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2024年1月掲載所作も大切。着物を汚さない工夫


新年あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。松の内も過ぎましたが、1月中はお正月。晴れ着を楽しむチャンスですね。

いつもよりちょっとおめかしして出かけると、心が浮き立ちます。でもお食事をしたり手を洗ったりするときに、汚れをつけてしまったりするとちょっと凹んでしまいますよね。今回は着物を汚さずに1日気分よく過ごせるよう、私が気をつけていることをお話ししますね。

まずは着物を着る前に、手を洗うこと。着る時に手の汚れが着物につかないようにするためです。袖口に皮脂がつかないように手首まで洗うといいですよ。

着物を着てからも、手を洗うことは多いですよね。水はねに十分注意をして手を洗うことが大切です。

以前は帰宅したら着物を脱いで手を洗っていたのですが、コロナで「外から帰ったらまず手洗いうがい」で、すぐに手を洗うようになりました。私は家の洗面所で手を洗うときは、洗面台の蛇口と自分の間にタオルを置いて、万が一にも着物に水はねしないようにしています。

実はこのタオルガードをする前は、右側の袖内に水はねのシミを作っていたんです。動きのクセがあるんでしょうね、いつもはねるところが決まっていました(笑)。今はしっかり防止しています。

それから、食事のとき。これは私も仲のいいお友達とのお食事や事務所でごはんを食べたりするときには、首から手ぬぐいエプロンをかけていますけれど、正式な場ではナプキンは帯までなんですってね。そう聞いてからは結婚式や修了式などフォーマルなときは、そのスタイルです。お写真に残ることもありますし、首からナプキンをしているのはあまりいい絵柄ではないですよね(笑)。なるべくこぼさないように気をつけるようにしています。

ただ自分では気をつけていても、外的要因でのトラブルは避けられなかったりします。一度ね、他の方がドレッシングをこぼしたときは、ドレッシングが弧を描いて飛んでくるのが見えましたね。ああいうときって、スローモーションみたいに感じませんか? だからって避けることはできなかったんですけども。

あとはレストランでボーイさんに水をかけられたこととかも。そのときは、ガード加工をしている着物だったので、家に帰ってみたらなんともなっていなかったんですよ。撥水加工も大切だなと思いましたね。

いずれにしても、どれくらいカバーをするかは食事内容や場の雰囲気にもよるでしょうし、ご自分で判断されてくださいね。

そしてもうひとつ、着物を汚さないポイントは「所作」。よくお教室の生徒さんにもお話するんですが、日本の所作って「正面を向く」という特徴があります。例えば剣道など、必ず相手に対して正対、つまり正面で打ち込みますよね。横を向いて片手だけで打ち込んだりはしません。それとおなじで、着物を着ているときは、なにかをするとき必ず体をそちらに向けて正面で行うことを心がけています。

お話しするとき、横の人に話しかけるのでも首だけ横を向けるのではなく、体もそちらに向くようにすると、丁寧ですし、衿を汚すことがありません。ファンデーションや汗染みがつかないんです。私も、この動作を心がけるようにしてからはほとんど衿を汚さなくなりました。

首の汚れといえば、電車でうとうとしてしまうとき、下を向くとやはり衿が汚れます。眠ってしまいそうなとき、小さなハンカチを挟むと汚れが防止できますよ。

洋服のときとはちょっと意識を切り替えて、汚さない工夫で今年も楽しい着物ライフを送ってくださいね。