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2023年4月掲載百年持つ。憧れの桐箪笥のおはなし


衣替えの時期が近づいて、箪笥の入れ替えが気になる季節ですね。皆様は着物をどのように収納していらっしゃるでしょうか?

私は、桐の箪笥を愛用しています。私がお嫁入りしたころは、婚礼箪笥3点セットといって、整理箪笥、洋服箪笥、和箪笥を持っていったものです。それを今も大切に使っています。

桐は成長が早く、軽く、丈夫で防湿性に優れている木材です。昔は娘が生まれたら桐を植えて、嫁入りする時にはそれを切ってタンスを作るなんて言われていたものです。

今でこそ毎日着物を着ていますが、子育てで大変だった頃は着物どころではなく、十年以上桐箪笥に触らなかった時代もあります。久しぶりに開ける時は、虫とかがついていたらどうしようかとドキドキしたものですが、中身はシミひとつつくことなく無事でした。

よく吸湿性と間違えてしまうのですが、桐は防湿性が強いということで、箪笥の外の湿気を中には通さない代わりに、中の湿気や水分も外に出さないのだそうです。湿度がある状態で収納するのはよくないから、十分に乾燥させた状態で仕舞うことが大切です。吸湿剤を使う場合は、水が溜まるような形式のもではなく、除湿シートのようなものがよいでしょう。

そして、その密閉性と防湿性のおかげで私の着物も無事だったというわけです。また実際に私のお知り合いで、東日本大震災のときに桐箪笥の中身は無事だったということがあったそうで、驚きました。

中には、お祖母様やお母様の桐箪笥を譲られたという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

きものエキスポなどでも、桐箪笥の職人さんのお話を聞く機会があったりしますけれども、表面の色が変わったり汚れたりしてきたら、「洗い」と言って一度水で洗った後に表面を削って砥の粉を塗り直し、新品のように美しくすることもできます。また、汚れが目立たない焼き桐加工も人気ですね。

また最近は、観音扉の中が盆ではなくて板になっているようなものもあります。昔の和箪笥は引き出しが深くて、下のほうの着物を取り出すのが大変なのですが、板になっていたり、また引き出しも浅いものは取り出しやすくて便利で憧れます。自分の欲しい箪笥をオーダーできたら、いいですよね。

着物を収納しておくには、一番頼れる味方ではないでしょうか。

なかなか手がでるお値段ではありませんが、着物好きならやはり、桐の箪笥には憧れがあると思います。


防湿性に優れているとはいえ、桐箪笥の置く場所も湿気が少ないほうがよいと言われています。我が家では、2階の窓から離れてエアコンの風が直接あたらなくて一番いい場所に置いています。あとは、壁からも10~15センチくらい離すとよいと箪笥屋さんに教わってそうしています。

余談ですけれど、先日は鬼ごっこを孫としていたら、その隙間に入ってしまってびっくりしてしまったことがありました。家具を壁から離して置くのは最初はえっと思いましたが、湿気がたまらず掃除もしやすいのでおすすめです。

桐は木目(年輪)が細かいほど光沢や艶が出て美しく、上質なのだそう。引き出しを締めるとふわっと他の引き出しが押し出される感覚は他の箪笥にはないものですよね。

着物の収納に向いていて、永く使える桐箪笥。古くなってきたら、「洗い」で新品のように生まれ変わることもできて、受け継いで使うことができるもの。まさに着物のようにサステイナブルな日本の文化を感じます。

高価なものですが、親から子へ、子から孫へと三代百年持つと言われるくらい丈夫なもの。今も昔も着物の収納として憧れの桐箪笥についてのお話でした。