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2023年12月掲載クリスマスにお正月、年末年始のコーディネート


気が付くと、今年もあとわずか。年々時間が過ぎるのが早くなっている気がします。年末年始は慌ただしいけれど、クリスマスやお正月などおでかけの機会も多いですから、着物のたのしみどきでもありますね。

いつもは紬の普段着で、という方もこのシーズンは忘年会や新年会などもありますし、ちょっとお洒落をするわという方も多いのではないでしょうか。

クリスマスは、洋の雰囲気を着物に取り入れたりするのが楽しいですね。クリスマスを題材にした柄の帯や帯留めもこの時期にしかできないお洒落です。柄ではなくても赤や緑などの色を差し色に使ってクリスマスっぽいコーディネートにしたり、さりげなく取り入れるのもおすすめです。

私は、12月はクリスマスモチーフや雪の結晶などの刺繍半衿で楽しみます。ワンポイントでも、その季節のものを身につけるお洒落は、心がウキウキしてよいものですよね。

そしてお正月。昔はお正月といえば着物、というのが風物詩。新年を迎えるにあたって新しい着物や、お下がりでも初めて袖を通すものなど、少し改まった装いをしたものです。大晦日といえば、女性がお正月の和髪を結うために美容院が徹夜で営業したりしたものですが、今はしっかり美容院もお休みですものね。

お正月だから晴れ着で、ということも減ってきましたね。お正月のテレビ番組などでも振袖をみることが減ってきて、少し寂しいです。それも時代なんでしょうね。

それでもやはり、お正月になると柔らか物が着たくなります。カジュアルな装いもいいけれど、なんとなく古典柄の着物や帯を身につけたくなりますね。松竹梅なんかのおめでたい柄はこの時期目がいきます。

もともと松竹梅は、中国ではそんなにおめでたい柄というわけではなく、日本でおめでたいものとして親しまれるようになったんだそうです。

松は常緑樹ですから、寒い中でも緑を保つ常盤の松という言葉もある通り永久に続くものの象徴。竹は真っ直ぐに伸びるものですし、梅は百花の魁(さきがけ)ともいわれ、全ての花の中で一番先に咲く花として縁起がよいとされています。

図案化されている柄であればお正月はもちろん1年中着られますし、そういった「おめでたい柄」の由来を知っておけば、お祝いの席などに着物の柄で自分なりに気持ちを表すこともできますね。

また、私はお正月は松の名古屋帯を毎年するのですが、身につけるたびに「今年も無事お正月を迎えられたな」という気持ちになります。また、気づいた方に「お正月らしいですね」なんて声をかけていただけると、嬉しいものです。

年に一、二度だけしか身につけないそんな贅沢なその時期だけのお洒落は、着物の醍醐味のひとつかもしれませんね。慌ただしい時期ですけれど、ぜひそんなお洒落も楽しんでくださいね。