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2018年8月掲載夏こそさっぱり♪着物を洗う
おうちで洗えるものあれこれ


毎日厳しい暑さが続きます。関東ではずいぶん梅雨明けが早く、さらに記録的な酷暑となりましたが、皆様夏バテしていらっしゃいませんか。いち利ではスタッフも生徒さんも、暑くてしんどいを通り越して、もう身体が着物で過ごすことに慣れてしまった…というと言いすぎかもしれませんが、おかげさまで元気に夏着物を満喫しております。

こちらは、いち利で撮影した夏着物姿。

しゃきっとした紗の着物に金魚の帯をコーディネート。img01白い長襦袢が透けて涼しげですね。img02こちらはカジュアルな小千谷縮と京紅型の麻帯です。img03長襦袢は麻や爽竹などさらっと涼感のある着心地で、お洗濯できるものを多くの方がお召しになっています。「ポリエステルよりずっと涼しい!」「汗をかいても洗えると思うとずいぶん気が楽ですね」と喜びのお声を耳にするのは嬉しいことです。
けれど一方で、気軽に洗えるからとお求めになったはずの阿波しじらの着物や麻の長襦袢を、「こわくてまだ洗っていないんです…」という方もちらほら…。

「手洗いが大変そう」
「干す場所がない」
「縮んだり型崩れしそう」
「アイロン掛けが面倒」
などなど皆様ご心配をされますが、綿や麻を洗うのはそんなに大変なことではないのに、もったいない!
せっかくですから、今回は「着物をおうちで洗う」ことについて、お話しいたしましょう。

まず、自宅で問題なく水洗いできるものは綿、麻、化繊類。これらの混紡もおおむね大丈夫です。綿は縮みやすい素材ですが、お仕立ての前にきちんと縮み防止の「水通し」加工をしておけば、かなり軽減することができます。

絹は、混紡も含めてまず洗えないものとお考えください。絹は水に弱いため濡れると縮みますし、縮むことで光沢や風合いが変わったり、擦れ傷が残ったりします。
絹の長襦袢を水洗いするという方もいらっしゃいますが、縮みや生地の変化を許容範囲ととるか、ダメになってしまったととるかは、人それぞれ。生地によって縮み方も同じではありません。もし洗ってみるときは、どうなっても惜しくないわ、くらいのものからお試しになるのが無難です。

以前、正絹の長襦袢を洗ってみたら、元の柄がなんだかわからないくらいぎゅっと縮み、寸法も変わってしまったことがあります。運悪く縮みやすい生地だったのでしょうね。
帯揚も洗ったことがありますが、こちらは縮んだことで逆に扱いやすくなって怪我の功名?でした。ただ、本来の光沢などは損なわれてしまいますから、通常の汚れはベンジンなどでお手入れするのが基本です。

さて、綿や麻をお洗濯する場合は、お洒落着用の中性洗剤を使います。丁寧に手洗いするには、たらいにはった水に洗剤をよく溶かし、本畳み、または袖畳みにした着物を漬けてやさしく押し洗いします。ごしごし揉む必要はありません。流水でよくすすぎ、脱水はごく軽く。畳んだままバスタオルで軽く挟むと簡単で、しわもほとんど残りません。


袖畳み①
両袖と脇線を合わせるimg04袖畳み②
袖を身頃の上に重ねるimg05袖畳み③身丈を3つに折る。
まず袖丈の長さに折ってから裾側をかぶせると、袖が内側にくるのでしわになりにくい。img06長すぎるときは、さらに身丈を半分に。身丈の畳み方は本畳みも同様です。img07今は洗濯機も本当に良くなっていますので、弱流水モードで洗っても大丈夫です。洗濯機で洗う場合は、畳んだ着物を必ずネットに入れてください。着物専用の洗濯ネットもあり、畳んだ状態をきれいにキープしながら洗える優れものです。
こちらはたかはしきもの工房さんの「せんたく姫」です。img08脱水はごく短時間、1分を越えないよう気をつけて。脱水なしで、手洗いと同じくバスタオルに挟んで水気を切ってもいいですね。

干すときは、手のしでしわを伸ばして陰干しにします。直射日光は変色や縮みにつながりますのでご注意を!
着物も長襦袢も、必ず袖をまっすぐ伸ばせる着物用ハンガーに掛けてください。肩までのハンガーですと、肩裄が伸びて寸法が変わってしまいます。着物ハンガーが無かったり、干すスペースが狭い場合は、畳んだまま身丈の半分くらいに折り、物干しなどにふわっと掛けてもよいのです。生地の重なりも、夏場なら問題なく乾くでしょう。

アイロンは、長襦袢なら袖口と振りにさっと掛けるだけでも大丈夫。着物には、アイロンによって風合いや独特のしぼなどが損なわれてしまう生地もあります。また、アイロンを勢いよく滑らせると、生地にテカリが付いて取れなくなってしまいます。アイロンで一番怖いのはこのテカリ。着物のアイロンは必ず当て布をして、上からそっとおさえるように掛けてください。

綿や麻の着物はそもそも普段着ですし、着ているうちにしわや伸びも出てくるものですから、あまりしわを気にしすぎても仕方ありません。目立つお顔のそばや袖などに注意するくらいで、むしろ「折れ線」をきちんと付けることに気を配りましょう。キセ(縫目の上に少しかぶっているところ)をとらないよう気をつけて、手のしをしながら正しく畳みます。以前にも申し上げましたが、肩山や脇線などあるべき場所の折れ線は、美しい着姿に欠かせないものです。
もし、一度着てすぐには洗わずにもう一度お召しになるときも、干したあと必ず一度畳んで折れ線を付けてから袖を通してください。折れ線の無いふわっとした綿の着物は、寝巻きのように見えてしまいますから。

いかがでしょう。洗うこと自体は洗濯機でもいいわけですし、それほど面倒ではないと思います。
昔は、家で着物の洗い張りまでしていましたから、着物を洗うのもさほど特別なことではありませんでした。けれど今は、浴衣であっても日常着とは違う感覚ですから、プロにお任せしたくなるのも無理のないことかもしれません。
ちなみに、「浴衣クリーニング」のお値段は、500円から5000円台までと実にさまざま。あまり安価な場合は、まず間違いなく水洗いでなくドライクリーニングでしょう。浴衣に付く汗や皮脂の汚れは、残念ながらドライクリーニングでは落ちません。また、着物の知識がない業者さんの場合は、アイロンや畳み方が今ひとつということもあるそうですから、お安すぎるところは避けて、専門店のお手入れを利用されることをおすすめいたします。

ともあれ、汗や埃をざぶざぶと洗い流し、さっぱり清潔にしてまた袖を通すのは、夏にこそ堪能できる着物の心地良さです。初心者さんは、まず麻や爽竹の長襦袢、綿の着物からお洗濯にトライしてみてくださいね。

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