2020年12月掲載きれいな着こなしは
肌着選びから


着付け教室にいらっしゃる方は、キレイな着物の着方が知りたいと皆さんおっしゃいます。ざっくりと日常に着ていた昔と違って、今は雑誌のモデルさんのようにきちっと美しく着たいと思われる方が多いですね。

でも実は、着物の着つけ方だけでは美しくは着られないのです。いくら着物をきれいに着ようと思っても、肌着の着方がきちんとできてないと難しいものなんですね。土台がぐずぐずだと、上から上手には着られません。

逆に言うと、土台である肌着、そして長襦袢がご自分にあったものをきちんと着られていると、上の着物はそれに貼り付けるように、沿わせて着るだけでキレイに着られるものなのです。

だから、どうも着物が上手く着られないなあという方は、一度肌着から見直してみてはいかがでしょうか。

肌着は、箪笥の中にあるものや初心者セットで購入したものを、そのままお使いになっている方も多いと思います。着物はすばらしいもの、高価なものがたくさん作られてきましたけれど、肌着はずっと変わらずにきたような気がいたします。でも、最近はその肌着に着目するメーカーさんも増えて、現代の体型や生活にあった、着やすいものが増えています。

肌着は体に一番近いもの。お肌に直接触れるものですから、それこそご自分にあったものを選んでいただきたいのです。素材や触り心地のお好みも様々ですし、肌が弱い方もいらっしゃると思います。和装の肌着は、紐や帯で上からぐっと押さえられて、洋服の肌着以上に体に密着するもの。だから、ご自分が一番快適に着られる素材や機能の肌着を選んでください。

私はコットンや麻などの天然素材を好んでいますが、新素材や機能性の高いものが快適でお好みの方もいます。ここは人それぞれですので、自分にあったものを探してくださいね。

また洋服でも、いいブラジャーをつけると体のシルエットが変わりますよね。和装もそれと同じで、和装用のものを使うとより着物が着やすいシルエットを作ってくれます。よく、スポーツブラやノーブラでいいですかと聞かれますが、キレイに着ようと思うと、胸高鳩胸にすることが大切。ご自分にあった和装ブラをつけなければなかなか理想の形にはならないのです。

ヒップラインや腰回りも同じです。若いときはなにもしなくても平気だけれど、年齢とともに体の形も変わってきますし、だんだん重力にも逆らえなくなってきます。これも、裾除けの着方でずいぶんと変わります。

同じ肌着でも、付け方ひとつでまったく変わりますので、肌着のつけかた、着方は、見直していただきたいポイントです。

ブラジャーは、お胸をつぶすのではなく寄せて持ち上げて胸高鳩胸に。肌襦袢も胸を寄せながらピタっと着ましょう。ざくっと着てしまうとラインも崩れますし、体との間に空気がはいって、布が動いてシワができ、長襦袢や着物もそのシワが影響してうまく着られません。

裾除けは和装のコルセット。お肉をもちあげるようにぐっとひきしめて着ると体のラインが変わりますよ。先日着付け教室の生徒さんたちに、裾除けをぐっとひきあげてお肉を上に持ち上げるのよ!そうすると上にポヨンって移動するから!と言うと、ちょっと恥ずかしかったのか、そんな~っておっしゃってましたけど(笑)ポヨンポヨンは帯に隠れますし、お腹周りが本当にスッキリ変わりますから!

昔はサラシで体のラインを整えたりしていましたけれども、今はもっと楽に整えられるブラジャーなども出ていますので、そういったものを利用して、着物を着る土台を整えてください。ただ足りないところに補整を入れて寸胴にして、という土台の作り方ではなく、肌着の着方で体型を整えるのはとても大事なことなのです。太っている人はやせみえ効果もありますし、やせている方もラインが整うと着物が楽に着られます。 

着付け教室も、この肝心の肌着の付け方は教えてくれないところが多いように思います。恥ずかしいからでしょうか。だけど、体の形は本当に十人十色。この部分こそ、自分にあった肌着や付け方をぜひマスターしていただきたいと思います。

下に着るものだから見えないし、というのではなく、一番肌に近い大切なもの。ここが整えば自然とその上も整っていく。着物や長襦袢が、ご自分にサイズがあっていることが大事なように、肌着もマイサイズのものを正しい付け方でお使いになってくださいませ。着姿がランクアップすること間違いなしです。

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