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2021年3月掲載コートや羽織
脱ぎ着で差がつく美人仕草


もう春がやってきたと思うことが増えてきましたね。寒いと思って外出したら、意外と暖かかったわ、なんていうこともあります。こんなときは体温調節で、着ている上着を着たり脱いだりすることも増えますね。

コートや道中着はもちろん、羽織も場合によっては人前で脱ぎ着することもあります。そんなとき羽織り方、脱ぎ方がスマートだととても素敵に見えると思いませんか。

まず羽織り方。よくお見かけするのですが、ジャケットを着るように、片袖を突っ込んでばさーっと振り回して羽織るのはNGですよ。着物の着付けのときと同じように、襟を持って後ろにまわし、腰のところで開いたらそっと肩に滑らせるように羽織ってください。とても女性らしい仕草ですよね。

でもこうすると仕草が美しいというだけでなく、体がねじれないので、着物の着崩れも防いでくれます。

また、着物の襟にあわせて、えもんを潰さないように下からきれいに添わせて着ることができるので、綺麗です。ばさっと羽織ると、えもんも潰してしまうこともありますから、この後ろから添わせて羽織るやり方をおすすめします。

脱ぐ時も同じ。袖を少しひっぱって、肩を滑らせて脱ぎ、袖と袖をあわせて引き抜いたらさっと軽くたたんで、シワにならないように小さくまとめます。

そのときは、袖たたみといって、簡単に立って畳める畳み方で大丈夫です。たとう紙に入れるように本だたみにたたむ必要はありません。

私は対丈のコートを着ることが多いので、外で脱ぐときには下にずりそうだと思ったら、地面にたらさないように椅子や棚をお借りして裾を置かせてもらうようにしています。こうすると、裾が汚れませんよ。

この脱ぎ着の仕草がスマートにできると、着物美人度がぐんとアップすること間違い無しです。あら違うやり方だったわという方は、ぜひマスターしてくださいね。


結ぶ仕草も大切です

みなさまは、噺家さんが高座で羽織を脱ぐ仕草をご覧になったことはありますか?

噺をしながら、袖口を下に向けてひょいとひっぱって、すっと背中に回して袖口をあわせて、片側の前に出してきてそれをサッ、と袖だたみにする素早い仕草が惚れ惚れするほどかっこいいんです。

それができて噺家さんは一人前。みんなの前で脱ぐわけなので、かっこよく脱げなくっちゃお話にならない、というわけです。それが見たくて、高座を聞きにいくのよという人もいるくらいです。

女性はめったに人前で羽織を脱いだりはしないかもしれないですけど、素敵な仕草で脱ぎ着できるといいですよね。羽織紐も今は結ばずにマグネットやカンでつけてしまったりしますけれど、羽織紐やコートの紐もしゅるっと美しく結べるとかっこいいですよね。

結ぶといえば、着付けの授業で「たてむすび」の意味を知らない人がいらして、驚きました。紐が真結びで結べることは着物を着るときの基本。それがうまくできなくてひっかかってしまう方も増えています。

そういえば、ボタン、ファスナー、スナップなど、日常で結ぶというシーンが減りましたよね。風呂敷も滅多に使わないようになってしまいました。スニーカーなどの靴紐も、今では結ばずにゴムやマジックテープになってしまっていたり。

結ぶ、という仕草や形は日本の文化のひとつではないでしょうか。結びで、お祝い事や不祝儀を表現したり、いろんな意味を持っています。そういった知識も大切ですし、また美しく結ぶことができたら素敵ですね。

コートや羽織の脱ぎ着のときに、ちょっと仕草に気をつけるだけで姿だけでなく心の美人度もあがります。もちろん、着物のときにも同じです。

美しい仕草は、理にもかなっています。せっかく着物を着るのですもの、仕草も美人でまいりましょうね。

ご覧いただきありがとうございました。

銀座いち利本店で開店以来女将をつとめております、みたざき要子です。きもの歴50年を越え、ますますきものに愛着がわくこの頃です。私たちの娘時代には、母や祖母にぱっと聞けたようなことなのですが… そんな想いから、毎日のきもの暮らしの中で気づいたこと、ご質問いただいたことなどを季節のうつろいに合わせてお話できたらと、このコーナーを始めさせていただきました。いつものように、脱線いっぱいのとりとめないおしゃべりですが、月に一度、少しのお時間お付き合いくださいませ。

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