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2023年9月掲載帯が決まる!「前結び」のいいところ


皆様、お太鼓の帯結びは後結びでしょうか、前結びでしょうか? 私は最初は後ろで結んでいましたが、五十肩、六十肩などになってだんだん腕が後ろで上がらなくなったりして、今ではほとんど前結びです。

手が楽だといういいところの他に、前結びのこれが最高!と思うところは『二重太鼓が完璧に決まる』ということです。フォーマルな袋帯は必ず柄がお太鼓とたれでピタッと合うように作られています。それがバシッと繋がったときの気持ちよさ。多少ずれていてもおかしくはないのですが、柄が合うとワンランクアップしたような気持ちがします。それが前結びだと、見ながらできるので簡単なんです。

名古屋帯も柄を見せたいところを出せる、お太鼓を好きな形に作れる、といいところがいっぱいあります。

前結びをはじめてからもう18年くらいになりますでしょうか? 当時は前結びをしている人は少なかったですから、自分なりに工夫してやりやすい仕組みや、綺麗に結べる方法を研究しました。

今はYoutubeなどがあって、いろんな方のいろんなやり方を見ることができますが、その頃は情報もなかったのでいろいろと試行錯誤しましたね。

後ろで結ぶのは慣れているのでいいのですが、手があがらなくなって帯枕を左右同じ高さにあげるのが大変だったり、うまく柄を合わせられなかったり。そんな問題を解決できる方法を探しました。帯枕を長いものに変えたり、お道具の工夫もひとつですし、結び方を考えてみるということもありだと思ったわけです。

帯結びの悩みとして、枕が落ちやすいということをよく聞きますが、それを土台を作って落ちにくくしたり、日々改良して今の結び方に至ります。でも、これが完成形というわけでもなく、自分がやりやすい方法を探って変化させていくということは、着付けも帯結びも同じです。

前結びは緩みやすい、というのも言われることですが、それも自分なりに研究を重ねてしっかり絞めて固定したり。あとよく言われるのは、帯板が暑くないですか?ということでしょうか? 私は気になりませんけれど、それもご自分の快適なほうを選ばれたらよいかと思います。

最初はね、やはり後ろ結びを覚えたほうがいいとは思いますね。筋肉を使いますし、手早く結べるのは後ろ結びのほうです。どちらでもいいのですけれど、両方いっぺんには混乱しますから、順番に覚えた方がよいかと思います。仕組みがわかると、どちらでも応用しやすいですからね。

私の前結びのやり方はYoutubeでもご紹介していますのでよかったら見てくださいね。

【女将解説】丁寧にゆっくり実演◎前結びで袋帯 【前結び】誰でも簡単!楽々!女将流前結び-名古屋帯編