暑さも和らぎ、秋の気配も感じられるようになってきましたね。夏着物の季節も終わり、単衣から袷と着物シーズン本番に向かうこの時期にワードローブの見直しなどはいかがでしょうか。
お客様からよくご相談を受けるのが、お母様やお祖母様の譲られ着物を着たいけどどうしたらよいかというものです。思い出深い大切な着物は、ぜひ袖を通して活かしていただきたいと思います。
そのためには、お手入れや寸法直しが必要な場合があります。
その他にも着物を着ていると、着物を譲っていただくことがありますし、リユースで入手する着物も、どなたかがお召しになったものの譲られ着物と言えなくもないですよね。中には寸法ピッタリのものもあるかもしれませんが、自分の寸法とは合わないものが多いのではないでしょうか。
とはいえ、洋服の場合はサイズの違いや自分に合う合わないはすぐにわかりますが、着物の場合はなんだかよくわからないことも。寸法だけでなく、シミや汚れなどがある場合もあります。どうしたらいいの、と途方にくれてしまいますよね。
色や柄が好き、手触りが好き、など気に入っていて着たいと思うものであれば、綺麗に洗い張りをしてお仕立て直しでマイサイズにするのが理想ですが、最低限でもいいので寸法直しなどのお手入れをすると着やすくなります。
「裄」「身幅」「袖丈」「身丈」など、縫い込みに余裕があれば直すことができます。一部を直せば大丈夫であれば、仕立て直すよりもずっとリーズナブルにできます。また、寸法や汚れの位置などで着用は無理な場合でも、羽織や帯にリメイクすることもできます。
昔は呉服屋さんや悉皆やさんが身近にありましたし、身近に相談する人もたくさんいましたけれど、今はそれがありません。それに着物のことは、最初はよくわからなくて当たり前なんです。
10月に恒例のイベント、銀座いち利「キモノEXPO 2024」では、寸法のことは和裁士さん、汚れやシミ抜きなどのお手入れは悉皆やさんと、プロがその場で着物を見てアドバイスや見積もりを出してくださる相談コーナーがございます。
お母様の着物や若い頃の着物なども、そのまま着られるのか、お手入れしたほうがいいのか‥‥。解決方法と費用がわかると安心ですよね。なかなかない機会ですので、ご相談されてみてはいかがでしょうか。
着物はお手入れをすれば、長く着られるもの。ぜひお手持ちの着物を活かしていただければと思います。