、ビンに残ったベンジンには汚れが溶け出していますので、もったいないからと元の容器に戻したりはしないでくださいね。とっておく場合は、しっかり蓋をしてビンごとジップロックに2重に入れるなどしておいてください。ビンのまま置いておくと、専用容器ではないので揮発してしまいます。いずれにしても火気厳禁ですので、取扱いには注意してください。  こういうお手入れは自己責任ですが、知っておいてソンはないはず。小物も時々は、手入れすると気持ちもスッキリしますよ(^^)。"