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2018年11月掲載帯〆帯揚選びでお悩みの皆様へ!
コバヤシクミさん直伝「小物コーデの極意」


気づけば朝晩の空気はひんやりと、木々もだんだん色づいていつのまにか晩秋の気配です。袷の着物にしっとりしたコートや羽織が似つかわしく、帯〆帯揚を選ぶ手も自然とこっくりした色合いのものを選びますね。
これまでも季節ごとの色合わせを話題にしてまいりましたが、いつも悩んでしまうと皆様からお悩みの声が絶えないのがこの「小物コーデ」です。

「着物や帯の柄から1色をとる」といわれたり、私がよく実践しておりますのは「フォーマルは淡い色、カジュアルはビビッドな色」「季節ごとの光に合わせて春夏は透明感ある色、秋冬は深みのある色」などでしょうか。とはいえ、正解はこれというものでもなく、それぞれ好みがありますから余計に迷ってしまいます。自分の好みだって、けして不変ではありません。一年前の自分のコーデがなんだか急に色あせて見えたり…けれど、悩ましいぶん着物の醍醐味でもあるのが色合わせ。自信をもって楽しめたら素敵ですね。

今回は、9月末にいち利本店で行われた着物スタイリスト・コバヤシクミさんの講座からコーディネートのテクニックを、画像も交えてご紹介したいと思います。悩める皆様の助けになれば幸いです♪img01コバヤシクミさんは、「1万人をコーディネートした」といわれるほどの人気着物スタイリストさんです。雑誌「七緒」でも素敵なコーディネートがたびたび掲載されていますね。
「芸大で舞台美術を学び、着物の世界へ」と紹介されることが多いコバヤシさんですが、もう少しつっこんでお訊ねしましたら、もともとお母様、おばあ様が大の着物愛好家。お母様は邦楽のお稽古もなさっていて、コバヤシさんご自身も6歳のときに邦楽を習いはじめたそうです。昔から「お稽古ごとは6歳の6月6日に始めよ」といわれるとおりで、熱心なご様子が想像されますね。
自然と着物に親しむ少女時代の後芸大に進まれたコバヤシさんは、あるとき美術館で絵画展をご覧になっていて、「画家が絵で自分というものを表現するように、私は着物で自分を表現したい」という思いがこみ上げてこられたそうです。

そんなきっかけから着物の世界に飛び込んだコバヤシさん。そのコーディネートの特徴は、なんといっても圧倒的に豊富な配色バリエーションです。着物や帯にある色というセオリーにこだわらず、思いがけない挿し色なのに不思議としっくりくるのがコバヤシ流。たとえば茶色の着物でも「これは青みの茶色だから」と、ぱっと見だけでなく奥に潜むような色をすくい上げます。その豊かな色彩の世界は、今回の「いち利×七緒コラボ帯」でも存分に発揮されており、ご自身で描き上げた下絵にひとつひとつの柄の色をすべて指定されて、本当にこだわりのデザインになっています。
コバヤシさん好みは、どこか煙るように優しく、懐かしい色たち。今風のシンプルモダンな着物はもちろん、お母様やおばあ様のお着物に合わせてもすっとなじむ不思議な魅力があります。img02そしてもうひとつ、コバヤシさんらしいテクニックといえるのが「遠近法」です。
「コーディネートは絵画と同じ」とコバヤシさん。着物姿を絵のように遠近でとらえると、一番前が帯〆、それから順に帯、帯揚と遠くなっていく。絵画で近くのものは濃くはっきりと、遠くのものは薄くぼんやりと表現するように、帯〆を一番目に入るはっきりした色、帯揚をそれよりも淡い色にすると、バランス良くまとまるのだそうです。
私自身はふだん帯揚を利かせ色にすることが多いので、なるほどそういう見方もできるのかと、目からウロコ!でした。

では、講座でご披露いただいたコバヤシクミ流コーデをいくつかご紹介いたしましょう。img03実際にボディに着付けながらの実践アドバイスも。img04さらに、皆様から一番リクエストのあった「誰でもすぐできて、失敗しない小物コーデのコツ」もお訊きしてみました。その回答は、とってもシンプル!

その1、色の明度と彩度をそろえること
帯〆帯揚の色は合っているはずなのに、なんだか違和感を感じたら、明るさと鮮やかさがちぐはぐなのかもしれません。色のトーンを合わせるのがまとまって見えるコツです。

その2、コーディネートは必ず少し離れて見ること
周囲の方があなたをご覧になるときは、1~2mは離れているはず。離れると印象が変わることもありますから、適度な距離から全体を確認しましょう。

その3、お助け色は「柳色」と「藤色」
困ったときに便利といえばこの2色。補色同士ですから組み合わせても引き立ちます。どんな着物や帯にもなじみやすい上品なトーンで、帯〆、帯揚それぞれに用意したい万能カラー。

いかがでしょう。離れて見るということなら、今日からでもできそうですね!
コバヤシさんご自身は、コーディネートをマニュアル的に考えておられるわけではなく、研ぎ澄まされた感性の趣くまま、あくまで自然体なのです。迷える私たちにアドバイスを求められて、あえて言葉にするならこんな感じ…という控えめなお人柄が素敵でした。

大学で美術を学ばれただけでなく、日本の伝統文化にも造詣深いコバヤシさん。いち利の帯のデザインにも、有職故事や二十四節気がさりげなく盛り込まれています。私たちは、なんて勉強熱心な!と感心してしまいますが、ご本人はお勉強という意識はなく、ただ着物が好きだからとおっしゃいます。そうさせてしまうのも、奥深い着物の魅力なのでしょうね。
ほかにも、大きな柄と小さい柄、縞と丸の幾何学柄同士など、皆様が敬遠しがちな柄と柄の組み合わせ方をはじめ、着物ならではの楽しいお話は尽きることがありませんでした。
「白いキャンバスに絵を描くように、着物で自分を表現したい」とおっしゃるコバヤシさんのコーディネートはまさに100人100色。これからも素敵な着物コーデを見せていただけるのが楽しみですね。

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