長襦袢の身幅が足りない時の超☆裏技!の巻
星わにこ
2019/10/30 00:00
着物のトップシーズンがやってまいりましたね。今月の頭は暑くて袷なんて‥‥と思っていましたが、すっかり肌寒くなって、着物を快適に着られる気温になりました。紅葉狩りなどなど着物でおでかけしたくなりますね。
さて、もっぱら嘘つき衿で簡単に着物を着てしまっている私ですが、やはりちょっと気合いを入れてお洒落するぞ! な~んて、訪問着などをひっぱりだしてくると、それにあわせて作った長襦袢を着たくなります。
そんなとき。あれっ。長襦袢の衿がしっかり被らない。衣紋が抜きづらい。前のあわせがなんだか浅い‥‥もしかして、縮んだ!?
そうそう。着物とか長襦袢って、あまり着ないでしまっておくと、縮んじゃうんですよね~な~んて理由はなく、はい‥‥わたしが育ちました。というわけで、若い頃の着物や長襦袢の身幅がビミョウに(いえかなり)キビシイ。
痩せるしかないよね、とあきらめていたのですが、先日着付師さんに、そんな長襦袢の胸元をしっかりあわせる裏技を教えてもらいました!
それは、なんと、長襦袢の「脇をほどいて開く」という荒技!! 着付師さんも、どうしてもだめなとき、急を要する時、ご自分のものでほどいてもOKというときのみだけど、とはおっしゃっていましたが、なるほど、そうすれば衿をしっかり胸にかけられるので、衣紋もきっちり抜けますよね。
ただ、裾周りのあわせは深くならないのでそこは諦めですが、見えない部分なので不問で。袖の付け根から、腰の部分くらいまでの間の脇縫いをほどくのですが、それでも足りないときは、裾までほどいたこともあるそう。
あくまでも、どうしようもないときの応急処置、とおっしゃってましたが、もうちょっと衿があわせられたらいいのに‥‥と思うような、古い長襦袢でやってみるのはアリだと思います。よい子は真似しちゃいけません、な秘技とも言えるかも(笑)
肌襦袢の衣紋が抜けなくて、首元から見えてしまうような時に脇縫いをほどいてしっかり衣紋を抜き、胸の合わせを深くする裏技と同じ原理ですね。長襦袢を解く、という発想がなかったので目からウロコでした!
あまりないかもしれませんが、袷になっている長襦袢とかだとほどくのがちょっと難しいかもしれません。
もし、着用予定が差し迫っていてどうしても縮んだ(違)長襦袢を着なくてはいけないとき、背に腹は替えられない時、心の片隅に覚えておくとよい裏技かと思います。
どうも着づらいな~とか、うまく衣紋が抜けないな~と思っている長襦袢があったらそれはもしかしたら身幅が足りてないのかも!? あまり丈しか気にしない長襦袢ですが、そんなときは自分に身幅があっているかどうかも、ちょっと着目してみてはいかがでしょうか?
即位礼正殿の儀。装束の色で身分と年齢がわかる?の巻
星わにこ
2019/10/23 00:00
令和元年10月22日祝日、即位礼正殿の儀がとりおこなわれました。台風19号の被害があり、いろいろと落ち着かない中、奥ゆかしく儀式が行われるのをテレビでみておりました。お祝いの気持ちと共に、装束スキーとしても、色や文様、着付などなど食い入るように見て家族にやや引かれていたりもしましたが(^^;)
装束は、皇室の儀式や神事にときに着用されるものであり、平安時代の形を今に伝えています。美しい形、色、正絹の輝き、どれをとってもひたすらに素晴らしい、世界に誇れる日本の伝統ですね。
男性は「袍(ほう)」女性は「十二単(じゅうにひとえ)」を着用します。この装束の色や文様には意味があり、立場や年齢によって変わります。奈良時代に制定された律令制では身分によって、着られる色が定められており、それが「禁色(きんじき)」です。
中でも、一人しか着ることがゆるされないのが絶対禁色。それが、太陽が最も輝く時の色を現したとされる「黄櫨染(こうろぜん)」と朝日が昇る色を現したとされる「黄丹(おうに)」です。黄褐色のような黄櫨染は、ハゼ・スオウで、濃い橙色のような黄丹はクチナシと紅花でそれぞれ染められています。黄櫨染は天皇陛下が、黄丹は皇太子がお召しになる色。令和の式典では、黄丹は皇嗣(皇位継承順位第1位の皇族)である秋篠宮殿下がお召しになりました。
テレビで30余年ぶりに見る平安絵巻のような装束での儀式を食い入るように(主にパーフェクトな袍や十二単の着付けを)拝見しておりました。今回は、外の廊下をお通りになる姿は見られず、高御座(たかみくら)の帳から天皇陛下がお姿を現される様子が、本当に荘厳で感動的でした。
女性皇族のお召しになっている五衣唐衣裳(十二単)にも色の違いがあり、皇后陛下しか着ることをゆるされないのが純白の唐衣(一番上の上着)。他の女性皇族の皆様は紫の唐衣をお召しになっていました。
その下の表着(うわぎ)は、年齢によって色が違います。高齢者(概ね40歳以上:え~~!)が二藍(紺)、それ未満が赤をお召しになります。
その下には打衣(うちぎぬ)を羽織り、その下に五衣(いつつごろも)といって、5枚の内着を着ています。この内着の色の重なりが、いわゆる十二単の重ねの色目であり、美しいグラデーションとなっています。等間隔で並び、胸元だけでなく、膝のあたりの衿下、そして裾にかけて引かれる重なりとこれぞ十二単のクライマックスやあ~!と言いたくなるような美しさ、たまりません!
あとは、長袴のお色も違っていたのに気付かれましたでしょうか? 雅子皇后陛下や秋篠宮妃紀子様は赤い緋袴(ひのはかま)、眞子様や佳子様は紫のような濃色(こきいろ)の袴でした。緋色は既婚者、濃色は未婚者(既婚でも第一子出産まではOKという説も)の色目とされています。
実は打衣や、単(五衣の下、肌着の上に着る)も同様のルールがあります。こうした色目でも立場や年齢を知ることができるのですね。そんなところにも注目して見ていただくのも、面白いのではないでしょうか。
装束が、その形だけでなく、決まりや着付け方とともに、1000年以上受け継がれていることはすごいことだなと思います。実際に儀式などで陽の目を見るのは、稀なこと。しかし、重要なこと。その日のために、守り、伝えている方々の努力に頭が下がります。着物も、そういうエッセンスを十分に受け継いだ、民族衣裳なのだなとしみじみ。
こういうことこそが「文化」なのだなと思います。
儀式が始まると、降りしきっていた雨が止み、虹がかかるというミラクル。そして富士山の初冠雪が雲間から姿を現すという、まるで神話のワンシーンのような出来事がおこったのにも胸が熱くなりました。
即位を宣言されるお言葉の中で、平和と福祉という言葉が、特に心に残りました。今回の台風の被害のように、辛いことや大変なこと、いつの世もたくさんの試練はあります。でもその中でも、みんなが自分が守りたいもの、大切にしたいものを見極め、人間らしく生きていける時代になってほしいと、こころより願う大切な1日になりました。弥栄。
楽しみ方も4通り。リバーシブル3部式作り帯の作り方の巻
星わにこ
2019/10/16 00:00
台風19号で被害にあわれた皆様に心よりお見舞い申し上げます。東京住まいの私も気が気ではない時間を過ごし、日常生活が送れる有難さを噛み締めました。一日も早い復旧を祈っております。
先週のコラムで紹介した羽織のお袖サコッシュですが、気にって持ち歩いています。絞りのふわふわの触感が、すごく癒されて、お気に入りの布を身につける喜びってすごいなと実感中。正絹のパワーも感じます。
乳のアクセントには、鍵をカニカンで引っ掛けて使っています。これがカバンの中での行方不明を防いでくれて結構便利。可愛いからとつけた乳ですが、役にたってます!
どちらかというとできたら着物はそのままで着たい、とリメイクには積極的ではなかったのですが、気軽に身に着けられるものにして楽しめるのもいいなあと思っております。
さて、またまたソーイングネタなのですが。オリジナルプリントの布で帯を作ろう!という無謀なチャレンジをしました。
友人達と「フォントかるた」というかるたを作って販売しているのですが、そのフォントかるた模様の布を作ったら面白くない?という話で、とうとうオリジナルプリントで一反(50メートル(爆))の布を作ってしまった私達。それぞれ、バッグがほしいとかエプロンがほしいとか、好きなものを作ろうということになったのですが、私はもちろん、帯が欲しい(笑)。
もう一人のキモトモと共に、作り帯を作ろう!という話になりました。本格的な作りでは無理なので、ミシン縫いで、三部式にすることに。
三部式のいいところは、平らな状態のパーツを組み合わせればいいこと。なので、どうせなら裏表のリバーシブルで使えるようにと考えてみました。
キモトモが急ぎ着用したいパーティがある!とのことで、頑張って縫い縫い。
プリント布が結構ぎっしり模様なので(笑)、裏面とたれは無地にして、無地ではちょっと淋しいので、布描きペンで字を書いてみました。フォントは游明朝(笑)。好きな布が使えるのが手作りのいいところ。
これを胴部分(幅17センチ×長さ160センチ)とお太鼓部分(幅31センチ×長さ100センチ)、手部分(幅17センチ×50センチ程度)にわけて縫っていきます。
布はオックスなのですが、そのままではペラペラすぎるので、中に接着芯を貼りました。ただ、まだ暑い時期に作ったのでちょっとでも涼しいほうがいいという気持ちが働き、薄手の芯にしてしまったのですが、考えてみれば真夏には使わないだろうなので、もっとしっかりした厚い芯にすればよかったなと反省。厚手のほうがきれいに形が作れますし、やっぱりちょっとフニャフニャしちゃったそうです(キモトモ談)。
胴部分には、紐をつけます(腰紐を半分に切ってつけると縫わなくていいのでラクです)。今回、模様部分の余りのインパクト(笑)にお太鼓のタレの部分は無地にしたくて、途中継いで作りました。
あとはこれを装着するだけ。この三部式作り帯の弱点は、お太鼓の山が落ちやすいことなので、胴を巻いたら枕をのせるあたりにハンドタオルなどで「受け」をつくってあげるといいです。「トンボ」などを使ってもいいと思います。
この部分に、胴にひっかけるフックなどを縫い付ける方法もあるのですが、そうすると全部平らにたたんでしまえる三部式作り帯の良さが減るような気がするので、そのままがオススメです。
今回リバーシブルで作ったので、裏と表と組み合わせて4種類(手のむきを含めるともっと)の帯が楽しめます(イラスト参照)。
また、どうにも結びにくい短い帯とか、模様がうまくでないもの、シミがあってお太鼓だけ裏を使いたいものなども、思い切ってカットしてこの三部式にしてしまったものもあります。ただ、切ってしまうと元には戻りませんから、切ってもいいなと思うものに限るということで。
とにかくまっすぐ縫うだけなので、縫い物といったら、子どもの入学セットをなんとか作れた!程度のわたしでもオッケー! 自分の好きな布で作れると思うとワクワクしますよね。
ちなみに、キモトモの為に頑張る!とこのときはがんばって縫ったわたしですが、自分の分については未だ「ずく」がでなくてやってません(ええ~)。そこが最大の問題かもしれません。ヤル気の神様、降りて来て~(笑)。
組み合わせをアレコレ考える時間も楽しいもの。時にはこんな手作りも、自分が楽しい&タイヘンなので職人さんの有り難みがわかるという有意義な(?)経験になりました。秋の夜長のソーイング話でした。
羽織のお袖でサコッシュと籠バックの内袋を作ってみた。の巻
星わにこ
2019/10/09 00:00
可愛くて古着屋さんでゲットした絞りの羽織‥‥でも、裄も丈もつんつるてんで着られないし、ず~っと箪笥の肥やしにしてました。取り出しては眺め、うーんうーんと唸ってまた仕舞い‥‥。
リメイク細工物ができればいいんですけど、そこまでの気力や根気もなく、(岐阜では『ずくがない』といいます)うだうだと、ずっと放置していました。
が、先日、一張羅の山葡萄の籠バッグの内袋を汚してしまい、これはもう洗うしかないと取り外したところ、案外簡単な作りだったので、自分で気に入った布にしたらいいんじゃない?と思い立ち、羽織の袖がもしかしてピッタリサイズかも?と測ってみたらこれがビンゴ!
そもそも袋のような形になっているのでほとんど縫わなくていいし、裏地もついてる!!素晴らしさ。
幅を調整してマチを作って、ついでなのでポケットもつけて、それを籠バッグにぬいつけて完了。1時間もかからないで、めっちゃかわいい内袋になりました。
こうなるともう片方の袖もなんとかできないものかと眺めていて‥‥お袖は、肩から外すとほとんど袋物の形にすでになっているのですよね。このままバッグにしたらいいんじゃない? と、サコッシュにしてみました。
袖を外して、振りのほうをバッグの上にします。下の袖口を縫って止めればもうバッグの形に。裏地もついているし、なんと手間のかからないことか!
ただこのままだとちょっと幅が広いので、内側に折り込んで縫い止めて、ポケットのように使うことに。
肩掛けの紐部分は、羽織の衿の部分をそのまま使いました。
乳の輪っかも可愛いので、アクセントでつけてみました。
どうでしょう! なかなか可愛くないですか☆
切ったりする手間もないし、ちくちく手縫いでOK。縫うところも少ないです(肩掛けの紐部分が長い‥‥くらいかな(笑)まーっすぐ縫うだけなのでドラマを見ながら手仕事で)
結構いっぱい入りますし、肩掛けも幅があって生地もたっぷりあってなにしろ正絹。しかも総絞り。めっちゃ肌触りもよくて、気持ちいい!
汚れ防止のためにも、シルク用の防水スプレーをかけました。
えーこんなカンタンにできるならもっと作っちゃう? いらないお袖はないかー(間違) 残りの胴部分もなにかカンタンにできないかといろいろ模索中。素敵アイデアがあったら教えて下さいませ!
シミがあって着られないとか、リメイク用にと思ってそのまま死蔵している羽織や着物があったら、捨てる前にこの簡単お袖サコッシュ作ってみてはいかがでしょうか。羽織のほうが、肩ひもを作る手間がないのでおすすめです。秋の夜長に、ちょっとちくちく、いかがでしょうか。
ガチで妄想!?今冬欲しい袷シーズンコーデをゲットしよう!の巻
星わにこ
2019/09/25 00:00
どうも、妄想コーデ大好きなわにこです。あれとーあれをーあわせたらーいいなーふふふー(持ってないのに)という時間の楽しいこと。妄想タイムのお伴はもっぱらいち利モールの試着室システムなわけですが、今月は「コーディネート大会」が開かれています。
もう第八回目ということなんですが、なんと今回ですね、みんなが選んだNo.1賞に選ばれるとですね、そのコーディネート一式もらえちゃうっていう太っ腹企画なんですよ! となるとね、ガチで妄想スイッチが入っちゃいますよね(笑)。
というわけで、早速本気で欲しいもの探し。今は、増税前の大セールも行われているので、マジで目移りしちゃって目がギラギラに。
私が妄想コーデをするときは、大体欲しい着物を選んでそれにあわせて帯、小物と選んで行くのですが、今回、「流水に星」という染め九寸名古屋帯にヒトメボレ。そこから似合う着物というルートを辿りました。
自分の持っていないもの(産地ものの紬とか)、欲しい色や柄などで選ぶこともありますが、名前に心が掴まれることもあります。今回はそのパターンで好みの柄に加えて名前に「星」が入っているので、これは運命だわ!という思い込み発動。コーディネート次第で、クリスマスシーズンにも活躍しそうです。
大体着物や帯は、大量生産ではありませんから、見つけたときにゲットしないとなかなか同じものは手に入りません。とういう言い訳の元に、何度清水の舞台(自分的に)を飛び降りたことでしょう……。だんだん高さがあがっていくのでは?と感じるのも、恐ろしいところです。
着物は、これからの季節シャキっと着やすいお召しを選びました。黒にドットが飛んでいる模様は、帯次第の見立てでいろいろ遊べるはず。胴抜きで仕立てて、長い時期着られるようにしたいな~(妄想)。帯と着物別々でも、いろいろ楽しめるように、そこまで考えての本気セレクトです!(笑)
帯揚は流水をイメージした濃い水色に黒のドット、紺のフラワーレースの半衿、加藤萬さんの撚り房、濃紫の帯締めと、自分が着るのを前提のぎりぎりかっこいい系を目指しました。トータル金額219,564円のところ、101,520円のコーディネートです。えっ半額~~(ぐらぐら)。えーとそれにお仕立て代を入れると‥‥と真剣に計算機を持ち出したりして(笑)か、買えないですけど。
今回はセール中ということもあって、「おっ!これいいな!」と思ったものがかなりの確率でSOLD OUTしていて、紫紺染めの置賜紬とか、買えもしないのに、あー売れてしまったー!!なんて本気で残念がったりするのも、妄想の醍醐味。売れちゃってると、却って諦めがついて清々しいものです(そもそも、買えないのに、でもですw)。
妄想コーデ‥‥じゃなくて、試着室コーディネート広場の投稿は9月26日(木)が締切です。まだ間に合いますよー!! 今シーズンマジで着たいコーディネートをぜひ投稿してみてください。まるっとゲットできるかも!? 投票した人にもプレゼントがあるようなので、投票もぜひ。他の人のコーディネートを見るのも「えっ!これアリ?」とか新しい発見もあって、また楽しいですよー。
レッツ妄想!です(妄想って言うな)。
お太鼓がポワンとなったら、補整も見直しての巻
星わにこ
2019/09/18 00:00
どう~もお太鼓の形が丸く浮いてしまって決まらない。そんな時はありませんか。丸く膨らんでる方が可愛くて好みの方もいらっしゃると思いますが、私は背中にすっと沿う形のほうが好きです。なぜなら、ちょっとでも痩せて見える気がするから(^^;)
背中にピタっと沿わせたいとき、お太鼓の形がどうも決まらない時‥‥。「て」をお太鼓の下線に沿わせろとよく言われますが、それだけではどうも解決しないことが続き。うーん、と悩んでいたところ、腰の補整不足じゃないかと言われまして。
腰の補整は、以前は「1ミリでも細く見えたい(切実)」という気持ちから、薄いタオル2枚程度で入れていましたが、ちゃんと補整を入れてスッキリしたIラインを作った方が全体的に痩せて見えて、かつ、着崩れしないと知ってから、しっかりと入れるようになりました。
さらにピタっと下腹を引き締めて、自分のお肉(涙)を持ち上げてウエスト補整をする方法で、ウエストの補整はかなりいいかんじに。
引き締めつつ持ち上げ補整をするというのは、裾よけの巻き方でもかなり変わりますし、私はカンタンにできてかつ汗止め効果もあるたかはしきもの工房の腰すっきりパッドスキニーを使っています。これだと、好きなところに好きなだけ補整が入れられて便利。
タオルを胴に巻いて紐で止めている方は、ガーゼなどでタオルをはさんで胴に巻くようにするだけでもずれにくく、安定しますよ。
さて私はというと、ウエストとヒップの部分(タレの部分)には補整を入れていたのですが、お太鼓ポワンの原因となる、ヒップの上のくぼみの補整が足りてなかったようです。
このちょうど帯締めが当たるラインに補整が足りてないと、「て」の抑えが線でしかできず不十分になり、お太鼓がポワンと膨らんでしまうというわけです。
ここに、胴回りが太くなるのを恐れずに思い切ってガツッとタオルなどで補整を入れると、あらこれ「て」が面で帯の折り返し部分を抑えてくれるので、背中にピタっと沿ったお太鼓が出来上がります♪ も、もっと早く知りたかった。
もちろん、他にも結び方とか、帯枕の形とか、いろいろ要因はあるとは思うのですが、私の場合は「補整」だったということでした。
人によって、体の凹凸は様々。必要なところに最小限、でもしっかり入れるのが大事なんだなと、痛感。いろんな方に補整のおすすめをしていますが、背中は自分では見えないところなので、そこに足りてないというのがずっとわからなかったんですよね。
帯が決まらないな~なんて、同じお悩みの方がいらしたら、試してみて下さい(^^)
楽に着たいときは伊達締めを抜くなど。の巻
星わにこ
2019/09/13 00:00
皆様、着物を着る時、紐は何本使っていますか? 礼装などを着るときは襦袢で胸紐、伊達締め、長着で腰紐、胸紐、伊達締め‥‥コーリンベルトなどを使う場合もあるでしょう。おはしょりを整えるためや、補整でタオルを抑えるために、さらに紐を使っている場合もあるかもしれません。
紐が多ければ多いほど、まあ、着崩れはしにくくなりますよね。でも、しんどいです。
普段着ではもっと少なく、胸紐を省略したりコーリンベルトを使って伊達締めを省略したり、と工夫されている方も多いと思います。
紐は1本でも少ない方が、楽ですもんね。
でもやはり、胸元をきちっとするには、伊達締めがあったほうがキレイに着られます。大きい面積をしっかり抑えることができるからです。逆に言うと、それだけの面積を押さえつけているわけですから、これがなければかなりラク。
以前、腰紐1本で着る着付を教えていただいたのですが、やはり胸元が崩れるような気がして、伊達締めだけはしていました。でも、今年「夏はやっぱり暑いなあ」と思っていて、伊達締めを省略してみようと思い立ち、着付の段階でやめてみたところやはりぐずぐずに。
そこで以前習ったように、伊達締めをして胸元を整えて、帯を結んでから伊達締めを抜く、という手順にしたところ、ほぼほぼ崩れなく着られることが判明。自分が以前と違うところは、補整をしっかりするようになったこと、着物を着るのに慣れてきていること、着物を着るときの所作が少し身に付いて来たこと、でしょうか。
どんなにきっちり着付けても、補整がないと崩れやすいし、姿勢や所作が悪ければどんどん崩れてきます。
普段着なら崩れてもいいっちゃいいですが、どうせ着物を着るならちょっとでもスッキリ見えたいなと思うので、ちょっと頑張るワタシです。でも、楽がいい。というワガママのせめぎ合い(笑)で落としどころを日々探しています。
伊達締めを抜くコツは、結び目を下にして、あとで抜きやすい位置にしておくこと。抜くときは、結び目を解いて下に引き出し、一気に引き抜こうとせずに、下に下げてぐるりと抜いていくこと。
このときの「ふわあああああああ」と声が出るような、みぞおちの開放感をぜひぜひ味わってほしいです。
このワザは、ある程度着付に慣れてからのほうが、効果が高いような気がします。やってみたことがない方がいらしたら、ぜひ一度トライしてみてください。紬や木綿など、形が決まりやすい着物は抜いてもほぼ問題ない気がします。
コーリンベルトを使っている人は、伊達締めを最初からしなくてもコーリンベルトで胸元、背中を整えてから帯をするので問題ないはずです。(私はコーリンベルトも省略したいので、伊達締めをしてから抜く方式に)
腰紐は省略するわけにはいきませんが(笑)もし、沢山の紐や伊達締めを使って「着物は苦しいなあ」と思っている方がいたら、「これ、いらんのとちゃう?」と思う紐を省略してみてもいいと思います。1本減るだけで随分違いますよ!!
一方、これがあったほうが自分にはいいと思えば、使えばよいと思います。
伊達締めを省略することにも、そんなの当然じゃん!?という方もいれば、そんなことを思いつきもしなかった、という方もいると思います。
着付には、いろんなやり方があります。習った通りにやらなくても、大丈夫。自分の着やすい着方、めざす着姿で、折り合いをつけつつ探っていくのも楽しいものです。どんな方法にも、いいところ、悪いところがあります。自分に、あう、あわないもある。着付に絶対、はないなと思う今日このごろ。ひとりひとり体型も違うし、着心地に関しては本当に個人差が大きく、探れば探る程、面白く、深い。
外からは見えないからこそ、着物の内側って、ワンダーランド(笑)。
友達と情報交換したり、ネットで動画を見て「えっこんなやり方あるんだ」とか、いろんな方法にトライするのもおすすめでーす! 秋からの着物シーズンにむけて、着付の見直ししてみませんか?
織兵児帯を角出し風に結んでみた。の巻
星わにこ
2019/09/04 00:00
みなさま、織兵児帯ってお使いになったことありますか? 私は去年の夏ぐらいから時々使っているのですが、浴衣のときに結ぶ兵児帯がちょっとしっかりしていて、シワシワにならないけどとっても軽い帯なんです。
今年は夏にこの織兵児帯をしてみたら、半幅よりもめっちゃ軽くて、その分ちょっと涼しいような気がしたので、ついつい手が伸びるようになりました。
普通にふわふわっとリボンで結んでも可愛いし、短冊結びのようにしてもボリュームが出るし、結び目が重くないのであまり下がって来ないのです。私は、ちょっと後ろのポイントの高さを出したいのと、帯揚・帯締めをして名古屋帯風にしたいので小さな帯枕を入れたりします。
>織兵児帯で大人の浴衣☆の巻
今年気に入ってしていたのは、角出し風。夏着物に合わせても、こどもっぽくならずに、ちょっと大人な感じで気に入っています。織兵児帯は達人もいっぱいいらっしゃるので今更かもしれませんが、お会いした方にも「あら、いいわね!」と言っていただいたりしたので、調子にのって(?)ご紹介します。
結び方を説明しますね! 半幅帯のように前で結ぶやり方です。(イラストを参照してください)
・手先を70センチほどとり、手2周、体に巻く。
・帯の上辺で結ぶ(リボン結びでも、片蝶結びでもOK)
・たれ先を開いて、2重になるように折り上げる。
・結び目の根本のところでまとめて、銀座結び用の帯枕をあて、そのままでは幅がひろいのでタックをとって体の幅に合わせる。
・リボン結びの上に帯枕をのせ、まくら紐を後ろで仮結びする。帯揚をかけるときはここでかけてこれも後ろで仮結びをしておく。
・帯締めを使って、たれ先を決める。
・リボン結びを倒してお太鼓の中で形をととのえ、角出し風の形にする
・崩れないように後ろに回し、下膨れになるように形を整えて出来上がり。
織兵児帯は、やわらかいものから適度な張りがあるものまで様々。でも、とにかく軽くて結びやすい。その兵児帯によって、形も変わりますが、名古屋帯での角出しと違って、自然な丸みや柔らかさが持ち味になります。帯の長さによっても形が変わりますし、多少形が崩れてもご愛嬌。らくちんで、ちょっと大人っぽい帯結びです。
帯の高さも高めにしたり低めにしたりで印象も変わりますので、お好みで。椅子にもたれて形が崩れても、お太鼓の中に手を入れて、形を整えればOK。ボリュームが欲しかったら、手拭などを入れておいてもいいですよ。私は時々、スマホとかを入れています(え~)。
二つ折りにしても、少し前幅が広すぎることとかもありますし、帯の端がヘロヘロしていることもあります。そういうときには帯の上端を中に折り込んだり、くしゃくしゃ感を活かしたり、臨機応変に。
もしまだ織兵児帯はしたことがないわ、という方がいらしたら、トライしてみてほしいです。軽いと、体が楽だということがよくわかりました! えっ!もしかしてこれって、年をとったせい?
夏から秋への半衿、帯揚は? 組み合わせおさらいの巻
星わにこ
2019/08/28 00:00
くしゅん! というブタ草アレルギーのくしゃみと鼻水で秋の訪れを感じるわにこです。あんなに暑い暑いと言っていたのに、夏が去ろうとすると淋しいのはなぜでしょう。
さて、夏の終わりといえば、半衿の付け替えの時期も近いということです。ズボラなわたしは、うそつき衿ばっかりで着物を着ているので、ふだんは、うそつき衿ごとポイっと洗濯機なんですが、流石に衣替えの季節は半衿も替えます。季節のないレース半衿はそのままでもOKですが、レース半衿だって涼しげなのと暖かみのあるボリューミーなのと、やっぱり使い分けたいな~とか、いろいろあるじゃないですか。
着物や帯は、気温次第でフレキシブルにしないとしんどいのであまり気にせず心地好いものを選んでいますが、半衿や帯揚など、あまり体感温度にシビアじゃない部分では、日本人が大切にしてきた季節感をちょっと守ってもいいかな、と思っています。
そして毎年、えーと、絽の半衿はいつごろまでだっけ、とメモをひっぱり出す私のために(おまえのためかよ)、おさらい表を作ってみました。着物と帯、襦袢については以前書いたのですが、小物類もつけ加えて今回が完全版です。
実は前回の季節表を描いたのがなんと5年前。そのころよりも確実に、地球温暖化が進んで汗ばむ季節が長くなっている気がします。こういう決まり事、と思っていることも、そろそろ書き換えの時期が近づいているのかもしれません。が。昭和生まれとしては、暦を守るとほっとするような部分もあり。
知らないでなんでもいいや!と思っているのと、知って敢えてのルール外しは同じようでいて、ちょっと違う。地域によっても慣習や気温も違いますから、参考までにということにはなりますが、せっかく着物を着るならば、頭の片隅に置いておいて損はない。着物の衣替えについてでした。
夏着物最終章。秋の気配は小物のカラーコーデで。の巻
星わにこ
2019/08/21 00:00
暦の上では秋ですが、はい。暑いです。夏の着物って、何が一番快感かというと、脱ぎ捨てるその瞬間ですよね(笑)。だったらなんで着るのかというと、着たいからということに他なりませんが‥‥。そこ含めて夏着物の醍醐味かと思うわにこです。
夏、夏、暑さ対策と言っていても、やはり秋に向かっていく気配はあり。気がつくと夏着物最終章。とはいえ、9月になったらすぐ単衣を着るとか、この亜熱帯と化した東京では考えられない気候です。来年オリンピックとか本当にやるの?と考えただけでくらくらします。
が。街のウインドウだってファッション誌だって秋冬になって行く中、暑いからといって真夏コーディネートではちょっとオシャレ感がないと思うのは私だけでしょうか。
モチーフやコーディネートで季節を表現しやすく、季節先取りがお洒落と言われているのが着物。確かに、洋服で金魚柄とかちょっと大丈夫?と思われそうですが、そんな大胆柄もOKな世界です。
だから、秋の気配を感じたら、私は小物の色遣いを変えることにしています。着物と帯は真夏と同じでも、帯揚や帯締め、帯留などの色やモチーフにちょっと落ち着いた秋色を差し込んで行くことで同じコーディネートでも随分変わってきます。
上級テクニックとして、襦袢の色を落ち着かせることで同じ夏着物でも透け感をなくして秋っぽく、なんてことも。
>濃い色の襦袢で夏の着物を秋の風情に☆の巻
肌着はじめ身につける装備自体は夏でも、色が落ち着くだけでずいぶん見た目が変わるもの。着ている本人も、見ている人も「ああ秋だなあ」なんて思うから人間て面白いですよね。例え、モワモワの熱気と湿気の中でもですね。
じゃあ秋色ってなによ、という話ですが、秋を連想させる色は暖色&落ち着いた濃いめの色になってきます。例えば、紅葉、サツマイモ、栗、かぼちゃ、柿‥‥(食べ物ばっかりかい)。オレンジ、茶色、ベージュ、紫、カーキ、赤などなど落ち着いた、大地を感じさせる色が多め。
夏の終わりから、少しずつ色だけでも落ち着いたものにシフトさせていくと、おしゃれ感アップ間違いなし。自分もウキウキしますよ。
取り入れるコツとしては、いきなりこっくりの秋色よりも、少しずつ薄めの秋色から濃度を高めていくこと、部分使いの挿し色からはじめることでしょうか。
着物はどんなにカジュアルでも、着ているだけで注目されるもの。どうせだったら涼しい顔で、見ている人にも涼感と季節感をお届けできるくらいになりたいものです。私もまだまだ修行が足りませんが‥‥。
夏着物最終章。小物のカラーコーディネートで、ちょっと差をつけて。今年着てないあの夏着物、この夏着物。気がつくと何年も袖を通してないものだって‥‥。いつ着るの?(略)というわけで、まだまだ間に合います。シーズンが終わる前におでかけ計画をたててみませんか?