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2015年7月掲載夏こそ着物!女将の夏物ワードローブ


じめじめと蒸し暑い日が続きますが、お変わりありませんか?
本格的な夏の到来を前に、7月1日からは完全に夏着物に衣替え。いち利のスタッフも皆身軽に、涼しげな装いになりました。

7月は絽、8月は紗と言われたりもしますが、最近は緩やかになり、絽も紗も盛夏を通じて着られます。
涼しげな小千谷縮や、プチプライスの阿波しじらも人気で、最近はお洋服のようにポップな色柄も増えていますね。

真夏に着物で出かけるって、どんなときでしょう。
礼装というのはあまりなさそうですね。結婚式などですと、会場では真夏でも袷の留袖、訪問着でOKですから。
浴衣はカジュアルすぎて、大人の女性が電車に乗って出かけるにはちょっと気が引けますね。
肩肘張らず、でもある程度はがんばって着物を着ようというくらいのよそゆき、という機会が一番多いのじゃないでしょうか。
こういうとき一番便利なのは、上品な飛び柄小紋の絽や、しゃきっとした紗。透けすぎない竪絽などもいいですね。
合わせる帯は八寸でも半幅でもいいのです。ちょっとしたいいところにも行けますよ。

麻や綿の着物は、ご自宅で洗えるという点では大変優れていますが、あくまで普段着ですから、お持ちの夏着物が綿一枚だけとなると、少し困る場合もありそうですね。

麻や綿の着物でお芝居やお食事に出かけたとしましょう。ずーっと座っていたあと、立ち上がると腰から下がヨレヨレ、シワシワになりますよね。
昔は、小千谷縮を着て出かけたら、ひとつ用事を済ませたあと一旦家に帰り、別のしゃきっとした着物に着替えてから次の行き先に向かったものです。または、家の中での着物。今でいうワンマイルウェアですね。

もちろん、現在は小千谷縮も阿波しじらも街着としてお召しいただけますけれど、本来はそういうものだったんだな、と頭の片隅に置いていただくと、TPOの判断がつきやすくなるかもしれません。

私が夏によく着ますのは、夏大島や夏結城です。
透け感が強くないので単衣の時期からずっと着られますし、水に強くお手入れが簡単です。色柄が豊富に選べて汚れが目立たないのも嬉しいところ。
夏物セールで見かけたら、お手に取ってみてくださいね。

最後に、夏着物を涼しげに見せる着付けのコツを。

とっても簡単。
「衿芯を薄めのものにする」
これだけ!すぐにできますでしょ。

さらに衣紋を抜き気味にすると、衿が肌に付かずすっきりしますので、ぐっと涼しげな見た目になります。
着物や長襦袢に首の汗が付きにくくなるという利点もありますよ。

夏は着物人口が減ってしまいますが、そのぶん街で着物姿の方は注目の的です。
暑さにめげず、「夏こそ着物」を楽しみましょう。