暑い日が続きますが、夏こそ着物とおっしゃる方もいるように、着物姿の女性を見ると涼風が吹くような心地がしますね。太陽が照りつけていても、日傘をさしていらしたりすると本当に涼やかに見えます。
昔から「夜目遠目笠の内」という言葉もある通り、ぼんやりと見えたり少ししか見えなかったりすると想像が掻き立てられるものです。傘をさして顔がはっきり見えないと、さぞかし美しいのではと思ってしまいます。また、傘をさす所作も上品に感じられて、素敵ですよね。
見た目の涼やかさだけでなく、日傘で太陽の光を遮るのは体感的にもとても涼しくなるものです。また、紫外線予防という効果があります。お肌や大切な着物を守ってくれるのです。
昔は日傘をさすのは着物の人か年配の女性かという感じでしたが、紫外線や熱中症防止のために今は小学生や中学生、男性も使っていらっしゃいます。
傘をさすというのは日本の文化のひとつでもあるようです。今はインバウンドで銀座も外国の方が多いのですが、少し雨が降ってきても傘をさすのは日本人だけ。海外の人はフードをかぶって歩いていらっしゃいます。傘が大好きというのは、お国柄もあるのかもしれません。
いろいろな日傘がありますが、着物の生地をリメイクしたものもあります。絹には紫外線をカットする効果があるそうです。麻の約2倍、綿の1・3倍とも言われ、日傘にしてもUVカット効果が期待できます。
今は素敵な晴雨兼用の折りたたみの傘も多いですけれど、絹布の長傘は印象も柔らかく着物にもあいます。持ち手も竹や木製のおしゃれなもの、房がついたものなどうっとりするようなものもあります。憧れますよね。
ひとつ欠点としては、忘れやすいこと。私も何度も忘れてしまったことがあります。本当に日傘って、置き忘れてしまうのはどうしてでしょう。忘れたくなくて、大事にしすぎて仕舞っておいて忘れてしまったり……。雨傘は外に出たら雨が降っているから思い出すけれど、日傘は家に帰ってから、あら、ないわ!なんて気がつくことも。どこにおいたか覚えがないなんてこともあり、大事な傘ほど、忘れてしまうのが不思議です。
でもやはり、日傘をさした着物姿は素敵です。残暑も厳しいですけれど、涼やかな着姿でおでかけしたいものです。
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銀座いち利本店で開店以来女将をつとめております、みたざき要子です。きもの歴50年を越え、ますますきものに愛着がわくこの頃です。私たちの娘時代には、母や祖母にぱっと聞けたようなことなのですが… そんな想いから、毎日のきもの暮らしの中で気づいたこと、ご質問いただいたことなどを季節のうつろいに合わせてお話できたらと、このコーナーを始めさせていただきました。いつものように、脱線いっぱいのとりとめないおしゃべりですが、月に一度、少しのお時間お付き合いくださいませ。
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