夏の着物は、少しでも涼しく着たいものですよね。でも、体を覆う面積が大きい着物は、どうしても暑いと感じますし、汗もかきます。毎年この季節の話題といえば、涼しくする工夫と汗対策。絹の着物を守るためにも、夏といえども肌着をきちんと着ることをいつもおすすめしています。
人間は1日0.9リットルの汗をかくそうです。汗をかいていないと思っても、かいているものなんだそう。上半身で汗をあまりかかない人は、下半身でその分汗をかいているというように、汗をかく量はかわらないものだそうです。
脇の下のまっすぐ下、帯の上線のちょっと上あたりにある「大包」というツボを2、3分ぐーっと押さえると、バストより上の汗が止まると言われています。よくサラシで締める、とか役者さんや舞妓さんが高い位置で帯をぐっと締めることでお顔の汗をとめる、なんていうお話も聞いたことがあるのではないでしょうか。
でも結局、その分帯から下の部分で汗をかいてしまうものだそう。汗を無理に止めるのは健康にも悪いですから、やはりしっかりと汗を吸ってくれる肌着を身につけるのが一番よい方法だと思っています。
それに汗をかいたら、吸ってくれる肌着を着ていたほうが体も快適なんですよね。
汗対策のある肌着はいろいろありますが、今回はステテコのお話をしてみたいと思います。
私が夏の着物を着る時欠かせないのが「ステテコ」です。もう履いているわ、という方も多いと思いますが、このお話をすると、えっ? あのおじさんが履いている『ステテコ』? と顔にハテナが浮かぶ方もまだまだいらっしゃいます。私も最初はそうでした。
暑いとき、裾除けだけだと足と足の間に汗をかいて股ずれを起こしてしまった経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。ちょっとふくよかになってくると、そんなお悩みも出てくるのではと思います。
腿のところで汗をかくと不快な気持ちになってしまいますし、歩いていても歩きづらいし、着物を着ること自体が嫌になりそうになりそうだったときに「ステテコを履くといいよ」というお話を聞いたのです。
もう15年くらい前のお話かしら‥‥当時はあまり和装用、女性用でステテコも売っていなかったので、主人のステテコをこわごわ履いてみたんです(笑)
でも、男性用のものは股上が深いので、女性が履くと足の一番カバーしたい腿の付け根部分に生地がこないんですよね。他のものもいろいろためしてみたんですが、やっぱりだめかなと思っていたところで、たかはしきもの工房のローライズすててこに出会ったんです。
女性の体型にもあっていますし、股にマチがあることで、ちょうどカバーしたい部分にフィットします。腿の付け根の部分がきちんと守られるようになっているんですよね。そしてローライズなのであげおろしもしやすいということで、以来愛用をしています。
今はステテコもいろんなものが出ていて、ユニクロでも洋装用のものがなども出ていますが、この足の付け根のところをきちんとカバーしてくれるものはなかなかないのです。皮膚が直接触れ合わないものが、おすすめです。
とにかく足の間に布があると、汗を吸ってくれるだけでなく、自分の体温の暑さも感じないし、着ていないよりも断然涼しく感じるのです。これは履いてみないとわからないかもしれませんね。洋服でもロングスカートやワイドパンツの下に履という方もいます。
冬は冬で履いていれば暖かいですし、また暖房で汗をかいても安心。そんなわけで一年中ステテコは愛用しています。この快適さはぜひ一度体験していただきたいですね。私とおなじように、ステテコを愛用している方が多いのもご納得いただけるかと思います。
夏着物を少しでも快適に着るための、おすすめアイテム「ステテコ」のご紹介でした。
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