2021年2月掲載初心者さんの1枚目コート
上級者さんの憧れコート


緊急事態宣言、寒波と厳しい冬となってしまいましたね。こんなときこそ、お洒落のことを考えて心を暖かくしたいもの。今回は冬に欠かせないコートのお話をさせていただきますね。

こんなに寒いと防寒用のカシミヤやウールのコートを着たくなりますけれど、実は私は寒いときでも大抵、対丈の正絹のコートとショールで冬を過ごしてしまいます。分厚いコートは脱ぐとかさばりますし、今はどこも交通機関や屋内に入ると暖房も効いていますから、正絹のコートに、さっと付け外しのできる大判のショール、手袋などで調整するほうが楽なのです。

私は正絹のコートが大好きで、いろいろなシチュエーションで使い分けています。コートも防寒やちりよけのために1枚だけ、ではなく、お洒落やシーンによって選べると楽しいものです。フォーマル用、カジュアル用、対丈などあると便利ですね。

そんな正絹のコートですが、昔は膝丈より短いものがほとんどでした。でも、今は丈が長いものが好まれていますね。膝下丈、床から30センチくらいの長さのものが多いです。

衿にもいろいろなタイプがあります。代表的なのは道行、道中着タイプでしょうか。他にも千代田衿、被布衿などいろんな形の衿がありますが、お誂えのときに少しお仕立ても高くなりますし、意外と中に着る着物を選ぶ場合があるので、いろんな着物にあわせやすい、というと道行、道中着タイプになると思います。道中着タイプにも、バチ衿と広衿があります。体型的にふっくら見せたければ広衿、すっきりしたければバチ衿といった使い分けや、ご自分のお好みで選ばれたらよろしいかと思います。

この2タイプは下に着る着物をあまり選びませんので本当に便利。お茶をなさっている方は道行を好まれたりしますね。私がおすすめしているのは道中着衿です。膝丈くらいのコートだと、道行衿でもよいのですが、膝下丈や対丈の長いのコートとなるとズボっとしたまっすぐなフォルムになってしまうんです。道中着タイプだと、裾つぼまりになってシルエットも綺麗になるのです。もしもコートを作るなら?オススメはこれよく、最初の1枚を誂えるのならどんなものがよいですかと聞かれることがあるのですが、まず1枚とおっしゃるなら、フォーマルでもカジュアルでも使いやすい、柔らかものの飛び柄の小紋のコートはいかがでしょうか。地空きで無地の部分が多いと、フォーマルシーンで使いやすいです。模様がびっしり入っているとカジュアルになってしまいますので、控えめな飛び柄の小紋だと、どちらでもよろしいかと思います。

上級者さんになってきたら、絵羽のコートなんていかがでしょう。黒絵羽なんて本当に贅沢で憧れますね。

あとは、対丈の紬地のコートはいかがでしょうか? ガード加工をかければ雨コート代わりにもなりますし、単で仕立てればかさばらないし本当に便利ですよ。あとは、道中着衿ならさらに仕立てによってシルエットが細く見えるんです。だから、私にはコートの設計図みたいなのがあって自分のお気に入りの形があって、よりすっきり見える形で仕立てをお願いします(笑)。お誂えだからこそできる、着物の醍醐味ですよね。

そんな細身効果のあるおしゃれな対丈コートは大好きで、対丈コートフェチといってもいいかもしれません(笑)。実は10枚以上持っています。ガード加工が進化しているので、ガード加工をしておけば普通の反物から仕立てても雨ゴート代わりにもなるし、重宝で手放せません。模様はぼかしのものが大好き。

また、冬用でも単に仕立てています。袷だと、脱いだときにかさばるし、東京ではそれほど寒いと感じたことは少ないので、袷のものは1枚だけです。でも、これも地域によりますでしょうね。紬だとしゃきっとしますし、大島だと水にも強いし対丈はおすすめですね。

正絹だけではなく、ポリで作るとちょっとカサカサするような気がしますけど、いいところもあります。正絹だと汚れが目立たないようちょっと濃いめの色で作ったりもしますけど、ポリなら汚れても気軽に洗えるので、白っぽい綺麗な色のものなどでも楽しめますよね。

それぞれの素材のいいところを生かして、ご自分のお気に入りのコートをお誂えになってくださいね。コートのお洒落は、本当に楽しいですよ。

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