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2018年7月掲載「プラス5分のゆとり」で
目指せ!夏の着物美人


7月、いよいよ盛夏のスタートです。6月までは、気温に合わせて先取りといいながら、「大丈夫かな…」と少しドキドキしながら麻や絽の着物、夏帯をお召しの方もいらしたかもしれません。これからは、衣替えのルール上OKなのはもちろん、気候に合った涼しい装いができますから、6月、9月よりもむしろ快適に着物をお召しいただけるのではないでしょうか。

とはいえ、やはり真夏の強烈な日差しや35度を越えるような猛暑は格別なもの。汗もたくさんかくし、着物を着るのも躊躇してしまう…というお声も聞こえてきそうですね。このコラムをご覧の皆様は、そんな中でも夏の着物に関心をお持ちになったり、なんとか少しでも楽に美しく、着物を傷めずに着る方法はないかしらとお考えのことと思います。
そこで今回は、夏着物をすっきり美しく着こなすコツについてご紹介いたしましょう。
といっても、このコラムも今年で3度めの夏。大事なポイントはこれまでのお話にも出ておりますが、おさらいをかねてお読みいただけますと幸いです。

その1、夏用の肌着や汗取りをきちんと着ける。
着物や帯を守ることはもちろん、肌の上を汗が流れて体感温度が上がるのを防ぎます。夏用の肌着は涼しいだけでなく、速乾性や抗菌防臭など機能性にも優れたものが出ています。中でもステテコは透け対策だけでなく、快適に過ごすために欠かせません。

その2、夏用の着付け小物を活用する。
麻やメッシュの伊達〆、帯枕、帯板など通気性の良い小物に替えると、ぐっと涼しくなります。冬でも暖房がききすぎて暑いことがありますから、夏に限らず一年中活用できますよ。

その3、着付けのとき汗をかかないように気をつける。
冷水で肘まで手を洗う、冷房をうんと強めにするなどこれまでもご紹介してまいりましたが、一日を美しい着姿で快適に過ごすには、とにかく最初が肝心です。

着付けと汗についてもう少し詳しくお話いたしましょう。
着付けはそれなりに体を動かしますから体温は上がり、冬でも汗ばむことがありますね。
さらに夏の着付けは、いつもより少し時間がかかります。汗取りに気を配るのも一手間ですし、薄くて透ける夏の生地は、着付けの加減や手の感覚がいつもとちょっと違うはず。特にふわっとやわらかい夏帯は、慣れた方でも結びにくいものです。上手くいかずに予定の時刻が迫ると、焦りとともに汗がどっと吹き出してきますね。

着付けのときに汗をかいてしまうと、私の経験上ですが、どういうわけだかその日一日とても汗かきになってしまうのです。これは本当に困りもので、どうして朝もっと落ち着いて仕度できなかったかしらと、汗をぬぐいながら後悔しきりです。

こんなことにならないよう、夏は準備に少なくとも5分、できれば10分のゆとりをもっておきたいところです。冷水で手と腕を清め冷やして心を落ち着け、冷房でお部屋を冷え冷えにしてから、一つ一つの動作もあわてずゆったりとできれば理想です。

汗がどっと出てしまったときの緊急対策には、小さな保冷剤が役立ちます。水分が付かないように包んで衣紋を抜いた首筋に当てると、驚くほどすっと汗が引いていきますよ。保冷剤は、私の夏のお出かけの必需品。ミニタオルや日傘などは皆様お持ちになると思いますが、ぜひ小さな保冷剤もバッグに忍ばせてみてください。

また、流れ落ちる汗が着物につかないよう、半衿を少し多めに出して着付けるのも夏の工夫です。耳の下あたりが衿と首の接点になりますから、通常はここで着物の衿と半衿を同じ高さに着付けるところを、半衿のほうが少しだけ出るように調整するのです。

さて、涼しげな着姿には、着物や長襦袢の素材選びもポイントのひとつ。涼感のあるものを選ぶと、体感温度はだいぶ変わってきます。正絹なら紗や夏大島などシャリ感や程よい張りがあるもの。麻や木綿でも、しぼのある縮やしじらなど。浴衣も平織りの生地でなく格子状に凹凸のある紅梅地などは、肌にぺたっと付かず、風が抜ける感じが心地良いと思います。

ただ、もし貴女が夏着物デビューで最初の1枚をお考えなら…私のおすすめは「飛び柄の絽の小紋」。これまでもずっと「夏物は絽の小紋から!」と申し上げてまいりましたが、本当に一枚あればちょっとしたパーティー、お呼ばれから街着までと万能なのですもの。プライスだって、麻の縮と手ごろな絽の小紋ではそんなに変わりません。
盛夏限定だと着る機会が無いかも?という方には、「透け感の少ない紋紗」はいかがでしょう。紋紗であれば単衣の時期もOKなので、絽よりも長い期間着用できるのが魅力です。これからの季節、暑ければ10月始めまで活用できますよ。

麻や木綿の着物は、涼しい、家庭で洗える、雨汗を気にしなくてすむ上にリーズナブル…といいことづくめ。まず一枚夏物を作ってみようかしらというときに、気軽にお手にとられるのももっともです。
けれど、麻や木綿の着物しかお持ちでないと、ちょっとしたお席には改めて絹の着物が必要になってしまいます。最近は万事カジュアル化して、着物を着ているだけで「ちゃんとしている」と見られる場合もありますが、TPOだけでなくしわや伸びの出やすい麻や木綿の性質も、よそゆき着としては気になるところ。

そこまでかしこまった場ではないから…というときも、麻や木綿の着物を外出着として着こなすには、部屋着に見えないようにぴしっと着付けるテクニックがポイントになります。生地の滑りが悪い木綿や麻は、背中や脇のしわ、おはしょりの始末など正絹のようにスッスッとはいきませんから、着付け初心者さんには、ちょっとハードルが高いかも…
リラックスした場面でふわっと楽に着るのもまた麻や木綿ならではの魅力ですが、そんな「こなれ感」が実は一番難しいのは、お洋服も着物も同じかもしれませんね。

夏着物は、生地の素材も多種多様で、その上TPOや着用時期、汗や雨のことまで考え合わせるのはなかなかに複雑です。着物を始めたばかりの方が戸惑ってしまったり、「夏は着物、やめておこうかな…」と心が折れそうになるのも無理のないことかもしれません。
けれど、ハマればとことんハマってしまうのが、夏着物の世界でもあります。
カジュアルなシーンでは気楽な麻や木綿をさらりとまとい、よそゆきでは透け感の美しさを楽しむ。鮮やかな配色や大きな柄、季節限定の文様など、冬ものではできない冒険もまた、夏の醍醐味といえるでしょう。「夏は着物を着ない」なんてもったいない!今年こそ、夏ならではの大胆なお洒落に、挑戦してみませんか?

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