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50年前の「さくら人形」を作ってみる。「おとずれ」の巻

星わにこ
2021/04/28 00:00
三度目の緊急事態宣言まっただなかの東京。もはや緊急慣れしてしまっているのか、人の動きは変わらないような気もしないでもない中。大腸ポリープの内視鏡手術をうけたのもあり、しっかりステイホーム予定のわにこです。 ゆっくり家にいる時間があるときにしか出来ないこと‥‥と以前、キモトモからご実家から出て来たという日本人形の制作キットを託されていたものを出してきました。「さくら人形」というものだそうです。 ご両親が新婚時代、見知らぬ土地に転勤となり、お母様がなにかやってみようと思って揃えられたのではないかと言っていましたが、東京高等人形学院というところの通信教育で人形を制作することで、資格も得られて人形作家になれるというもの。初心者の「若衆」コースは3体セットで、それが完成すると高等科・師範科へとすすむことができ、やがて雅号をもらって人形作家として活躍できる!!と書いてありました。 昭和41年当時、1体約2,000円と当時男子の初任給が17,550円(昭和国政総覧 下)とのことですから、結構よいお値段。でも結局すぐに子どもを授かりそれどころではなくなってしまったのでしょう。以来50年以上そのままになっていたというわけです。 「さくら人形」とは日本古来の人形技法にフランス人形の技法を取り入れたものだそう。顔はジョーゼットを貼った上に描かれていて、うちの実家にもあった、こういうの。きっと昭和な時代を知っている方は「どこかでみたことあるー」となる和服のポーズ人形です。よくガラスケースとかに入れられてました。うちにあったのは芸者さんのお人形でした。そして結構大きい。 まずは入門編「おとずれ」という名の人形からトライすることに。このお人形は江戸時代の武家娘であり、高島田を結ってひそかに待ち続けた恋しい人からの文にふと物思いにふける乙女心を、あなたのフレッシュなセンスやアイディアを活かしてじゅうぶんに表現して、と書いてあります。お、おう。 もう頭や体(木屑をつめてあって針金でポーズがつけられる)は出来上がったものがあり、それを組み合わせて着物をきせるというものです。文箱やかんざしなども入っていて、人形者属性がある私としてはかなりかなりかなり盛り上がります! さてここで問題が。なにしろ古いものなので、お人形と足袋と白いジョーゼットに茶色い置き染みが。はい、怖くありません。ジェニーやバービー人形のカスタマイズは顔のペイントはもとよりパーマどころか植毛までしていたことのある私です。躊躇なく漂白です! 薄めた台所用の漂白剤で、キレイになりました!(水洗いは十分に行います。個人責任でw) 最初のこのキットでは縫って作るものは帯締めだけ(帯止め、と書いてありました)。布に脱脂綿をくるんでくけて作ります。久々にくけ台を取り出しました。帯は作り帯形式でパーツにわかれているので、形を作って糸で止めます。 ここで漂白した足袋や顔が乾いたのでボディにとりかかりました。ボディに足袋をはかせて綿を入れて足を作り、腕や顔を取り付けます。頭をとりつける穴ははさみであけろと書いてあり、かなり迫力のある絵柄でした。 台にとりつけてポーズをつけて、着物を着せる前に綿で補整をしていきます。これはもう、補整や着付の知識がなくてはちょっと難しいのでは?という内容。でも、髪型や衣装などについても勉強になり、とても楽しい作業でした。 着物は、上下にわかれていて、それを虫ピンでボディに止め付けて行くスタイル。けだし(裾除け)も本当に見える部分の布しかなく、上手くできてます。裾引きは、ちょっとコツがわからないと図だけでは難しいかも。 補整も着付も、もはや人形作りというよりは花嫁着付を思い出して没頭してしまいました。お人形作りを通じて、和裁や着物への知識も深まりそうです。 そして、で、できた~~~!! 武家のお嬢様人形「おとづれ」(通称おとちゃん)の完成です!! そして、で、でかい~~~!! すごい迫力です。猫も興味津々。 ここまで、わりとさくさくっとできまして。調子にのった私は、次の「春雨」というお人形に着手するのでした。来週につづく(つづくんかい!)

2021のトレンドカラーを着物コーデに取り入れようの巻

星わにこ
2021/04/21 00:00
まだ4月なのに、真夏日!? 早速普段着用に単衣の着物をひっぱり出してきたわにこです。真夏日といえども、朝晩は涼しいし、日陰に入ればまた体感温度も下がるので、まだまだ洋服は手放しで半袖!とはなれませんよね。そんなとき、着物は羽織かショール1枚持っていればまあまあ困ることはありません。 とはいえ、また不要不急の外出が制限されそうなので、なかなか着物でおでかけもハードルが高くなってきましたが、季節のおしゃれを考えるだけでも楽しいものです。 JAFCA(日本流行色協会)によると、今年の流行色は「Zero White」。白いスカートや白いトップスを取り入れている方も多いのではないでしょうか。そういえば、今年の卒業式の袴では白を結構おみかけしました。 ゼロホワイトは、まあいわゆる「白」なのですが、ゼロというネーミングの意味は「はじまり」であり、清廉潔白、知性などを象徴するものだそう。コロナ禍の中、新しい生活様式での生活が始まり、真実を見抜く知性や政治の清廉潔白さが求められる世の中に。そんな年を象徴する色となります。 また、白は清潔な色。消毒や除菌など、今、より強く求められるものかもしれません。 JAFCAではこれに組み合わせて使う色として「フレッシュブルー」「インサイトグレー」を、アクセントにする色として「デイライトピンク」「バイタルイエロー」を挙げています。白だけでは‥‥というときコーディネートに取り入れるとぐっと今っぽくなります。 また、色見本帳で有名なPANTONEでは「アルティメットグレイ」と「イルミネーティング」。薄いグレーと黄色を2021年流行色として発表しています。 このあたりの色を組み合わせると、洋服だけでなく着物にも今年っぽい雰囲気が取り入れられそうです。 どちらにしても、どーんと濃い色、派手な色というよりは優しく気持ちに寄り添うようなトーンのほうが、今のトレンドということでしょうか。 やさしげな色使いの着物や帯にちょっと元気になるアクセントカラーを帯締めや帯揚げ、帯留めなどで取り入れてみてはいかがでしょうか。 私も手持ちの着物と帯で組み合わせてみました。優しい感じを目指しつつ、帯揚げはスカーフでちょっと洋服テイストを意識。ここにデイライトピンクの小物があったりするとピリっと決まりそうですね。 ミヤコレのモレッティガラス帯留(グラデーション):ピンクルビーなんかどうでしょう~。元気がでそう!! 意外と色イメージにピッタリなものを探そうとするとないものですね。あと、手持ちのものは好きな色に偏っていることが多いので、そういうものも見直すチャンスになるかもしれません。 お天気がいい日が続きます。虫干しかねてこんなコーディネート遊びはいかがでしょうか。そして早く普通におでかけできる日がきますように‥‥。

30年前に作ってもらった3枚の色無地の話。の巻

星わにこ
2021/04/14 00:00
4月から新生活が始まった方も多いのではないでしょうか。我が家は子どもが高校に入学して、日々いろんな経験をしているようです。中学まではなんだかんだと今日はなに、帰りは何時と気にしていましたが、高校生ともなると一気に手が離れる感じがします。義務教育は終わったんだなあと、実感します。 その卒入式ですが、今年は感染症防止対策で短めの開催ながら保護者も出席して見守ることができました。小学校ではぼっち、中学校では2人だった保護者の着物姿。高校ではどうか!と思いましたら2人でした。さ、寂しい‥‥。でも卒業式も着るもんね(スーツを持っていないとも言う)。 卒園式と小学校の卒業式は雨だったので洗える着物にしましたが、小・中学校入学式と卒業式は同じ白緑の色無地と黒羽織を帯を変えて着ました。でも、あまりにワンパターンでちょっと自分が飽きて来て、高校の入学式には、お宮参りと七五三の参拝のときに着た紅掛空色の一越ちりめんの色無地をひっぱりだしてきました。 30年前。社会人になりお茶を習い始めたと母に言ったところ、だったら、と嫁入り着物の前払い(?)のように色無地を3枚仕立ててくれました。その時はもう離れて暮らしていたので、電話でどんな色がいいかと言われて、臙脂色と銀鼠とあとはおまかせ、と頼んだら、臙脂は濃い色は玄人っぽいのでやめたらと京染め屋さんに言われたそうで、却下。自分としてはスクールカラーなので、と思ったのですが、残念。玄人っぽいってなんじゃと思いましたが、昭和な感覚では仕事着っぽいというところでしょうか? 当時、憧れていたイラストレーターの大橋歩さんの「どきどき着物」という本に、成人式で着た振袖の色を抜いて、銀鼠の色無地に仕立て直して、洋服感覚でいろんなシーンに着ていける万能選手に生まれ変わったという素敵な話が載っていて、銀鼠だけはお願いします、と食い下がったのですが‥‥。 仕立て上がってきた着物と対面したら、白緑(薄い竹色)、梔子(くちなし:黄色)、紅掛空色(薄い水紫色)で、え、え、私の銀鼠ドコ!?となりましたが、どうも私には紅掛空色に見えるものが銀鼠、と言われたらしいです。まあ、素敵な色だし、喪にも使えそうな万能選手ですが、でも銀鼠じゃないー! となった想い出のある着物です。 しかも、日向紋という白抜きの一番格の高い一つ紋が入っているので、どうにもこうにもカジュアルダウンには無理そうなものです。 白緑の色無地は、ケシ縫いの一つ紋で少し大きめの蔦の地紋入りでちょっと華やかな印象があります。 でも紅掛空色のほうは、地紋もなく日向紋が入っており、ザ・礼装という感じ。若い頃はそのプレーンな感じと色が気に入って着ていましたが、一度地紋のある白緑の華やかさを経験してしまうと、そちらばかりを着るようになってしまいました。 でも今回、さすがにちょっとワンパターンすぎるな、と久々に紅掛空色をとりだしました。自分の記憶の中ではつるんとしていてなんとなく物足りないと感じていたのですが、 袖を通してみると、とっしりとした重みもあり、纏うと気持ちも引き締まって「おお~これが礼装パワーか!」と感じ入りました。絹のパワーってすごい。 入学式の頃には、桜ではなくすでに新緑がまぶしく、これからの子どもたちの新しい学校生活が楽しく輝くものになりますようにと祈りました。 色無地にはつづれの帯と、母から受け継いだいつもの一つ紋の黒羽織をあわせました。 黒羽織のお話はこちら:母の黒羽織をリメイクしてみましたの巻 いち利の女将さんとの対談でもお話しています:ほしわにこさん&女将の着物談義 母の黒羽織と義母の羽織紐は、子どもの卒業入学のお祝いのときには一緒に見届けてほしい気持ちで、着ていくようにしています。 あとはお祝いの気持ちで、昨年国立博物館の「きものKIMONO」展の帰りに清水の舞台からダイブしてしまった道明の奈良組を初おろししました。新しいものがなにかあると、特別感がありますよね! あ、買い物の言い訳じゃないですよ、はい(怪しいw)。きっと、この帯締めを使うたびに「子どもの入学式で使った」という晴れやかな想い出が、蘇ることでしょう。 カジュアルダウンもできるという色無地ですが、やっぱりこういうちょっと控えた式服、略礼装に一番しっくりくるものなんだなと改めて思いました。自分のために好きなものを着る、ということと、人のために装う、ということは違うし、それぞれ意味があることなのですね。 それにしても多少体型や年齢や流行が変わっても、着続けられるのが着物のすごいところ。30年前のスーツではこうはいきません。(あとは着られないほど太らないようにしないと‥‥モゴモゴ) ちなみに、もう一枚の色無地、梔子(日向紋)はちょっと色が濃い目で、地紋が四君子や立涌など吉祥文様の雲取で一番ゴージャスな感じです。一度黒い袋帯をしたら、お寿司の卵焼きのような色合わせになってしまい(笑)以来なんとなく手がのびていません。でもこれもまた、5年、10年と時間が過ぎていつか気に入って着こなせる日がくるかもしれません。虫干しで、取り出しては仕舞い。また思いついては取り出して、仕舞い。母を想い、来し方行く末を想い。それが、着物なのかなあとこのごろ思います。 そして、これはいつ着た、あのときも、このときも、とアルバムのように想い出を刻むもの。30年前に母が作ってくれた色無地たちと、残りの人生も過ごしていくのでしょう。感謝とともに‥‥。

帯板の種類と使い分け。なければ作れる!の巻

星わにこ
2021/04/07 00:00
皆様はどんな帯板をお使いですか? 帯板といっても、本当にいろんな種類があります。最初は母にもらった、赤い布が紙に貼ってあるタイプ(周囲をミシンで縫ってある)ものをず~~~っと使っていましたが、紙のタイプってヘビーユースをすると折れたりぺこぺこになったりしてしまうんですよね。あとなんか、汗でシミができてしまったり‥‥。 着付け教室に行ったり、着付けをしたりするようになっていろんな帯板を見て、その種類に改めてびっくり。いろんなものを試してきました。よく見る帯板の種類は大きく分けて3種類。ベルト付きとそうでないものと、前結び用の胴をぐるっと巻くタイプです。さらに、それぞれメーカーによって長さや幅、素材などで分かれて行きます。 振袖や花嫁着付けをするときには、後ろ板といって、後ろ姿を美しくするための帯板を使いますが、ここでは帯の前側を美しくするために使ういわゆる前板についてお話します。 帯板は、帯締めをしても帯がぐしゃっとならず、シワを防いで美しく見せてくれるもの。長くて脇までカバーできて幅も締める帯幅より少し狭いくらいが、一番シワも作らずキレイに仕上がります。 ただ、あまり長かったりすると腰骨にあたったりもしますし、圧迫感もあります。幅がひろいとはみ出すことも。かといって短すぎたり幅が狭かったりすると今度はシワが気になる。 あと、帯板の張りも好みがあると思います。張りが弱いとふにゃっとなりますし、強いと今度はかなりきちっと帯と帯締めを締めないと、ぼわん、と横に広がって見えてしまうことも。 好みもありますし、意外とその人の体型にも左右されるんです。なんとなーくほとんどの方が最初に手にしたものを使っているのではないかなと思われる帯板ですが、自分にぴったりの帯板を見つけるのって実は結構難しいことかもしれません。 ベルトがついていないものは、帯を結んだとき、帯の1周目と2周目の間に挟みます。これは帯板の上に帯は1周しかしないので、より帯の表面がキレイになります。シンプルな形で、たくさんの大きさの種類があります。素材も、紙芯に布が貼ってあるだけのもの、片面パイル地で滑りにくくなっているもの、メッシュになっているものなどなど。夏用では麻やへちまの帯板などもあります。変わり種としては、透明な帯板も! これは夏の羅など透ける帯をしたときに挟み込んでも、色がひびかないというものです。上級者アイテムですね! ベルトがついているものは、着物を着て、伊達締めをした上に胴に巻き、その上に帯を巻くものです。なので、帯板の上に帯が2周することになるので、帯の表面は挟み込むタイプより少しソフトに。挟み込む動作がいらないので、自分で着るときなど便利です。素材は同じくいろいろ。ベルトがついている分少しお値段がアップします。 前結び用のものは、前でお太鼓を作ってぐるんとまわせるように、ウエストを1周して作ってあります。ツルツルですべるプラスチックのものや、サテンのような布でできたものなど。 あれこれ試すと結構使い心地が違うんです。今、私がなにを使っているかというと、たかはしきもの工房の「べっぴん帯板」です。これは、長さはあるけど腰骨の部分で斜めにカットされているので、帯締めが通る部分はくしゃっとならずに腰骨の邪魔にもならないという優れもの。あと気に入っているポイントはソフトなところ。そして帯の上側にクッションが入っていて前下がりの帯姿に自然になるというのと、帯を当社比でかなりキュっと締めても苦しくないんです。 やはり着姿的には、着物も帯もなるべくピタっとキュっと身につけた方がキレイになります。帯を巻いたときに、体と帯の間のクッションになってくれるようです。締め付けが怖くてちょっと帯がゆるめで、ぐずっとなりがちだったりしたのですが、それが解消されました。 相性があう帯板を見つけるって、結構大事なことです。 でも、帯板って実は長いのだと持ち運びにめっちゃかさばりますよね! 旅行とか旅先で着替えるとかだったら、短いものでもいいのではと思います。あと、忘れた!とかいうことも起きるかもしれません。私は忘れたことあります(笑) 出張先だったので、デパートの紙袋を底の形を活かしてくるくる折り畳んで挟み込んで使いました(実話)。キモトモも同じことをしたことがあるそうです(笑)。 キモトモの中には、普段楽に着るときには帯締めの結び目のところがあたるあたりだけにハガキサイズくらいの厚紙(お菓子の箱のフタなどを利用)を切ってはさんで使っているわ、という先達も。帯板の面積が大きいと、やはり暑いし、重いですから。 手作り派も結構いて、厚紙だけじゃなくダンボールやPPクラフトシート、クリアファイルなどで作ったりも。着付師さんがお客様が忘れていらっしゃったときに代用したりすることもあります。衿芯はコピー用紙で、とか腰紐をストッキングで乗り切ったとかいろんな逸話(?)も。案外、なんでもいけちゃったりもしますよね! 締める帯やシーンによっても、ふさわしい帯板って変わってくるんだと思います。昔の人はあまり使っていませんよね。写真などを見ても結構帯がシワシワです。まあそういうことをいうときりがないですが、好みや目指す方向で帯板も変わると思うんです。 たかが帯板。されど帯板。お手持ちの帯板、見直してみませんか?

スマホで試着!入学式の母コーデの巻

星わにこ
2021/03/31 00:00
東京はあっという間に桜が満開になってあっと言う間に散り始めてしまいました。まだ3月なのに今年は本当に早いですね。これから桜前線が北上していくと思いますが、いつもより少しだけ早い春。まだ集まってお花見はできないけれど、上を見上げて花を楽しむ心を忘れないでいたいなあと思います。 さてさて春はまた、お別れと出会いの季節ですよね。4月から新生活を始める方もたくさんいらっしゃると思います。我が家も子どもが高校生に。入学式には保護者が1名だけ参加できるとのこと。手持ちの着物で出席しようと思っておりますが、もしももしも新しく誂えるとしたらどんなかな?とふと思い。 おりしも、いつも妄想の翼を羽ばたかせているいち利モールの試着室のスマホ版ができたとのことで早速試してみました。 可愛いイラストの女性に、帯や着物を選んで着せていきます。指でぽちぽち選んで行くアクションでPC版より直感的に操作できます。後ろ姿もすぐ確認できて、帯姿もどんなかんじか見つつ、コーデを決められます。 よいな!と思ったのは帯締めや帯揚げ部分、着物の模様などさっとスワイプで拡大して確認できるところ。今までは帯締めなど正直細かい部分どうなってるの? という時がありましたがこれならばっちり!! 帯締めは丸組で、白に少し赤が入ったもので、おめでたい気持ちを表してみました。 着物はおめでたい花菱地紋のピンク。帯は西陣の葡萄唐草の袋帯。帯揚げは銀糸入りの若葉×薄緑の縦ぼかしでちょっと桜に新緑もまぜて。ああ~~楽しい!!やっぱり妄想コーデはめちゃ楽しい。 控えめだけどちょっと華やかな春の色無地入学式出席妄想コーデの出来上がりです! >コーデ詳細はコチラ 式典色無地の注意としては、実は濃い色を選ぶと旅館の仲居さんのようになってしまうこともあり、薄めのお色が無難かも。あとは、なにしろ1色で面積が広いですから、顔映りのよい自分に似合った色を選ぶことが大切です。好きな色も大事ですが、肌の色などにあうものをあらかじめ知っておけるといいですね。 地域性もあるかとは思いますが、卒入式へ着物で出席する場合は、訪問着や色無地などに袋帯の礼装~略礼装での出席が一般的。スーツ相当の服装になりますので、訪問着や付下でもあまり派手ではない、控えめなものが好ましいとされています。主役はあくまで子どもということで、母は付き添い。式典などに出席する場合は、自分の好きなものを着るというよりは、場にふさわしいものを選びましょう。 私自身はもともと色無地好きということもあって、略礼装と言われる一つ紋の色無地で、黒羽織を羽織るスタイルでずっと出席してきましたが、小中学校ともに着物で出席されるお母さんが1、2人という状態だったので、地域性とは。という状態でしたが‥‥。 着物は華美だと言われることもありますが、体型が多少変わっても流行や自分の年齢が変わっても、何十年も着られるスーツやワンピースというのはないのではないでしょうか? 自分で着られれば着付け代もかかりませんし、かかるのはお手入れ代くらい。なにより着物を着ることで気持ちが引き締まってよいものです。 もし、入学式着物を着ようかどうか迷っている方がいらしたら、ぜひ!袖を通してください。春の日の、よき想い出になると思います。 子どもに「そういえばあのとき母は着物を着ていたな」なんて思い出してもらえたらいいなあなんて、ふと思う春でした。

花粉症と黄砂対策にはインナーマスクと木綿の着物!?の巻

星わにこ
2021/03/17 00:00
東京は14日午後に桜の開花宣言が出ましたね。昨年に引き続き観測史上最も早いそうで、我が家の近くの桜もぽちぽちと咲き始めています。今年も皆でわいわいお花見、というのは叶いそうにありませんが、やはり桜を見ると晴れやかな気持ちになります。 花は花でも、花粉症にお悩みの皆様にとっては今は辛い季節ではないでしょうか。今年は黄砂もすごいようで、花粉症でない私でも目がしょぼしょぼ‥‥。そして去年からず~っと不織布マスクをつけているので、密着させる頬のあたりがもうちくちくして限界感ありありです。着物でお散歩したいな~なんて思っても、ちょっとためらわれてしまうのでは。 花粉症対策としては、環境庁の「花粉症環境保健マニュアル2019」によるとマスクの中にインナーマスクをするとよいとのこと。インナーマスクとは、ガーゼを10センチ角に切ったものを用意し、1枚はそのままマスクの内側にあて、もう1枚は化粧用コットンをくるんで、鼻の下にあてるもの。これをマスクと併用することで花粉の吸い込みを99%以上除去できるそう。 この、化粧用コットンをガーゼでくるんだものがちょっと鼻水とかがたれたときに(汚くてスミマセン)いい仕事をしてくれます‥‥。もうガーゼでくるむのが面倒で無印良品の生成カットコットンをそのまままるめて鼻の下にあてているのですが、今までマスクの中に水滴がついたりして不快だったのも解決されていいかんじです。 マスクの内側にあてるガーゼですが、手作りが得意な方はコットンなどでプリーツのついたものを手作りしてもいいですよね。抗ウイルスの市販品などにすれば、えい花粉はウイルスより大きいので効果はより高くなりそうです。 次に衣類は、帯電しやすい素材が花粉を吸着しやすくNG。綿が最も帯電しにくい素材で、「綿.麻<絹<化繊<ウール」の順で花粉付着率が高くなっていきます。もちろん同じ素材でも、織り方によっても付着率は変わります。 繊維の表面が滑らかなもののほうが花粉がつきにくく、付着しても落ちやすいので、着物でいうと、結城紬のようなほっこりとした真綿系は花粉がつきやすく、大島紬のようなツルツルとして生地の密度が高いものは付着しにくいということになります。ほっこりした木綿の着物より、なんとなくツルツルの大島のほうが花粉がつきにくいような気がしますが、どうでしょうか。 また着物は、長着と長襦袢の素材の相性で静電気が起きる(絹+ポリエステルなど)ので、そのあたりも気をつけるとよりGOOD。肌を露出したところに花粉がつきやすいので、体を覆ってくれる着物はなかなかよいチョイスでしょう。 化繊でも、東レの「アンチポラン」や帝人の「ポランバリア」など、花粉がつきにくく、付着しても落としやすくする素材も出ていて、スプリングコートなどに遣われています。こういう素材で着物は難しいとしても、着物にさっと羽織れるものなどがあれば素敵かもかも! な~んてまたまた妄想しているわにこでした。 ブタクサ花粉症なので、いつも夏の終わりにア"~!!となることが多いのですが、なんだか今年は春から目がショボショボ‥‥いえこれは、違う違うそうじゃそうじゃないと自分に強く言い聞かせています‥‥。 というわけで(?)花粉症にお悩みの方がいらしたら、ガーゼと化粧用のコットンのインナーマスク。あとはメガネと帽子、そして着物を着るなら大島紬か木綿をおすすめします!!(麻もいいけど、まだちょっと早いですよね) 集まれなくてもマスクでも、せめて着物で花見のお一人様散歩ぐらいはしたいな~と思う春でした。

大学卒業式の女子袴はいつから定番になったのか?の巻

星わにこ
2021/03/10 00:00
先週、袴の流行について調べていて、「女子大生・卒業式・袴・いつから」で検索したところ、90年ごろから1987年の映画「はいからさんが通る」の流行で女子大生が卒業式に袴をはき始めたという記事があり、当時女子大生だった自分の実感とは合わないなあと思ったのがきっかけで、調べて見ました。二週連続袴の話題で失礼します。 まずはお知恵拝借!と、その頃以前に女子大生だった皆様に卒業式の服装についてSNSで聞いてみました。ちなみに91年卒のわたしは、1尺4寸(53センチ。ちょっとだけ長め)の袖のピンクの江戸小紋に紫の無地の袴でした。同級生は袴もいれば、振袖もスーツもいました。生協でレンタルもありました。 83年卒:友達はほとんど袴姿 85年卒:袴。写真をとっておけばよかった! 85年卒:自分も友達も袴。謝恩会はドレス。84年卒の姉も袴。75年卒のいとこが着たピンク付下とえんじの袴を借りた。 85年卒:色無地に袴(デパートレンタル)。ほかにも付下、振袖に袴の人もいた。 85年卒:うす橙色の色無地と母の黒い袴。袴と振袖は半々だった。 90年代卒:ほぼ振袖。袴は女性の先生が着るイメージだった 88年卒:東京女子大はほとんど袴(矢絣は禁止だった) 88年卒:キャップとガウン 86年卒:袴(レンタル)着用。袴は多かったが、振袖やドレスもいた。 91年卒:保育園の先生である伯母(今88歳)はずっと卒業式は袴だった。その袴を借りた。 91年卒:成人式の振袖にレンタルのグラデーションの袴。 80年代から袴は定番のようですね。ちなみに、銀座いち利の女将にも伺ってみたところ、74年卒業で振袖に袴だったそうです。周りも小紋や色無地に袴で、先生も袴だったと教えてくださいました。 「はいからさんが通る」の映画の影響で袴が復活して履かれ始めたということではなく、礼装として卒業式では定番の服装のひとつであったのではないでしょうか。原作漫画の連載開始が1975年、アニメ化が78年ですので、そちらのほうがブームへの影響はありそうです。私自身も子どもの頃から大好きだった漫画ですし、刷り込みになっていると感じます。 袴が定番でこれが流行、というように雑誌にとりあげられたりするのには、女子の進学率も関係があったのでは?との指摘も。70年代に大学が大衆化し、女子の進学率も上がり、80年代には女子大生ブームがやってきます。 ふーむと思っていると、『スキルアップ!情報検索 基本と実践』の著者の一人である中島玲子先生に「女子大生 袴 1980」で検索したら共立女子大の文献がありましたよと教えてもらいました。 田中淑江ほか.卒業式に見る袴の現代的着装の研究Ⅲ : 「伝統的な視点から.共立女子大学家政学部紀要」2015,Vol.63, p. 23 - 35.によると注の(1)に「筆者が新聞4 紙(朝日新聞・読売新聞・毎日新囲・繊研新聞)を用いて分析した結果、袴復活の黎明期を1980年代初期-1980年代後期、定着期を1980年代末期-1990年代中期、安定期を1990年代後期~現代と時代区分を行った。」とあります。 全文もpdfで読めますし、この研究にはⅠやⅡもあり、卒業式の袴の着付の考察(衿あわせやえもんの抜き具合など)や流行などについて研究されておりものすごく面白い。ぼんやりと袴について「そんなかんじ?」と思っていたことが明文化されていて老眼鏡をかけたときのような気持ちになりました(婆)。 また、togetterのまとめ記事もありました。引用されていた1980年代バブルのころの謝恩会のドレスが度肝を抜かれる華やかさです!! 1970年代から女子大生の数が増えたのに伴い、1980年代初期には袴を履く女子大生の絶対数が増え、今では卒業式といえば袴、というような状況になったと考えられます。レンタル業者が着付までまとめて校内で行ったりするようになった時期とも重なるのでは。あとは、校風や学部や専攻にも関係があるかもしれませんね。 中島先生に「知りたいことを検索するときは、いつから?とか抽象的な言葉ではなく、知りたいことがどういう風に書かれているか、使われている言葉を想像して検索するといいですよ」と教えていただきました。 わにこはひとつ賢くなりました・・・・。 そして、「袴に振袖をあわせるのは最近のことだ」となんとなく思い込んでいたのですが、いち利女将の証言によって覆されました! 確かにはいからさんしかり、大正時代の高畠華宵の絵にも振袖に袴の若い女性がたくさん描かれていますし、もともと袖が長い着物にあわせるほうがスタンダードで、むしろ70~80年代の普通の袖丈の着物に袴、という流行のほうが少しイレギュラーだったのかもしれません。この頃は、手持ちの着物に袴をあわせていた人が多数だったためと考えられます。 今は着物もレンタルが多く、ほとんど二尺袖(76センチ)か振袖(100センチ前後)になります。やはり袖が長いと華やかですよね。もちろんご自分の着物で用意されている方もいらっしゃると思いますが、普通丈の袖は先生が着るものという流れになってきています。着物といえば何か絶対のルールがあると思いがちですが、細かい常識や流行も時代によって変化しているものなんですよね。 今回は女子大生に絞って調べましたが、今は小学生も卒業式に袴を着用しますし、それも漫画「ちはやふる」の人気が関係あるという人もいるようです。それだけではないにしても、漫画の影響というのも昨年の七五三の子どもたちの「鬼滅の刃」の影響による和装人気を見ても確かにあると感じます。 今回はふとした疑問から、ネットを通じて調べただけですがいろんなことがわかりました。そして、ちょっとぐぐって一番最初に見たものを鵜呑みにしたりすることは避けて、裏をとる大事さも痛感、反省。今は、なにかあるとすぐ拡散されてそれが事実かどうかというのはなおざりにされているように感じます。いろんな情報をちゃんと読み込む検索のスキルも必要なんだなと、袴とは関係ないところでも考えさせられた一件でした。いろいろ教えてくださった皆様に、感謝です!

令和の袴はここが違う!卒業袴にも流行あり。の巻

星わにこ
2021/03/03 00:00
3月、卒業の季節ですね。ご卒業の皆様、おめでとうございます。昨年はちょうどコロナ禍への突入の時期と重なり、卒業式も入学式も中止や縮小が相次ぎましたね。今年は対策を取りながら開催のところが多く、大学などは例年のようにで袴をレンタル当日会場で着付‥‥というようなこともないようです。いろいろなことが変わってはいますが、人生の節目であることには変わりなく。それぞれの形でお祝いできるよう、心より祈っております。 今年は小学生、大学生はじめ卒業式の袴着付をご依頼いただいているのですが、自分の卒業式(30年前‥‥がーん)の時と比べるといろいろなことが変わったなあと思います。ネットで調べてみると、1987年の映画「はいからさんが通る」の流行で、90年代から大学生が卒業式に袴を着るようになった、と記述されています。 私の卒業式のとき(平成初期)には、すでに「やっぱり卒業式は袴でしょう!」と母が張り切って用意してくれたのですが、ネットもない時代にそんな超流行に乗ったんでしょうか。「はいからさんが通る」の原作は1975年連載開始、大人気で1978年にはアニメ化され、私も子どもの頃夢中でした。だから、映画の流行ではいからさんブームが、というのはあったとは思いますがそれだけかなという疑問が。もう母も亡くなっているので聞くこともできませんが、このあたりもう少し調べてみたいですね。 実際の卒業式では今のように女子はみんな袴!ということもなく、スーツもあれば振袖もいる、というような状況でした。成人式も同じくですから、和装がこんなに増えた背景にはレンタル業者さんの仕掛けと躍進が凄かったということなのかなあと拝察いたします。 最近の袴姿が変わったと感じるのは、とにかく華やかになっているということ。 平成初期は色無地もしくは江戸小紋や小紋などに伊達衿をあわせたものに無地袴が主流。矢絣のはいからさんスタイルもありました。普通の着物に袴をあわせる、というかんじで、袖も普通でせいぜい若いので少し長めかな、という程度でした。レンタルも主流ではなく私も袴をその日のために買ってもらいましたし、「家にある着物に袴をあわせる」ということだったのかもしれません。 今はニ尺袖がベースで、振袖に袴をあわせるのも普通になってきています。最初振袖に袴をあわせるのを見てびっくりしましたが、もうすっかり慣れてしまって普通丈のお袖だと、先生ですか?と思ってしまうほど地味に感じるようになりました。慣れってすごい。また、袴も刺繍、グラデーション、バイカラーと華やか。紐の裏表で色が違うタイプも増えて、結び目も乙女結びだけではなく飾り結びなどバリエーションも豊富です。 振袖に袴をあわせるようになったのは最近では、と思っていたのですが実はそうでもないようです。ちなみに、1994年(平成6年)の「美しいキモノ」春号には大学の卒業式の袴が紹介されていますが、早稲田大学でのスナップがまさに私の時代あるある(二尺袖も数名います)。ですが、同じ号に載っているグラビアの卒業袴は、色柄こそ地味目ではありましたが、小紋などの二尺袖、振袖に袴というスタイルが掲載されていてびっくり。いわゆる今成人式で着られるような振袖は、謝恩会のスタイルとして紹介されています。そういう雑誌や着物業界の提案が、実際に着られるようになっていったということでしょうか。 きものというと細かいルールがあって、それが絶対!のように言われることも多いですが、礼装としてきちんとしていればどんな組み合わせでも問題なく、またその形も洋服とおなじように流行があるんだということを改めて感じました。 あともうひとつ、紐を結ぶ位置が平成初期と今ではスタイルが変わってきています。以前は、前紐の付け根部分の下にやや斜めに引き下ろすように紐を回して結び、後ろ紐も少し斜めにあわせて前紐の付け根より下で飾り結びをしていました。 今は、前紐の付け根に重ねて紐を結び、後ろ紐もそれに重ねて平行に高い位置に飾り結びをするスタイルが多く見受けられます。前者は男袴と同じような着付で、このほうがしっかり締まって安定するかなと思いましたが、十二単の長袴の着付を習ったとき、前紐にすべて重ねて行くスタイルだったので、しっかり結びさえすればはずれるとかずれるとかいったことはないのでしょう。 また、結び目が少し高い位置にきますので、足長効果もあります。こんなところもアップデートされているんですね。民族衣装ではあるけれど、やはり着物も流行のもの。残って行くためには魅力的であり続けることも大切ですよね。 30年後。はたして袴は卒業式の定番スタイルでありつづけるのか? またそうだとしたらどんな進化をとげているのか? そしてそれを私は見届けられるのか? なーんて思ったりする春なのでした。

腰紐は着付けの要、姿勢の要。の巻

星わにこ
2021/02/24 00:00
皆様、腰紐はどのあたりに締めていらっしゃいますか? 腰骨のあたり、ウエスト、いろいろ好みの位置があると思います。きちっと締められればどこでも好きなところでいいと思うのですが、私の腰紐の位置変遷のお話、ちょっとおつきあいください。 きもの初心者の頃。着付け教室で「腰紐だけはしっかり締めなさい」と言われたものの、とにかく締め付けが苦手、ユルユル大好きな私は「まあ~これくらいでいいよね~」と自分を甘やかしがちな締め具合でおりました。 この頃とにかく着崩れやすかったのは、この腰紐がゆるかったせいが大きいと思います。「胸元がどんどん詰まって、ぐだぐだになる」「立ったり座ったりしているうちに、お尻にU字型のシワができていく」「下前が落ちやすい」という三重苦を背負っておりました。 40代になって着付けをちゃんと習い直そうと思ったところ、この腰紐のゆるさを毎回毎回指摘され「そんなにゆるいのかな」と、驚きました。自分ではまあまあ締めていたつもりだったのですが、全然足りなかったみたいです。 おへそのあたりで腰紐をなるべく平らにあてたら、後ろの腰の部分で交差させたときに真横にぐっ!と引き締めること。前ではぎゅうぎゅう締めないで、でもゆるまないように結ぶこと。 こうすると、ぎゅっと締めても後ろは苦しくなく、むしろ姿勢がシャン!として気持ちがいいのです。 位置ですが、最初は締めて痛いのが怖くて、腰骨のところで結んだりしていたのですが、そうするとやっぱりずれがちになってしまって、もう少し上、おへそのあたりから少し後ろ上がりになるように締めるようにしたところ、安定しました。 この位置に結べるようになったのは、ウエスト補整をするようになったのも大きいかもしれません。補整がクッションになってくれて多少きゅっとしめても苦しく感じなくなりました。 適切な補整と、腰紐をしっかり締めることで、ぐずぐず着付けから卒業できました!(当社比) 後ろ姿、特に下半身が大変身しますので、おしりがたわむ、裾つぼまりにならない、はだけてきちゃうなんてお悩みの方がいたらぜひお試しください。 腰紐を制する者は着付を制す!(なんてオーバーでしょうか?) どうも襟元や裾がぐずぐずしてしまう方も、胸紐や伊達締めなど他の紐はぎゅうぎゅうする必要はありません。腰紐の締め具合がもしゆるかったら、位置や締め方を変えてみてはいかがでしょうか? そして、やはり腰紐をいい位置にきちっと締められると、姿勢がよくなります。やはり腰は姿勢の要なんですねー。 最近よく、おはしょりがまっすぐなる裏技として腰紐をナナメに結ぶやり方を見ますが、腰紐は体の要にもなる部分なので、よい姿勢、体がゆがまないためには平行に結んだ方がよいと思います。 このあたりも好みなのですが‥‥。もちろん、ゆるゆるゆったり着付けが好きという方はそれでもいいのです。自分の目指すきもの姿にあわせて、うまくいかない原因をつきとめたり、やりかたを考えたり、いろいろな工夫をしていくのが、これまた楽しい。 昔は着付け教室で習ったままに、そのままやるのがいいと思ったこともありますが、人の体も好みも違うわけだし、いろんなやり方にトライして自分にあったものをチョイスしていくのがいいんじゃないでしょうか。 また、以前は大丈夫だったことも、年齢とともにだめになってきたり。そんなこともあります。自分にとってのベストを常に、探す楽しみを忘れないでいたいな~なんて腰紐の話から脱線してしまいましたが、もうすぐ春! 気に入ったきもの姿ときこなしでおでかけしたいですね。

<極力そのままリメイク>お袖2枚で三角トートバッグの巻

星わにこ
2021/02/17 00:00
先日作った道行ラップスカート 早速うきうき履いてでかけようとしたところ、正絹の袷でやや重めなのかやはり小さなホック2つではウエストに止まりきらん。すぐ外れるばい(私の腹圧がありすぎという話も)ということで、どうしようかな~と思っていたところ、友達がロックつき前カンという秘密兵器を送ってくれました。 前カンとは、スカートやパンツのウエストのところについている、ジッパーをあげてからよいしょっと留めるあの金具のことです。皆様ご存知かと思いますが、もうウエストゴムの衣類と着物で生活してるとどんどん洋服に疎くなってしまって、思いつきもしませんでした! ですよね~~いりますよね~~。 ということで早速とりつけて、外れて落ちてドリフのコント(昭和)みたいなこともなく快適に履けております。ありがとうございます! この他にも紐をつけて結ぶようにすれば調整もきいていいよ、というご意見もありなるほどと思いました。肩の部分の余り布でちょっと幅広のリボンのような紐を作り、ウエストに取り付ければアクセントにもなって素敵ですよね!! 私がマメで器用なら‥‥(汗)というわけでこちらの案は、器用な方ぜひ採用お願いします。そして見せて☆ と、前置きが長くなってしまいましたが、道行ラップスカートを作ったあとに、ポロンと袖が2枚余ってしまい、これをなんとかできないものか眺めていたのですが、できるだけ縫うとこ減らしてなんとかしたい。。。。でもなんか作りたい。。。 そう思って作ったのがこちら! 袖を2枚くっつけてバッグにしちゃったバッグ(なんだそれ)。 芯などもいれてないので、くったりとしたかんじが優しく、上側の端を内側に折り込めば、ちょっとかわいい三角形になります。 もう、持ち手さえ縫うのが嫌だった私(どんだけ)、取り外しのできるバッグの持ち手というのがあるのを知り、採用!!! あとは、袖口側を一旦全部解いてぐるりと表地と裏地を縫い合わせ、袖を2枚重ねてコの字型に縫い合わせてひっくり返すだけ。 ここでかなりの厚みがあるので、手縫いだと手がかなり痛いかもしれません! 私はミシンで無理矢理縫いましたが、最後に針が折れました(涙) それが難といえば難ですが、3つのポケットがある、袋状の物体が出来上がります。あとは取っ手をパチンパチンと好きな場所にとりつけるだけ。手数はかなり少なくてバッグの形になります!(なにがしたいのか) メインの袋部分は1つですが、外側が二重になっているので、ちょっとしたものを分けて入れたりすることもできます。やっぱり正絹、手触りもよくてなかなか満足なできあがりになりました! サブバッグとしても活躍しそうです。 あと今回初めて知った、取り外しのできる持ち手は、他にもいろいろ活用できそうです! なんとか楽ができないものかといろいろ知恵をめぐらすことも、勉強になりますねえ(そればっかりもどうかとは思いますが)。 今回どうしても2枚でなんとかしたいと思ったのでこうなりましたが、袖1枚で1つのバッグにして2つ作ってもいいと思います! ちょっと薄手なので、たよりないかもしれませんが、エコバッグにはいいかも! もし道行スカートつくってみたわ!という方がいらっしゃったら、残りのお袖の行く先の参考になれば幸いです。 関連記事:羽織の袖で作ったバッグの話はこちら