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一覧に戻るまたお会いできました。
今日のテーマはリメイクについてお話したいと思います。
お手持ちの帯とかでちょっと短くて締められないって帯もありますよね。
そして
コートや着物でお直しが難しいのもあると思います。
これをいかにリメイクして上手に着ていくかっていうのを
実体験をもとにお話ししていきたいと思います。
では始めます。
■名古屋帯
帯のリメイクの例なんですけれど
こちらは名古屋帯、染め帯です。
これ母からいただいたんですけれど
ちょっとクラシカルな感じがして秋に締めるのにピッタリだと思いませんか?
お気に入りなんですけれど
いつも手先が短くてお太鼓の中で止まってしまう感じだったのでなかなか締めにくかったです。
で、それを帯屋さんに相談いたしまして
手先の部分ですね、ここに20cmほどの足し布をしてもらいました。
色は少し違いますけれど、お太鼓の下に入ってしますのでほぼ見せません。
自分でも何処に入ってたか忘れちゃうくらいなんですけど
ここに足し布をしてもらって、前腹もお太鼓も綺麗に出るようになりましたので
大活躍の帯になりました。
■袋帯
あと、こちらの袋帯ですね、御召の袋帯なんですけれど
合わせやすいのと締めやすいのでお気に入りです。
・・・これは自分で支払いましたけど…。
こちらがやはりやってみたら少し短いんですね、
前腹を出すためになかなか手先が短くて前腹が綺麗にでないので
手先のところに名古屋帯と同じくお太鼓の下の部分に20cmくらい足し布をしてもらいました。
これだけのことで帯が生き返って
自分で上手に締められるようになりましたので、今大活躍の帯ですね。
ちょっとした工夫で帯が生き返ってくれれば、楽しい帯生活っていうんですかね、色々活躍してくれる帯になると思います。
これが帯です。
■道行コート
どうですか~、この道行コート!
ね、素敵だと思いませんか?
・・・なんか自分で言うの恥ずかしいけれど。
これ、私がお嫁に来たときに持ってきた短い腰の丈くらいの羽織だったんですよ。
でもすごくお気に入りだったものですから、
こういう羽織、けっこう皆さんお持ちだったんじゃないでしょうかね?
お母さまからいただいたものとか、皆さん他の方からいただいてこういうのあるんですけど何とかならないのってご相談をよく受けます。
私はこれ、お気に入りの絵羽織だったので何とかしたいなって思いまして
相談して道行コートだったらできますよってことだったので作り直しました。
丈が長くて今でも重宝してるんですけど
これはなんと引き返しって部分があったので、それを直して下げてもらいまして…
裏を見ていただくとわかりますかしら?違う布で接いでるんですね。
羽織とかコートは裏がおしゃれっていうこともあるんですけれど
こういった工夫をすることで、ひとつ長いコートが出来上がりました。
こんな工夫もできるんですよ~
■大島紬
この着物、ちょっと素敵な色だと思いませんか?
これ実は白大島だったんです、最初。
長年、白大島を着てましたら、全体にちょっと黄ばんできまして
どうしようかなって思ったんですけど、洗い張りをして裏返しをして、またあらためて着るっているのもあったんですけど、雰囲気をちょっと変えてみよっかな~ということで、このグリーンの色をかけてもらいました。
そしたら、ちょっとステキな感じになったと思いませんか?
黄ばんだ感じも見えなくなりましたし、こちらの絣のところがすごい濃い黒だったんですけど、グリーンかけたことで優しいお色になったんですね。
それで今お気に入りで着ているんです。
こんな工夫をすることで、また新しい着物がひとつ生まれるってこともあるんですよ。
■名古屋帯
次はこちらの名古屋帯です。
松のスゴイ刺繍だと思いませんか?
コチラいただいたお着物だったんですけれど、どうしても寸法が出なかったので着物は無理ということで、良い所だけを取って松の柄、刺繍のところをお太鼓にしてもらいました。
他のところはシミがあったので、一番きれいなところをお太鼓にしていただいて
あと前腹をこちらで作っていただいて名古屋帯になりました。
これが前腹ですね。
ちょっと継ぎ接ぎはあるんですけど
表に見えないところで接いでいただいてるので、お正月に凄く便利な帯になっています。
こんなのあるといいですよね、また思い出も残りますしね。
いかがでしたか、みなさん。
私の長年の着物生活の中で、いろいろリメイクしてきたもの直したもの、いくつかご紹介させていただきました。
皆さんにもプロの和裁士さん、それから悉皆屋さん、職人さんいらっしゃいますよね?そういう人たちのアドバイスを受けますと、思いもよらぬ方法がアドバイスされることがあります。
皆さんがお気に入りのお着物や帯などを
「もうこれ着れないわ」とか「シミがあって着れないわ」って言って諦めないで
何とかご相談させていただけたらと思います。
また楽しい着物生活が皆さんと出来たらいいなと思っております。
■おまけ
今日のおまけです。
リメイクの失敗例をひとつ皆さんにお知らせします。
こちら元々は色無地だったんですけれど、全体にシミがありまして
シミ抜きをするのはもったいないかなってことで長襦袢にしてみました。
色は好きな色なので
長襦袢だったら着るかもって思って仕立て直してもらったんですけど
なんと、とても着にくい。
地模様がありますので
着物2枚着てるのと一緒ですよね。
長襦袢の上に、また着物を着るって感じになりますので暑いのと反りがあまり良くないです。
やっぱり長襦袢はちょっとツルっとした素材の方が着やすいってことがよくわかりました。
これは私の失敗例です。
みなさんもコレ教訓にしてください。
銀座いち利の女将ちゃんねる
銀座いち利の女将、『みたざき要子』が主役のYouTubeです。
着物に関する様々な知恵や技術、面白いネタを提供いたします!
銀座いち利とは、「産地に着る人の思いをつなぐ」をコンセプトに、2008年銀座柳通りに産声を上げました。
専任のバイヤーが産地工房で直接買い付けた着物をご紹介するという
独自のスタイルへのこだわり。
それは、日々の暮らしの中で着物を楽しむ方に、「本物」をお届けしたいという、
いち利の願いです。
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