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2023年10月掲載自分でできるお手入れとプロに頼むお手入れ


10月になってもまだまだ単衣が手放せそうにないですが、いよいよ衣替えの季節になりましたね。

もう済ませた方も多いかとは思いますが、夏のものや浴衣などは汗をかいていますから、きちんとお手入れして仕舞いたいですね。汗は水溶性の汚れですからドライクリーニングでは落ちないので、水洗いできるものはご自宅でお手入れをされるとよいと思います。

手洗いもしくは、ネットに入れて洗濯機のおしゃれ着洗いのコースなどでお手入れをするのですが、自分で洗う場合は自己責任となります。自分でお手入れした場合は、アイロンを使うときには「きせ」に気をつけてください。

また小千谷縮などを自分で洗った場合は、ふわっと膨らんでしまったりします。押しをかけたりして落ち着かせるのですが、こちらはアイロンを使ってしまうとせっかくの「シボ」がとれてしまうのでNGです。時には失敗してしまうこともありますから、大切なものはやはりプロに任せるのが安心。

例えばブランドものの洋服などでも、自宅で洗えてもドライクリーニングに出したりすることもありますよね。やはり仕上がりが違いますから、大切なものはお手入れに出して、自分で洗ってもよいなと思うものは自分で、というような考え方をしてみるとわかりやすいかもしれません。

私はよく「新しくてよそ行きのおしゃれ着にするうちは、プロのお手入れに出したほうがいいわよ」とお伝えしています。浴衣でも、きちんとプレスがかかりますし仕上がりがやはりしゃきっとしますし、長持ちもします。

またちゃんと洗える仕様になっていればいいのですが、時々「洗える素材なのに、洗えない仕立て」のものも見かけることもあります。例えば、麻である小千谷縮に絹の居敷当てがついていたり、撥水加工がかけてあったりするものも‥‥。よいものだから、とされた加工かもしれませんが、そういったものは自分で手入れはできないので気を付けてくださいね。

自分でお手入れをしようと思うなら、仕立ての段階から「自分で洗って手入れをします」と伝えておくのもひとつの方法です。呉服屋さんをある程度は信用していただければと思いますが、ユーザー側もそういった知識があるとトラブルが防げます。

自分でお手入れをするって、結構大変だし難しいもの。私もたくさん失敗をしてお勉強をしました。しょっちゅう着る方はそれでも自分で手入れができるようになっていったほうがいいかもしれませんが、たまに着るという方ならやはりプロに任せたほうが安心です。

お手入れも安くなるキャンペーンなどがありますから、そういったものをうまく利用して活用なさってみてください。

それでも自分で手入れをしたい!という場合も、もちろんありです。大切な着物を、きちんとお手入れして長く楽しみましょう。